Shuffle more race plus   作:magnumheat

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新魔法習得

リコリスが復活し、梅雨の時期がもうすぐ終わりを迎えようという中、これまでにないくらい珍しい光景が学園にあった。

何と、今日は学園に稟の姿がないのだ。なぜなら、急遽自身の魔力検査・訓練を行うことが決まったのである。

 というのも、同学年で最強の魔力を有し、各種族の力を得た稟は、いよいよ世界的な要人となった。だが、それ故に魔力の制御はまだ完全にはできていない。

 今日一日稟がいないことで、土見ラバーズはさぞかし意気消沈かと思いきや、

 

ロサ「ねえリンちゃん、ここの問題教えてくれる?」

 

シア「わたしもお願いするッス!」

 

ネリネ「はい、ここはですね。」

 

リコリス「エーデルちゃん、これってどうやって解くの?」

 

麻弓「あたしもお願いしていい?」

 

エーデル「はい、わたしでよかったら。」

 

キキョウ「ねえ楓、これってどうしたらいいの?」

 

楓「キキョウちゃん、これはこの公式を使えば、」

 

樹「あの、俺様も頼ってくれたら・・・・・」

 

(土見ラバーズ、樹完全無視。)

 

 

何事もなかったかのように普通に学園生活を送っている。寂しくないと言えば嘘であるが、稟が懸命に励ましたことで落ち着いたようである。

 

昼食時間を迎え、屋上にはプリムラやツボミたちも集まる。

 

 

樹「さて、みんなで楽しい昼食だ!(今日だけは俺様が独り占め!)」

 

という魂胆がある樹だったが、

 

ハルス「樹さん、稟兄さんについていろいろ教えてほしいんですがね。」

 

樹「や、やあハルス、それなら放課後にでも、」

 

ハルス「・・・・いいですよね?」ゴゴゴゴゴ・・・・・、

 

指をボキボキしながら樹をにらみつけるハルス。

 

樹「あ・・・ああ。」

 

ハルスは稟に、不在の間樹から土見ラバーズを守ってほしいと頼まれ、樹の監視役を務めることに。

ハルスと樹は屋上から去っていき、ミントはツボミとともに土見ラバーズの輪に入れてもらうことに。

そこにはサイネリアとアイも入る。

 

シア「なんかいつもと違うね!」

 

ロサ「なんか新鮮ね、女の子だけで集まるの。」

 

エーデル「稟様がいないと少し寂しいですが。」

 

キキョウ「でも、これはこれで楽しいかも。」

 

楓「はい、皆さんとじっくりお話できそうですし。」

 

麻弓「それじゃあ、稟君抜きでのガールズトークを始めますか。」

 

楽し気なスタートを切り、さっそく話題を決める。

進行役は盛り上げ上手な麻弓が行うことに。

 

Side稟

 

魔王「稟ちゃん、大丈夫かい?」

 

稟「うぐぐっ、だ、大丈夫です!!」

 

神王「稟殿、無茶はしないでくれよ!」

 

稟は再び魔界の研究所に赴き、魔力の安定化を図るべく、プリムラと同じ要領で実験を行なっていた。

 

研究員「魔力レベルS、安定度90パーセント突破!!」

 

獣王「よし、もう少しの辛抱じゃ稟!!」

 

水王「これが成功すれば、大きな進歩に繋がるぞ!!」

 

肉体への魔力の充填がもうすぐ終わろうとしている。だがその時、

 

稟「んぐううああっ!?」

 

稟は突如、深々と切り裂かれるような激痛を背中に感じた。

 

研究員「!?魔力ステータスに異常発生!!」

 

魔王「な、何だと!?」

 

水王「どういう事だ!?」

 

稟「い、痛え!!背中があぁぁぁっ!!」

 

稟は膝をつき、のたうちまわる。

 

獣王「これは!?だが魔力の充填そのものには異常がないぞ。」

 

神王「何ぃ!?じゃあ何故稟殿に苦痛が!?」

 

稟「ぐうううぅぅぅぅ、うあああぁぁぁぁっ!!!!」

 

稟は背中の痛みがピークに達したような感じになり、叫び声をあげる。

それと同時に、背中から白と黒の翼が生えてきた。

 

水王「こ、これは!?」

 

研究員「成功、いえ、それ以上の結果となりました!!」

 

研究員は信じられないという表情だ。

 

獣王「この翼、まさか!?」

 

神王「ああ、間違いねえ。この世にもう無いと言われていた浮遊魔法の力だ!!」

 

浮遊魔法、神界と魔界では特に研究されてきた魔法であり、それを使いこなせたものは未だかつていないと言われている。

 

稟「・・・・って事は、俺、空を飛べるって事ですよね。」

 

稟は試しにその場をダッシュし、思い切ってジャンプしてみた。すると、翼を羽ばたかせる力を背中に感じ、自然にコントロールできた。

 

稟「うわー、飛べるぞ!!」

 

本来、翼と人間の筋力だけでは飛べないのだが、翼自体に浮遊魔法の魔力が備わっており、イカロスのように羽ばたいて飛べるのだ。

 

だが、変わったのはそれだけではなく、実験の結果、各種族のモードチェンジを、自分の意思である程度コントロールできるようになったのだ。(満月を見てしまうと強制的に獣族になってしまう点は変わらなかったが。)

 

何はともあれ実験は成功となった。

 

 

その日の夕方、土見ラバーズ、樹、ハルス、紅女史、マグオート、桜が心配して芙蓉亭に集まっていた。

 

シア「稟君、大丈夫かなぁ。」

 

ネリネ「正直、心配です。」

 

楓「無事に帰ってきてくれるといいんですが。」

 

ロサ「まあ、リムちゃんやリコちゃんの時の例があるし。」

 

麻弓「うんうん、大丈夫だと思うのですよ。」

 

プリムラ「うん、お兄ちゃんなら大丈夫。」

 

リコリス「そうだよね、きっと大丈夫だよ。」

 

キキョウ「まあ、心配なのはわかるけど。」

 

樹「・・・・ところでさあ、あれ、何だと思う?」

 

一同「?」

 

樹が指差す方を見てみると、何やら空を飛んでいるものが。

 

エーデル「鳥、でしょうか?」

 

マグオート「それにしちゃデカすぎるな。」

 

ツボミ「うーん、確かにそうですね。」

 

その飛行物体は、少しずつみんなの方に向かってくる。

 

カレハ「あら、だんだんこちらに近づいてきますわ。」

 

亜沙「ホントだ、あれ?なんかあれ、人に見えない?」

 

桜「もしかして、天使とか?」

 

鳥と思われていたが、だんだん翼の付いた人型のシルエットに。その正体は・・・・・、

 

紅女史「ちょっと待て、あれ、つっちーじゃないか!?」

 

一同「ええっ!?」

 

目を凝らしてよくみると、それは、背中の翼を除けば紛れもなく稟だった。

 

ミント「ホントだ、稟さんです!!」

 

ハルス「た、確かに、けど何で翼なんか付けて空飛んでるんだ!?」

 

稟「おーい皆!遅くなって悪いな!」

 

稟はようやくみんなの元に舞い降りる。

 

シア「どうしちゃったの稟君!?」

 

キキョウ「まさか空飛んで帰ってくるとは思わなかったわよ!」

 

ロサ「しかも、翼なんか付けちゃって。」

 

稟「いや、付けたんじゃなくて、生えてきたんだよ。」

 

麻弓「嘘!?」

 

それから少し経って、4王が帰ってきた。

 

魔王「ハァ、ハァ、稟ちゃん、飛んで帰られちゃ追いつけないよ。」

 

ネリネ「お父様、稟様に一体何が?」

 

神王「いや、稟殿が浮遊魔法を身につけてな。」

 

エーデル「それって、使いこなせる者がほとんどいないと言われている、」

 

水王「ああ、そうなんだよ。正直僕らも驚いている。」

 

獣王「稟にさらなる魔力が加わった事で覚醒したようでの。」

 

桜「稟くんって、不思議だよね。」

 

稟「あ、ああ。俺もそう思ってたところだ。」

 

ツボミ「でも、天使のような稟おにーさん、きゃきゃきゃあ♡」

 

カレハ「稟さんが天使、まあまあまあ♡」

 

亜沙「あー、スイッチ入っちゃったわね。」

 

稟「ははは、ん、プリムラ?」

 

プリムラが稟の袖を軽く引っ張る。

 

プリムラ「・・・・お兄ちゃんと、空飛びたい。」目キラキラ

 

稟「え?」

 

土見ラバーズ「私も(ボクも)!!」

 

稟「いや、流石に一度に全員は、」

 

紅女史「つっちー、そこは気合と根性でどうにかしろ。」

 

紅女史は苦笑いをしながらそう言う。

 

それからしばらくの間、稟と空中散歩を楽しんでいった。

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