ヒエヒエの実の能力者が巨人が蔓延る世界に転生した   作:マスターM

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第23回壁外調査

調査兵団本部

 

「正直言って屈辱的です。正規の訓練を経てきた我々に犯罪者共を受け入れろというのですか・・・」

会議室に団長のキースと幹部の分隊長達が集まっていた。リヴァイ達の受け入れを分隊長の一人フラゴンが批判した。

 

「・・・君の言い分はもっともだ。彼等が原因で我々に命の危険が及ばないとも限らない」

 

「部下になんと伝えればよいのです・・・」

「フラゴン分隊長、君の言いたい事はよく理解できる。現に彼等は兵士の体をなしていない、迷惑もかけるだろう。だがこの先必ずや兵団の変革の一翼を担ってくれるはずだ。ギルと合わせて双翼となるだろ」

 

「『変革の双翼か・・・ギルは兎も角彼等にとって壁外遠征が最も重い罪にならぬよう祈っておくよ」

会議が終わり広間に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全員注目!!」

キースの号令に調査兵達は体の後ろで両手を重ねた。

 

「1人は知ってると思うが、今日から我々と共に戦う4人を紹介する。お前達皆へ挨拶しろ」

キースが言い終わるとリヴァイは横目でエルヴィンを見て口を開いた。

 

「リヴァイだ・・・」

「イザベル・マグノリアよろしく頼むぜ!!」

「ファーラン・チャーチ・・・です」

3人とも挨拶をするが調査兵達に歓迎の感じはない。

 

「ギル・バビルです。至らぬこともありますが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」

ギルはまだ海兵時の癖が残っている為、「公に心臓を捧げる」の敬礼ではなく、海兵式の敬礼をした。

ギルの事は殆どの兵士達が知っているが、能力を見たのは半数なので、見ていない者達は半信半疑だ。

 

「4人はフラゴンの分隊に入る。フラゴン面倒を見てやれ」

「じ、自分の隊でありますか!?」

「なんだ不満か?」

「い、いえてっきりエルヴィン分隊長の下へ入ると思っていたものですから・・・」

フラゴンはまさか自分の隊に4人とも入るとは思わず驚いた。

 

「エルヴィンには壁外調査で行う新陣形に備え、全体指揮の補佐を任せる。そのため彼に新兵の面倒を見る余裕はない。わかったか?」

 

「はっ!承知しました!!」

「以上だ」

そのあと報告事項の連絡が終わり、キースに呼ばれたギル以外の3人はフラゴンに兵員宿舎に案内された。

 

 

 

 

 

 

一方ギルは団長室にいた。

 

「『覇気』は誰でも使えるんだな?」

 

「使えると言うか、覇気は誰にでも宿っているが大半は気づかないか、引き出せないまま生涯を終える事があるから一概に使えるとは言えない。気づかせる・引き出すには覇気使いの指導があれば可能だ」

 

「ではギルお前は前世、覇気を教える立場であったか?」

「まあ中将だったし、新兵に覇気の実演と指導はしたが・・・」

「それを聞いて安心した」

「?」

ギルはどう安心したのか分からず首をかしげた。

 

「生存率を上げる為、覇気を教えてくれ!出来ればあの足技も」

「見聞色と武装色に月歩、剃、嵐脚か?」

「ああ」

「教えるのはいいが物に出来るかは保証しないぞ」

「それでもいい。長距離索敵陣形によって生き残る兵士も増えると思うが、更に生き残る兵士を増やす為だ」

 

「了解した。だが条件がある。これを認めなければ教える事は出来ないぞ?」

「その条件とは?」

「まず1つ目。教えるのは次の壁外調査を終えてからだ。理由としては新しい物を2つ同時にすると余計な混乱が起こるからだ」

 

「確かにそうだな・・・他には?」

「2つ目。覇気もそうだが六式を使う時は俺が許可をした時だ。中途半端な状態での使用は危険だからな。以上この2つの条件を認めないと教える事は出来ない」

 

「分かった条件を飲もう」

キースはギルの条件を飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数か月後

 

リヴァイ達と訓練に明け暮れ数か月、いよいよ壁外調査の日がやって来た。

 

「開門始めーっ!!」

キースの号令で扉が上がり始めた。

 

「今日また一歩我々は前進する!!訓練の成果を見せてくれ!!人類の力を思いしらせてやるのだ!!」

 

『『『オオオオオオオオオ!!!』』』

キースの激に兵士達は大声で答えた。

そして扉が完全に上がった。

 

「第23回壁外調査壁外調査を開始する!前進せよ!!」

一斉に調査兵団は壁外に駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

壁を出て直ぐ左手前方森林の中から15m級の巨人が現れた。

 

「近いな・・・やり過ごすのは無理か・・・やむを得ん!!応戦する!!前衛は俺と来い!!本隊はそのまま目的地である補給所へ前進せよ!!」

キース達前衛が森に入ったタイミングで隠れていた15m級2体が現れ隊に向かった。

 

「俺達が引き付ける!!後衛は速度を上げて振り切れ!!」

中衛の一部隊が巨人を引き付けようとするが、その巨人は近くにいる人間を捕食する通常種ではなく、遠くの人間を狙う奇行種であった為隊に向かった。

 

3人が立体機動に移り頸を狙うが1人が巨人の左腕に捕まり、そのまま捕食された。残りの2人が動きが止まった巨人の項を狙うが突如腕振りをして、ワイヤーをさしていた2人は振り回され顔の前に来たところを捕食された。

 

フラゴンが班員のサイラムと仕掛けようとすると、リヴァイがイザベルとファーランを連れ腕振りの巨人に向かった。

 

「待てっお前達!!」

「あれはあの3人に任せればいいと思う」

止めようとしたフラゴンをギルが止めた。

 

「ギル!これは実戦なんだぞ!!」

「だからだ。実戦だからこそ、相手の力量が分かる。もう1体は任せろ」

そう言いギルは月歩でもう1体の巨人に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

リヴァイ達が向かった方では、リヴァイが巨人の背中に張り付き、巨人が止まり腕振りが終わると同時にイザベルとファーランが巨人の膝を斬り、体制が崩れた所をリヴァイが項を削ぎ落した。

 

「やっぱスゲェぜ兄貴!!」

「馬鹿イザベルまだもう1体いるんだぞ!!」

リヴァイを称賛するイザベルだったが、ファーランがもう1体いると言い、その方向を見ると・・・

 

「やっぱまだ立体機動装置には慣れんな・・・まあガスの節約だと思えばいいか」

ギルが立体機動装置を使わず空を飛んでいた事にファーランとリヴァイは驚いた。

 

「あーそう言えば空の飛び方聞き忘れたな」

「イザベルアイツを知ってるのか!?」

「俺を捕まえた奴だよ。気がつかなかったのかファーラン?」

「分かる訳ないだろ!?俺お前の方向くと喉切れそうだったからな」

(何者なんだアイツ?装置を使わず自由に飛べるのか?)

イザベルとファーランが言い争っている時リヴァイはギルの動きを見ていた。

 

「さて嵐脚!!」

ギルは嵐脚で頸をそぎ落とした。

それにはイザベルも驚きギルに対して3人共警戒し始めた。




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