千冬side
私は事務員室を出て蔵鋼と教室に向かっていた。途中蔵鋼から不思議な飴玉を貰い心身共に回復して足取りが軽くなった気分だ。蔵鋼には感謝しないとな。
千冬「蔵鋼。この飴玉はまだ残っているのか?あれば分けて欲しいのだが………」
蔵鋼「…………」
返事がない?振り返ると蔵鋼は何か考えているようで気づいていないようだ
蔵鋼「…………ッ」
何だこの濃密な殺気は!?これが10代が出せる殺気なのか!?私は慌てて蔵鋼の肩を掴み揺さぶった。
千冬「おい!蔵鋼!蔵鋼‼️蔵鋼!!!」
蔵鋼「すいません。考え事をしてました………織斑先生?何をそんなに焦っているんですか?」
千冬「お前が黙ったと思ったら急に殺気を出すからだ!」
蔵鋼「マジですか?前に起きた騒動を思い出してしまったせいですね。すいません」
濃密な殺気は消え去り10代特有の呆気なさが残る雰囲気に戻っていた。
千冬「まったく………その殺気は他の生徒の前で出すなよ?私ならともかく他の者は耐えられん」
蔵鋼「以後気をつけます。ですが家族の事を言われたら自制が効かなくなるのでそれだけは勘弁してください」
千冬「ハァ………まぁそれくらいはしょうがないか、私も家族がからかわれるとつい手が出てしまうしな」
家族を、一夏を笑いの種にされるのは我慢ならないからな。蔵鋼を見るととても悲しそうな顔つきなり微笑んできた。
蔵鋼「家族を………弟さんを愛しているんですね。羨ましいです、俺にはもう出来ない事です」
千冬「蔵鋼………お前は………いやなんでもない」
私は聞きたかった"何故お前は肉親が亡くなっても生きていられるんだ"………と、私は一夏がいなくなると生きる気力もなくなるだろう。私の隣を歩いているこの青年は何を糧に生きているのだろうか。
蔵鋼「?まぁ今はやるべき事をやらねばなりませんからね」
10代なのに達観しているな。一夏とは大違いだな爪の垢を飲ませて欲しいものだ。
千冬「もうすぐ教室に着くぞ。挨拶の1つくらい「織斑一夏です。」織斑の番のようだな」
ちょうど一夏の自己紹介か、声が上擦っているな緊「以上です!」…………
千冬「ハァ………蔵鋼、ここで待て呼んだら入ってこい」
蔵鋼「了解っす。………織斑先生。疲れたら言ってくださいあの飴玉お裾分けします」
千冬「………助かる」
私は蔵鋼を廊下で待たせて教室に入り愚弟の頭を出席簿で引っ叩く
スパァン!
一夏「ぎゃん!」
愚弟は何が起きたかわからないようだ。頭を擦りながら私の方を向いた瞬間
一夏「げぇ!?蛮骨!?」
千冬「誰が7人隊の頭だ馬鹿者‼️」
スパァン‼️
一夏「ひぎゃん‼️」
何をボケたらそんなヤツと間違えるんだ!おっと山田先生に遅れたことを謝らなければ。
千冬「山田先生、諸事情によって遅れてしまった。クラスへの挨拶を押し付けてしまって申し訳ない」
山田「い、いえ副担任なのでこれくらい当然です」
さすがは私の後輩だな。要領もよくしっかりしている………のだがたまにおっちょこちょいな所があるから心配なんだがな。
千冬「諸君、私が担任の織斑千冬だ。君たち新入生を一年で使い物になる操縦者に育てるのが我々の仕事だ。私の言うことはよく聴き、しっかり理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は若干十五歳を十六歳までに鍛え抜くことだ。逆らっても構わんが、私の言うことは絶対に聞け。いいな?」
私は毎年同じ言葉を新入生達に言い放つ。だが毎年同じ返事が返ってきた
生徒『キャァァァァァァァァ‼️‼️』
生徒1「千冬様!本物の千冬様よ!」
生徒2「ずっとファンでした!」
生徒3「私、お姉さまに憧れてこの学園に来たんです! 北九州から!」
生徒4「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しいです!」
生徒5「私、お姉様のためなら死ねます!」
千冬「………毎年、よくもこれだけの馬鹿者が集まるものだ。 感心させられる。 それとも何か? 私のクラスにだけ馬鹿者を集中させているのか?」
生徒1・2「お姉様! もっと叱って! 罵って!」
生徒3「でも時には優しくして!」
生徒4・5「そしてつけあがらないように躾をして~!」
………本当に集中させられてるようだな、轡木さん、恨みますよ。
千冬「で?お前は満足に自己紹介も出来んのか?」
一夏「い、いや、千冬姉。俺は…」
スパァン!!!
一夏「むぎゃん!!!」
千冬「織斑先生と呼べ。公私をつけろ」
一夏「はい…織斑先生…」
「え………?織斑君って、あの千冬様の弟?」
「それじゃあ、世界で1人だけしかいない男性操縦者っていうのも、それが関係して………」
「ああっ、いいなぁ。代わってほしいなぁ」
誰が代わらせるか馬鹿者共が、私の家族は一夏だけだ。………しまった、まだ自己紹介の途中だった事を忘れていた。仕方ない早めに呼ぶか。
千冬「静かにしろ!………突然だがこのクラスにもう1人加わることになった。諸事情により入学式に参加することが出来なかったがつい今しがた学園に到着した。おい!入ってこい!」
さぁまた教室が騒がしくなるな。
千冬sideout
いかがだったでしょうか?七人隊の蛮骨は犬夜叉のキャラでもお気に入りの1人でした。この小説には出てこれないので一夏のボケで割り込ませてみました。
次回はようやく原作一夏の教室での話になります。
読んでくれた皆様にこれ以上ない感謝を