Shuffle more race plus 作:magnumheat
三年生になり、エーデルとロサが転校してから数日が経ち、稟たちは最終学年を意識しながらも楽しい毎日を過ごしていた。
だが、その一方で・・・・・、
桜「・・・・・。」
ストレリチア女学院で、桜は1人黄昏れていた。その心は、言わずもがな稟の事である。
桜「・・・・稟君。」
桜は中学時代、稟に告白をするものの、進学先はバーベナ学園ではなく、夢のためにこの学園を選んだのだ。
ぬいぐるみへの思い入れは並々ならぬものであることは確かで、稟達と過ごすことはそうないであろうことはわかっていた。
しかし、今年の春に稟や楓と再会し、また、多くの土見ラバーズ達とも知り合いになってからは、ぬいぐるみ作りに並行して、再び稟への思いを募らせていた。
桜「それにしても、シアちゃんを選んで、みんなと結婚かあ。稟君、相変わらずモテモテだなあ。」ハァ
桜は、どこかやりきれない気持ちで居続けたせいか、その日の授業に身が入らなかった。
放課後、普段平日はまっすぐ家に帰るのだが、何故か足が木漏れ日通りに向かう。
桜「なんでだろう、稟君に会えるから?」
木漏れ日通りでウロウロするも、稟の姿はない。いつもいるとは限らないとわかっていても、無性にここへと来てしまった。
トボトボ歩いていると、誰かにぶつかってしまった。
神王「おう、嬢ちゃん。大丈夫か?」
桜「あっ、ごめんなさい。あ、神王様。」
神王「ん?ああ、桜嬢ちゃんか。」
桜「この間はごちそうさまでした。」ぺこり
神王「いいってことよ、それより嬢ちゃん。なんか上の空だったみてえだが。」
桜「・・・少し、お話ししてもいいですか?」
神王「おう、俺でよければ相談にのるぜ!」
2人で喫茶フローラに入る。
神王「それで、相談ってのは何だ?」
桜「・・・・神王様は、奥さんが3人いらっしゃるんですよね。」
神王「おう、神界は一夫多妻制だからな。」
桜「率直にお伺いします。3人とも愛していますか?」
桜は思い切って踏み込んだ。
神王「おう、勿論だ。シアの母親は前魔王の娘だが、少なくとも俺は権力目的で選んだつもりはないぜ!勿論他の2人も、出会いこそ違うが、心の底から愛してる!!」
桜「凄いんですね、でも、誰が一番好きなのって、聞かれたりしないんですか?」
神王「結婚する前ならそう言った事もあったかも知れねえ。だが、今はみんなで愛し合っているからな。シアもキキョウも、女房達とうまくやってる。そもそも愛情確認なんてモンはしねえよ。人間界じゃ考えられねえかも知れねえが、俺は幸せだ!」
桜「・・・・・なるほど、深いです!!」
桜は少し驚きながらも、神王の答えに心惹かれるものを感じた。
神王「・・・・嬢ちゃんも、稟殿への想いが強いってことか。」
桜「へ?あ、えと、その。」
神王「わかるぜ、自分があの輪の中に入れるのか、あるいは一度引いたのに戻ってもいいのか、って感じに考えてんだろ?」
桜は全てお見通しである神王の眼差しを見て、
桜「はい、私も稟君が好きです。それこそ、楓ちゃんやシアちゃん、他のみんなにも負けないくらいに。でも私は、夢を選んだから。」
神王「なら、その夢を応援してもらうくらいの関係になりゃあいい。
俺も結婚したての頃は、神王の仕事が忙しくて女房達に苦労させたとは思った。だがな、そんな俺を女房達は応援してくれたんだ。今俺が幸せなのも、女房達のおかげだ!!」
桜「・・・・夢を、応援してくれる。」
神王「おう、だから、桜嬢ちゃんも、稟殿が次期神王になったら、そんときゃ、シア達と一緒に、稟殿を支えてやればいい。そうすりゃ、芙蓉の嬢ちゃんやシア達とも仲良くやっていけると俺は思うぜ!!」キラーン
桜はこれまでためていた心の淀みが消えていくのを感じた。そして、迷いを捨て去る事に。
桜「ありがとうございました!私も、頑張ります!!」
神王「おう、頑張りな!ここはいいからよ。」
桜はそのまま店を出て家に。
Side稟
稟「くーっ、今日も疲れたなあ。」
楓「今、夕飯の支度をしますね。」
その時、電話が鳴った。
プリムラ「私が出る。」
プリムラは受話器を取った。
プリムラ「はい、芙蓉です。」
桜「あっ、リムちゃん?私、桜。稟君いるかな?」
プリムラ「うん、かわる。お兄ちゃん、桜から電話。」
稟「桜から?わかった。おう、桜、元気か?」
桜「う、うん。稟君、明日の放課後って、空いてる?」
稟「明日、おう、空いてるぞ。」
桜「それじゃあ、放課後バーベナ学園の校門前にお願い。」
稟「ああ、わかった。(校門前か、何だろう。)」
そして翌日の放課後、
楓「桜ちゃん、急にどうしたんでしょうね」
稟「校門前ってのが気になるがな。」
樹「ふむ、よほど何か大きな物事の予感がするね。」
麻弓「その嗅覚だけは本物よね。」
シア・キキョウ・ネリネ・エーデル・ロサ「(・・・・もしかして。)」
プリムラ「あ、来た。」
校門には桜の姿が。
男子「おい、あの子ストレリチア女学院の子だろ。」
男子「すっげーお淑やかで可愛いじゃねえか!」
男子「俺、声掛けてみよっかな。」
男子「待て待て、ん?土見達が来たぞ。」
周りがざわつき始めた。
稟「よう桜、どうしたんだ?」
楓「桜ちゃん?」
桜「・・・・稟君、楓ちゃん、あの時私は夢を選んだって言ったよね。」
稟・楓「・・・・・。」
中学の卒業間近の頃を思い出す。
桜「でも、この間再会してから、ずっと稟君の事が忘れられなくて。」
土見ラバーズ「!!」
樹・麻弓「・・・まさか。」
桜「改めて、土見稟君、八重桜は、今でもあなたが好きです!!」
その瞬間、爆発が起きた。
稟以外「えええぇぇぇぇーっ!!」
男子「むぁた土見かよおぉぉ!!」
男子「ふざけんなよオラァ!!」
男子がうるさく騒ぐが、ネリネ・エーデル・ロサが攻撃魔法で沈めた。
稟「・・・あの時は返事ができなかったけど。」
桜「ううん、それはいいの。もし稟君やみんなが嫌じゃなければ、私も、稟君と一緒にいたい。」
稟「・・・・嫌なわけないだろう。」
楓「桜ちゃん、私達はずっと一緒ですよ。」
シア「大歓迎っす!!」
キキョウ「いい子がまた来たわね!!」
ネリネ「私も桜ちゃんのお友達です。」
プリムラ「お兄ちゃんが好きなら大丈夫。」
エーデル「勿論賛成です!」
ロサ「夢なら、あたし達も応援するわよ桜ちゃん!!」
桜「みんな、ありがとう!!」ブワァッ
桜は感極まって涙が溢れ出てきた。
そこに偶然、大学帰りの亜沙とカレハ、ツボミも出くわす。
亜沙「桜も仲間入りしたんだ!!稟ちゃんやるじゃない!このこのっ!!」背中バシバシ
稟「いででっ、あ、亜沙先輩!?カレハ先輩にツボミちゃんまで!」
桜「い、いつからそこに!?」
カレハ「桜さんが告白した瞬間からですわ、まあまあまあ!!」ポワーン
ツボミ「将来子供がどれだけ増えるんでしょう、きゃきゃきゃあ!!」キラキラーン
稟「ダメだ、完全に舞い上がってる。っておい!!後半とんでもねえ事言わなかったか!?」
土見ラバーズ「こ、子供・・・・・/////」カァァァ、プシュゥゥゥ。
樹「・・・・稟、地獄に堕ちろ。」ボソッ
麻弓「これは校内新聞の記事にさせてもらうのですよ〜。」ニヤニヤ
後日新聞には、『ストレリチア女学院生の極上美少女、土見ラバーズ入り!!』という見出しで出された。その時は流石に警備隊の着任がいかにありがたかったかを稟は痛感した。
紅女史「・・・・つっちー、もはやなんでもありだな。」
マグオート「また義妹が増えたな、撫子。」
紅女史「こりゃあ将来同居せざるを得ないな、マグ。」
こちらのパワフルカップルもすっかり仲睦まじくなっていた。