咲-Saki-二度目の人生は雀士として   作:468(ヨルハ)

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遅れてすみませんでしたぁぁぁ!!!(土下座)

新生活が忙しくまともに執筆時間が取れずここまでズルズル引っ張ってしまいました。
べ、別にF〇RTNITEとか〇PEX LEGENDSに現を抜かしていたわけではないですよ?
ただ本当に執筆時間が取れていなかったのは事実なので時間が安定してとれるまでは更新は遅くなると思われます。
そこはどうかご了承いただけたらと思います。


今回から国内編です。
最初は一体どこなんでしょうか…?


それでは、本編へどうぞ。


第3局 巫女

 

 霧島神境。

 

 

 

 鹿児島の山中深くに、女仙だけが住む仙境が存在する。

 しかしてそれを知っているものは数少ない。

 噂を嗅ぎつけ霧島神境を探し出そうとした者もいたらしいが、たとえいくら探そうとも目に見ることすらもかなわなかったという。

 例えるなら存在自体が霧のように、どこをどれだけ探そうとも捉えられた者はいない。

 誰に聞いてもその所在を知る者はいない。

 故に霧島神境はその秘匿性をもって一般には知られることなく、もはや一種の御伽噺として伝わっている。

 

 

 

 そんな霧島神境の入り口を、向井遼太とその母がくぐろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フランスの地から旅立ち、ぼくたちが足を踏み入れたのは鹿児島だった。

 初日は新しく住む家に行って束の間の団欒を楽しんだが、翌日になるとおとうさんは早朝から職場へ向かい、ぼくとおかあさんはとある山に向かうことになった。

 何故いきなり山だと思いおかあさんに聞いてみたら、おかあさんは何と言えばいいのかといった顔をしながら返してきた。

 

 曰く、今向かっているのは山中にある『霧島神境』という場所である。

 曰く、霧島神境は女仙だけが住んでおり、そこには『本家』と『分家』が存在し、神境における『特別な力』を女仙が有している。

 曰く、おかあさんはその本家の血筋であり、ぼくにもその力があるということ。

 

 今回は、ぼくの力を調べるためらしいが、今後も定期的に神境に赴いてその力を制御するための修行を行わなければいけないらしい。

 下手したら泊まり込みでしなければいけない修行もあるんだとか…。

 

 

 

「ごめんね遼太。こんな力を持たせてあなたを縛ることになってしまって…」

 

 

 

 おかあさんはそう謝ってくれたが、ぼくとしては正直に言うと『特別な力』やそれを制御するための修行などについては文句はなかった。

 もう持ってしまった力は仕方のないことだし、それを血筋のせいなどとおかあさんに当たるなんてもっての外。

 大事なのは、そういう他の人とは違う部分を持ったうえでこれからをどうやって前向きに生きていくかということだとぼくは思っている。

 

ーーーこう思えるのも、前世のことがあったからなんだろうな…

 

 

 

 

 

 想起するのは前世のときの記憶。

 物心つく前から始まった病院生活。

 テレビなどで見る外を走り回る同世代の子どもを見て、自分が普通ではないと気付くのにさほど時間はかからず、親に理不尽な怒りをぶつけたこともあった。

 

 どうしてぼくはあの人たちみたいに外で誰かと遊べないのかと、どうして普通の体で産んでくれなかったのかと。

 

 今でこそ荒唐無稽な話だと言えるが、当時のぼくはそんな感情を誰かにぶつけることしかできなかった。

 それに対しておかあさんとおとうさんが返したのは優しい抱擁と涙を浮かべての謝罪だった。

 

 ごめんね…と、遼太の気持ちに気づけなくてすまない…と。

 

 それからだった。

 積極的に部屋から抜け出して他の人と遊ぶようになったのは。

 ぼくはもうテレビの向こうの人たちみたいに走り回って誰かと遊ぶことはできない。

 そんな叶わぬ願いを望んで、二人を泣かせることになった。

 ならせめて今ここでできることで、自分がしたいと思うことをしようと決めた。

 それが、ぼくが笑って過ごすことが、おかあさんとおとうさんの笑顔になるからと、そう二人が教えてくれたから。

 おかあさんとおとうさんの涙を見て、二人には笑ってほしいと、幼いながら欠陥を抱えたぼくが心から願ったことだから。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーこんなときに…いや、こんな時だから思い出したのかな。

 

 我に返った遼太はクスリと笑う。

 そうして改めて前を見てみると、もうずいぶんと階段を登ったのか終わりが見えはじめ、奥には大きな鳥居がそびえ立っていた。

 そして長い階段を登り切った先には老齢の女性と遼太より少し上くらいの幼い少女の巫女服姿の二人が鳥居の下で立っていた。

 

 

 

「久しぶりですね、待っていましたよ。」

「ええ、お久しぶりです。」

「して、そちらの子が…」

「あ、はじめまして。向井遼太、6さいです。よろしくおねがいします。」

「はじめまして。礼儀正しい子ね。私は君のお母さんの師匠兼従者みたいなものです。そしてこっちにいるのは」

「はじめまして、石戸霞です。歳は8歳です。」

「ここでの案内は今後霞が行います。霞、彼のことは頼みます。私たちは別室で話すことがありますので。」

「遼太、そういうことだから。後でまた合流するからね。」

 

 

 

 そう言うと大人組の2人は行ってしまう。

 

 

 

「…遼太さん。それじゃあ私たちも行きましょうか。」

「あ、はい。わかりました。」

 

 

 

 霞に先導され、遼太も神境の中に足を踏み入れる。

 その道中、遼太はある疑問を投げかけた。

 

 

 

「あの、石戸さん。これからなにをするんですか?」

「これからは遼太さんの力を調べます。その後は私たち分家の六女仙と小蒔ちゃん…本家の姫様と会っていただきます。」

「そうなんですね。…えっと、ぼくのほうがとししたなのでけいごはいいですよ?それにこれからもあうことになるのにきょりがあるのはイヤですし。あ、それがふだんのはなしかたならむりじいはできませんけど…」

「…分かったわ。そういうことならこれからは遼太くんと呼ぶわね。」

「はい!ありがとうございます!」

「クスッ、遼太くんは敬語のままなのかしら?」

「へ?でもとしうえですから…」

「このままじゃ遼太くんと距離があるままになるかもしれないわね~」

 

 

 

 うっ、と自分が言った言葉をそのまま返されて遼太は言葉に詰まる。

 自分が言った手前それに反論することもできず、さらには自分のお願いを聞いてもらってこちらが聞かないというのも不誠実だと思った遼太は観念したような顔で霞に向き直る。

 

 

 

「…うん、わかったよ石戸さん。」

「霞、でいいわよ。」

「………霞、さん。」

「はい、改めてよろしくね、遼太くん。」

「よろしく……霞さん。」

 

 

 

 とっさに敬語が出そうになった口をギリギリで閉じ、改めて挨拶を交わす。

 そうこうしているうちに建物に着いたぼくたちはそのまま中に入り、霞さんが指定した部屋でぼくの力を調べることになった。

 といってもぼく自体は何かするわけではなく、霞さんから少しの間そのまま座っているようにと指示され、それからものの数分で調べ終わったらしく、解放されたぼくは再び霞さんを先頭に建物内を進んでいく。

 少し歩いて広間の近くまでくると、奥から数人の少女の話し声とジャラジャラという何かがぶつかりあう音が聞こえてきた。

 

 

 

「?霞さん、このおとって…」

「ええ、多分遼太くんの予想どおりだと思うわ。もうみんな揃ってるみたいね。」

 

 

 

 霞さんはゆっくりと広間につながる障子を開けると中に入っていき、ぼくもそれに続いた。

 中にいたのは霞さんと同じ巫女服を着た少女が4人、一つの雀卓を囲むように座っていた。

 ぼくたちが入ってきたことに気づいたのか、4人は手を止めるとこちらに向き直り声をかける。

 

 

 

「霞さん、おかえりなさい。」

「おつかれさまですよー。」

「おかえり。」

「霞ちゃん、おつかれさま。」

「ええ、ありがとう、みんな。」

 

 

 

 そうして会話を区切ると、4人はぼくの方を物珍しい目で見る。

 まあぼくは顔の造形自体は日本人に近いけど髪と眼は明らかに外国のそれだし、なによりこの霧島神境は女仙だけが住むとされる仙境、男を見ること自体があまりなかったんだろうなと思いつつペコリと一礼してから自己紹介をはじめる。

 

 

 

「はじめまして。向井遼太です。これからよろしくおねがいします。」

「狩宿巴です。よろしくおねがいしますね。」

「薄墨初美ですー。よろしくですよー。」

「滝見春。よろしく。」

「えっと、神代小蒔…です。よろしくおねがいします…」

「一つ紹介を加えると、小蒔ちゃんがこの中で唯一の『本家』の血筋でこの霧島神境の姫様。そして私たち『分家』の4人と後2人を加えて『六女仙』なのよ。」

 

 

 

 4人もそれぞれ順番に遼太に向かって自己紹介を行う。

 上から順番に赤茶色の長い髪をポニーテールにしてこの中で唯一眼鏡をかけている少女、狩宿巴。

 巴と似た髪をツーサイドアップにして語尾がよく伸びている少女、薄墨初美。初美だけ巫女服の着方が違い、袖をブカブカにして胸元がかなり開いており、袴がミニスカートばりに短くなっている。

 深緑のような髪をロールのかかったポニーテールにして感情の起伏が少ない少女、滝見春。

 最後に艶のある黒髪をおさげにして、緊張しているのかときどき詰まりながら話す少女、神代小蒔。

 

 

 

「歳は初美ちゃんと巴ちゃんが私と同じ、小蒔ちゃんがその一つ下、春ちゃんが二つ下で遼太くんと同じね。」

「年下だったんですかー。」

「そうですね、なんとなく雰囲気からもう少し上かと…」

「あはは…。ぼくのほうがとししたなのでよかったらきがるにせっしてくれるとうれしいです。」

「わかったのですよー。なら遼太も私のことを名前で呼んでほしいのですよー。」

「そうね、私もそうしてもらおうかしら。」

「わたしも、春でいい。」

「私も…姫とかじゃなくてみんなと同じように名前で呼んでください」

「…はい、わかりました。初美さん、巴さん、春さん、小蒔さん。」

 

 

 

 そうして、遼太と5人の巫女が邂逅した。




色がついていた………だと!?
評価をつけてくださった方々、本当にありがとうございます!
自己満足気味に出した小説でまだまだ未熟ですが、つけていただいた評価に恥じないようにこれからも書いていきたいと思います。


そして本編ですが、ええ、サブタイ通りです。
本当はもう少し続くはずだったんですが、繋げると結構長くなりそうだったので半ば無理やりここで区切りました。
次話はそのおかげである程度書き進めてあるので早めに出せると思います。


それでは、ここまで読んでいただいてありがとうございました!
ご意見、ご感想、誤字脱字報告もお待ちしております。



改めて、評価ありがとうございます!
☆10
つきたいようさん
アル☆ー☆さん

☆9
ナーサリーさん



追記
誤字修正いたしました。
報告してくれたnicom@n@さん、ありがとうございました!
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