バハルス帝国の贄姫   作:藤猫

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悪魔との対決

 

 

「リス、何か思うことがあるかもしれないが。仕事に集中しろ。」

「わかってますよ・・」

「なんだ、漆黒の英雄のことか?」

 

それにリリーは思いっきり顔をしかめた。

 

驚くほどに怒り狂ったモモンはひとまずリリーがなだめたことで落ち着いた。ただ、モモンからの直接的な殺気にクライムがしばらくの間使い物にならなかったのが厄介だったが。

ともかくは、冒険者であるモモンは関係が無いという建前を持って、離脱し、リリーとブレイン、そうして立ち直ったクライムによってサキュロントたちは捕縛された。

その後、リリーは王都で大々的に八本指の捕縛計画があることを知った。

 

「ここまで来たんなら乗りかかった船だ、付き合え。」

 

ガガーランの言葉でリリーはそのまま捕縛計画の一部として加えられたのだ。

それについては不満はないわけではないが、それはそれとして割り切った。

 

(絶対に捕縛は無理だろうなあ。大方、伝手を使って出てくるだろうし。頭を捥いでも、手足が暴れたら意味が無い。まあ、今回は敵方の戦力の情報を知れれば、後々便利だろうし。)

 

もし、何かあればとんずらすれば良い。そう思っていた矢先、それぞれの班に分けられたときだ。

 

「ああ、リスさん、お久しぶりですね!」

 

いけしゃあしゃあと顔を出した男にリリーは殺意混じりににらみ付けた。

 

久しぶりもくそもねえよ、殺すぞ、くそが!

なんてぶち切れ状態であるが、それはそれとして、そんなことを表に出せるはずがない。殺す気だ、殺意を持つんだ。

でないと、正直怖くて逃げたいという一心になってしまう。

 

「・・・・お久しぶりです。」

 

リリーは恐怖を殺意で必死に覆い隠して返事をした。そうして、両手を上品に組みながら、不安を隠すためにこすり合わせる。

 

「ええ、またお会いできて嬉しいです。リスさんも、この件に?」

「まあ、その、蒼の薔薇の方々に言われまして。お力になれればと。」

「・・・・そうですか。リスさんの実力も理解していますが。危険では?」

「いえ、そう言ってくださってありがたいのですが。私にも自負はありますので。それに、私はあくまで補助というか。」

「待機、というのは難しいのでしょうか?」

「頭数に入っておりますし。皆さん、お強いので、私は前に出ませんが!」

 

リリーは背中にぶわあああああああと変な汗をかきながらそう割り込んだ。

 

(ああああ、やめて、これ以上話さないでくれ!)

 

リリーはモモンの後ろにいる、美姫ナーベからのずもおおおおと擬音が付きそうな視線にダッシュで逃げ出したくなった。

 

(あー!あー!お客様!お客様!そのような視線を向けないでください!知りません、いりません!というか、さっさとそっちで引き取れや!)

 

そう叫べればよかったのだろう。けれど、そんなことを言えるはずがない。周りの人間はまじまじと好奇心に満ちた目でモモンとリリーのやりとりを見つめていた。

 

「あー、モモン殿?」

「はい、なんでしょうか?」

「これから、班分けについての話もしないといけないので。そこまでにしていただけますか?」

「ああ。それは、すみません。」

 

モモンはそれに名残惜しそうにリリーから離れれば、近くにいたガガーランが楽しそうな声を出した。

 

「なんだ、お前、隅に置けねえな?」

「・・・・勘弁して欲しいんですがね。」

 

リリーとしてはそんな関係ではないと言いたかったが、ガガーランとしてはからかうなという意味として取ったのだろう。

けらけらと高らかに笑った。リリーはそこでクライムの方に視線を向ける。

丁度、その場にいたクライムは少しだけ怯えているように見えて、リリーはそっと彼に近寄った。

 

「・・・・大丈夫か?」

「あ、リスさん。いいえ。平気ですよ?」

 

その言葉は嘘ではないようで、淡く微笑んだ。娼館の襲撃時には腰が抜けて立てないほどであったが、どうやらなかなかに根性があったようだ。

 

(まあ、あの執事のじいさんの殺気にも耐えてたもんな。)

 

そんなことを考えつつ、今回の襲撃についての説明を聞き、そうして班分けが発表された。そうして、リリーは見事、モモンとは別行動となった。

リリーはそれにやったああああああ!と内心でガッツポーズを行った。やった、やったとうきうきしながら同じ班のイビルアイの元に向かおうとした。

 

「・・・・リスさんと同じ班というのは?」

 

おう、黙れや。

リリーは咄嗟にその余計な口を閉じさせるためにモモンに跳び蹴りを加えるかを考えた。けれど、もちろん、そんなことはできないのだからその場で固まるしかない。

 

「・・・モモン殿、それは、さすがに。」

「無理でしょうか?」

「そうですね、彼女は蒼の薔薇のメンバーと行動するのに慣れていますので。」

 

ラキュースのそれにリリーはがんばれとうちわを振る。それに、周りも同調する。

 

「あー、モモン殿、心配するのはわかるが。」

「そうだ、彼女も実力者。心配ない。」

「惚れた女が戦場に出るのは心配だろうが。」

「ああ、それを送り出してやるのも心意気だ。」

 

追加されるそれらに、そう言う存在へもド突き回してやろうかと考えた。それにモモンは残念そうに肩を落とした。

 

「・・・そうですね。リスさん。」

 

モモンはリリーの肩に流した横髪を一房摘まみ、そうしてそれに顔を寄せた。

 

「こちらのことをすぐに終わらせますので。」

安心してください。

 

自分に向かっていく生ぬるい視線、蒼の薔薇の好奇心に満ちた目、そうしてナーベの殺意混じりのそれ。

リリーは愛想笑いをしながら、いっそのこと殺せと切に思った。

 

 

 

「にしても、いつの間にアダマンタイト級の男なんぞ引っかけたんだ?」

 

イビルアイのからかい混じりのそれに、リリーは死んだ目をした。

丁度、一足先に移動したガガーランたちを追っていた。イビルアイは、珍しくそんな雑談を振った。

 

「知りませんよ、何か、気に入られているんでしょうね?」

 

気に入るというそれに苦々しさを混じらせ言えば、イビルアイは楽しそうな声を上げた。

 

「まあ、根無し草でおらずに、アダマンタイト級の人間なら囲われるのもいいんじゃないのか?帰れもしない故郷を探さずにな。」

 

それにリリーは何と答えれば良いのかわからなかった。

そこそこ長い付き合いをしている蒼の薔薇であるが、イビルアイとは少しだけシンパシーを感じていた。

というよりも、リリーはイビルアイが吸血鬼であることを理解していた。

そのために、思わず、この世界で吸血鬼と人間が行動していることに驚き、思わず声をかけた。

もちろん、一悶着ありはしたが、なんとか落ち着いた。

 

リリーは基本的に、拠点は帝国に置いていると説明しているが、聞かれたことがある。冒険者にもならず、所属もせずに何をしているのだと。

その時、リリーは思わず答えてしまったのだ。

 

帰れもしない故郷に行く方法を探していると。

それは、武者修行という、この世界では荒唐無稽というか、命知らずな要素を強固にするためのフレーバーで、そうして、リリーの本音だ。

 

ジルクニフという恩義を持たなければ、きっと、それのためにふらふらと世界を歩いて、そうして最後には野垂れ死んでいただろうとリリーは思っている。

 

蒼の薔薇の人間は、それにリリーの故郷が滅びたと勘違いし、イビルアイはそれに苦々しい声を出した。

奇跡を信じるな、と。

 

「自分には気が重いので遠慮したいんですよ。大体、隣にいたナーベさんの顔、見ました?あの人と共にやっていくのはキツいですよ?」

「はっ!確かに、すごかった。まあ、アダマンタイト級の男の隣に立てるほどの実力と、そうして、あの容姿だ。それ相応の自負もあるだろう。何よりも、ぽっと出の女にあれほど入れ込まれてはな。」

「ええ、ですんで今回のことが終わったら、カッツェ平野を調べてそのまま帝国に帰りますよ。もう、勘弁して欲しいので。」

 

あの男めちゃくちゃやばいですよ!と言い触らしたいが、それを言っても信じて貰えないだろう。

モモンは基本的に人格者というか、潔癖で通っている。何せ、エ・ランテルで上等と言っても差し支えのない娼婦たちに言い寄られても色々と大丈夫だった男だ。

面構えというか、不能なのだろうかとリリーはとても失礼なことを考える。

 

「・・・・・まあ、好きにしろ。ただ、星を見上げ続けながら歩けば、いつか落とし穴に落ちるのが関の山だぞ。」

「わかってますよ。」

 

イビルアイのそれにリリーは苦々しく言った。

 

(それでも。夢を見るぐらいは、自由だ。)

姉さん。

 

柔らかな弟の、もう、忘れかけた声を夢想した。

 

 

 

(あ、ははははははははは!本当に、まじで、上手くいかねえな!!)

 

リリーは死んだ目で目の前のそれを見る。

そこにいたのは、みんな大好き社畜の象徴、はさすがに偏見に満ちているが、見慣れたスーツを纏った異形が一人。

 

「ふむ、これはこれは、なるほど。」

(うわあ、良い声。)

 

リリーはバカみたいにそんなことを考えた。

 

 

ガガーランたちに追いついたリリーたちが見たのは、何故か和風のメイド服を着た女と戦闘であった。イビルアイはそれに魔法を叩き込み、そうして、ガガーランたちの前に躍り出た。

 

「誰ぇ?」

「誰、というか、ガガーランの姐さん、敵!?」

「さっきまで八本指の奴らの腕を食ってやがったぞ!」

「あらあ、服のセンスはめちゃくちゃいいのに残念!!」

「馬鹿者!人食いの化け物に何を言っている!?」

 

リリーは思わずそう言った。けれど、現実逃避のようであるが、それは素直な感想だ。

クラシカルなロングスタイルのメイドも良いが、それはそれとして和風のモダンな雰囲気のメイド服もいいと思っている。

というか、あまりにもイレギュラーなことが多すぎて自分でも何を言っているのかわかっていない。

目の前の、その異形はリリーのそれににやりと笑った。

 

「へえ、服のセンスはいいんだ。それに、あれ、そっか。」

 

何故か、それはまじまじとリリーを見た。それに、リリーはぶわあああと嫌な予感に包まれる。

 

「ちょっと小手調べにやっていい!?」

「かまわん!」

 

イビルアイのそれにリリーは〈魔法の矢〉を放つ。けれど、それ自体、どうも使役しているらしい蟲で防がれる。

 

(・・・うーん、レベル差的にそこまでではない?でも、ガガーランの姐さんたちは苦戦してたなら実力発揮してやると厄介だし。)

 

リリーはそのメイドを引き離して、一人になることを考える。弟に貰ったスクロールを使えばなんとかなるかも知れないと思ったのだ。そこまで考えているとイビルアイが叫ぶ。

 

「リス!援護しろ!ガガーラン、お前は回復に専念!」

「了解・・・・」

 

リリーは今はともかくイビルアイのそれに従おうとしたときだ。

 

「おや、皆さん、おそろいのようで。」

 

とても、良い声がした。

時が止まる。何故って、これから殺し合いをしようという時で、もっと切羽詰まっているときに、あまりにも優しげな声がしたものだから。

リリーは声のする方を見た。

 

リリーから数歩離れた先に、男が、いた。

 

ひどく仕立てが良い、けれど、なかなかに尖った色合いのスーツを着ていた。リリーは懐かしいとバカみたいに考えて、男の背後で揺れる金属製の尻尾に気づいてああと思う。

 

「離れろ!!」

 

イビルアイのそれに、リリーは全力で男、いいや、異形から離れた。道化師を思わせる仮面を付けたそれは特別気にすることもなくそれを見送る。

 

「君は下がっていい。ここは私が何とかしよう。」

 

ねぎらいに満ちたそれは、どこまでも優しげだ。それにメイド服のそれは、ひらひらとその場にいた人間に手を振った。

 

「じゃあ、お暇しますー。」

 

そう言って、蟲を使ってメイドは空に飛び上がる。

 

「・・・・イビルアイの親戚か?」

「個性豊かなご家族で。」

「ふざけてる場合か!?お前達は逃げろ!」

 

イビルアイが殿を務めるとそう言っているのをリリーは聞きながら、無理くない?と考えていた。

 

リリーは死を知っている。

流れ落ちる血の暖かさ、にじり寄る絶望、欠けていく己。だから、わかる、理解する。

それは、多分、強いのだと。

 

だから、リリーは理解する。

多分、どうしようもないし、さっさと転移魔法でも使った方がいいと。

けれど、その前に、リリーの足は止まった。

何故って、簡単だ。

 

(あれは、帝国の、兄上の、敵だ。)

 

それだけが、それだけで、リリーの中の天秤はあっさりと戦うことを決意する。

 

死の恐怖も、なぶられるかも知れないという危機感も、全てが凌駕される。

女の、生きる意味だった愛といえる弟のいない世界で、それでも歩みを止めない理由。

 

たった一度の、男の誠実さに報いるために、リリーは死ぬことを決意する。

命の恩義は、命によって報いるしかないと知っているために。

それこそが、己が己である理由だと理解しているために。

 

「さて、待ってばかりもいられないので。はじめさせていただいても?」

 

異形のそれにイビルアイが逃げろと叫ぶ。けれど、リリーだけはその場に立っていた。

 

「リス、お前も!」

「残るよ。」

私は、あんたよりも強いから。

 

揺るがないそれにイビルアイは正気を失ったかと疑うが、それに対処している時間はない。

 

「ふふふ、おや、行ってしまわれるのですか?ふむ、確かにあちらに興味は無いですが。別れとは辛いもの。転移は阻止させていただきます。〈次元封鎖〉。」

 

(おいおい、それって上位の悪魔とかしか使えないやつ!ウルベルトさんに聞いた~。)

 

ちらりと見たイビルアイは逃げられないことを覚ったのか、それでもと変わること無く揺るがずに戦闘態勢に入っている。それにリリーも覚悟を決める。

実力が知れたときは、リスという女の存在を消す、それだけだと。

 

「さて、先は譲ります。あなたの実力を見せていただきたい。」

 

悪魔のそれに、イビルアイは不敵に笑う。

 

「では好意に甘えて先手を取らせてもらう!食らえ!〈魔法最強化・結晶散弾〉!」

 

それが悪魔に通らないのを見て、魔法の無効化を持っているのかとリリーは思いつつ、悪魔に効く魔法について考える。

 

(私が使える魔法で、悪魔、たぶん、属性的に悪ならば。)

 

悪魔はイビルアイのそれにつまらなさそうに肩をすくめて、リリーを見た。それにリリーは魔法を放つ。

 

「〈善なる極撃〉」

 

光が、落ちてきた。

イビルアイはそう思った。

光の柱が、まっすぐに、天罰のように悪魔に落ちてくる。その様は、まるで鉄槌のようで。

悪魔の身を包むように辺りに光が眩んだ。

イビルアイは咄嗟に目をつぶる。

 

死んだと、イビルアイは思った。それでも、肌に感じる力、それによって悪魔がその身を散り散りにさせているのだと、そう思った。

 

「ふ、ははははははははははははははは!!」

 

高笑いが聞こえた。

イビルアイはそれに、目を開けて、絶望する。

確かに、悪魔は傷を負っていた。負ってはいたが、それでも、なお、健在である。

悪魔は己のスーツについた埃を払うような仕草をし、そうして、目の前に立つリリーに喜々として話しかけた。

 

「ああ、やはり!なるほど!そうですか、そうですか!」

「あ、ははははははははは。まじか、あれが効かないか、そうかあ。」

 

リリーがぼやく中で、悪魔の心情などわからないだろうが、それは歓喜していた。

彼は、この世界に来てから初めてダメージというものを負った。それは、目の前のそれが確かに上位で有り、この世界の上澄み部分であることを指す。

 

(ああ、さすがは至高の御方!ただ気に入った?いいや、それだけではない。勘、それだけで、正しく、重要な存在を選んでおられる!)

 

嗅ぎ取ったのは、色々と違う方向の執着によるものだが、悪魔にとってはそんなことしったこっちゃないのだ。

悪魔の主人自体、共犯者の女について設定をいじったが故の信頼があるが、悪魔という種族などのせいでどうしてもその男には裏事情を言えていなかったりする。

 

「・・・・リス!」

「事情の詮索とかやめていただけませんかね?」

「先ほどの魔法は!?」

「・・・・・周りには秘密で頼みますが、第7位階です。」

 

それにイビルアイはリスというそれが、それほどの魔法を行使したこと、そうして、それが目の前の悪魔に通じないことを理解して、歯を食いしばった。

驚きや、聞きたいことは山ほどある。けれど、そんな場合でないことは理解していた。

 

「万事休す、か。」

「だからといって根性はらないわけにもいかないですよ。」

 

揺るがないリスのそれに、イビルアイははっとする。

そうだ、自分は伝説に歌われた女だ。何よりも、隣のそれは、驚くほどに頼もしいと思う。

 

「・・・私と一緒に死んでくれ。」

「覚悟は当に決まっている。」

「はあ、おしゃべりはそれでいいですか?ご安心を。そちらのあなたは殺しません。興味が、わきました。」

 

悪魔がそう言った瞬間だ。

 

「悪魔の諸相:豪魔の巨腕」

 

悪魔の腕が盛大に膨れ上がり、そうして、それはイビルアイに向かった。

 

「お嬢!」

 

イビルアイは軽々と吹っ飛ばされていくのが見えた。それと同時に、その腕はリリーに向かい、そうして彼女は拘束される。

 

(あああああ!ここで戦闘経験のなさが響く!)

 

リリーに悪魔は話しかける。

 

「ふむ、ふむ、興味深い。あなたは連れて帰ることにしましょう。なに、ご安心を。いい子にしていれば何もしませんから。」

(・・・使うか。)

 

リリーは自由になる腕を首元に伸ばそうとした。

そこには、彼女の隠し球が存在する。

彼女の弟が、どうしてもと欲しがり、ボーナスの殆どをつぎ込んだそれ。

もちろん、それを知ってリリーは愚弟をバキバキに叱り飛ばした。

 

(支払いが滞りそうだったから、代わりに払ったからなあの時。)

 

金を貯めてて良かったと、あの時しみじみと思ったものだ。そうして、胸にあるそれは、その騒動の後、そんなに出ないのかと、リリーがゲームを始めた際に出た復刻版のガチャで当てたとある指輪だ。

 

(願い、叶えてくれよ!)

 

切に思ったその時だ、ぶんと、風を切る音がした。それに、拘束が外れ、悪魔の巨大な腕は何かを防ぐ。

それは、大剣だった。

 

リリーはそれに、助けが来たと理解した。

 

「・・・・その人に、何をしている。」

 

それは、漆黒の鎧を纏った英雄だった。

 





ちなみに、リリーは十連ガチャで弟の欲しがった指輪を二枚抜きした。無欲の勝利に弟は泣いた。
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