41年式2.8cm重対戦車ライフル、着任しました   作:スツーカ

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オリジナル戦術人形とかやりたくて書きました。続くかは未定


第1話

 

「目標を確認。距離1000」

 

 深い森の中、ガシャンガシャンと音を立て動く四つ足の巨大なロボット。鉄血の装甲ロボット、マンティコアを狙うは月明かりを反射し鈍く光る1点。照準線をマンティコアの中心に合わせ、静かに引き金を引いた。

 

 ズドンッ

 

 強烈な反動。銃口から閃光が走り、弾芯を包む軽合金が圧縮されながらタングステン合金の塊を1400m/sまで加速させる。コンマ数秒という短い空の旅を終えた徹甲弾はNTW-20の20mm弾より遥かに上回るエネルギーを装甲板に叩きつけた。孔が開いた、などと生易しいものではない。紙をナイフで切り裂くように、足と武装が本体から千切れて機能を停止する。配線やモーターを廃品回収行きにした弾は、すぐ後ろにいた装甲人形の頭をすり潰して大木に埋まり、その運動エネルギーを全て放出してようやく停止した。やかましく駆動していたセンサー類やモーターは既に止まり、後に残っているのは鉄血人形"だった"ものであった。

 

「次、距離900」

 

 ハンドルを引いて排莢し、200g以上の大重量弾を装填して狙いをつける。

 

 ズドンッ

 

 反動と共にタングステン硬芯弾が銃口から飛び出し、マンティコアのコアを撃ち抜いて慣性で倒れ込んだ後はピクリとも動かなくなった。排莢、装填、発射。機械的にサイクルを繰り返し鉄血の装甲機械を一撃で葬り去っていく。

 

「よし下がろう」

 

 位置が特定されたのか距離を詰め反撃に出る鉄血兵。連射出来ないこの銃にとって近距離戦闘とは即ち死を意味する。排莢すると砲脚を閉じ、遮蔽物を利用して隠れながら運搬用の台車に載せ、ケッテンクラートまでズルズルと引っ張っていく。

 

「重い、疲れる、歩きたくない、ハンドガンの先導が欲しい」

 

 数メートル歩く度に口から止め処なく文句が溢れてくる。それもそのはずだ。何せ彼女の得物は230kgもあるのだから。

 彼女の名は2.8 cm schwere Panzerbüchse 41。41年式2.8cm重対戦車銃の意味だ。銃と呼ぶには余りに巨大で、むしろ軽対戦車砲と言った方が相応しい程である。

 彼女専用に改造されたケッテンクラートに台車を繋げると、さっさとおさらばと言わんばかりにエンジンをかけ戦域を去っていく。

 

「追撃は無しっと。任務完了、帰還します」

 

『気をつけて帰っておいで。バルカンが掃討しているから敵はもういないと思うけど』

 

 今回は()()が居るのかと面倒くさそうに溜息を吐きケッテンクラートを走らせる。少し走らせると開けた回収地点の草原が見える。遠くない場所から銃声が聞こえ、至る所に薬莢が落ちているあたり、あのトリガーハッピーはまたペルシカとグリフィンの胃を痛めつけているようだ。しばらくすると大型輸送ヘリが大きな開口部のドアを開けて着陸した。ケッテンクラートと銃を切り離し、両方をヘリに押し込むと搭乗スペースにダイブして帰還までの短い間を睡眠に費やした。

 

 

 

 〇

 

 

 

「sPzB41、君に新しい任務が……心底嫌な顔するのやめなさい」

 

 いやだって面倒くさいじゃないか。生みの親に言うの些か気が引けるけど私は怠惰を貪りたいんだ。部屋でゴロゴロしてゲームしてお菓子食べてネットして寝たいんだ。だいたい書類を読めば労働に対してお金以外の報酬が少なすぎるじゃないか。特に弾薬。絶対あのトリガーハッピーの補填で派遣業務じゃん。どうして他人のために働かなくてはらないのか。これが理解できない。……え? 任務完遂したらネット環境の強化とお菓子の増量? くっ、それなら仕方ない。ペルシカの為、自分の怠惰の為に行ってやるとしよう。

 

「じゃあお願いね。今日中に出発だから」

 

「いや早すぎでしょ!」

 




名前/2.8cm sPzB 41
ランク/★?
銃種/RF
製造時間/??:??
火力/SSS
命中/S
回避/E
射速/E
体力/B
成長/A
スキル/ブロックショット
装備/弾薬・アタッチメント・人形装備
弾薬/300
配給/200
概要
16LABで開発された戦術人形。製造及び運用コスト度外視で最大限の単発火力を追い求めて開発された。その巨大な銃を運用するために女性型人形としては最大となる体格となり、あのFive-seveNを凌ぐ身長となっている。弾が特殊なことと、高度な電脳と大量の人工筋肉の維持のため弾薬と配給は通常の戦術人形の倍以上を必要とする。
移動は牽引用のケッテンクラートで銃を牽引し、戦闘前に切り離して手で引く。人間の指揮が無くともある程度単独行動が可能な高度な電脳と、牽引に必要な強力な人工筋肉を搭載するため体内にスペースが無く、狐耳形状のセンサーと尻尾形状の予備バッテリーを装着している。もふもふ
性格は面倒くさがり屋で怠惰を好む。G11よりはゲパードに近い。
一人称は私(わたし)、二人称はあなた
I.O.Pの16Labでペルシカの下、実戦データを収集するためM61バルカンと共に各地で鉄血人形の掃討を行っている。バルカンに対しては良い印象を持っておらず、後先考えないうるさいトリガーハッピーと思っている一方、火力と制圧力は高く評価をしている。

銃本体の諸元
名前/2.8 cm schwere Panzerbüchse 41
種類/対戦車銃
開発国/ドイツ
生産/マウザー
重量/229kg
全長/2.69m
銃身長/1.73m
全幅/96.5cm
全高/83.8cm
運用人数/3名
口径/28〜20mm
仰俯角/-5°〜30°
旋回角/70°
発射速度/毎分30発
初速度/1400m/s
有効射程/500m


この場をお借りしてM61A2バルカンの登場を承諾してくださったoldsnake様に感謝いたします。M61A2バルカンは『破壊の嵐を巻き起こせ!』の主人公ですので、詳しくはそちらをご覧ください。
ドルフロで登場できる銃の範囲で何が最大かと考えた時に思い付いたのがこの2.8cm sPzB 41、銃と言い張ってるけど実質砲です。しかも銃口に向かうにつれて口径が小さくなるゲルリッヒ砲と呼ばれるもので、弾はタングステン合金を使用する専用のものなので貴重なタングステンを浪費します。
ケモ耳と尻尾は趣味です。フリー素材なので働かせてあげてください作者とペルシカが喜びます

見た目はこんな感じです

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