Shuffle more race plus   作:magnumheat

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好きだからこそ、役に立ちたい。

とある休日、今日も芙蓉邸では3人の家族が和やかに朝食をとっていた。時々3人でどこかに行く事もあるが、今日はいつもとは違っていた。

 

プリムラ「行ってきます。」

 

稟「おう、しっかり楽しんでこいよ。」

 

楓「気をつけてくださいね。」

 

今日はプリムラが、初めて自分で時間を決めて過ごす日だ。その内容は、桜とエーデルの3人でぬいぐるみ専門店に行くというもの。

桜曰く、獣族のエーデルはともかく、プリムラはぬいぐるみの所有者としての意見の参考に必要だという事らしい。

 

稟「ま、自分で決めて過ごすのも必要だな。」

 

楓「リムちゃん、大丈夫でしょうか?」

 

楓はまだ心配なようだが。

 

稟「『かわいい子には旅をさせよ』って言うだろ。それに、しっかり者の桜とエーデルが一緒なら問題ないさ。」

 

楓「そうですね。(稟君は大らかですね、私ももう少しそうであれば。)」

 

楓は心配性なところがある。

 

稟「そういや楓、実は伝えておきたいことがあってな。」

 

楓「?どうしたんですか。」

 

稟はおもむろに立って、台所に行き、何を始めるかと思いきや、ナイフでリンゴの皮をむき始めた。

 

楓「り、稟君!?何してるんですか?リンゴが食べたいなら言ってくれれば!」

 

稟「落ち着け、楓。まだ話の途中だ。」

 

楓「で、でも。」

 

稟「とりあえずできたから、座ってくれ。」

 

楓「は、はい。」

 

いつもなら楓に押されるが、今回ばかりは強気な稟である。

 

稟「反対されるとは思ったが、実はこっそり家事スキルを魔王のおじさんに教わってたんだ。シアと暮らすことも考えたら必要だしな。」

 

楓「そ、そんな、稟君のお世話は、私の」

 

稟「生きがいだろ、そんな楓には感謝してる。だが、こうは思ってくれないのか?『一緒に家事をしてみたい』とは・・・。」

 

楓「そ、それは・・・・。」

 

稟「俺と2人で、あるいはプリムラと3人で、もっと言えば、他のみんなとも一緒にできれば、それもまた楽しい事だと俺は思う。楓は、俺と家事をするのは、嫌なのか?」

 

稟は哀愁のある表情を見せた。

 

楓「・・・・稟君、狡いです。そんな事を言われたら、反対なんて、できません。」

 

楓はむくれながらも、どこか嬉しそうでもあった。

 

稟「ずっと一緒なら、一緒に出来ること、沢山あっても良いだろ?日々感謝してるからこそ、俺も役に立ちたいんだ。」

 

稟はそう言って楓を抱きしめる。

 

楓「・・・はい、稟君、ありがとう。」

 

楓は過去の自分を許してもらってはいたが、尽くしすぎる程の所は、逆に稟を心配させていたのだと、この時は感じていた。

だが、お互いに助け合える事が増えたと思う事で、心の絆を深くできた嬉しさも込み上げてきた。

 

稟「出来る事が増えても、お前が必要なことには変わりないぜ、だから、安心してくれよ。」

 

楓「はい、稟君のお料理も、楽しみですね!!」ニッコリ

 

 

そして後日の昼休み

 

 

シア「ええっ!!稟君、おじさまに家事を教わってたの!?」

 

ネリネ「稟様、狡いです!!私だって、まだあまりできないのに!」

 

キキョウ「水臭いわね、言ってくれればシアもあたしも協力したのに。」

 

稟「まあまあ、落ち着いてくれ、ほら、これ俺が作ったものだ。」

 

稟が重箱を開けると、中には定番のおかずがずらりと。

 

麻弓「うわー、これホントに土見君が!?」

 

楓「はい、私もアドバイスはしましたが、ほとんど自分で作ったんですよ。今は本当に助かってます。」

 

プリムラ「お兄ちゃん、偉い。」なでなで

 

樹「ま、問題は味の方だけどね、一つ貰うよ。」

 

ロサ「ちょっと、何間髪入れずにつまんでんのよ!」

 

樹は卵焼きを口にする、すると、

 

樹「・・・・・。」

 

エーデル「緑葉様、どうなんですか?」

 

樹「・・・・悔しいけど、美味い。」

 

エーデル「ホントですか!?私も頂いて良いですか!?」

 

稟「おう、みんなも遠慮せずに。」

 

みんなこぞって稟の料理を食べる。

 

ツボミ「きゃきゃきゃあん!!美味しいですぅ!!」キラキラ

 

シア「ホントに美味しいっす!!」

 

ネリネ「稟様、私にも教えてもらえませんか?」

 

プリムラ「お兄ちゃん上出来。」

 

ロサ「稟、アンタやっぱ凄いわ!」

 

麻弓「にしても、まさか土見君がここまでになるなんて。

楓もよく家事スキル習得許可したわね。」

 

楓「はい、稟君、『俺と家事をしないか』って。あんなにカッコいい事言われたら・・・・。」ポワワァン

 

楓は顔を赤くしながらにっこりする。

 

 

シア「か、カエちゃん狡い!!私にも言って欲しいっす!!」

 

ネリネ「私も・・・・。」

 

エーデル「そんな素敵な台詞を言う稟様、ぜひ見てみたいですわ。」

 

ロサ「あたしも、稟のために家事もっと頑張っちゃお。置いてかれたくないし。」

 

プリムラ「私も、頑張る。」

 

ツボミ「きゃきゃきゃあ!!稟おにーさん、今度うちで私とお姉ちゃんにも是非その台詞を!!」

 

土見ラバーズからは桃色のオーラが。しかし一名、ドス黒いオーラを放つものが。

 

樹「・・・稟、家庭科の時間が楽しみだね。」

 

土見「刺すんなら死を覚悟しといた方がいいぞ。俺も獣界での修行で多少はやれるしな。」

 

樹「ぐっ・・・・。」

 

麻弓「でも土見君、ラバーズとの結婚が決まってから、なんか益々カッコよくなってきてるしね。」

 

土見ラバーズ一同「・・・・・。」ポー

 

頼りっぱなしの自分を変える、そんな稟の男らしさにラバーズ一同はメロメロになった。

 

そしてまた休日、

 

 

亜沙「稟ちゃん!!楓に言ったようにボクにも言ってみて!!」

 

カレハ「私にも是非!!」

 

桜「稟君、お願いね。」

 

稟「は、はい・・・(まさかここまでになるとはな。)」

 

ツボミ経由で伝わったのか、亜沙とカレハ、桜に呼び出された稟は、初めてみんなに作った弁当のおかず作りと、楓に放った決め台詞を強制される羽目に。(もちろん全ラバーズにも言ったが。)」

 

 

魔王「あっはっはっは!オリジナルの殺し文句だなんて、稟ちゃんも成長したねえ!」

 

稟「今回ばかりは本当にありがとうございました。」

 

魔王「ネリネちゃんにも是非色々教えてくれたまえ!!」

 

稟「勿論です。」

 

こうして、稟はまた一つ成長した。

 

 

 

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