次の街は何が出る?
十九日・雨
街から続く道を辿っていく。道案内に沿っていけばどこかに出るかもしれない。
そう信じてひたすらに歩く。狙撃手がどこに居るかわからないからそのすぐ脇の森に身を潜めながらだけど…
手元にある缶詰は一食一缶として換算しても5食分だ。これは保存が効くからできるだけケチる。
あのうさぎみたく野生動物が居るならそいつらを狩って食う。
幸い人形は生で食っても下すような腹を持っていないらしい。
本来はSTANAGをぶら下げるポーチに缶詰を並べるのは仕方ないか。
標識を確認する限りでは次の街まではかなり歩くことになるが…一日歩き通せば辿り着けそうだ。
次にたどり着く街では何が見つかるのだろうか?
最悪だ、人類人権団体が占拠してる街みたいだ…
私の記憶にある限りでは人形に対して良くない感情をもった人間の集まりのはずだ。
迂闊に動けば騒動は免れないか…あまり奴らが寄り付かないだろう町外れの廃墟で一晩明かすとしよう…
二十日目・晴れ
私が侵入したことはバレてないみたいだ。
武器や爆発物を持って出ていった組と拠点を守る人間が別れた。
倉庫を強襲してもいいが…後味が悪い、どこからか侵入できないだろうか?
巡回ルートが決まっている様子だ。見回りは4人。
内部に更に居る可能性が高い…殺すつもりは無いが怪我はしてもらう。
私はここで死ぬつもりは無い。まだ、今はだけど。
C!(壁へドン!)Q!(床へ張っ倒し)C!(石剛速球)最後の一人はドロップキックで気絶させた。
起きる前に屋内へと侵入…聞き耳を立てながら様子を伺いながら進む。
話し声がするが談笑しているようだ。やれ人形は人間に媚を売っていればいい。
人間の仕事を奪うのはおかしい、人形が居なければ人間の生活はもっと豊かだった…
すべての責任を人形に押し付けているのか。
まぁそんなのはどうでもいい、食料と工具をいただく。
たんまりと溜め込んでたな。胸いっぱいに抱えて仮拠点に持ち帰る。
幸いに工具もあったからMASADAの分解整備もできそうだ。
数時間後に連中騒ぎ始めたが後の祭りだ。
私は見つからずそのまま奴らが溜め込んでた食料摘みながらのフィールドストリッピングに勤しんだ。
二十一日目・曇
人類人権団体は施設の防備を固めたみたいだ。
もう一度侵入となると困難そうだからもう近づけないな。
ただどうも私のヘリを撃ち落としたのは彼ららしい。
所謂ラッキーショットを貰ったらしい…不運だ。
大型の狙撃銃を担いだ男が自慢気に語っていた。
私の装備だが…MASADAは息を吹き返した。
強いショックで内部パーツが一部脱落していたみたいだ。
これだけで済んでいたのは幸いだ。これでSTANAGを拾えれば継戦力が上がる。
人を撃つ覚悟は無い。悟られずそっとこの街を離脱しよう。
巡回員が多すぎて迂闊に動けない。すごく嫌だが下水道を通ることにする。
うげ…酷い臭いだ…あ、まって榴弾砲が引っかかって入れない。
結局諦めて目を掻い潜りながら離れていった。
途中入った廃屋でバッグを見つけたので仮拠点に置いてた食料を取りに戻った。
工具は…返却ついでに見張り兵が邪魔な時に投げつけて気絶させた。
二十二日目・晴れ
バッグの中身の食料を漁りながら行軍する。幸い私の中にコンパス機能はあった。
といっても現在の緯度経度はわからない。どの方角に向かえばいいかしかわからない。
一人寂しく歩くことにも慣れてきた。
遠くで銃声が聞こえる。
MASADAのセーフティを解除してから走る。
どこかの部隊と合流できるかと思ったら残念ながらもう移動した後だった。
あとに残っていたのは鉄血人形の穴だらけになった残骸だった。
割れたバイザーから覗く目に合った。
覚えてないが多分吐いたのだと思う。
人形の残骸は映像でみた人間の死体に似通っていた。
壊れ方も血飛沫の飛び方も。
途中で落とし物を拾った。
PMC武器庫?知らないPMCだな。ドルフロにそんなPMC居たか?
次回はどこかに拾われるか…?
PMC武器庫はサマシュ様の傭兵日記より。勝手に借りました、この場を借りて感謝申し上げます。