Shuffle more race plus 作:magnumheat
獣王の決断により、リコリスの新しい体を生産する事になり、多人数を巻き込まないため、稟とネリネ、プリムラ、魔王、セージ、そしてアイが獣王に同行する事になった。
一行は獣界に向かい、獣族の研究施設に入る。
獣王「さて、着いたぞ。」
獣王は自身のみ知る研究室のパスワードを入力し、生命生産技術の施設に入った。
アイ「魔界以外にもこんな研究所があったのですね。」
獣王「かつてここでは獣族の生産を行っていたが、他種族のものは今回が最初で最後だ。」
稟「おじさん、すみません。」
ネリネ「本当に申し訳ありません。」
獣王「なに、ワシが退位したところで、まだマグが残っておる。奴も正当な獣王継承者だからの。」
方法としては、父親である魔王、姉妹であるネリネ、プリムラの体細胞を融合させ、それを母であるセージの卵細胞に組み込むと言った具合である。
そして、ネリネの肉体に宿りしリコリスの魂を、その肉体に移し替えるのだ。
魔王「獣ちゃん、この実験の成功率はどのくらいなんだい?」
獣王「正直なところ、決して高くはない。だが、プリムラを生み出した時の技術よりは高い事は確かだ。それではアイ、ネリネ、プリムラ、頼むぞ。」
培養槽にネリネの肉体データを送り込み、完成したリコリスの肉体の元になる卵細胞を、3人の魔力によって急速に分裂させる。
みるみるうちに肉体が形成され、手や足が生えてきた、そして、ネリネそっくりの顔が形成される。
獣王「よし!肉体は無事に形成された、後は魂を宿すのみだが。」
魂は獣界の特殊な器具を使い、ネリネと新たな肉体の脳を繋ぎ合わせる。
ネリネは実験台に横になり、目を閉じて強く念じる。
ネリネ「んんっ、くうっ!!」
稟「ネリネ!?」
セージ「ちょっと、大丈夫なの!?」
獣王「ここからが重要だ!ネリネとリコリスの無事を信じろ!!」
繋ぎ合わせた導線から黒い稲妻がもれだす。そしてそれは切れようとしていた。
魔王「獣ちゃん、これはまずいのでは!?」
獣王「魔力があまりにも強すぎたのか!?」
アイ「恐らく、作られた肉体が魂を拒絶しているのだと思います。」
セージ「そんな、それじゃあ、」
だが、導線が切れそうになる瞬間、
稟「諦めるな、二人とも!!」
稟は導線を掴み、切れないように無理矢理抑え込む。触れた瞬間体にも魔力の稲妻が走った。
稟「ぐあああああ!!」
アイ「稟君!?」
プリムラ「お兄ちゃん、やめて!!」
稟「プリムラもリコリスを助けたいんだろ!!」
稟は懸命に体を張って魔力と魂の放出を阻止する。
稟「頑張れリコリス!!」
稟は全身火傷を負ったような感覚に陥る。
リコリスの体「・・・・・。」
リコリスの体が稟の呼びかけに僅かながら反応したようだ。
魔王「作られた肉体が、稟ちゃんに応えた!?」
長時間の格闘の末、リコリスの魂は新しい肉体へと入り込み、そして、ゆっくりと目覚め、その紫色の瞳の笑顔を見せた。
リコリス「稟、くん。」
稟「リコリス、ってわああぁ!?」
リコリスは当然何も着ていなかった。
プリムラ「リコリスお姉ちゃん!!」
ネリネ「リコちゃん!!」
それに目もくれずネリネとプリムラは新生リコリスに抱きつく。
獣王「奇跡じゃ!!やったのう稟よ!!」
魔王「よかった、これで家族が一つになれた!!」
セージ「でも稟君、無茶しちゃダメじゃない!!」
アイ「そうですよ稟君、って、あれ?」
稟「ん?これは!?」
ふと、稟の方を見ると、予想はついているだろうが、稟は先程の影響で、ついに魔族の姿と力を得た。
耳は横長に尖り、目は右が赤、左が紫のオッドアイに。
プリムラ「お兄ちゃん、魔族だ。」
ネリネ「はい、間違いありません。」
リコリス「わーい、稟君が私達と一緒だ!!」
遂に稟は、まさに神にも悪魔にも獣にも水族にもなれる男となった。
後日、リコリスはバーベナ学園に編入し、稟たちのクラスメイトとなる。
リコリス「改めて、ネリネちゃんの双子姉妹、リコリスです!」
シア「へー、リンちゃんとは全然タイプ違うね。」
キキョウ「それもそうだけど、稟が魔族にもなれるなんてね。」
稟「ああ、俺も驚いてるよ。」
麻弓「左右目が違うの、私と一緒だ!!」
プリムラ「リコリスお姉ちゃん、これからよろしく。」
リコリス「はい、リムちゃん!!」
楓「おめでとうございます!でも、」
樹「問題は禁忌の技術を使った獣王様の処遇だよね。」
エーデル「それなら、心配ないですわ。」
ロサ「あたしも、父さんから聞いたんだけど、」
禁断の生命生産の技術を使うことと引き換えに、獣王は王位を失う筈だったのだが、神王、魔王、水王、マグオートの方で便宜を図り、実質失ったのは位ではなく、政権であり、今後の獣界の政治はマグオートと紅女史を中心に執り行われる事になったようだ。
稟「とりあえず、マトリカリア家の崩落は免れたってところか。」
ネリネ「エーデルさん、本当に申し訳ございませんでした。」
エーデル「いえいえ、リコリスさんがご無事で何よりです。」
ロサ「それより、せっかくだから、放課後歓迎会でもやらない?」
こうして、リコリスの新しい人生が始まった。