今回は無理矢理、プロローグのことを回収する回です。
かなりこじつけやめちゃくなとこがあります。
それに、無駄にだらだらと長いです…。
苦手な方はそっとブラウザを閉じてください…。
五つ子たちと真剣に向き合うと宣言してから半月ほどが経った、五月三日。
ゴールデンウィーク真っ只中なのにも関わらず俺は一花にアパートに呼び出されていた。
「で、何の用なんだ?」
俺は先ほどから向かいの席でどこから買ってきたのかわからないフラペチーノを飲んでいる一花に話しかける。
「まーまー。そんなに焦んないでよー。」
「帰って勉強をしたいんだが。」
「私たちと真剣に向き合ってくれるんでしょ?」
「うっ…。確かにそうだが…。」
俺は痛いところを突かれ黙ってしまう。
「なら、もう少し待ってくれてもいいよね??」
一花が微笑みながら言ってきた。
なんだか、一花の手のひらの上で踊らされてるのが癪だが、仕方ない。
ここは黙って待って居よう。
俺がしばらく黙っていると、今度は一花の方から話しかけてきた。
「ねぇ、フータロー君。」
「なんだ?」
「今日呼び出したのはね、フータロー君に大事な話があるからなんだ。」
一花はいつの間にかフラペチーノを飲み終わっており、真剣な表情で俺の顔を見つめていた。
「大事な話ってのは何なんだ?」
俺はあまりに真剣な空気に固唾をのむ。
「大事な話だからちゃんと聞いてね。」
「あぁ。わかった。」
「じゃあ、まず質問していい?」
「ん?別に構わないぞ。」
俺がそう言うと、一花は少し黙ってしまった。
そんな中、俺は一花の顔をじっと見ながら、一花の口が開かれるのを待っていた。
数十秒後、ようやく一花は口を開いた。
しかし、その発言はとんでもないものだったのである。
「フータロー君は私たちと出会うのは何度目かな。」
俺は一花の言ってることが瞬時には理解できなかった。
しかし、時間が経つにつれて少しずつ理解していく。
「一花、それは…。」
俺はなんて答えていいのかわからず言葉を詰まらせる。
「聞き方が悪かったから、改めて聞くね。フータロー君は何週目なの?」
一花のこの質問で俺はようやく現状が理解できた。
「一花は知ってたんだな。俺がタイムリープしてたことを。」
「私だけじゃないよ。みんな知ってる。」
「えっ…?それってつまり…。」
「うん。みんなタイムリープしている。」
「やはりな…。」
「あれ?気付いてたんだ?」
一花はとても驚いた表情をしていた。
そんなに俺って鈍感だと思われてたのか??
「さすがに気付くだろ。お前らの態度があからさますぎる。」
「まあ、確かにそうだね。そこは反省しなきゃ。」
「と言っても、俺自身半信半疑だったんだがな。」
「四葉とは話してたんでしょ?フータロー君だけじゃなくて私たちもしてるってことは。」
「あぁ、そうだ。」
「四葉はほかに何か言ってた?」
「いや、特には。」
「そっか。はなさなかったんだね。」
一花は寂しそうな笑みを浮かべていた。
「ちなみに、フータロー君はどこまで記憶があるの?」
「卒業式の前日に携帯を見たのと、卒業式のことは覚えている。」
「卒業式の後に起きたことは?」
「残念だが思い出せない…。」
「そっか、じゃあこの先のことは?例えば修学旅行とか。」
俺は一花にそう言われたので、修学旅行のことを思い出そうとする。
しかし、なぜか思い出すことができなかった。
つい最近のことまでは思い出せていたのに…。
「思い出せない…。」
「でも、林間学校とか春休みのことは覚えてるんだよね。」
「あぁ。それは鮮明に思い出せる。」
「まあ、過ぎ去ったことだから思い出しやすいのかな?この先も日にちが近づけば思い出すんじゃないかな?」
一花がのんきにそんなことを言っている。
「そう言うもんなのか…?」
「そこらへんはよくわからないかな。」
「結局よくわからないのか…。」
まあ、これは仕方ない。
その時なったらまた考えよう。
それよりも俺には聞かなくてはならないことがあるのだ。
「なあ、一花。卒業式の後何が起きたんだ?」
今の俺にはこれが最も重要な案件である。
「簡潔に言うと、フータロー君はその日死んじゃったんだよ。」
一花は重要なことをなんとも味気ない感じに言い放った。
まあ、だが大方予想通りである。
何となくそうなんじゃないかと思っていた。
「しかし、なんでタイムリープなんてしたんだ?」
「原理についてはわかんないかな。」
一花はなぜか含みのある言い方をする。
「他は知ってるのか?」
「私たちとフータロー君のきずなとでもいうべきなのかな?」
「いや、意味が分からないんだが…。」
「まあ、結局私もよくわからないかな。わかってることは、フータロー君と私たちがまた巡り合ってるということ。」
「まあ、そうだな…。結局それしかわからないのか…。」
「うん。そうだね。」
ここでいったん会話が途切れそうだったので俺は一花にとある質問をしてみた。
「一花。お前は何度目なんだ。」
「なんで、そんなことを聞くのかな?四葉に聞いてるんじゃないの?」
「確かに、四葉は私たち二度目なんですと言った。しかし、四葉にも卒業式の後の記憶はなかったんだ。なぜ、一花は覚えているんだ?」
「あの子が嘘をついてるだけかもよ?」
「それはないだろう。四葉は嘘をつくのが下手だからな。」
「じゃあ、四葉だけ忘れちゃったのかな?」
一花はおちょくったような口調で言ってくる。
しかし、顔は真剣そのものだった。
「なあ、一花。正直に答えてくれ。」
俺は一花に真剣に聞く。
「ねぇ、フータロー君。パラレルワールドって知ってる?」
一花は俺の質問には答えず、逆に質問を俺にぶつけてきた。
「一花。俺の質問に答えてくれないか。」
「これが答えになるからフータロー君は私の質問に答えて。」
「わかった…。」
俺は一花の圧に負けてしまったのである。
「じゃあ、もう一回聞くね。パラレルワールドて知ってる?」
「あぁ。平行世界だろ。」
「うん。そうだよ。じゃあ、平行世界はいくつあるのかな?」
「そんなの分からないだろ。」
俺はいまいち一花の質問の意味が分からない。
「わからないよね。じゃあ、君がAという平行世界から来たとして、ほんとに私もAという平行世界から来てるのかな?」
「…。それもわからないな…。」
「うん。でも、共通点はあるよね。」
「あぁ…。どの世界でも俺が死んでるっていうことか…?」
「うん。そうだね。」
「つまり、何が言いたいんだ??」
俺はやはり一花が言わんとしていることが分からない。
「全部人から教えてもらっちゃダメだよ。フータロー君がそう言ってたでしょ。」
一花がいたずらっぽい笑みを浮かべた。
くっ…。
まさか、自分の言葉が自分にかえってくるとは…。
しかし、こればっかりはどうしてもわからない。
「一花。もう少しヒントをくれないか…?」
「んー。私以外の四人は君と同じ平行世界Aから来てるよ。」
「つまり、一花、お前だけは違うんだな。」
「そういうことになるね。」
「俺の世界の一花はどこに行ったんだ?」
「それはわからない。」
「お前は俺がいた世界で接してきた一花じゃないってことなのか?」
「そうであってそうでないと言えるのかな。」
「どういうことだ??」
さっきから、もう頭の中がぐちゃぐちゃすぎて混乱しそうだ。
普通の勉強の方が百倍簡単である。
「結末が一緒ってことは、その過程もほぼほぼ一緒ってことでしょ?」
「確かにそうなるかもな…。」
「つまり、私は君と接していた。君も私も同じ体験をしてるんだから。」
「なるほど…。」
ホントになるほどなのかはわからないがとりあえず納得することにした。
「まあ、私は君が死んだところを二回見てるんだと思うけどね。」
また、一花がさらっと重要なことを言った。
最初にそれを言ってほしかったんだがな…。
「二回とも同じ過程で、同じ結末だったのか?」
「結末は一緒でも過程は違ったと思うよ。」
「そうなのか?」
「うん。私の一回目はフータロー君たちと同じ一回目だと思う。」
「あぁ。それで?」
「二回目は、私だけタイムリープしたことになってた。」
「つまり、お前だけ二回目だったのか?」
「うん。でも、今のフータロー君と同じ状態で、きおくが曖昧だったの。それでまた、同じ結末になっちゃったのかな?そこはよく覚えてないや。」
「で、今回は三回目なのか。」
「うん。そうだよ。」
「しかし、なぜ記憶が残ってるんだ?」
「残ってる記憶は一回目だけ。君たちと同じ記憶。二回目はフータロー君同様曖昧なの。」
「でも、俺が死ぬ原因は覚えてるんだろ?なら、助かるんじゃないか?」
「私にできるのは一つのフラグを折ることだけ。今回はみんな二回目以降だし、今までとは全くパターンが違うから別のフラグが発生するかも。」
「なんだよそれ…。」
「現にフータロー君は三人も手籠めにしちゃってるんだから。」
今度の一花の笑みは非常に怖いものだった…。
「まあ、今後何が起こるかはわからないってことだな?」
俺は無理やり話を逸らす。
「そういうことだね。まあ、フータロー君が誰を選ぶのかにかかってるかもしれないけどね。」
「マジなのか…?」
「私を選んでおけば絶対安全だよ?」
「どうしてそう言い張れる?」
「私なら、無理やりみんなが笑える関係にできるから。だからさ…。」
一花はそう言うと、突然俺に抱き着いてきて、俺の胸に顔を埋めてきた。
「い、一花!?急にどうしたんだ??」
俺は一花をはがすために一花の肩に手を置いた。
すると、俺は彼女が震えていることに気付くのであった。
「一花?泣いてるのか…?」
俺がそう聞くと、一花は小さな声で何かを話している。
俺はそれに耳を傾けた。
「フータロー君…。もう、私にあんな悲しい思いをさせないで…。」
それを聞いた俺はがらにもなく一花のことをそっと抱き返し、泣き止むまで頭をなで続けるのであった。
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