ヒエヒエの実の能力者が巨人が蔓延る世界に転生した 作:マスターM
「これはたまげたな・・・」
ギルは馬に乗って調査兵団の兵服を着て調査兵になりきっていた。そしてついに先端の壁『ウォール・マリア』が見えて来てギルは思わずその高さに呟いた。
「ギルの世界の巨人族って何メートルあるの?」
ギルの呟きが聞こえたのかイルゼが聞いてきた。
「最大でも20メートルだな。昔の文献によると、67メートル(オーズ)や180メートル(サンファン・ウルフ)がいたらしい」
「ええ!?壁より大きいじゃない!!しかも180メートル!!壁の3倍以上じゃない!!」
「まあこれは悪魔の実で巨人が更に大きくなったらしい」
「らしいって・・・」
「そこまで文献に載ってなかったんだよ・・・」
「ギルよその話もまた話してもらうぞ」
イルゼとギルの話を2人の前にいたキースも聞いており、改めて話させるように釘をさした。
「了解了解と。壁に入ったら王達と会うまで大人しくしてるな」
「ああ。頼むぞ」
そして調査兵団は帰還した。住民達は失望の目を向けていた。
「今回はそんなに減ってないな・・・」
「だが早く帰って来たな」
「予定では夕方帰還予定じゃなかったか?」
「壁の中にさえいれば安全に暮らせるのに・・・」
「兵士なんて税の無駄遣いだな・・・」
(これが兵士いや、調査兵団の現状か・・・)
ギルは壁に入ってから見聞色の覇気で住民たちの声を聞いていた。
調査兵団のアジトに着いたギルはキース、エルヴィンに連れられ馬車に乗った。
「すまんなギル王がお前をお呼びだ」
「早くないか?今さっき壁に着いたばかりだぞ?」
「それは先に伝書を出していたからな」
「成程な。でその王は何処にいるんだ?」
「人類最後の砦である、『ウォール・シーナ』だ。王を始め特権階級はシーナでしか生活できない」
「ふ~ん」
実はギルは貴族が好きではないのだ。特に天竜人が大嫌いだったのだ。
「少しはまともだといいな・・・」
「ん?何か言ったか?」
「何でもない、気にしないでくれ」
そう言い外の景色を眺めた。
「着いたぞ」
「なかなか立派な城だな」
「王が住む場所だからな」
ギルは黙ってキースとエルヴィンについて行く。
「ここだ準備はいいか?」
「ああ。大丈夫だ」
「よし」コンコン
「キース・・シャーディスとエルヴィン・スミスです。例の男を連れてきました。
『入れ』
「「失礼します」」
「失礼する」
キースがドアをノックして入室の許可をもらい、エルヴィンと共に先に入った。ギルも一言言ってから入室した。なお身長は元に戻しており、服も海軍の物に着替えている。
ギルから見て正面に王だと思われる人物が椅子に座っており、その周りに貴族らしい男たちが4人がいた。右側には薔薇とユニコーンの紋章が入った兵服を着た一団が占めており、反対の紋章には4兵団とは別の紋章が入った一団が占めていた。
「来たか。話は聞いている名を聞こうか」
貴族の男の一人が最初に口を開いた。
「ギル。バビル・D・ギル。海軍本部の中将です」
海軍の敬礼をし名乗りをあげた。
「その中将は上から何番目だ?」
「上から3番です。なお自分は死ぬ前に大将への昇進が決まっていたようです」
「伝書にもあったが本当に死んだのか?まったくそうは見えんが?」
「ごもっとも。しかし真実ですので」
「なら証明できるか?」
「出来ます」
「どう証明するのだ」
「それをするために、協力を願います」
「よかろう。言ってみろ」
「ありがとうございます」
そこまで言ってギルは護衛にいた兵士、否銃を指さした。
「その銃で俺を撃って下さい」
『『『はあ???』』』
零の要求に全員がポカンとした。
「エルヴィンやってくれ」
「了解した」
ギルは予め自身の悪魔の実の事を話していたエルヴィンに撃つよう頼み、エルヴィンは頷いた。
「どこを撃てばいい?」
「頭だ。それが一番分かりやすい」
「ま、待て王の御前を血で汚す・・・」
パアン!
エルヴィンは兵士から銃を奪い、ギルの頭を撃ち抜いた。
「エルヴィン!!」
薔薇の紋章の男がエルヴィンに掴みかかった。
「お前王の御前を汚すとは何事だ!!?」
「ナイルよく見てみろ」
と言われ全員がギルの頭を見ると・・・
「氷?」
確かに頭には空洞が出来ていたが、血が一滴も出ておらず、空洞の周りは氷で出来ていた。
「自分は
「そんな人間が何故死んだのだ!?」
「それは・・・」
ギルは海楼石の事を伏せて覇気の事を話した。
「理解した。どうやら本当に異世界からみたいだな。これからどうするつもりだ?」
「調査兵団に協力しようと思います。自分の力は巨人にも通用すると分かったので」
「そうか・・・わかった。下がっていいぞ」
「失礼する」
「「失礼します」」
ギルと共にキースもエルヴィンも退室した。