蔵鋼side
休み時間───入学当初は気になる相手や同じ中学の友人の元に行ったり、次の授業の準備をしたりして思い思いの時間を過ごす………筈なんだがこのクラスだけは違った。主に2つの場所に視線が集中していた、1つの場所には羨望、恋心と言った視線を浴びせられ困惑している。もう1つの場所には怒り、侮蔑、怯えと言った視線を送っている。前者が織斑で後者が俺だ。その視線がクラスのみならまだましだった、視線だけチラリと廊下を見ると埋め尽くさんと言わんばかりの生徒が押し寄せていた。よく見るとリボンの色が違う生徒もいるから2、3年まで来てるのか?
生徒「ねぇねぇ、あれが噂の男子?」
生徒「どっちもイケメン!1組いいなぁ」
生徒「あんた声かけてきなよ」
生徒「えぇぇ?恥ずかしいよぉ」
生徒「私、声かけてこようかな?」
生徒「あぁ!?抜け駆け禁止ぃ」
生徒「黒髪の男子は千冬様の弟なんだって!」
生徒「白髪の男子は1組を脅したらしいよ?」
生徒「え?私はマヤマヤを奴隷にしたって聞いたよ?」
なんだその訳のわからん噂話は!?マヤマヤって誰だ!?謎の噂話に頭を抱えていると周囲が騒つき始めた、よく見ると織斑の所に女子生徒が1人佇んでいた。
???「ちょっといいか」
一夏「箒?」
ポニーテールにリボンをしている女子生徒は織斑を何処かに連れていった。興味ある者は隠れながら付いて行き、そうでない者は引き続き俺の観察をし始めた。………話しかければいいだろうに、まぁ脅した手前誰も近づいて来ないだろ。来るとすれば女尊男卑のバカか傲慢なバカか自分自慢のバカぐらいだろ。ま、俺には関係ないか、喧嘩を吹っ掛けてくるなら潰すまでだ。
???「ね~ね~?」
窓の外を眺めていたが呼び掛けられ振り向いたが………誰もいない?
???「こっちこっち~」
声のした方を見ると机からピョコンと頭だけ出して此方を見ている少女がいた。セミロング程の長さの茶色い髪、短いツインテールに某電気ネズミを思わせるような髪止めを付けている。机に手?を置いているようだが制服の袖が長すぎてわからない顔付きは朗らかな笑顔を全面に押し出したような癒し系……と言った感じだ。
蔵鋼「………何か用か?」
???「私布仏本音~よろしくね~」
………何だか気が抜けるような間延びした喋り方だな。
蔵鋼「よろしく布仏さん。知ってると思うが蔵鋼刀真だ」
布仏「うん。よろしくね~くらち~」
蔵鋼「くらちー?何だそれ?」
布仏「あだ名だよ~蔵鋼だからくらち~だよ~」
なんともまぁけったいなあだ名だな。しかもさっきから睨み付けてるのに顔色変えずニコニコしてるし、周りを見ると友人と思われる女子生徒がオロオロしながら布仏と俺の方を交互に見ている。
蔵鋼「友人達が困ってるぞ?戻ったらどうだ?」
友人1「本音!危ないから戻ってきて!」
友人2「そこにいたら潰されちゃうよ!」
布仏「え~?きよひ~もしずしずも心配性だな~くらち~は優しいよ~」
蔵鋼「どうして俺が優しいんだ?自己紹介の時は脅したし、今でもキミを睨んでるぞ?」
布仏「だってくらち~が怒る理由は家族をバカにした時なんでしょ~?家族の為に怒る人は優しい人にしか出来ないよ~」
蔵鋼「っ!」
きよひ~?&しずしず?「「あっ、そう言われてみれば………」」
蔵鋼「ククク………ハハハハ『!?』ハハハハ!」
俺が大笑いすると周りは驚き此方を見て目を見開く。有り得ないものを見るかのように、そんな視線を無視して俺は布仏の頭を撫でる。
布仏「んゅっ………~♪」
手を置いた瞬間びくっとしたが撫で始めると嬉しそうにされるがままの状態になった………うん、小動物にしか見えない。
蔵鋼「キミは見る目があるな。外見で判断しないでしっかりと内面を見ている」
布仏「てへへ~♪」
蔵鋼「頑張った人にはご褒美をあげないとな。何か欲しいものはあるか?」
布仏「お菓子~♪その為にくらち~の所に来たのだ~」
蔵鋼「お菓子の力恐るべしだな。ちょっと待ってろ」
俺は持ってきていたバックの中からラベルのないドロップ缶を取り出す
布仏「おぉ~ドロップだぁ~♪」
蔵鋼「残念ながらドロップじゃなくて金平糖だ。だけどただの金平糖じゃないぞ。ほら、食ってみろ」
俺はドロップ缶から赤い金平糖を出して布仏の口に放り込む。周りはキャーキャー叫んでいるが気にしない。気にしないったら気にしない!布仏の方は一瞬驚いていたが金平糖を舐め始めると蕩けた表情になり頬を両手?で押さえていてた。
布仏「お、おいひ~~♡♪」
蔵鋼「うまいだろ?化学調味料、着色料一切なし!自然由来の金平糖だからな」
布仏「………くらち~これ皆にもあげもい~い?」
蔵鋼「あげるも何もこれはもうキミの物だ、好きにすればいい」
布仏「ありがと~みんな~一緒に『食べる‼️』はい、どうぞ~」
布仏は1人づつ金平糖を渡していく。ダボダボの袖なのに器用に渡してるな………。食べた生徒は驚いたり、泣いている奴もいた。
生徒「あ、あの~蔵鋼君?あの金平糖どこで売ってるのかな?」
蔵鋼「ん?売ってないぞ?手作りだし」
生徒『え!?手作り!?』
蔵鋼「あぁ、サトウキビから砂糖と糖蜜作って
色や味は住んでいた山から木苺や蜜柑なんかを採って作った金平糖だ」
生徒『まさかの原料から!?』
蔵鋼「やることがなかったからな。畑耕して飯作って何か造ったり鍛練したりで暇をもて余した時は甘味を作ったりしてたな」
生徒「く、蔵鋼く─キーンコーンカーン」
蔵鋼「ほらチャイムが鳴ったぞ。早く席に着かないと担任からありがた~い愛の出席簿が飛んでくるぞ?」
そう言った瞬間周りにいた女子はいつの間にか着席し他のクラスや上級生達もいなくなっていた。………よく躾られてるな………
スパァァァン‼️
千冬「さっさと席に着け。遅刻者」
一夏「………ご指導ありがとうございます。織斑先生」
何やってんだ?あいつ………
蔵鋼sideout
いかがでしたでしょうか?何度も打って消してを繰り返していた+仕事でへばっていたので中々更新出来ませんでした。待ち望んだ方………はいないかも知れませんがまだまだ書き続けるのでよろしくお願いします。