Shuffle more race plus   作:magnumheat

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原因発覚

稟が獣族へと変貌を遂げた事で、学園内は稟の話で持ちきりになっていた。

 

時間は変わって、今は午後の授業の体育である。男女ともに運動場で陸上系の授業だが、この時も稟はいつもと違っていた。

 

樹「はぁ、はぁ、くそ、なんでいきなりグラウンド20周も。」

 

男子「つーか、土見その格好だからか、足速くね?」

 

男子「しかも全然バテてないし。」

 

稟「んー、そうだなぁ。」

 

50メートル走では、

 

教師「む、6秒8か、かなり速いぞ!」

 

握力に至っては、

 

握力計「計測不能」

 

いつもよりスピード、パワーが格段にアップしていた。

だが、奇抜な特徴はこれだけではなかった。

 

ある日、芙蓉邸で突然停電が起きる。

 

プリムラ「あっ、真っ暗になった!!」

 

楓「停電ですね、リムちゃん、こっちですよ。」

 

プリムラと楓は身を寄せ合う。だが稟がいない。

その時、暗闇から鋭く光る目が。動物にしては大きい方である。

 

楓「きゃっ!?だ、誰ですか!?」

 

プリムラ「っ!?」

 

稟「おい、俺だよ俺、稟だ。」

 

よく見ると、それは獣族モードの稟であった。

 

楓「り、稟君、目が光ってますね。」

 

プリムラ「お兄ちゃん見えるの?」

 

稟「ああ、はっきりとな。これなら停電しても大丈夫だ。」

 

楓「それは便利ですね。」

 

プリムラ「でもびっくりした。」

 

稟「ははっ、悪い悪い。」

 

暗闇でも魔力により目を光らせて周囲を確認することができるようだ。

 

 

翌日の放課後では、親睦会という名目で、みんなでフローラに行こうとしていたところ、何やら数名の男子達が数名行く手を阻む。

 

稟「・・・何だお前ら?」

 

男子「いやね、そこの生意気な水族の野郎に用があってだな。」

 

ハルス「お前らホント懲りないな。」

 

楓「どなたですか?」

 

麻弓「こないだツボミちゃんとミントちゃんに言い寄ってきた連中。」

 

キキョウ「確か、そのあとハルスにボコボコにされたんだって。」

 

ロサ「そうなのハルス、だったらあたしも加勢すべきだったわね。」

 

ハルス「姉さんに迷惑かけるわけにはな。」

 

男子「シャロン、てめえ、ちょっと強いからって調子に乗んなよ!!」

 

シア「むっ、ハルス君にやられたのは、そっちの責任でしょ!」

 

ネリネ「稟様と私達の弟への侮辱は許しません!」

 

エーデル「私も同感です!」

 

稟「お、落ち着けみんな!!」

 

稟は諭すが、男子の矛先がハルスから稟に変わる。

 

男子「土見先輩よお、行ってみりゃ、全部アンタのせいだろ!俺らの恋愛事情が乏しいのはよぉ!!」

 

男子「どうしてくれんだ、コラ!?」

 

ネリネ・エーデル・ロサ「貴方達(アンタらねえ)!!」

 

3人は魔法を放とうとすると、

 

稟「・・・・じゃあ、こうしてやるよ!!」

 

稟は思い切り拳を突き出した。その瞬間・・・・、

 

男子「へぶうっ!?」

 

男子達は勢いよく吹き飛ばされた。それも一撃で全員を。その訳は・・・・、

 

稟「うぉ!?なんだこれは!!」

 

稟はただまっすぐ右拳を突き出しただけなのだが、その瞬間に右腕が伸び、全員を巻き込むほどのパンチが炸裂した。

 

ミント「り、稟さんの腕が、ビヨーンって!!」

 

ハルス「ああ、伸びたぞ!!」

 

ラバーズ一同「!?!?」

 

麻弓「嘘、これはちょっと、信じられない光景なのですよ!」

 

樹「稟、すごいじゃないか、今なら親衛隊も倒せるんじゃないか?」

 

エーデル「獣界でもこのような技は見られないですわ!!」

 

 

所変わって喫茶フローラ、大学帰りの亜沙とカレハ、学校帰りの桜にあった。

 

カレハ「まままあ、ワイルド稟さん!!」

 

亜沙「はろー、ワイルド稟ちゃん!!」

 

稟「何すかその芸人の呼び名っぽい奴。」

 

それから稟が獣族へと変貌した経緯について亜沙とカレハに詳しく話した。

 

亜沙「へー、朝起きたらねえ。」

 

カレハ「不思議な出来事ですわ。」

 

亜沙とカレハは稟の耳や尻尾を撫でる。

 

店員「お待たせしました、あっ!!」

 

店員がテーブルの角にぶつかり、パフェがトレイから倒れる、だがその瞬間、

 

稟「危ない!!」

 

稟が素早く腕を伸ばしてパフェを受け取った。

 

店員「あっ、すみませ、って、ええっ!?」

 

亜沙「うわ、手が伸びてる!?」

 

カレハ「ままままぁ!?」

 

シア「稟くんナイスキャッチ!!」

 

テーブルの奥から長く伸びた稟の腕に亜沙とカレハは驚く。

 

カレハ「便利なお力をお持ちですのね。」

 

稟「まあ、そうですね。」

 

桜「稟くーん、ちょっと失礼します!」

 

桜は稟の耳や尻尾をもふもふする。

 

桜「うわー、ふさふさ!今度この稟君のぬいぐるみ作ろう♡」

 

稟「そ、そうか。」

 

麻弓「それなら、この写真あげるわ!」

 

桜「麻弓ちゃんありがとう!!」

 

ハイテンションな桜である。だが、その時は終わりを告げた。

 

突如、稟の体から黒いオーラが放出され、しばらくすると・・・・、

 

亜沙「あら?」

 

稟「ん?あれ!?元に戻った・・・。」

 

カレハ「戻りましたわね・・・・。」

 

桜「あれ、いつもの稟君だ。」

 

稟「どうなってるんだ、一体?」

 

シア「稟君、戻れてよかった!!」

 

ネリネ「はい、安心しました!」

 

プリムラ「むー、もうちょっとさっきの格好でいて欲しかった。いつものお兄ちゃんも好きだけど。」

 

よっぽど獣族モードの稟が気に入ったのか、プリムラは安心しながらも少しむくれる。

 

桜「リムちゃんの気持ち、すっごくわかる。」

 

エーデル「同族としては、何となくそんな気がします。」

 

桜とエーデルもどこか複雑そうだ。

 

ロサ「ふふっ、どっちもイケてると、複雑よね。」

 

キキョウ「稟、もっかい変身できる?」

 

稟「いや、方法はともかく、原因がわからないしな。」

 

ハルス「まあ、父上達にまた相談すればいいんじゃないすか?」

 

 

というわけで、晩に早速4王に報告することに。

 

獣王「ふむ、突然元に戻れたと。」

 

魔王「まあ、一つだけ確かなのは、変身後一定時間で戻るという事だね。」

 

神王「稟殿が寝ている間に何かが起きたのだとしたら。」

 

水王「夜が関係しているってことか。」

 

楓「夜、お月様を見たとか。」

 

稟「まさか、狼男じゃあるまいし。」

 

プリムラ「でもお兄ちゃん、そんな感じだった。」

 

シア「でも、稟君はあの姿になるのは嫌だったりするの?」

 

ネリネ「もしそうなら、どうにか原因を突き止めた方が。」

 

稟「いや、少なくとも嫌じゃないぞ。あの時プリムラを救ったことの代償って言うなら、甘んじて受け入れられるし、個人的にも気に入ってるしな。」

 

キキョウ「そうよね、いつもより強いんだし。」

 

プリムラ「よかった、尻尾もふもふしたいから、また変身してね。」

 

稟「はははっ、参ったなこりゃ。」

 

 

翌日、いつもの姿で投稿すると、

 

女子生徒「あれ、土見君元に戻ってる。」

 

女子生徒「よかった、心配してたから。」

 

女子生徒「でも、あの格好イケてるんだけどなー。」

 

 

紅女史「何だつっちー、戻れたのか。別にあのままでもよかったんだぞ。」

 

稟「まあ、時にはそれもいいんですけどね。」

 

しかし、次の授業で魔力を使ってものを作る作業をしていると、

 

教師「はい、それでは魔力を元にこの物体を形成してみましょう。」

 

稟「よし、こんな感じかな。」

 

以前は魔力の備わった道具を使っていたが、今回は自らの魔力を使うことに。だが、発動させた瞬間・・・・・、

 

 

稟「ん!?ぐっ、ううううっ!!」

 

稟は突然膝をつく。

 

樹「稟、大丈夫か?」

 

樹が心配して駆け寄ると、稟の体からオーラが放出され、

 

稟「うがああああぁぁぁぁ!!」

 

雄叫びと共にまたしても獣族の姿に。教室がざわつき始めたので、一旦授業は中止になった。

 

シア「うわー!稟君がまた獣族の格好になっちゃった!!」

 

ネリネ「どうしちゃったんでしょう?」

 

稟「おおぉ、成る程、魔力を使用する時、この姿になるって事か。」

 

麻弓「ま、とりあえず原因わかっちゃったわね。」

 

楓「稟君、大丈夫ですか?」

 

稟「あ、ああ。けど、やっぱこの格好は目立つなぁ。」

 

エーデル「やはり、人間のままでは魔法を使えないって事でしょうか?」

 

ロサ「まあ、人間のまま使ったら、体がもたなかったりするし、その辺はお得って事じゃない?」

 

樹「便利だな、だけど、元に戻るには時間が掛かるんだよね稟。」

 

稟「前に変身してから、戻ったのが夕方だったからな、戻るには大体半日くらいってとこか。」

 

今現在は午前10時、という事は、戻れるのは22:00頃という事になる。

 

昼休みを迎えると、

 

稟「ガブッ、んっ、うまっ、モグ。」

 

エーデル「稟様、どんどん召し上がってください!」

 

ロサ「アンタまたそんなにお肉沢山持ってきて・・・。」

 

樹「マンガ肉とは、意外だねエーデルちゃん。」

 

麻弓「にしても土見君、すごい食欲ね。」

 

稟「この格好だと結構腹減るんだよな。」

 

楓「すみません、今度から多く作りますね」

 

稟「いやいや、無理すんなって。負担かけたくないしよ。」

 

シア「私たちもいるから大丈夫だよ!!」

 

ネリネ「すみません、まだ少ししかできないですが。」

 

キキョウ「みんな作ってれば大丈夫よ!」

 

プリムラ「じー。」

 

稟「ん?」

 

プリムラはマンガ肉を喰らう稟をまじまじと見ている。

 

プリムラ「・・・・。」カポッ

 

プリムラはおもむろに猫耳カチューシャと尻尾をつけて稟の隣にくっついて座り、マンガ肉を食べる。

 

プリムラ「ハムハム。」

 

並んでみると、改めて兄妹に見える。

 

ロサ「・・・・なるほど、これはほっこりするわね。」

 

楓「リムちゃん、可愛いです。」

 

ネリネ「今度私も、持ってきますね。」

 

シア「あ、それいいかも!!」

 

キキョウ「1人じゃ恥ずかしくても、これならいいわね。」

 

ラバーズ一同は猫耳持参で盛り上がる。

 

樹「くうっ、あの時俺様が勇気を出していれば!!」

 

麻弓「アンタじゃ死ぬでしょ、あの魔力。」

 

獣族に変身するのも、悪いことではないようだ。

 

しかし、変身する原因は、これだけではなかったのだ。

 

 

稟が人間に戻ってからのある夜、この春の時期にしか見られない流星群が見られるという事で、芙蓉邸にいつものメンバーで星見パーティーをしていると、

 

稟「綺麗だな。」

 

プリムラ「いっぱい光ってる!」

 

シア「わー、流れ星!」

 

ツボミ「きゃきゃきゃあ!とっても綺麗です!!」

 

ネリネ「ロマンチックですわ。」

 

楓「皆さんと一緒に見られて良かったです。」

 

ロサ「しかも月は満月だし。」

 

神王「稟殿、月見酒もあるでよ!!」

 

獣王「ほっほう、こりゃあいいの!!」

 

魔王「神ちゃん気がきくねえ!」

 

水王「日本のお酒はとても美味だ!」

 

紅女史「お酒を未成年に進めないでください!!」

 

マグオート「今日は先生もいるんだからな!」

 

エーデル「すみません稟様、父上ったら・・・・、稟様?」

 

稟「・・・・・・。」

 

ふと稟を見ると、稟はぼうっと月を見ている。

 

樹「稟、月がどうかしたの、か・・・・!?」

 

樹は声をかけた瞬間青ざめた。

 

稟「うううううううっ!!」

 

稟の満月を見る目は鋭かった。

 

紅女子「・・・・ま、まさか、冗談だろう?」

 

稟「グルルルウァァァァッ!!!」

 

雄叫びをあげる稟。魔法を使っていないのに、何故かまたしても変身した。

 

稟「グルルル、ウォオオオーーーン!!」

 

そのままの流れで稟は思わず月に向かって遠吠えをする。

 

カレハ「稟さんが、またワイルドな姿になってしまいましたわ。」

 

亜沙「稟ちゃん、正真正銘の狼男!?」

 

稟「・・・・どうやらそう見たいですね。欠けた月ならなんともなかったのに。」

 

神王「って事は、最初に変身する前の夜は満月だったって事か。」

 

魔王「寝ぼけて起きた状態で月を見て変身したのかもしれないね。」

 

ハルス「まあ、幸いなことに心は全く変わらないからいいよね。」

 

ミント「でも困りましたね。自分のタイミングで元に戻れないから。」

 

マグオート「こりゃあ、またそのうち検査なり、訓練なりしねえとな。」

 

そんな中、

 

桜「でも〜、こっちの稟君も好き♡」

 

プリムラ「私も〜♡」

 

桜とプリムラは待ってましたと言わんばかりに獣族モードの稟の耳や尻尾をもふもふする。

 

稟「お、おい、2人とも。」

 

ラバーズ「私も(ボクも)触る(触りたいですー)!!」

 

稟「おわああっ!!」

 

麻弓「災い転じて福となす。とはこの事なのですよ。」

 

紅女史「まあ、そうだろうな。」フゥ

 

今はまだ変身をコントロールできないようだが。

 

 

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