ヒエヒエの実の能力者が巨人が蔓延る世界に転生した   作:マスターM

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ウォール・マリア陥落

ギル達が加入して1年が経過した。ギルとキースの間で交わした覇気及び六式の指導は教えるのがギルだけの為分隊長クラス+リヴァイのみで行った。見聞色を鍛える為に目隠しをし、ギルが木刀で叩くというギル自身が受けた事をそのまま行った。見聞色の覇気を最初に使える事になったのはミケだった。ミケは嗅覚が優れていた為鼻に栓をして嗅覚を封じ、気配だけで感じるようにした。元々見聞色に適性があった為か半年程で粗削りだが使えるようになった。今では嗅覚と混ぜて使っている。

ミケの次に使えるようになったのはやはりリヴァイだった。しかも、武装色の覇気までもが使えるようになっていた。硬化まではまだ至っていないが近く至るとギルは予想していた。

六式の内月歩、剃、嵐脚は半年前からリヴァイ、ミケ、エルヴィン、フラゴンにコツを教え4人は日々習得に向け特訓していた。分隊長である3人に部隊員の兵士達がやり方を聞き六式や覇気の訓練も一般兵士達もするようになってきた。ギルは分隊長達に教え、分隊長は部隊員に教える事で指導できる人数を増やしっていった。だがそれでも完璧に使えるのはギルのみで全体的にはまだ教える側が少なかった。

 

 

 

 

 

現在調査兵団は壁外調査中である。エルヴィンの長距離索敵陣形に左右にギルから実戦での見聞色の覇気の使用を認められたミケとリヴァイが配置され索敵能力が上昇した。

 

「おかしい・・・」

「何がおかしいんだ?」

ギルの呟きに反応したのはキースだった。

ギルは見聞色の広さから先頭に配置されキース達と行動する事が多いのだ。

 

「巨人が少なすぎる。何時もなら数体気配がするが全くない・・・」

「偶然ではないか?」

「そうかな・・・ッ!?」

突然ギルの頭に壁を超える超巨大な巨人と、大量の巨人が見えた。

 

「キース!撤退だウォール・マリアが危ない!!」

「!!分かった!」

ギルの切羽詰まった声にキースは緑の煙弾を北上に向けた。

 

「先に行く!」

「ギルよ壁の中で能力を使うなら顔を隠せよ!」

「分かってる!!」

この世界では能力者はギルのみである為、壁の中で能力を使えばギルは警戒されると思い能力の使用は壁外だけで、もし壁内で使う事になった場合顔を隠す事をキース及び分隊長達総意で決まっていた。

ギルは月歩で空中に上がり剃刀で一気に壁を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルがウォール・マリアに着いた時には既壁内は地獄絵図になっていた。壁に穴を空けられそこから無数の巨人が入り込んでいた。

 

「遅かったか・・・」

 

(どうしていつも母さんの言う事聞かないの!最期くらい言う事聞いてよ!!)

見聞色で女性の切羽詰まった声が聞こえギルは空けられた壁に氷で塞ぎ声がした方に向かった。

 

 

 

 

ギルが声のした方に向かっていると、巨人が女性を握り今にも捕食しそうだった。

 

「嵐脚」

嵐脚で握っていた右腕を切断しその女性を抱え巨人から距離を取った。

 

「母さん!!」

すると黒髪の少年が走って来た。

 

「「エレン!!」」

その後ろには黒髪の少女と駐屯兵団の男性が走って来た。

ギルは女性を地面に下ろした。

 

「この人を連れ早く避難しろ」

「アンタ誰だ?」

ギルが巨人に向かおうと振り返ると、駐屯兵の男性がギルに何者か聞いた。

この時ギルは上着とマントを脱いでおり、顔はフードで見えない様に隠していた。

 

「只の通りすがりだ。早く行けここから先は巨人共を通さない。それと今から起こる事は誰にも言うなよ?」

 

「それはどう言う・・・」

氷壁(アイスウオール)

駐屯性の男性が言い終わる前にギルと彼等の間に高さ10メートルの氷の壁がシガンシナ区の半分程そびえ立った。

 

「氷!?なんで急に氷が・・・」

「まさかアイツの仕業か?いや今は避難が先だ。カルラは俺が背負う逃げるぞお前ら」

4人共急な氷の出現に驚いたが避難する事が先と判断し先を急いだ。

 

 

 

 

 

 

「行ったようだな・・・」

ギルは見聞色の覇気で4人共離れたのを確認して、巨人が多い東の方向に向かった。因みに女性・カルラを捕食しようとした巨人はギルが能力を発動させた時に完全に凍らせた。

 

 

「数が多い・・・」

ギルはあの後数時間に及び巨人達を駆逐していた。しかし巨人の数が多い。否多すぎるのだ。

 

「まるで多く集めてから壁に穴を空けたようだ・・・今までとは違う。いや例外が一つあったな・・・」

ギルはイルゼから巨人と意志を通わせた事を聞いていた。最初にギルが凍らせた個体が意味の言葉を発した事はハンジの話を聞いた後では例外だと思った。

 

「壁ではなく開閉扉を蹴破る時点で知性があるのは確定だが・・・何故今なんだ?100年も前から巨人がいるなら100年前に出てもおかしくはない。それとも突然変異か?」

「ギル!!」

ギルが思考しているとハンジがギルの近くに着地した。

 

「ギル撤退だって。ウォール・マリアが落とされた」

「なんだと!!?どういう事だ!!」

ハンジの言葉に衝撃を受け詰め寄った。

 

「お、落ち着いてよ」

「・・・悪い」

ギルは冷静になり、ハンジから離れた。

 

「詳しい事は落ち着いてから話すよ。今は・・・」

「わかってる」

2人はウォール・ローゼに撤退した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、人類は思い出した。ヤツらに支配されていた恐怖を・・・

鳥籠の中に囚われていた屈辱を・・・


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