バハルス帝国の贄姫   作:藤猫

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感想、評価ありがとうございます。感想いただけましたら嬉しいです。

事の後の、弟と、僕達。

お題箱にあった質問、姉はタレント持ってますか?
答え、持ってます。自覚はしてないですが。

お題箱作ってみました、何かあれば
https://odaibako.net/u/fujineko56


人を愛せよ、人でなし

 

 

ずうううううううん、と。

その時の王座の間にいた僕達は己の主の背負う空気の重さにどう反応すべきか悩んでいた。

たった一人、彼が作った創造物だけが平然とした態度をしていた。

そうして、そんな主はというと。

 

(どおおおおおおおおおおおおしよおおおおおおおおおおおおお!!!)

 

内心でとんでもなくのたうち回っていた。

といっても、彼の種族上の特徴のおかげですぐに平穏を取り戻す。けれど、やはりまあ気まずい。

何せ、僕の前で言い訳の聞かないレベルのとんでもねえ失態を犯したのだ。最高の主人の仮面なんてほっぽり出して、それはもう暴れまくった。

 

(姉さんも薄情だ。)

 

あの後、姉はあっさりとモモンガのことを引っぺがし、兄だという皇帝を連れて帰路についた。若干皇帝の口から魂が抜けそうになっていたが大丈夫なのだろうか?

モモンガの脳裏には、最後の最後に自分の足に縋り付いていた老人の姿が思い浮かぶが、そっと思考をそらした。

 

(というか、結婚の話もなあ。)

 

姉は気絶しそうな皇帝を俵担ぎしながら釘を刺すように言った。

 

「あと、結婚の話も保留だからな。」

「それは!」

「少なくとも、結婚してくれの一言も言えない男と結婚する気はない。」

 

そう言って、嫌に男前なことを言って去って行ってしまった。

そうして、モモンガはそんなことを考えるときではないと頭を振り、そうして改めて目の前に跪く僕を見る。

もう、やってしまったことは仕方がないのだ。

 

(反逆、その時は。パンドラズ・アクターとアルベドは少なくとも信用できるのだから。この二人がいればある程度のことは切り抜けられるだろう。)

 

少なくとも、今回のことでお膳立てをしてくれたというのにアルベドのせいでずたぼろなデミウルゴスを労らなくてはなあとモモンガは口を開いた。

 

「・・・・皆、その、だな。今回のことは本当にすまない。」

「いえ、そのようなことは!」

「アインズ様が謝る必要などはないはずです!」

「そうです!その、妾やアルベドが暴走した事もありんしたし。」

「そうか、というか、デミウルゴス。お前、大丈夫か?」

「はい、まあ、なんとか。」

「・・・・あとで、何か詫びをしよう。」

「そのような!」

「いや、今回はな。私とアルベドの落ち度だからな。」

「・・・・はい。」

 

モモンガとデミウルゴスの間に、嫌に気まずい空気が流れる。

 

「アルベドも、後でそれ相応の罰を下す。」

「はい、承知しました。」

 

モモンガはそこまで言った後、何と言えばいいのかわからなくなる。僕達が今、どう思っているのかわからない。

 

(少なくとも、失望はしているだろう。ここから、どうやっていくか。謝罪、いや、姉さんに頭を殴打されてるような主人をきっと、情けなく・・・・)

「アインズ様!発言を一つよろしいでしょうか!」

 

そこでまるで青天の霹靂のように、パンドラズ・アクターが声を上げた。それに、僕達はやはり、多くの予想不可能なことが重なったせいか、普段ならば無礼だと怒る者たちも黙っている。

それにモモンガは口を開く。

 

「・・・・アクターか。」

「はい、よければ発言をお許し願いたく。」

 

目の前のそれには、言いたいこともたくさんある。命令違反など、今回は目に余ることが多すぎる。

 

「その前に一つ聞きたい、なぜ、あんなことをした?」

「それは簡単なお話です。私は、僕の中で誰よりも母上と共に過ごし、そうして、気兼ねない関係を築いて参りました。母上のことはある程度理解していると思います。今回、母上をこの場にお連れしたのは、偏に、母上をこのままにしておいたら、おそらくぶち切れて自身の最大火力の魔法をナザリックでぶちかましてでも逃げ出すだろうと考えたためです。」

 

その言葉に、モモンガは頭を抱えた。

パンドラズ・アクターは変わること無くやけに芝居がかった仕草でそんなことを言った。

 

「あなた、そんなことを危惧してアインズ様の命令を無視したの!?」

 

アルベドのそれにモモンガはいいと首を振る。

 

「あの人なら、やるだろうなあ。」

 

やけに実感のこもったそれに僕達はやるのかと少し茫然とする。

そうだ、モモンガはすっかり忘れていた。なにせ、モモンガは実感していなかったが、弟のかける圧で姉がすっかり素直な態度を取っていたせいだろう。

 

そうだ、姉は、とてもとても強情なのだ。こうすると決めれば梃子でも動かない。

いいや、その意思の強さがあったからこそ、あんな世界でも未だ小学生の子どもを抱えて、女手一つで弟のことを守り切ったのだろうが。

 

モモンガは、息を吐く。

自分はパンドラズ・アクターに感謝すべきだろう。姉が嘘をつく理由はない。ならば、あの激情は本心なのだ。

本音を言うならば、今でさえも、姉が自分から離れることが赦せないという意識はある。けれど、それと同時に自分を抱きしめた暖かさのことも覚えている。

 

寂しい。けれど、それは姉だって同じだ。だから、今は我慢だ。この離別は永遠ではないのなら。

 

(ともかく、今は僕達のことだ。)

「そうか、お前に姉さんの願いをできるだけ叶えるようにと命じたのは私だ。お前の今回のことは、処分などはしないことにしよう。それで、言いたいことと言うのは?」

「はい、さて、皆様。今回のことで十分に理解されたでしょう。母上、いいや、リリー様がアインズ様にとってどれほど重要な人物であるか。」

 

パンドラズ・アクターはモモンガに制止される前に朗々と続ける。

 

「いいえ!母上と共におりますと、ナザリックがどれだけ母上に居心地が悪いかよくよくわかりますね!メイド達はもちろん、守護者の一部さえも、母上に対してどうどうと敵意を見せられる!アインズ様に、己と同様の立場であると厳命されてなお!ただ、母上が人であると言うだけで!いいえ、なんという忠義でしょうか!人、人、人!そう、それだけで!その事実だけで命令を曲げるとは、なんという忠義でしょうか!」

 

モモンガは突然のパンドラズ・アクターの暴走に驚きながら、それを止めようとしたときだ。今まで跪いていたデミウルゴスが立ち上がる。

 

「パンドラズ・アクター!もうやめてください!これ以上、自分を犠牲にしなくとも!」

 

デミウルゴスの言葉に守護者達はおろか、モモンガさえも困惑する。パンドラズ・アクターに向けられていた敵意が霧散すると同時にデミウルゴスがモモンガに視線を向けた。

 

「・・・アインズ様、発言をお許し願えませんか?」

「構わないが、どうしたのだ?」

「いいえ、これ以上、パンドラズ・アクター、そうしてアインズ様にご負担をかけるわけにはいきません。」

なんのことでしょう?

モモンガはいぶかしんだが、頷いた。

 

デミウルゴスは立ち上がり、そうして朗々と台詞を続ける。

 

「・・・・・皆、リリー様について、あまりよくない感情を持っているのは知っています。あの方が、人であるから、と。私も、また、そうでした。ですが、話せば話すほどに思うようになりました。」

あの方は、アインズ様に、よく似ておられます。

 

それに、確実にかすかな敵意というべきか、負の感情がデミウルゴスに向けられる。そこで、ぱあんとパンドラズ・アクターが手を叩いた。

 

「でーすーかーらー!!そういうとこですからね?」

 

それに皆はどこか気まずい顔をした。そうして、それに重ねるようにデミウルゴスがまた口を開く。

 

「・・・・アインズ様、以前おっしゃられましたよね。あの方は、アインズ様と、同等の立場であったと。」

「ああ、そうだな。ギルドには入っていなかったが。それはそれとして、私と同等の立場だった。」

「それについては、私も証言できますね。私の衣装を仕立ててくださったのは母上ですし。」

 

パンドラズ・アクターのそれの後、デミウルゴスは口元をわななかせて、そうして、息を吐く。

 

「・・・・そうして、蘇生の出来ない、特殊な形で亡くなられた、と。」

「ああ、そうだ。」

 

それにアルベドが何か、全てを理解したかのように短く声を上げた。

 

「あ、あああああああああああ!そう、それは、そういうこと!そうなのね!!」

「ア、 アルベド、何!?何に気づいたの!?」

 

アルベドは苦い顔でモモンガを見つめた。モモンガは、内心で冷や汗をだらだら流しながらなんなの!?ねえ、なんなの!?と叫んでいる。

 

「・・・・いい?リリーと、至高の御方たちは、同格なのよ!それは、つまりは、何かの拍子であるかはわからないけれど!至高の御方たちも条件さえもあえば、この世界に人間として生まれられる可能性があるということなのよ!?」

 

それに僕たちは目を大きく見開く。

 

「アルベドは、それは!」

「否定できるの!?いいえ、それを不敬だと言えるの!?」

 

叩きつけるようなその言葉に、僕達はじわじわとその可能性が確実にしみこんでいるのか、顔を青くする。

それにデミウルゴスが重ねるように、口を開いた。

 

「・・・・アインズ様は!今回の姿を見せられたのは、先ほどの可能性を考えられ!少しでも人間に対しての我らの意識を変えられようとしたのです!我らにそれを先に言い、思い悩まぬようにと!」

 

それに僕達は感動するようにモモンガを見つめる。

 

「・・・・・・アインズ様、その慈悲深きお心を理解しようとしないことをお許しください。」

 

モモンガは黄昏れた。そうして、心に決める。というか、僕達に言われるまでその可能性をまったく考えていなかった自分に彼はピカピカに光り輝いた。

 

「・・・・・ああ、赦す。そうして、今後、姉にもまた忠義を尽くしてくれ。その、妃に、なる人だ。」

 

もう、どうにでもなれー、と思っていたのは彼だけの秘密である。

 

 

 

 

 

モモンガが去った後、僕達もその場を退出しようと、動き出したとき、パンドラズ・アクターがぱんぱんと手を叩き注目を集めた。

 

「はぁーい、注目してください!」

「・・・・まだ何かあるの?」

 

アウラのそれにパンドラズ・アクターがはいと頷いた。

 

「そうですね。一つだけ、釘を刺しておきたいのです。今回のことで、アインズ様にとって、リリーという存在がどれだけ大きなものなのか理解されましたね?」

「・・・・アア、アレホドノ無礼ヲ赦サレテイルトイウコトヲ、見レバ。」

「ええ、ですね。ですが、他にも母上にあからさまな侮蔑の意識を向けるものは消えないでしょう。特に、アウラ殿とマーレ殿。」

 

その言葉が図星だったのか、アウラとマーレは気まずそうに黙り込む。

 

「だって、人間だし。」

「・・・あなたたち、先ほどの可能性のことを覚えていないの?」

「ぶ、ぶくぶく茶釜様がそんなこと!」

「本当の一ミリの可能性もないと言い切れるのですか?アインズ様さえ、防ぎきれなかったことが。」

 

それにアウラとマーレは黙り込む。そうして、パンドラズ・アクターは改めて口を開く。

 

「私が今回、母上をあの場に連れ出したのは、偏に、母上の暴挙の可能性を考えてのことですが。それと同時に、アインズ様にとっての優先順位を皆に見せるためです。」

「優先、順位ですか?」

「そうですね、ざっくり言うと、ナザリックよりも母上の方が大事だと思いますよ、アインズ様。」

 

あっさりと告げられたそれに複数が殺意さえ向けるが、すぐに沈静化する。何故って、デミウルゴスとアルベド、そうしてシャルティアなど。それに加えて、途中から参加していたセバスでさえも何か思うところがあるように黙り込んでいる。

それが、確実に、その場の空気を変えていく。

 

「・・・・本来なら、ここまで言うことは無いと考えていたんですよ。何せ、アインズ様から直々に己と同等の扱いをしろ、という命を受けましたからね。ですが、態度の変わらぬ者が多すぎました。」

「だって、人間だったし。そうあれって、言われたから。」

「逆にお聞きしたいんですが。そうあれと創られたことと、至高の御方が望まれることのどちらを優先させるか言われないとわからないので?」

 

皮肉の効いたパンドラズ・アクターのそれに、アルベドは感心したように見つめる。なにせ、その領域守護者は飄々としており、ある意味でそこまで他者に敵意を向けるような存在ではないのだ。

 

(それほど、怒り狂っているということ。)

 

アルベドはそこまで考えて、口を開いた。

 

「・・・・まあ、そうね。私たちとしては、アインズ様からの命を受けた時点で理解しているとは思っていたけど。今回の婚姻話は私からアインズ様に提案したのよ。」

「アルベドさんから!?」

「・・・・ねえ、最後に残られた慈悲深きアインズ様も、以前はナザリックで過ごされることは殆どなかったわ。事実、見かけた者もいないでしょう?」

「それは、ギルドの維持費を稼ぐために外に出られてたんでしょ?」

「で、あるとしてもよ。あまりにも、時間がかかりすぎているわ。アインズ様に聞いたの。ギルドにいない時は、リリーの元に帰っていたと。つまりは、アインズ様にとって彼女がいるところが帰る場所になるのよ。」

「アインズ様が、私たちを捨てると!?」

「その可能性があるからこそ!我らもあの方にナザリックに留まっていただくようにしていたんです!」

 

デミウルゴスの、我を忘れたかのような声にマーレが怯えた顔をする。そうして、アウラの影に隠れるような仕草をした。

それを見ていたパンドラズ・アクターは帽子を深く被り直し、つばを掴んだまま僕達を見回す。

 

「まあ、あの方は我らのことを捨てぬでしょう。ですが、あの方がこのナザリックを離れる時間は確実に多くなりますよ。ここではないどこかで、母上が安全に過ごせる場所を用意し。そうして、滅多に帰ってこられなくなる。私は、そんなのごめんです。」

 

かつり、かつりと、彼の軍靴が音を立てる。その音がパンドラズ・アクターは好きだ。

 

いいよね、音までかっこいい。最高の靴だ。

 

はしゃぐ、愛しい母を思い出すとパンドラズ・アクターは腹の底でぐつぐつと煮える怒りが少しは収まる気がした。

 

並んだ僕達を見回すように彼は歩き、そうして、その中心でコートを翻した。そうして、その、芝居がかった仕草で宣言する。

 

「さあさ、皆様!これにて、よくよく理解されたことでしょう!我らは、至高なる御方に創られた創造物!なれば、神の命じることによくよく準じることこそが正しいこととご理解を!故に!」

 

彼は片手を大きく振りかぶり、そうして、胸に当てるようにして礼をした。

 

「どうぞ、ただの女を嘲ることなく。従順に、愛らしく、そうして、頭を立てて敬服を。腹を見せて証明してくださればと思います。」

 

役に立たぬ道具の末路ほど、無残で哀れなことなどないでしょう?

 

「努々、お忘れなどなきように。」

 

 

 

「・・・・あそこまでする必要があったの?」

「あそこまでしないと、皆様ご理解されないので。」

 

アルベドは、少々静かになった宝物庫を訪れて、パンドラズ・アクターに問いかけた。

 

「というか、私の方こそ驚きですよ。あなたも、アインズ様と同様に、強攻策に踏み切るなんて。」

「百合の性格からして、外堀を埋めた方が早いと思ったの。何よりも、アインズ様がそう願われていたし。妻であるという事実を持たれれば、アインズ様も少しは手を緩められると思ったのよ。」

「私としては、後で聞かされたときの方が恐ろしいと思ったので。あなたも、母上の体調が優れないとわかっていたでしょ?」

「・・・・そうだけど、私以外の女の話をするんだもの。」

「あの方の周りは女が多いので、嫉妬深すぎると遠ざけられますよ。」

 

それにアルベドはしかめっ面をして、ムスくれた顔をする。そう言ったときの顔は、驚くほど幼い。

 

「・・・・ともかく、国を建て、帝国がそれを支援するという話は本決まりなのでしょう?なら、じっくり腰を据えて事に当たりましょう。」

「そうね、私もアインズ様にそう提案するわ。にしても、人間の扱いについても、今後、話し合っていかなくてはいけないわね。」

「そうですね、きちんとしないと。」

 

そのままアルベドが去った後、誰も居ない宝物庫で、パンドラズ・アクターは帽子を脱ぎ、そうして両手で弄ぶ。

 

(・・・・父上の悋気も収りましたし。母上の精神もこれで安定するでしょう。ナザリック内部については。ここまで釘を刺してどうしようもないなら。もう手に負えない。アインズ様に提案して、別の場所に別荘を作るか。)

 

そこまで考えて、パンドラズ・アクターは少しだけ己の創造主について考える。

 

遥か未来さえも見越して、多くの策を練る創造主は、たった一人の女の感情さえも理解せずにその感情を暴走させた。いいや、それは、アルベドさえもそうだ。

 

(アインズ様、やはり、母上のことだけは別ですね。今回、あなたがすべきだったのは、自分だけが味方だと母上に教え込むことだった。)

 

パンドラズ・アクターの脳裏には、王座の間に向かう前に自分の手を握り、覚悟を決めた母の姿が。

 

・・・・アクター。

はい、なんでしょうか?

君はいいのか?もしかしたら、悟に怒られるかも知れないのに。

ええ、ですが。母のためですよ!?息子は、母のためにならばなんだって頑張れるのですよ?

 

おどけるパンドラズ・アクターに、女は淡く微笑んだ。あの、モモンガの愛した、とびっきりに優しい笑み。

女は微笑んだまま、パンドラズ・アクターの額に、己の額をこすりつけて、囁いた。

 

お前がいてよかった。お前のことだけは、心から信じられる。

 

その言葉を思い出すと同時に、パンドラズ・アクターの口から、我慢できないと哄笑があふれ出した。

 

そうだ、モモンガは、そうすべきだった。

パンドラズ・アクターがそうしたように。

 

暖かな母の手。簡単にくびり殺せる弱い命を自分に委ねているという事実。

そうして、今後、最後に縋るのが自分であるという信頼。

 

気丈で、自立心が強く、誰かに頼ることが嫌いな女が最後に縋るのが自分であるという、その信頼。

 

「ふ、ふふふふふふふふ、はははははははははあははははははは!!」

 

愉快で、愛おしくて、たまらない。

母が自分にだけ向けた微笑みを思い出すだけで、浮き足立つ。

 

「・・・・最初で最後ですね、私が、モモンガ様に勝つ、なんてことは。」

 





ごらああああああああああ!!師匠!帰りますよ!!
嫌です!ここで魔法の勉強をするんです!
弟の足にすがらんでください!!ダメに決まってるでしょうが!!??兄上!
・・・・もう、置いていかないか?
ダメに決まってるでしょうが!諦めんでください!だああああああ!?足を!舐めない!あんたいくつですか!?
足を!足を舐めればその魔法を学ばせてくださるというのなら、いくらでも!?どう見ても怯えてるでしょうが!こんな、その年で、どこにここまでの力を!?
嫌ですぞおおおおおお!?
姉さん、これ・・・・
待て、お前にこの人の世話を押しつける気はない。仕方がない。ほら、師匠!これ!第九位階の魔法が入ってるクリスタル!
なんですと!?
よっしゃ!馬車に追い込んだ!ほら、兄上、さっさと乗って!今のうちに出しますから!

・・・・・第、九位階。もう、いい、考えたくない。
俺もですよ、陛下。

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