四十二日目・曇り
I.O.Pの中だけじゃなくて街の清掃キャンペーンに尽力してこいと追い出された。
馬鹿みたいにデカイ榴弾砲を担いだままなんだが…それは良いのだろうか?
お世辞にも治安が良いとは言い切れない世界だから目に見える抑止力が必要なのだろうか。
私は箒片手に街に繰り出した。詳しいことは清掃キャンペーンの係員に聞けとのことだ。
私の名前の由来ともなった白いスミレの刺繍入りのメイド服。
こんなのが出てきて清掃するのはどうなのだろうか?秋葉原のコスプレイベントではないのだが。
あの黒タイツじみたので清掃活動してもどうなんだろうと思うが。
普通の服は無いのだろうか?Tシャツにスキニージーンズでいいんだ。
そしてこの榴弾砲を外したら顔色の悪さを除けば普通の人間みたく見えるんだ。
血色の悪い顔も化粧とかで誤魔化そうと思えば誤魔化せれる。
指定されたポイントに到着すると数多くの箒を持った人が待っていた。
何人か同じ顔が見えるから恐らく人形なんだろうと推測される。
それ以外にもえらく表情が硬い。美人なのに表情が硬すぎる。
そして不気味なのが一挙一動に全くの乱れなし。コンマ一秒すらずれてない。
あぁこれ全員人形だなってわかった瞬間だ。
私の担当地域はどこだ?うわ、町外れの路地って…
汚いな、ゴミは散らかり放題だし…なにより臭いが酷い。
日が当たりづらいのか薄暗くてジメジメしてるし…
よく見ればホームレスと思われる人間があちこちに見受けられる。
天下のI.O.Pが存在する街でもこんなものなのか…
薄っすらと覚えている日本でもホームレスは居たから…しょうが無いのかもしれない。
それはそれとして掃除していきましょう。少しでも環境を整えてあげるんだ。
それが私に今できる社会貢献というものだ。
先程からホームレス達の視線が突き刺さるな…
不良と思わしき人間がホームレスを蹴る殴ると暴行を加えていた…
弱い者いじめか…見ていて良い気分はしない。
止めに入ったが標的が私に切り替わった。
身体を舐め回すように見られてもっと奥の路地に連れ込まれた。
抑止力の榴弾砲も効かないとなると平和的な交渉はできないだろうか?
下衆な連中だったがすこし交渉することは出来た。
私がすこし我慢してご奉仕したら良いとのこと。
掃除の時間が削れてしまったがホームレスへの暴行が止めば良いが…
美人に蔑まれながら踏まれるのが良いなんて理解に苦しむ。
四十三日目・晴れ
ペルシカの部屋を今日は完璧に清掃し終える。
そして今日の夜はここにペルシカを打ち込んでから眠る。
これが私の今日の目標になる。
そういえば近々この榴弾砲を取り外してから自衛用のスタンガンをもたせる予定らしい。
ん?なんだろうコレは…G&K社内報?持ち出し厳禁なんて書いてるじゃないか。
なんでそんな物がペルシカの部屋に落ちてるんだ…
ちょっと気になるが清掃を終えてからだ。絶望的なまでに汚いベッドを干さなくては…
床にも何が乾いたのか知らないがカピカピだし…雑巾がけも必要だな。
本当に魔境だよこれ。I.O.Pの社員もこうなる前に注意して欲しい。
さて、人が住むに適した環境まで戻したからマットを外したベッドフレームに腰掛ける。
ちょっとだけ社内報とやらを覗くとしよう。
表紙は少年誌ような色気を振りまく人形のグラビアだ。
中は各地方基地の情報みたいだ…と言ってもどんな騒ぎがあったか…といった所。
娯楽誌に近いのだろうか?読み進めていくとトピックスが幾つか見つかる。
D08地区に新しい人形が見つかる…その名もHK417…416に似てる気がするが…
こんな人形ドルフロに居たか?
ってこの社内報何ヶ月も前の奴じゃないか。処分だ処分。
天日干しに晒した布団とマットは幾分いい具合にはなっていた。
これで仮眠室で眠るなんて事はさせない。
いい時間帯だし昼食を摂ってペルシカにも届けよう。
社員食堂のご飯はそこそこ美味しかった。
食べる暇も勿体無いとごねるペルシカだったがあーんするからと言ったら言うことを聞いた。
私が介護しているような気分になるんだが…
天才的なのだろうが生活力はとことん死んでいる…
まて、この女臭うぞ…さては風呂すら面倒臭がってるな?
それは女としてどうかと思う。夜になったら絶対に引きずってでも風呂場に叩き込まなければ。
案の定風呂に入っていない等と抜かしたので首根っこ捕まえて連行した。
研究員もホッとしていた…チーフは臭う等と言っていたぞ。
文句を言うペルシカを無理矢理バスルームに押し込んで全身洗うことに。
全く…持ってるものはあるというのにどうしてこうも残念なのか。
ゲームの向こうで見てた時はときめいてすら居たのに…私のときめきを返せ。
キレイキレイさっぱりさせたら研究所には行かせずそのまま部屋に連行。
隈が酷いから絶対に6時間睡眠させる。睡眠不足は短命につながる。
徹夜での監視は辛かった。
では次回のヴィオラちゃんはほのぼのさせていきますので。