四十六日目・雨
ペルシカの不摂生には困り果てる。
いくら口酸っぱく言っても改善する様子がない。
相変わらず目の下にはくっきりと隈が出来上がっている。
私が動かないとシャワーに入らない…不潔だから入って欲しい。
今回は何を研究しているのか不明だがしきりに私のデータを採取している。
主にハード側のデータを取っている…ソフト面が無理ならハードを弄るつもりなのか。
今現在装備として貰ってるのは左腕に装着する物理シールドぐらいだ。
外観はまったくもって鉄血のデストロイヤーと変わらないから不審がられるのを危惧したのだろうか。
ともかく良い所で区切りをつけて食事をするようにと告げてI.O.Pの中を掃除する。
他にも掃除ロボが居て私の担当区画はペルシカのラボとペルシカの私室周辺だ。
何かあった時の防衛策的な位置付けなのだろうか?
ん?私と一緒に食事を摂る?更生してくれたか…
ついでにコレを飲め?なんだろうこのカプセルは…
強化カプセル?私に効くのだろうか。
楽しく談話しながら食事を摂っていたのだが途中でえらく眠くなった。
まさか盛ったか――――――――――――
次に目が覚めたらえらく胸元が重く感じた。
何事が起こったのかと起きてみたらペルシカがそれはいい笑顔を浮かべていた。
どういう事かと説明を求めたら黙って姿見の前に連れてこられた。
気が遠くなるのを自覚した。
まず鉄血特有の血色の悪い肌が若干人間味を帯びた事だ。
これは良い事だ。そして瞳の色もどうやったか青色に染められていた…
ここまでは良い…だがなぜ元々デカかった胸を輪をかけて大きくする必要があった?
グラビアで受けが良かったからもっとエロティックなボディにしてしまえ?
ついでにいろんなお楽しみを加速させる機能も追加した?
バカなんじゃないか?私になにを期待してるんだこの変態科学者は。
鉄血に絶対恨みタラタラなんだろ?私に八つ当たりするのは止めていただきたい。
メイド服もクラシカルなスタイルでそんなにエッチく無かったのに大胆な胸部スリットを入れて…
こんなの娼婦みたいじゃないか。フレンチメイドですらまだおとなしいと思う。
HK417のデータを反映した?あれより大きい?
確かに大きいと思ったがそれはおかしい。
重い、走れない。不便極まる。
四十七日目・雷雨
今日は新人指揮官が挨拶に来るらしい。
私はあまり会わずに黙々と掃除していたい。
どうせ会っても戦闘は出来ない戦術人形なんだ。
私は民生人形みたいにせっせと働いておくに限る。
とかと思ってたけどペルシカが普通に私を紹介しやがった。
人が静かにして平穏に過ごそうと思ったら…
聞けば新しくD09地区に赴任する指揮官らしい。
性格に難があるが優秀な成績をとっている…握手したが手汗びっちょびちょだ。
そして私の顔から足先まで何度も往復している。
すこしは血色が良くなった私の顔がよっぽど気に入ったのかシミュレーションで動かさせてくれとなった。
いや、勘弁してください。私は銃を握れないんですが。
あれよあれよと結局銃を握らされてVR訓練に…
やっぱり駄目だ。人形相手であっても撃つことに罪悪感を覚えてしまう。
でも最初に比べて一応無力化には成功しているから前進したのだろうか?
撃つのが怖いのは良い、楽しいなんて思ったら犯罪者と変わらない。
そう指揮官は言って私を抱きしめた…
ここまでなら普通に認識を改めていたが抱きしめた際に胸に顔を埋めていたので幻滅した。
蔑む目で見たら興奮された。なぜだ?
一応ながら拒絶反応が軽減していたのが気になったのかペルシカにまた連れられて研究所に詰められた。
うわ、何をするやめr――――――――――――
AIの一部に覆いかぶさるようにプログラムを入れることに成功したとのことだ。
試しに撃ってみろとまたVR訓練に叩き込まれた。
……驚くほどに無反応に撃ち殺せていた。私に何をした?
まるでゲームと変わらない感覚で撃ち殺していた…
ただ人間と認識した相手にはやっぱり…怖いと思う…これは?
ペルシカが言うには鉄血側のIFFがしぶとく残っていた…という。
それが私の思考に食い込んで殺戮を良しとしなかった…
緊急時にはそれが外れていたのだろうという。
私はそんな人形じゃない。人間なんだぞ…?
遠くで鳴る雷の音がやけに耳に残った。
四十八日目・曇り
変わらず清掃活動だ。G&Kに出向になる気配は今の所ない。
ペルシカはちゃんと私のお小言に反応してくれるようになった。
といっても結局は私が引っ張っていかなければ行動に移さないが。
午後はまたお外で清掃しろ?またスラムはかん…またですか。
到着後秒で不良BOYに囲まれた。もう勘弁してくれ。
どうして私が輪姦されなくちゃいけないんだ…(検閲によりモザイク処理)
誰のせいでこうなったと思ってんだペルシカこの野郎。
楽しかっただろう?ふざけんな。