Shuffle more race plus   作:magnumheat

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二世界の開放

稟とシア・キキョウとの結婚が決まり、神界での一夫多妻による他の土見ラバーズとも結ばれることとなって、バーベナ学園はこれまでにない大戦乱となったが、昼休みが終わり、一時は落ち着いた。

 

午後の授業が終わり、心身共にいつになく疲れた稟は、担任教師の紅薔薇撫子に呼び出された。

 

紅女史「つっちー、お前の今後について少し話しておきたいことがあってだな。その、」

 

紅女史は歯切れ悪そうにしているが、

 

稟「・・・大体はわかりますけどね。」

 

紅女史「そうか、なら簡潔に言おう。シアやリンを含め、多くの女子と結婚する訳だが、正直なところ、次期神王兼魔王となると、誰よりも大変な思いをするのは目に見えている。」

 

稟「でしょうね、けど、この決断を後悔していないのは確かです。」

 

稟は覚悟を決めた目で紅女史を見る。

 

紅女史「・・・まあ、お前は大なり小なり一度決めたことは絶対に曲げない奴だというのはわかっている。私としては、まだまだ心配な所はあるが、今更反対するものでもない。私もできる限りのことはする、せいぜい頑張れ。」

 

紅女史は苦笑いを浮かべる。

 

稟「ありがとうございます!」

 

 

こうして、稟の幸せで大変な日々が幕を開けるのだが、この時彼は、世界レベルのイベントが起きることなど知る由もなかった。

 

 

 

とある休日、

 

 

稟「さて、たまには一人で気楽に過ごすことも必要だしな。」

 

日頃の疲れを癒すべく、一人で木漏れ日通りを歩いていると、何やら一人の猫耳尻尾の少女が困った様子でいた。

見た感じは凛と同い年のようだが。

 

 

猫耳少女「ど、どうしよう、なくしちゃった・・・。」

 

稟「どうかしたか?(猫耳に尻尾、コスプレかな、って今は気にしてる場合じゃない。)」

 

猫耳少女「あ、すみません!ちょっと、ペンダントをなくしちゃって。」

 

稟「ペンダント?」

 

猫耳少女「はい、この辺りでなくした気がするんですが。」

 

稟「そっか、じゃあ近くの交番にいって聞いてみよう。」

 

猫耳少女「・・・こうばん?」

 

猫耳少女は首をかしげる。いかにも知らないというそぶりだが。

 

交番に行ってみると、

 

警官「ああ、もしかしてこれのことかな?」

 

警官がみせたものは確かにその子のものだった。

 

猫耳少女「ああっ、それです、ありがとうございます!」

 

猫耳少女は大喜びだった。

 

 

猫耳少女「あの、ありがとうございました。私、エーデルって言います。」

 

猫耳少女は顔を赤くしてお礼を言う。

 

稟「俺は土見稟、それにしても君、ここらじゃ見かけないけど。」

 

エーデル「はい、私は獣族(じゅうぞく)です。獣界(じゅうかい)から来ました。」

 

稟「獣族、獣界。この辺りじゃ聞かないな。神族と魔族はいるけど。」

 

エーデル「そうなんですか!すごいですね人間界は、話は聞いていましたが!」ピョンピョン

 

その子はうれしそうに飛び跳ねる。

 

稟「まさかとはおもうけど、その耳と尻尾って本物?」

 

エーデル「はい、人間界でいうコスプレとよくいわれるのですが。」

 

稟「(まじかよ。)」

 

稟はこの世の不思議さをしみじみと感じる。

 

エーデル「それじゃあ、またお会いできる日を楽しみにしています。」ペコリ

 

猫耳少女は去っていった。

 

 

それからの帰り道、稟は公園で一休みしていた。

 

稟「はー、結構買い込んだなあ。」

 

すると、どこからか叫び声が、

 

「こらー、ひったくり犯、待ちなさーい!!」

 

稟「!?」

 

声がする方向を見ると、ニット帽にサングラスの男と、それを追う水色の髪の少女が。

 

稟「よし、行くか。」

 

稟は男の足元にスライディングキックをお見舞いし、転んだところを取り押さえる。

 

稟「早く警察に!!」

 

水色髪少女「ありがとね!!」

 

ひったくり犯は難なく逮捕された。

 

 

水色髪少女「いやー、助かったわ。あんたやるわね。あたしロサ。」

 

稟「俺は土見稟だ。にしてもひったくりとは災難だったな。」

 

ロサ「ホントそれよ。どの世界もいるわよね。質の悪い奴。あたしの世界にもいるのよ。」

 

よく見ると、ロサの耳は神族や魔族と違い、エルフの耳の様に尖っている。

 

稟「えっと、君の種族は?」

 

ロサ「ああ、知らないと思うけど、あたしは水族(すいぞく)。水界(すいかい)から来たの。」

 

ロサの首元には魚のひれが翼のようについた首輪のようなものが。

 

稟「水族、水界、また聞きなれないな。さっきは獣族の子にあったし。」

 

ロサ「あら、エーデルに会ったんだ。偶然ね。」

 

稟「君は、エーデルの知り合いか?」

 

ロサ「うん、エーデルとは家族ぐるみで、幼馴染なの。」

 

 

それから少し話し込んだ後、稟はロサと別れた。

 

稟「・・・この感じ、何かデジャヴだな。」

 

 

そのデジャヴはのちに革新へと変わる。

 

 

翌日、稟の通うバーベナ学園では、とある話で盛り上がっていた。

 

麻弓「みんな、大ニュースよ!なんか、神界と魔界以外にも世界が増えたらしいの!!」

 

稟「それってもしかして、獣界と水界か?」

 

麻弓「そうそう、って土見君、知ってたの?」

 

樹「おや、珍しく情報が早いな稟。」

 

稟「いや、昨日偶然それらの種族に会ってな。」

 

楓「そうなんですか。」

 

キキョウ「へー、アンタ変なところで運がいいわね。」

 

ネリネ「私は今朝お父様から聞いただけなのですが。」

 

シア「私も今朝お父さんから聞いたの。」

 

 

そうこう話しているうちに紅女史が入ってきた。

 

紅女史「ほら、はやく席に着け。知っている者もいると思うが、最近、獣界と水界、この二つの世界が新たに開門したとのことだ。今日はそこからこのクラスにまた二人転校生が来る。」

 

樹「先生!その二人はもしかして美少女ですか?」ニヤニヤ

 

紅女史「・・・残念ながらお前の言うとおりだ。」

 

男子一同「おおおおーっっっっ!!!」

 

男子たちは狂喜乱舞だ。

 

紅女史「うるさい、静かにしろ!!二人とも入ってきなさい。」

 

稟「この感じ、久しぶりだな。」

 

入ってきたのは、あの二人、ではなく・・・・

 

「おお、ここが娘の惚れた男のいるクラスか!」

 

「なかなか明るそうで、これならうちの娘も楽しく過ごせそうだ。」

 

一同「え?」

 

紅女史「・・・・・・。」ワナワナ

 

入ってきたのは、筋肉隆々の獣耳の大男と、すらりとした背の高いオールバックのダンディな男。

 

二人は稟のもとに歩み寄ると、

 

獣耳大男「稟とやら、昨日は娘のエーデルが世話になったな。なかなか骨のある男だのう。」

 

オールバックダンディ「やあ、君が娘のロサの話していた稟君だね。人間界でここまでまっすぐな瞳の持ち主は初めてだよ。」

 

稟「あ、いえ、どうも。」

 

 

エーデル「父上、稟様が困っていますよ!」

 

ロサ「父さん!稟や先生たちに迷惑かけないでよ!」

 

 

あとからエーデルとロサが入ってきた。

 

稟「あっ、二人とも!!」

 

ロサ「えへへっ!!」

 

エーデル「すみません。」ペコリ

 

気を取り直して、自己紹介が始まる。

 

 

エーデル「エーデル・マトリカリアです、獣界から来ました、人間界にはまだ慣れていませんが、よろしくお願いします。よろしければ、『エル』とお呼びください。」

 

男子「かぅぅわいいいぃぃ!!」

 

男子「本物の猫耳、尻尾!!」

 

ロサ「ロサ・シャロンです、水界から来ました。エーデルと一緒にそれぞれの世界との交流のためにこの学園に転校しました。」

 

男子一同「うおおおおおおお!!」

 

男子「綺麗だ、眩い!!」

 

獣耳大男「わしはバルサム。エーデルの父親で獣王だ。」

 

オールバックダンディ「僕はクインス。ロサの父で、水王でもあるよ。」

 

紅女史「お二人は結構です。」プルプル

 

キキョウ「・・・何か、他人とは思えないわね。」

 

シア・ネリネ「(お父さん(お父様)に似てる(似てます)」

 

ロサ「あ、一応姫だけど、気にせず普通に関わってね♪」

 

エーデル「世界交流の為、皆さんとは仲良くしていきたいです。」

 

 

紅女史「・・・つっちー、非常に申し訳ないが。」

 

稟「・・・そういうことですか。」

 

樹「ま、まさか。」

 

楓「もしかしてお二人も稟君のこと。」

 

獣王「がっはっは、察しがよいな!エーデルとロサは稟の嫁となるべくこの世界に来たってわけだ!!」

 

麻弓「あちゃ~、こりゃまた大騒ぎになるわね。」

 

男子一同「つ~ち~み~。」ゴゴゴゴゴゴ・・・・・

 

ゾンビのうめきのような声と殺意のこもった充血目線が一斉に稟に向けられる。

 

水王「聞けば稟君は、世界で唯一、一夫多妻が許される神界の王の姫と結婚し、魔界の王の姫やその他もろもろのお嬢様達とも結婚するらしいじゃないか。それならぜひとも、僕らの娘も入れてほしいと思ってね。これも娘の幸せや世界交流のためだ。」

 

シア「そうなんだ、お友達が増えて楽しくなりそうだよね稟君!」

 

ネリネ「お二人とも、これからよろしくお願いします。」

 

楓「稟君ならお二人とも仲良くできますよ。」

 

キキョウ「この2人の面倒も見ちゃえ、稟。」

 

稟「は、ははは。(半分楽しみで半分不安だ。)」

 

 

 

 

かくして、稟は新たに、神界、魔界、獣界、水界の4つの世界に重要な人物となった。

 

その後、稟は全男子との鬼ごっこに見舞われるが、

 

エーデル「稟様に手出しはさせません!」

 

ロサ「あんた達、稟に変なマネすんじゃないわよ!」

 

エーデルとロサの魔法によって退散させられる。稟の頼みで樹だけは見逃してもらえたが。

 

 

昼休み、屋上に集まり、亜沙やカレハ、プリムラも加わり、大歓迎ムードに。

 

亜沙「いやー、稟ちゃんってホント贅沢者よね♪」

 

カレハ「まあまあまあ。」

 

楓「お二人とも、稟君のお嫁さんになりたいっていうのは。」

 

ロサ「本当よ、稟には助けてもらった恩があるし、父さんにいろいろ調べてもらったら、確信したのよ!

稟となら幸せになれるって。」

 

エーデル「私も、稟様に助けていただいたことで、このお方にお尽くししたいと思いましたの。」

 

キキョウ「人助けが自然と女運に繋がってるのはすごいわね。」

 

シア「さすが稟君!!」

 

ネリネ「素敵です、稟様!」

 

プリムラ「お兄ちゃん、モテモテ。(エーデル、猫耳、尻尾、かわいい。)」

 

プリムラは猫好きゆえに、エーデルの耳や尻尾に興味津々に触れる。

 

エーデル「エヘヘ、リムちゃん、よろしくです。」

 

樹「稟、放課後俺様と拳で語り合わないかい?」

 

稟「そのあとどうなってもいいんならな。」

 

麻弓「はいはーい、話題変えてもいいかな、二人の住んでた世界って、どんなところ?」

 

麻弓は新しい情報を仕入れるべく、エーデルとロサに質問する。

 

獣界は自然豊かな世界で、どの種族にも住みやすい環境にある。水界は、文字通り水中にあり、かつては水中でも生活が可能な水族のみが住んでいたのだが、人間界で得た知識をもとに、他種族も住めるようになったらしい。

 

稟「それぞれの世界を旅行するのもいいかもな。」

 

カレハ「まあ、それはいいですわね!」

 

亜沙「それさんせーい!!」

 

 

こうして、学校でのひと時が終わり、下校時間になると、エーデルとロサ、獣王、水王は稟、楓、シア・キキョウ、ネリネ、プリムラの帰路についていく。

ここまでくれば、原作を知っている者ならわかるであろう。

 

 

稟「・・・そういえば、シアとネリネの家の向かい側に、また新しい豪邸が二件建ってたな。」

 

獣王「わしの家はこっちだ。」

 

水王「僕の家はこっちだよ。」

 

獣王の邸宅は神王の家の向かい側にあり、様々な獣の石像が城壁沿いに並ぶ人工芝の広い庭に、古代中国にありそうな城が立っている。

水王の家は魔王の家の向かい側にあり、きれいな噴水や水路が入り組んだ広い庭に、アメリカの水族館を思わせるようなクリスタルの巨大な建物が。

 

楓「すごいですね。」

 

シア「わあ、動物がいっぱい。」

 

ネリネ「素敵な噴水です。」

 

エーデル「突然越してきてびっくりされたでしょう。」

 

ロサ「まったく、父さんたちのせいでバタバタしたわよ。」

 

神王「おう、ジュウ坊にスイ坊!!」

 

魔王「獣ちゃんに水ちゃん、ようこそ!」

 

獣王「おう、シンにマオ。歓迎痛み入るぞ。」

 

水王「やあ、神君にマー君。」

 

4人の王兼親父は、意気投合する。

 

神王「よーし、世界交流ということで、稟殿、今夜は盛大に飲むぞ!!」

 

魔王・獣王・水王「おおーっっ!!!」

 

稟「は、はあ。(苦労が倍増だ。)」

 

4王の勢いには勝てそうもない。

 

シア・キキョウ・ネリネ・エーデル・ロサ「(はぁ・・・・・。)」

 

親ばか勢ぞろいにため息をつく娘たち。

 

プリムラ「おじさんが増えた。」

 

楓「急いでお料理作りませんとね。」

 

こうして、稟の騒がしい日常に、またあらたな1ページが。

 

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