四十九日目・曇り
不良BOYたちに呼び出された。
I.O.P職員は構わん、行けと私を追い出した。
鉄血人形と人間の反応を見る大事なテストだと?
そのまえに無理矢理飲まされたカプセルも気になるが…
やって来たのはもう私にとっては馴染み深いスラム。
クズ人間の吐き溜まり、職なし希望なし。
それでもしぶとく生き残ってる地上の蚤といった所か。
私は都合のいい女じゃないんだが…
ただのしがない清掃用の民間人形もどきで十分なんだが。
清掃活動も普通の清掃活動がいいっていうのに…
あぁ平成の世がどんなに良かったかを痛感させられる。
また私を■■してからそんなに楽しいのか?
いや、まて…私に群がるな!
その汚い手を向けないで!
いやだ!嫌だ!!だれか助けて!!!
キミも途中から愉しんでいただって?職員共から殴ってしまおうか?
無駄な機能ばっかり付けて私の身体を何だと思ってるんだ。
貴重なデータ取りの玩具!?私はそんな扱いを受けていたっていうのか!?
最初のあのハグは!?打算から来たものだって?
人間不信に陥りそうだ。私が何をしたって言うんだ。
五十日目・雷雨
妙に身体が重い…人形の身体になってからこんなのは初めてだ。
ペルシカなんか顔も見たくない。
I.O.Pの連中は私の身体を好色的な目で見てくる。
私の身体をこんな風にしたのはお前らだろう?
責任を取れと言っても帰ってくるのは実験実験実験。
何だろう、酸っぱいものが欲しい。
要求すると気持ち悪いくらいに素早く届けられた。
まるで私が要求するのが分かっていたかのようだ。
なんか気持ち悪い。吐きそうだ。
つわり?は?
意味がわかりかねる…
人形を妊娠させるためのテストベッドにした…?
何も知らされていないのにそんな事をさせていたのか…!?
この外道!道具をどう使おうが勝手だ…?命を何だと思っている!
流れた。まだ実験が足りないだって?
こんな事を続けさせられるなら人殺しをしたほうがまだましだ。
G&Kに出向させてほしい。
人の体を弄ぶだけ弄んで…ようやく戦術人形として動く気になった?
お前たちと同じ空気を吸いたくないんだ。
五十一日目・清々しい晴れ
G&Kに引き渡される前にVR実験が行われた。
久しく握ってなかったMASADAを握り仮想空間上に現れる鉄血人形を全て指定弾数以内で仕留めれたら良し。
手加減なんかしない。最初から榴弾砲をぶちかました。
文句なしで戦術人形として戦えることを証明した。
実験のモルモット兼デザイン班のおやつがいなくなるのが残念?
私はもう二度とこの本社ってところに足を踏み入れたくない。
ここに入るくらいならスラムに住み着いたほうがまだましだ。
元の服返せ。メイド服なんかどうでもいい!!
G&K社に着けばクルーガー社長が出迎えた。
随分と変わった私の姿に目を背けた。目に毒だったか?
ヘリアンさんもお久しぶり。やさぐれた?この世界に慣れただけだ。
早速だが私の配属先が決められた。
D09地区…嫌な名前を思い出させられる。
恐らく別な基地に異動になったんだろうが私を尋問したセクハラ指揮官がいた所だ。
そして新しく入った指揮官もまたいやらしい感じを受けた所…
言外にイヤという表情を出したのだが他に無いと言い渡された。
セクハラ対応窓口もあるからそこに連絡しろと言われた。
それ機能してるのならセクハラなんてなくなってるだろう?
よっぽど無能か罰が軽すぎるんじゃないか。
今日はゆっくり休んで翌朝陸送する…らしい。
五十二日目・雨
陸送される最中私について色々聞かれたが答える気にはならなかった。
面倒、無駄。紹介なんて後でする。
着任早々にセクハラされた、一応ながら窓口に相談したが返事は返って来なかった。
他の人形も諦めている。とりあえず殴っておいた。
人形一人を貸し出す依頼が来てるから早速行ってこい等と言われた。
嫌な予感しかしない。拒否権なんて使わせてはくれなかった。
何この状況。
私全力で追いかけ回されてます。
護衛任務かと思ったら護衛対象に裏切られて危うく昏倒させられそうになった。
で、今敵に追いかけ回されて逃げ惑っている。
指揮官も通信に応じない。グルか元々そんな風に切って捨てたか。
何が何でも生き延びてやる。
「いやー…すごい嫌われたね」
「主任、貴重な鉄血サンプルをなぜ逃したんです?」
「さぁ、なんでだろうね」
「まぁ良いです、残ったデータから研究を進めましょう」
「上からの命令とは言えこれ以上非道な実験させたくなかったんだよ…ごめんね、ヴィオラ…」
ペルシカって割と下衆な事すると思うんだ。
けど人形への情ってのもあると思う。人間はどうでもいいでしょ。
悲しい勤め人の宿命よ。
ペルシカネキが言うことを聞くかどうかは各々違うと思うけどね。