私、デストロイヤー   作:ムメイ

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スタンガンで気絶されるデストロイヤー。
目が覚めるとソコは?


基地の手荒な歓迎

四日目・雨

 

目が覚めたらコンクリート打ちっぱなしの部屋だった。

何がどうなってるのやらわからない。両腕には手枷がされている。

鎖で繋がれていてまぁ…いわゆる拘束状態だ。

最後に記憶しているのはグリフィンの人形部隊がテーザーで痺れさせてきた光景。

まぁ鉄血人形だから仕方ないな。武装の榴弾ベルトも外されていた。

これは本当にしょうが無い。僕だってそもそも動かし方がぼんやりしてた。

何かの拍子に誤爆して殺処分なんて事になったらたまったものじゃない。

目覚めれば鉄血のマークの入った施設。明らかにオーパーツ染みた機械類。

そして極めつけはゲームで触っていた戦術人形たち…間違いなく僕は遊んでいたゲームの世界に入り込んでいる。

ドールズフロントライン…核戦争勃発後の世紀末世界だったか。

男か女かはもう忘れてしまっているが僕はそんな世界に生きる人形に惹かれていたんだ。

幸か不幸か実際に見て触ってコミュニケーションが取れる…

現実は小説より奇なりとは言ったものである。

小さな採光窓から見える空模様は生憎の天気だ。

さて、扱い的には僕は捕虜といった所か。最低限の扱いは期待して良いのだろうか?

 

ざぁざぁと降り注ぐ雨の音を聞き飽きた頃だ。

唯一ある扉から人形が入ってきた。確か彼女はMP5。

公式から色々とネタにされがちな子だ。

何故かゴリゴリマッチョにされていた記憶がある。

僕に食事を与えるために来たらしい。

簡単な会話をすると怪訝そうな顔を浮かべていたが敵意が無いのは納得してもらえたようだ。

 

追記:やっぱり飯がマズい

 

 

五日目・曇り

 

人形の身体はどんな体勢であろうと眠れるし身体が痛むことはないらしい。

しかし今日の目覚めは最悪だった。相変わらず拘束された状態で水をぶっかけられた。

水を吸い肌に張り付く髪の毛を振り払い見上げればそこに居たのは赤い制服を着た男。

まぁ十中八九この基地の指揮官であろう。

バケツを片手に持ってるってことは水をぶっかけたのも指揮官だろうな。

その後に待っていたのは尋問だった。鉄血の情報を吐けと暴力を振るわれた。

何も知らない、何も知らないと何度も言ったが信じてもらえなかった。

痛みに泣き喚いても暴力は止まらなかった。

口の中が切れたのか鉄の味がする。僕が一体何をした?

 

何度も殴られた結果気絶することになった。

無駄に頑丈な鉄血ボディが恨めしい。

 

 

六日目・忌々しい晴れ

 

寝て起きてみたらあれだけいたぶられた痕は消えていた。

新陳代謝に近いなにかがあるのだろうか?

痛みに訴えても何もないと思ったのか次は記憶のサルベージを行おうとしてきた。

だが残念なことに僕の記憶領域は見事なまでに空っぽと来た。

代わりにあるのは僕のこの行動記録だけ。

指揮官にそれを確認してもらった所でもう一度言った。何も知らないと。

忌々しそうに舌打ちして監禁部屋から出ていった。

僕の扱いはどうなるんだろうか?

 

 

七日目・雷雨

 

だんだんとこの身体についての理解が進んできた。

身体の大半は生体パーツで生成されている。ぶっちゃけると人間に近い。

でも脚部や腰に装着されている武装はかなりのハイスペックなマシーンボディ。

特に榴弾砲の火力はバカにならない。E.L.I.Dだろうが直撃させれば活動停止に追いやることも可能。

榴弾の規格は国際規格に合わせていて弾薬補給には困らないらしい。

さすが企業製、そういう所は考えて作っているみたいだ。

目視で標的を捉えたら自動で射撃角を計算して撃ってくれる優れもの。

僕が考える事はない。補助CPUが演算するらしい。

元々のデストロイヤーのAIはポンコツ気味だったと思う。

 

今日はこの基地の副官を務めているらしいマカロフがやってきた。

どうやら僕の扱いが決まったらしい。I.O.P本社に送られて解析に回されるとのことだ。

敵意やその他のウイルス等が確認されなければそのまま自由意志でグリフィンにつくかつかないかを選べる…らしい。

その間は僕の拘束は解かれないとのことだ。

 

そう言えばあの鉄血施設はどうなったのかと聞けばあれはただのダミー施設だったらしい。

僕が置かれていたのはなぜだったのかは知らないけど…本来なら返り討ちにする予定だったのかも。

正直僕に出会って全滅を覚悟したって言ってた。

指揮官の暴力についても謝られたから僕はもう気にしてないと返しておいた。

 

あ、ちょ落雷で停電とか聞いてない。

 

 

八日目・晴れ

 

早速僕が移送される事になった。

最後にボディーチェックと称してあちこちベタベタ触られたのは癇に障る。

指揮官がデレッとした顔で胸を弄ってきた時はどうしようかと思った。

マカロフが蹴り倒してストンプ食らわせていたから水に流すことにした。

 

I.O.Pか…分解とかされないか不安がよぎるが敵意もない人形を分解するのはしないと信じよう。

僕としては特に敵対するつもりは無いし…プレイヤーだったからI.O.Pの人形は愛でたい。

かと言って鉄血人形を屠るって気も無い。争いごとはごめんだ。

早くこの拘束が解かれて自由に動けると良いな。




次回はI.O.Pに移送。
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