ヒエヒエの実の能力者が巨人が蔓延る世界に転生した 作:マスターM
リヴァイ班結成から1年が経過した。リヴァイの強さが広がり今では、『人類最強の兵士』と呼ばれるようになった。因みにギルはこの世界唯一の能力者な為あまり目立たない様にしていた。
リヴァイはギルの方が上だと分かっているが、ギルの考えを理解し、人類最強の兵士と言われても肯定も否定もしない。
そんなギルだがエルヴィンに呼ばれ団長室にいた。
「エルヴィン俺を呼んだ理由は?」
「今調査兵団の覇気及び六式の練度はどうだ?」
「そうだな・・・リヴァイとミケは両方とも使えるようになって、ハンジ以下分隊長もばらつきがあるが、実戦で使える者達も増えてきたな。一般兵も月歩や見聞色をメインに覚え始めてる。まあまだ実戦では使えないレベルだが」
「そうか」
ギルは呼ばれた理由を聞くと、現状の調査兵団の練度を聞かれ、答えた。
「今の現状を知りたかっただけか?」
「いや。実はキース前団長から手紙が来たんだ。ギルを南方訓練兵団に入団させてほしいと」
「教官とではなくてか?」
ギルは今の現状を知りたいだけだったのかと思い聞くと、否定され、キースから訓練兵団への入団の手紙が来たと聞かせれ、教官としてではなく訓練兵での入団に疑問に思った。
「そうだ。言ってわ悪いが、その見た目が若いから教官ではなく訓練兵として入団して欲しいとのことだ。それと覇気と六式も教えて欲しいと言っていた」
「訓練兵団は3年だろ?全ては流石に無理があるぞ?」
「分かっている。特に見聞色と剃、月歩を訓練兵時に覚えれば、残りは調査兵団に入った時に教えればいいと言う事だ」
「成程な。調査兵団の殉職者は減少傾向にあるから、人員確保の為に訓練兵の時から少しでも覚えておけば、後々らくって事か?」
「そうだ。頼めるだろうか?」
「分かった。引き受ける」
「ありがとう。調査兵団には分隊長への研修と言っておく」
「了解した」
これから忙しくなると心で思いながら団長室を出た。
団長室から出たギルはリヴァイやミケ、ハンジ達分隊長に事を説明してウォール・ローゼ南方面駐屯に向かった。
入団式の前日にキースと再会して、キースの部屋に招かれた。
「ギルよよく来てくれた」
「今後の為だ。協力はするさ」
「頼もしい限りだ。エルヴィンから聞いていると思うが、見聞色の覇気と剃、月歩を基本として教えて欲しいんだ。少ないが科目として組み入れている」
「大丈夫なのか?今までのやり方を変えても?」
「なに。実戦で生き残れるなら、大丈夫だろ。ギルが入る第104期の卒業1年後での生存率の確率で継続するかを検討する」
「了解した。よろしく頼むキース団長。いや、キース教官」
最後に敬礼をして部屋を出た。
そして翌日・・・
「オイ、貴様」
「ハッ!」
「貴様は何者だ!?」
「シガンシナク区出身!アルミン・アルレルトです!!」
「そうか馬鹿みてぇな名前だな!!親がつけたのか!?」
「祖父がつけてくれました!」
「アルレルト!貴様は何しにここに来た!?」
「人類の勝利の役に立つ為です!!」
「それは素晴らしいな!!貴様には巨人のエサにでもなってもらおう。3列目後ろを向け!」
アルミンの頭を持ち、アルミン達3列目を後ろ向けと言うと、今度は4列目に進んだ。
「貴様は何者だ!!」
「ハッ!」
「やってるな・・・」
「お前も訓練兵の時は初っ端からあれだっただろ?」
「懐かしいです。でも・・・あの恫喝には何の意味が・・・?」
「通過儀礼だ。それまでの自分を否定して、真っさらな状態から兵士に適した人材を育てる為には必要な過程だ」
「?・・・何も言われてない子がいるようですが?」
「あぁ・・・既に通過儀礼を終えた者には必要ない。恐らく2年前の地獄を見てきた者達だ。面構えが違う」
他の教官が言う通り、ギル以外の数人は恫喝されていない。
「貴様は何者だ!」
「トロスト区出身!ジャン・キルシュタインです!」
「何のためにここに来た!?」
「・・・憲兵団に入って、内地で暮らす為です」
「そうか!貴様は内地に行きたいのか?」
「はい!」
「ふん!」
キースの頭突きがジャンの頭に炸裂した。あまりの威力にジャンは座り込んだ。
(あれ今もやってたんだな・・・あれ鉄塊で受けたら崩れかけたし、無防備で受けたなら余計痛いだろうな~)
と3年前のキースの頭突きを思い出しながら苦笑した。
「オイ!誰が座っても良いと言った!!こんな所でへこたれる者が憲兵団になどなれるものか!!」
そう言うとキースは次に行った。
「貴様は何だ!!」
「ウォール・ローゼ南区ジナエ町出身!マルコ・ポットです!」
「何しにここに来た!」
「憲兵団に入り!王に͡この身を捧げる為です!!」
「・・・そうか・・・それは結構な事だ。目指すといい。・・・だが。王はきっとお前の体なんぞ欲しくない次!!貴様だ!!貴様は何者だ」
「ウォール・ローゼ南区ラガコ村出身!コニー・スプリンガーです!」
コニーは敬礼においての腕の位置を間違えていた。
「逆だ・・・コニー・スプリンガー」
キースはコニーの頭を持ち上げながら締め付けた。
「最初に教わった筈だ。この敬礼の意味は『公に心臓を捧げる』決意を示すものだと・・・貴様の心臓は右にあるのかコニー!・・・!!」
コニーの横では湯気の出た芋を頬張る少女がいた。
「オ・・・イ・・貴様何をやっている?」
泡を吹いたコニーを落としながら芋を食べる少女に問いかける。
「!?・・・?」
少女は自分の事だと思わず、更に芋を食べた。
「なっ!?貴様だ!貴様に言ってる!!貴様・・・何者なんだ!?」
キースが目の前で言ってきて少女は急いで口に入っている芋を飲み込み名乗った。芋を手に持ちながら・・・。
「ウォール・ローゼ南区ダウパー村出身!!サシャ・ブラウスです!」
「サシャ・ブラウス・・・貴様が右手に持っている物は何だ?」
「『蒸かした芋』です!調理場に丁度頃合いの物があったので!つい!」
その後キースとサシャの会話はかみ合わず、何を思ったのか小さく舌打ちをして、半分とは言えないような芋のかけらを「半分・・・どうぞ・・・」と言いながら渡した。そしてサシャはフーッとドヤ顔をした。
サシャは罰として飯抜きと、死ぬ寸前まで走れと言われ今しがた目の前で力尽きた。
「やっぱこうなったか。ほれ水だ」
ギルは倒れたサシャに水が入った水筒を渡した。
「あ、ありがとうございます!貴方は神様ですか!?」
「俺は普通の人間だ。それとそこに隠れてる奴、バレてるから出て来い」
ギルがそう言うと物陰から小柄な金髪碧眼の美少女が出て来た。
「お前もコイツの介護か?」
「う、うん。これだけしか無いけど取っておいたの・・・」
そう言い少女はサシャにパンを差し出した。
「あ、貴方も神様ですか!?」
サシャはそう言い早口でパンを食べ、満足したのかそのまま寝むった。
「たく。満足して寝たか。んで、お前もか?」
「え?」
ギルが後ろを向きながら言うと少女は疑問に思いギルが見ている方に顔を向けた。そこには黒髪の長身でそばかすと特徴的な鋭い目つきをしている少女が立っていた。
「私はこいつに貸しを作って恩に着せる為だ。ソイツみたいに自己満足の『いいこと』はしねえよ。おいお前女子寮の入口まで運べ、入口からは私が運ぶ」
「全く。悪い奴に目ぇつけられたな」
そう言いギルはサシャを担いだ。
「そう言えば名乗ってなかったな?俺はギル。ギル・バビルだ」
「私はクリスタ・レンズ。よろしくね」
「私はユミルだ」
「(ん?ユミル?確かイルゼが遭遇した巨人は『ユミルの民』『ユミル様』『よくぞ』と言っていたって言ってたな。少し警戒しておくか・・・)よろしくな。話してる間に着いたな。ユミルあと頼んだ」
「任せろ」
ギルはユミルを要注意人物認定して、それを悟られないようにしてサシャを渡して、自分の部屋に戻った。