Shuffle more race plus 作:magnumheat
Shuffleのネリネルートでリコリスが生きていることがわかっていたので。
アイが魔法の先生になったことで、稟は魔法についてさらに学習できた。
時々稟はアイに個人的に呼び出されて、稟について色々研究をしたり、それを魔界の研究者に報告するなどもしている。
ちなみにアイは講師を務める間、ネリネの家に世話になっている。
Sideネリネ
ネリネ「はあ、まさかアイ様が稟様を好きになるなんて・・・・。」
ネリネは部屋で勉強をしながら不思議がっていた。
勉強が終わり、風呂に入ろうとしたところ・・・・・、
声「・・・リネ、ネリネ。」
ネリネ「っ!?」
ネリネは思わず自分の口を塞いだ。何故なら、自分の口が勝手に動き、しかも別人の声が出てきたからだ。
ネリネ「ま、まさか・・・、そんな。」
ネリネは怖くなり、思わず鏡を見る。
顔はいつもと変わらない、はずだったが・・・・、
ネリネ「こ、この目の色は!?」
ネリネのその瞳はいつもの赤色ではなく、紫色だった。それは過去に稟も見たことのある色、つまり・・・・
ネリネ「・・・・リコ、リス?」
声「うん、そうだよ!覚えててくれたんだ!!」
そう、かつての魔界の実験によって生み出された被検体第二号にして、ネリネのクローン、リコリスだ。
リコリス「ネリネ、稟君と楽しそうにしててよかった!」
ネリネ「り、リコちゃん、私・・・・・、」
思わぬ出来事でショックやらパニックやらで言葉が出てこない。
リコリス「私ね、ずっとネリネの中で祈ってたの、リンが稟君と幸せになれること。」
ネリネ「リコ、ちゃん、生きていてくれてたのですか?」
ネリネはうれしさと驚きから、しばらく鏡の前から動けなかった。そんな中、不意にセージが入ってくる。
セージ「ネリネちゃん、誰と話してるの?」
ネリネ「お、お母様、」
ネリネが説明しようとすると、
リコリス「あ、お母さん、久しぶり!」
セージ「!?」
セージは突然のネリネの変貌に驚いたが、聞き覚えのあるリコリスの声を聴いた途端、すぐに状況が理解できたようだ。
セージ「これは大事件だわ!パパ、パパ、ちょっと来て大変よ!!」
セージが魔王を呼ぶと、魔王は勢いよく飛んできた。
魔王「・・・・リコリス、本当に、リコリスなのかい!?」
リコリス「うん、お父さんあいかわらずだよね。リムちゃんも元気にしてる?」
魔王「・・・・これは奇跡だ。」
それからほどなくして、翌日みんなで集まることに。
稟「何、本当なのか!?」
シア「ええっ、リコちゃんが!?」
楓「生きていられたのですか!?」
プリムラ「リコリスお姉ちゃん!」
プリムラはネリネの体に抱き着く。
リコリス「リムちゃん、稟君たちと過ごしてすっかり可愛くなったね!」
リコリスはプリムラの頭をなでなでする。
亜沙「無事だったんだ、リコリスちゃん。」
カレハ「とても信じられませんわ。」
エーデル「魔界の実験の話は聞いていましたが、」
ロサ「まさか無事でいたとはね。」
麻弓「でも、魂が生きてるなら、シアちゃんの時みたいに分離させればいいんじゃない?」
稟・ネリネ・神王・魔王「・・・・・・。」
麻弓は思わず提案するが、稟、ネリネ、神王、魔王は難しい顔をする。
キキョウ「・・・・お父さん。」
神王「いや、その、だな。」
魔王「いいよ神ちゃん、私から話そう、残念だがシアちゃんたちとは事情が違うんだよ。」
樹「・・・・でしょうね、わかってはいましたが。」
そう、シアとキキョウが分離できたのは、そもそもそれぞれが独立した完全なる個体であるが故である。
しかし、リコリスはネリネの複製、オリジナルはネリネ。つまり、リコリスは本来存在しない命なのである。
強いて言えば、その魂はプリムラ同様「生産」されたものであるということは確かだが。
プリムラ「でも、リコリスお姉ちゃんは生きてる、助けてあげたい!!」
ネリネ「リムちゃん・・・・。」
稟「・・・・。」
樹「・・・・・。」
ラバーズ一同「・・・・・・。」
だが、事件を機にクローン技術はやむなく中止されるようになり、プリムラの完成を機に生産も今は行われていない。
ネリネを救ってくれたリコリスに人生を歩ませたいが、今また同じようなことをすれば、また問題となるのは目に見えている。
魔王ゆえに踏み込めない領域だ。
獣王「ならば、あの方法しかあるまい。」
水王「獣君!?」
獣王はいつになく真剣な表情で口を開く。
マグオート「父上、まさか。」
獣王「うむ、我が先祖の獣界王家が有していた禁断の技術を使おう。」
エーデル「!!!!」
獣王「マグとエーデルは知っているが、ワシには親がいない、つまり、プリムラ同様、ワシも「生産」された命なのだよ。
一同「!?」
話は100年以上前にさかのぼる、解放前の獣界では、次期獣王候補を巡って熾烈な争いが繰り広げられていた。
ある年、次期獣王候補を決める争いで、最後まで生き残った二人の獣族がいた。
どちらも激しく戦った結果は、史上初の引き分けだった。
それだけならまだよかったのだが、その戦いによりその二人は死亡し、残された獣族の男たちは、お世辞にも次期獣王の器ではなかった。
そこで、獣界の科学者たちは、死んだ二人の獣族の体細胞を使って、それらを融合させた獣界最強の遺伝子を作り上げ、強大な魔力をもった獣族の男を生産することに成功した、それが今の獣王である。
作られた命に対する目は決して温かいものではなく、今の姿からは想像がつかないほどに、獣王は苦労してきたのである。
水王「しかし獣君、あの技術はもう禁止されているんだよ、それを使ったら・・・・。」
獣王「構わぬ、その時はワシが責任を取るまで。」
神王「どうするんだ、じゅう坊?」
次の瞬間、獣王は衝撃的な発言をする。
獣王「・・・・獣王の位を、捨ててやろうではないか!」
一同「えええぇぇーっ!!」
重い決断を自らに下した獣王であった・・・・・。