Shuffle more race plus 作:magnumheat
稟「・・・・ふあぁ。」
新しい世界の開放から少し経ち、ドタバタした事もあってからか、昨日は疲れたようだ。
楓「稟君、おはようございます。」ニッコリ
プリムラ「お兄ちゃん、早起きえらい。」ナデナデ
稟「あ、ああ、まあな。(流石に毎朝くすぐったいのは勘弁。)」
以前なら休日は昼近くまで寝過ごすことが多かったのだが、ロサにくすぐりで起こされて以来、次の日から楓やプリムラにも朝方くすぐられた事もあり、自然と早起きのリズムが体に染み込んだのだ。
稟「そうだ楓、エーデルとロサを木漏れ日通りに案内しに行こうと思うんだが、一緒に来るか?」
楓「いいですね、行きましょう。」
プリムラ「私も行く。」
朝食を済ませ、3人が玄関を出ると、表にはシアとキキョウ、ネリネがいた。
シア「おっはよー、稟君!」
ネリネ「おはようございます、稟様。」
キキョウ「おはよう稟!」
稟「おはよう、休日なのに3人揃ってどうしたんだ?」
キキョウ「多分、考えてる事一緒ね。」
楓「皆さんも木漏れ日通りに?」
ネリネ「はい、皆さんと、エーデルさんとロサさんともご一緒しようと思いまして。」
稟「すごいな俺たち、近所づきあい故の以心伝心ってやつか?」
プリムラ「・・・何それ?」
シア「言わなくてもお互いの考えてることがわかることだよ。私達、稟君と、もうそこまでの関係なんだ!」
嬉しそうにはしゃぐシア。
エーデル「稟様、皆さん、おはようございます。」
ロサ「稟、みんな、おっはよう!!」
話し声が聞こえていたのか、エーデルとロサが玄関先に出てきた。
予定していた事を話すと、是非お願いしますとの事で、みんなでワイワイ行く事に。
エーデル「こうして皆さんとこの通りを歩くのは初めてです。」
ロサ「へー、これが木漏れ日通り。素敵なところじゃない!」
エーデル・とロサが人間界に来て早一週間が経ち、獣族と水族が街中でもちらほら見かけるようになってきて、すっかり5種族が馴染み合っている。だが、
水族男子「ねえねえ、俺らと遊ばないか?」
人間男子「どこでも好きなとこつれてってあげるからさ。」
「すみません、私行くところが。」
神族男子「だったら一緒に行こうよ!」
獣族男子「君、可愛いし、悪いようにはしないって。」
魔族男子「これも一つの世界交流だよ!」
なんとそこでは、一人の少女がナンパされていた。
ネリネ「なんだか詰め寄られている方がいますわ。」
シア「あれは、ナンパというにはちょっと・・・。」
稟「ん?ちょっとまて、楓、あれは・・・。」
楓「桜ちゃん!!」
プリムラ「二人の知ってる人?」
ナンパされていたのは、稟と楓の幼馴染の八重 桜(やえ さくら)だった。
二人とは別の学校に進学し、たまに連絡をとっていることがあるが。
桜「あっ、稟君、楓ちゃん!!」
桜は稟たちのもとに駆け寄る。
稟「桜、大丈夫か?」
水族男子「なっ、おい、あいつ誰だよ?」
人間男子「あれはバーベナ学園の土見稟だ。にしても、まさか他校の女の子にもモテるとはな。」
神族男子「一夫多妻が許されてるのをいい事にプリンセス独り占めって噂だぜ。」
獣族男子「どうなってんだよこの世は。見せつけやがってあの野郎・・・。」
魔族男子「どうしてあんな奴ばかりモテるんだか・・・・。」
稟「・・・ハァ。」
楓や桜といった美少女をはじめ、全ての種族の王女の心を掴んでいる稟は、今や世界中の男の目の敵である。
ネリネ「あなたたち、今稟様を侮辱しましたわね。」
エーデル「稟様の敵は私達の敵です!」
ロサ「あんたらねえ、女の子一人相手に集団で言い寄っておいてなによその態度は!!」
稟「ま、待て、気持ちはわかるが、ここじゃまずい!!」
稟が止めようとしたところ、
「おいお前ら。」
人間男子「なんだよ、ゴフうっ!?」
振り向いた瞬間、大柄な青年がその男子の顔面を殴り飛ばした。獣の耳とややパサついた長髪から、獣族であることがわかる。
神族男子「なっ、てめおうっ・・・」
言い終わる前に腹に膝蹴りを入れられ、うずくまる。
魔族男子「食らえ、ぐわっ!!」
魔族男子が攻撃魔法を放つと、その青年はその魔法を跳ね返す。
水族男子「あいででででで!!」
水族男子は有無を言わず腕をとられ、捻ねられたあと、地面にたたき伏せられた。
獣族青年「残るはお前だな。」
獣族男子「す、すいません、かんべえっふっ!!」
獣族男子はその場限りの土下座をするも、顔を思い切り蹴り飛ばされた。
稟「す、すげえ・・・・」
楓「あわわ。」
キキョウ「あっという間だったわね。」
エーデル「兄上!!」
ロサ「あれっ、マグさん!!」
「エーデル、ロサ、大変だったな。そちらのお嬢さんも。」
桜「い、いえ、ありがとうございました。」
プリムラ「エーデルの、お兄ちゃん?」
「申し遅れた、俺はエーデルの兄のマグオート・マトリカリアだ。」
マグオート、獣王の息子にしてエーデルの兄。年齢は紅女史と同じで、開門前は獣王の政治代行を務めるなど、次期獣王候補としても信頼は高い。
稟「マグオートさん、助かりました。」
楓・シア・ネリネ「ありがとうございました。」
マグオート「そんな他人行儀な、『マグ』でいいぜ。妹から聞いてるぜ、お前が土見 稟だろ、よろしくな。」
マグオートは稟と握手する。
稟「よろしくお願いします。(うわあ、すごい体格だな。獣王のおじさんの息子っていうのも納得できる。)」
ロサ「そういえば、バーベナ学園の警備隊の総隊長になったんだって?」
マグオート「ああ、来週月曜からな。父上から、将来の義弟の学園生活を守るように命じられてな。」
ネリネ「義弟とは、稟様のことですか?」
シア「そっか、稟君はエルちゃんとも結婚するわけだから、マグさんは私たちのお兄さんになるわけだ。」
プリムラ「・・・私のお兄ちゃん、みんなの、お兄ちゃんの、お兄ちゃん?」コクリ
プリムラは首をかしげる。
楓「リムちゃん、あのですね・・・。」
楓が続柄について説明すると、プリムラは納得した。
桜「あはは・・・稟君、ニュースで聞いたけど、思った以上に大変なことになってるんだね。」
稟「ま、まあな。」
桜「でも、新しい種族に、まさかこんなにかわいい子もいるなんて。」
桜はエーデルに興味津々だ。
改めて、各々自己紹介をしたところで、桜の提案で休憩がてら喫茶フローラに寄る。
カレハ「いらっしゃいませ、まぁまぁまぁ、稟さん!今日もより取り見取りで!」
亜沙「あーら稟ちゃん、今日は久しぶりに桜も一緒なんだ!」
稟「・・・とりあえず席に案内してもらっていいですか。」
カレハ「はい、ただいま♪」
大人数の席に案内してもらい、座ることに。
マグ「なんか悪いな、俺まで一緒に。」
桜「いえいえ、助けていただいたお礼です。」
マグ「しかしまあ、噂にはきいてたが、本当に稟はモテるんだな。」
稟「い、いえ、その。」
桜「マグさんだって一国の王子様なんだから、実はもてたりするんじゃないですか?」
エーデル「兄上は国では多くの女性に慕われていますわよ。」
ネリネ「そうなのですか?」
ロサ「でも、獣族最強の力と魔力の持ち主でもあるから、若干近寄り難いイメージを持たれてるみたいなの。」
シア「うーん、マグさんだったら、ロサちゃんみたいな強い子にモテたりするのかな。」
マグ「いやー、どうなんだろうな。ん?」
見ると、マグの尻尾をプリムラが撫でている。
プリムラ「マグお兄ちゃん、しっぽ、大きい。」
マグ「まあ、まだ目新しいだろうな。」
プリムラ、マグを将来の義兄として認めたようである。
稟・楓・シア・キキョウ・ネリネ・エーデル・ロサ・亜沙・カレハ「クスクス。」
フローラを後にして、桜と別れた後、一行は帰宅する。
稟「今日はなんだか充実した一日だったな。」
楓「ええ、桜ちゃんにも会えましたし。」
再開と新しい出会いの日であった。そしてこれが、のちに誰も予想だにしなかったことにつながるのは、まだ先のことである。