深海戦線奇想譚   作:八切武士

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 主力が出払い、工廠の整備スタッフ達と僅かな陸軍出身の艦娘達のみが残されたある日の鎮守府。
 そこに、海からひっそりと忍び寄る白い人影達。
 果たして、“非戦闘員”である整備班達は鎮守府を守る事ができるのであろうか?

「……うーん、煽りすぎじゃないですかねぇ」
「お祭りなんだから、これ位でいいのよ、派手にいきましょ」
「ふふっ、楽しくなってきましたね」
「そろそろ開始時間です、各位、配置について下さい」



【第二想 鎮守府、季節はずれの鬼やらい】

 

【単冠鎮守府・桟橋:荷捌き場】

 

 

 静かな波の音に、遠くに聞こえる生活音。

 聞こえてくる音からだと、泊地の様子は平穏そのものに思える。

 まだ、他の連中は見つかっていないという事だろうか。

 軽く跳び上がってコンクリの縁に手をかけ、懸垂の要領で体を持ち上げる。

 コンテナが並んだ一角は、見通しが悪くて何も見えないが、誰も居ない。

 ここは、輸送船から降ろされたコンテナを取りあえず一旦置いておく、“荷捌き場”だ。

 普段なら、正式な送付先や、格納先へ移動させる為に人やフォークリフト、トラックが走り回っている。

 だが、今日は静かなものだ。

 誰も居ない。

 そのまま体を引き揚げて、背後にハンドサインを送る。

 コンクリ製の桟橋から、特徴的な紫色の髪飾りがにょきっ、と生えると、長い髪を押さえた少女が左隣に並んだ。

 普段は艶やかな栗色の髪が、今は真っ白だ。

 反対からは、三日月型の髪飾りをつけた頭が生え、こちらも静かに隣へ並ぶ。

 こちらも普段は特徴的な紫色の髪が、アラバスターみたいに真っ白だ。

 顔色も青白く、唇は青黒く変色して、なんだかおどろおどろしい雰囲気。

 

「ちょっと、私はどこに上がればいいのさぁ~」

 

 不満げな小声に答えて前進すると、もぞもぞとする気配と共に、ぼさぼさ頭が生えて、背後に並んだ。

 いつも通り、櫛をいれるのをサボったらしい。

 

「もっちー、静かにしないと見つかっちゃうよ」

「もう、面倒くさいなぁ……」

 

 背後に声をかけると、不満げであったが、声が静かになる。

 邪魔な長髪をよけてから腕時計にちらりと目を落とすと、そろそろ予定時刻だ。

 

(流石に手まで青白くする必要は無かったかも……)

 

 髪もせめて後ろで縛ってくるべきだったと少々後悔する。

 手元まで落ちてくるほど髪をのばした事は無いが、結構うっとうしいものだ。

 いつでも髪の事を気にかけている如月の気持ちも少しわかる気がする。

 まぁ、あちらが気にしているのは、邪魔とかそういう事ではなく、自慢の髪が傷む事なのだろうけども。

 

(そろそろ騒がしくなってくる筈だけど……およ?)

 

 遠くから爆発音が響いた。

 断続的な発砲音。

 いつもと少し違うが、あの発砲間隔は機銃だろう。

 手を振って促してから、侵攻を開始する。

 しかし、艤装を展開したまま地上を歩くのは、やっぱり、いまいちやりづらい。

 それでも、出来る限りの早さで歩く。

 区域内のどこかに潜伏している明石さんを排除できれば、こちらの勝ち。

 鎮守府の艦娘は出払っており手薄。

 分は悪くない。

 可能であれば、出来る限りの物資を破壊する副目標はあるが、それは見つかってからでも遅くはないだろう。

 “荷捌き場”は静かなものだ。

 コンテナの間を抜けて、場内の通路に足を踏み入れる。

 背の低い事務所ビルと、艦娘用の古いドライドックに挟まれた通路は遮蔽物がなく、撃たれ放題の場所だ。

 頭を出した瞬間に狙撃されるかと思っていたのだが、1発も弾が飛んでこない。

 これはこれで不気味だ。

 遠くで聞こえている戦闘音に、時折砲撃音が混じっている。

 本格的に始まった様だ。

 

(吹雪ちゃんたち、派手にやってるみたい)

 

 まぁ、鎮守府の敷地内で主砲をぶっぱなす機会なんてそうそう無いのだから、派手にやるのも良いだろう。

 残念ながら、こちらは事が始まる前までは出来る限り早く静かにするのが作戦だから仕方ない。

 あちらが暴れる程、こちらの守備が手薄になる……筈だ。

 例年の事を考えると、一筋縄で行くとは思えないけれども。

 

 

【単冠鎮守府・???・簡易バンカー】

 

 

「うわ、又、派手にいったなぁ」

「吹雪ちゃん達は力圧しかぁ、ま、陽動位、深海棲艦だってやるしね」

「あの染料……本当に簡単におちるんですよね?」

 

 工廠内の一角に設けられた監視コンソールの前で、明石、夕張、大淀の3人が額を寄せて、モニターをのぞき込んでいる。

 大淀は普段通りの制服姿だが、夕張は工廠の整備員が着用しているつなぎをしっかりと着込んで、髪をキャップに押し込んでいる為、ぱっと見た目からでは艦娘だとは分からない装いになっている。

 そして、明石は、いつもの制服に“一日提督”と麗々しく書かれた金モールと赤ラインで飾られたたすきをかけていた。

 モニターでは、鎮守府各所に備え付けられた監視カメラと、守備人員の装備したアイカメラの映像が映し出されている。

 

「吹雪さん達は素直に工廠に向かうみたいですが、漣さん達は、少し後から、つかず離れずで支援する形ですか……堅実ですね」

 

 3人の隣で、ノートPCを広げていた鹿島がくすりと笑う。

 評価の為、演習状況の観察と記録を行っているのだ。

 この“演習”自体、泊地スタッフからの要望を汲んで彼女が焼き直したシナリオで動いている。

 消火や、避難等、“逃避的”な対応がメインだった鎮守府防衛訓練に、上陸した深海棲艦を泊地スタッフ達が撃退するという“攻撃的”な側面を盛り込んだ異色のシナリオは、開始当時は難色を示す者も多かったが、いざ実施されてみると、毎年、一番人気のイベントになってしまうのだから、面白い。

 鹿島からモニターに目線を戻した大淀は、周辺の建築物が見る見る間に蛍光色の染料で現代芸術に変貌を遂げてゆくのを見て、顔をしかめる。

 

「所で、本当の本当に水で簡単に落ちるんですよね?あの染料」

「大丈夫、大丈夫、水でちょっと高圧洗浄すれば綺麗に落ちるから」

「しかし、ああなると、ちょっとやりづらいですね、相互支援されると、足の遅い装甲重機使う訳にもいかないでしょう?」

「まぁ、アレはちょっと足遅いからねぇ」

 

 機銃弾に耐えられる程度の装甲をポン付けした整備用重機やフォークリフトは、工廠攻防戦で度々持ち出される名物装備だ。

 基本、突撃用の装備なので装甲は前面のみであり、側面や背面を撃たれれば搭乗員は即死判定必至である。

 

「ま、今回も色々作ったから、試させて貰っちゃおっかな」

「ふふふ、分断、足止め、後は……ちょっと、忙しくして貰ってる間に片方を片づけましょ」

 

 顔を見合わせて笑う明石と夕張の姿に、一抹の不安を覚えつつ、モニタを目で追い続けていた大淀は、コンテナの間をちょろちょろと進む、睦月達に目をとめる。

 

「なるほど、別働隊ですか……あれには手を打ってあるのかしら?」

 

 モニタから一旦目を離した大淀は、コンソールのスイッチを忙しくいじり始めた夕張と、無線で忙しくやりとりを始めた明石に何となく目を向けた。

 話しかけるタイミングを迷っていると、ひとしきり指示を出し終えた明石が顔を上げ、モニタをちらりと見てから大淀の疑問に答える。

 

「ああ、あっちは、うちからも人は出してますけど、仕切りは“陸さん”にお任せしてあるんで」

「あきつ丸さんですか?」

「あと、まるゆさん達も一緒かな」

「まぁ、確かにあの人達は、″“出払ってない艦娘枠”ですけど……」

 

 艦娘としてのあきつ丸と言えば、大発の展開や艦戦を搭載しての対空戦闘補助が有名だが、それとは別に、基地航空隊の世話と指揮を任せられていることも多い。

 これは、元々陸軍にルーツを持つ彼女達に対して、陸軍機の妖精達がより懐きやすい為だ。

 

「でも、基地航空隊って使っていいルールでしたっけ?」

 

 あきつ丸やまるゆ達の対艦攻撃能力は、海防艦とどっこいどっこいだ。

 まともに撃ち合えば、勝負は見えている。

 

「今回も禁止ですよ、あきつ丸さん達は基地航空隊は使わない作戦を立ててらっしゃいますよ、今回は大分趣向を凝らしてるみたいです……ふふっ、楽しみ」

「一応、演習なので、ある程度まじめにやっていただけないと困ります」

 

 本当に楽しげな含み笑いに、つい、一言釘を刺す。

 すると、ふわふわの銀髪が傾き、柔らかい微笑が大淀に向けられた。

 

「勿論、みなさん真面目に楽しんでらっしゃいますよ、ただ漫然と訓練するのではなく、モチベーションもって頂く事で訓練効果は高くなります、それも、この演習の目的ですから」

「そうですか……」

 

 なんとなく適当に言いくるめられた気もするが、大淀としても、あきつ丸達がどの様な策を用いるのかはちょっと気になる。

 モニタに目を戻すと、丁度、睦月達が“それ”と出くわした所だった。

 

 

【単冠鎮守府・裏通り】

 

 

 桟橋の荷捌き場から続く輸送道路からつながる裏通りは、名前に反して以外と立派な歩道がついた広い道路で、街路樹や植え込みが整備された、なかなか趣のある散歩道である。

 

「なんか、静かじゃね?」

「そうねぇ……」

 

 確かに、銃弾の一発も無ければ、罠に誘い込もうと姿をちらつかせる人影もない。

 無人の野を征くが如しとは言うが、これでは本当に無人の道路をあるいているだけだ。

 

「……前、誰かいるよ」

 

 首を捻っていた睦月は、弥生の呟きで前方を注視する。

 すると、丁度建物の陰から特徴的な釣り鐘マントを羽織った人影が歩み出てくる所だった。

 道路のど真ん中に立ちはだかった人物は、被った帽子の鍔を片手でぐい、と持ち上げ、満面の笑みを露わにする。

 手を覆った白手袋には、甲の部分にでかでかと五芒星が染め抜かれていた。

 

「やぁやぁ、海軍の諸兄姉(しょけいし)よ、朝からご苦労ですなぁ」

 

 一斉に防御態勢を取り、上空と周囲警戒を強めた睦月達の様子を楽しげに見やりながら、あきつ丸は手のひらを返し、押し止める様な仕草をする。

 

「いやいや、本日は我が配下のトンボ達を警戒される必要はないであります、演習では使わぬお約束でありますから」

 

 あきつ丸がマントを翻すと、いつもの制服の上に、白革のサスペンダーとそれに繋がるチェストリグが装着されており、腰のベルトの左右にはそれぞれ、軍刀と拳銃が装備されていた。

 

「なので、少し普段とは違う“おめかし”をしてきたのであります、どうでしょう、似合っておりますでしょうか?」

 

 返答代わりに放たれた機銃弾は、あきつ丸が翻した釣り鐘マントの布地に絡め取られ、炸裂する事も出来ず、地面にバラバラと散らばってゆく。

 

「はっはっは!可愛い花火でありますなぁ」

「にゃっ?……なら!てぇえええ~い!!」

 

 高笑いを上げながら走り出したあきつ丸の背中へ、睦月は腰を落とし、砲を向ける。

 地上だと動きながら砲は撃てない。

 だが、走って逃げる相手に少々照準が甘くなろうが、主砲なら直撃は不要だ。

 

「いっ、たっ……!」

『弥生、左舷装備損傷』

 

 一瞬気を取られ、引き金を引くタイミングが遅れた。

 睦月の主砲から放たれた砲弾は、遠間の倉庫の屋根に鮮やかな染料をぶちまける。

 

「モグラじゃないもん。まるゆだもん!」

 

 張り上げられた声に振り向くと、幼い丸顔を都市迷彩カラーのドーランで塗り分けたまるゆが、迫撃砲を抱えていた。

 

 艤装の左舷にべったりと白い染料を浴びた弥生が反射的に機銃を発射すると、白い水着が植え込みに飛び込んで消えた。

 

「にゃつ?どこ行った?」

 

 植え込みが一斉に機銃掃射されるが、うめき声一つ聞こえてこない。

 

「おごっ!」

『望月、頭部粉砕』

 

 炸裂音と共に、妙に野太い悲鳴が聞こえた。

 

「あら、痛そう……髪が傷んじゃう」

 

 頭を押さえ、全身をぷるぷると震わせている望月の後頭部がべっとりとした白い染料で汚れている。

 と言うか、よくよく見ると、衝撃でウイッグがどこかへ飛んでいってしまったらしく、彼女の地毛が染料で真っ白に染まっている様だ。

 

「どーだ、まいったか!」

 

 さっき、出てきたのは真逆の茂みからまるゆが顔を出している。

 

「だっ……だーから、マジ痛いっての!」

『頭部粉砕ですから、おしゃべりは駄目ですよ♪』

「むー!むーっ!」

 

 血相を変えた望月の放った砲撃が茂みに吸い込まれ、染料が弾ける音がした。

 

「にゃっ!ダメージ判定無し、まるでモグラ叩きだよ」

 

 銃声が響く。

 

「ふぁぁ!……もぉ、やだぁ!」

『如月、右胸直撃、ペナルティ無し』

 

 如月の制服に、墨汁を落とした様な染みが広がった。

 機銃弾の反撃が建物の角を彩るが、命中判定は出ない。

 

「むむむ……」

「うろちょろ……して、くれるね」

 

『ははは、今度は教科書ではなく、艦娘が墨塗りになる時代でありますかな?』

 

 周囲に響くあきつ丸の声は、建物に反響して、出所が分からない。

 

「そこ……」

『っ……』

 

 視界の端で動いた影に反応した弥生の砲撃が轟き、植え込みから跳びだそうとした人影が吹き飛ばされる。

 スミレ色に染まりながら吹っ飛んだ影は、地面を何度か転がって動かなくなる。

 

「殺ったぁー!……およ?」

「お人形?」

 

 ぽろりと取れた首には、古式ゆかしい“へのへのもへじ”が踊っていた。

 

『如月、右上腕有効打、5分間使用禁止』

「いやだぁ!もう、なんで私ばっかり狙うのよぉ!」

『流石、的当ては達者でおられますなぁ、こちらも負けてはいられないのであります』

「ん゛ん゛~!」

「ちょ、無駄撃ちは駄目にゃしい!」

 

 いい加減、焦れた望月が目を閉じたまま、機銃を周囲に掃射し始めた。

 目を瞑っているとは言っても、艦娘には、艤装の妖精さん達の“眼”があるから、全くの盲目にはならない。

 まぁ、流石に擬体についてる目とは感覚が大分違うので、慣れないと、かなり目測を誤りがちだ。

 

「……つっ」

「ん゛ん?」

「怒ってない、怒ってないよ……別に」

 

 弥生のおなか辺りに、オレンジ色の染みがべっとりと広がっている。

 流石に機銃弾程度だと、有効判定はない。

 

『海軍じこみの一発芸でありますかな?……では、こちらも、一つお見せいたしましょう』

 

 周囲の建物、植え込み。

 あちこちから、黒い制服と釣り鐘マント、そして軍帽を被った人影が走り出て、睦月達の周囲を回り始めた。

 

「ん゛?」

「お!およっ!ふ、増えた!」

「……本物はどれ?」

 

 顔で判断しようにも、全員、顔は目の下までを覆う異様な面頬を装備している為、咄嗟には判別できない。

 

「全部撃てばいいのよ!って、いった~い!」

 

 左腕で砲を構えた如月の上半身と頭部に一斉にペイントが跳ねる。

 

『如月、頭部、左肩10分使用不可です』

 

 両腕をだらりと垂らして目を閉じた如月が、無言の殺意を込めて対空機銃を掃射する。

 弾倉内全ての弾薬を撃ち尽くすまでに、逃げ遅れた人影が三人程桃色の顔料まみれになってなぎ倒される。

 声一つ立てず倒れ伏した人影達の面頬には“艦殺”と描かれていた。

 

『おお、こわいこわい、転進であります!』

「まって、人形だよ!」

 

 内陸側の茂みから再度飛び出した人影に素早く主砲の照準を合わせた睦月は、砲撃する直前で制止の声を放つ。

 投げ出された人形が空しく地面に転がるのを見て、肩を竦める。

 

「そう何度も同じ手に掛からないのねっ!……みんな、走るよ!」

「えーい!」

 

 又、顔を出したまるゆの迫撃砲をどうにかかわしながら叫ぶ。

 

「にゃっ?」

 

 頭に何かが落ちた気がして、睦月は軽く手をやった。

 小さな悲鳴を上げて、落下傘をつけた陸軍妖精さんが、地面に落ちてゆく。

 

「ん゛?ん゛ん゛ー!?」

「あら……って、まだ駄目よね……もう」

「なに……これ?」

 

 結構な数の妖精さん達が降ってきていた。

 対空機銃が断続的に発射される。

 地面に落下した者も多いが、艤装にも結構な数の妖精さんが取り付いた様だ。

 

「ふぁっ!きっ、切り込みにゃしい!」

 

 艤装の妖精さんは、ベースとなっている海兵達と同様、白兵戦用の個人武装を持っていない。

 武装した兵(妖精)を相手にすれば、当然、甚だ不利な状況に置かれる事になる。

 取り付かれた数によっては、艤装を“拿捕”されるという不名誉な事態も起こり得るだろう。

 

「だ、だっしゅつー!」

 

 睦月が工廠のある方向を指して叫んだ時、影が落ちた。

 

「眠れ、安らかに」

 

 背中の艤装にかかった重みに振り向く暇もなく、やけにくぐもった音響が轟いた。

 

『睦月大破、擱座後、3分で沈黙』

 

 傾いてゆく睦月の艤装から、フード姿の人影がひらりと地面へ降り立つ。

 まだ紫煙を噴いている12.7cm砲の筒先は、睦月の煙突が発した煤煙で煤けている。

 手持ち型のそれが手放され、地面に重々しい音を立てて落下する迄の間に、フード姿の人影は、弥生の前に立っていた。

 咄嗟に向けられていた砲が火を噴く前に、腕が払われる。

 

「小手?」

 

 じん、と、重い衝撃に痺れる手から砲がとんでいかない様に握りしめた弥生は、耳元で軽い金属音を聞いた。

 両の手首から生えた細い刃が閃き、弥生の両肩、胸にちくり、ちくりと微かな痛痒が走る。

 無表情な顔と一瞬見つめ合い、フードの裏側の赤い色が視界に灼きつく。

 ふわりと浮いたお下げに頬を撫でられる感触と、緑に残る残像が消え去らぬ内に、盆の窪に冷たい金属があたる。

 

『弥生、両肩、頭部破壊』

 

 身を翻して弥生の横を離れる人影を望月と如月の機銃が掃射するが、狙いが甘い射撃は数発、コートの裾を汚すのみだ。

 

「もっちー!後ろ!」

 

 擱座した睦月からの警告に振り向いた望月を、袈裟懸けの一撃が両断する。

 

「ちぇすとぉ!……であります」

「ぐえぇ……あーしんど」

 

 膝をついた望月の艤装に、あきつ丸は手にした刀身を軽く当てて金属音を立てる。

 

『望月、バイタルパート破壊、撃沈』

「はいはい、おわりー、おわりだよ~……おやすみ~」

 

 望月はこれ幸いと艤装を畳み、その場に寝っ転がる。

 

「如月ちゃん、走って!」

「モォ、マダミギツカエナイノ?」

 

(前方、岩礁注意!)

 

「岩礁って、え?」

 

 小声で悪態をつきながら走り出した如月の耳に、妖精さんの警告が響くが、次の瞬間、何か小さくて温かいものに両脚をとられ、派手に体が前に投げ出される。

 コンクリに叩きつけられる痛みを想像して身を固くするが、体が打ち付けられたのは、ちょっと黴臭いマットの上だった。

 

「いったぁ……なによぉ~!」

 

 ざらざらした手触りは、よくある帆布の体操マットのものだ。

 艤装に圧し潰されそうな感覚に逆らい、脚を引き寄せて四つん這いになる。

 艦尾を天につきだした、正直かなりみっともない格好に、ちょっとお上品じゃない悪態が口に出そうになった如月に、一斉に刀が突き刺された。

 

『如月、撃破、お疲れさまでした』

 

「もぉ、お肌が痛んじゃう……」

「……終わったね」

「疲れたにゃしい」

 

 

【単冠鎮守府・???・簡易バンカー】

 

 

「怖っ!何ですかあれ?……葉隠瞬殺無音部隊?」

 

 滲む様に画面に現れ、ただ静かに倒れた如月を囲んで、艤装と擬体に粛々ととどめを刺すあきつ丸クローンの姿に、大淀は怖気をふるう。

 映像だけではなく、音声も拾っている筈なのだが、気合いや、かけ声の一つも聞こえてこないのはちょっと不気味だ。

 

「あ、あっち終わったんですね、あれ、工廠の剣術同好会ですよ」

「劇団の間違いじゃない?……というか、助っ人の神州丸さん、完全に暗殺者なんですけど」

「でしょ!アサシンブレードの扱いとか完璧なのよ、時間無かったけど、やっぱり作ったかいがあったなぁ」

「やっぱり、夕張さんの仕業でしたか……」

 

 悪のりと技術力が同席する困った女。

 工廠の悪友。

 ひとたび夕張と明石がつるめば、週間護衛空母並の速度で珍装備がロールアウトする事になる。

 まぁ、“珍”の中から、“名”が生まれる事もあるので、一概に悪い事でもないのだが。

 

「おっと、そうはいかないのよねぇ」

 

『だめ!いやぁぁぁぁ!』

 

 夕張がコンソールを操作すると、スピーカーから弾けるように、真に迫った悲鳴が響いた。

 画面を覗くと、先頭に立って進撃していた吹雪がすっぽりと落とし穴にはまっている様だ。

 腰まで完全に埋まる深さの落とし穴からは、深海忌雷の触手が所狭しと溢れ出し、吹雪の全身に絡みついている。

 

『吹雪、脱出カウント開始、30秒で擬体粉砕骨折、5分で撃破ですよ』

「えげつないですね……確か吹雪さん、この間アレに両脚へし折られてたでしょう」

 

 拘束型深海忌雷は、よってたかれば、艦娘の擬体を骨折させるだけの力がある。

 というか、普通に気色悪い。

 

『みんな、先に行って!白雪ちゃん、お願い!』

 

「そうじゃなきゃ、訓練にならないでしょ……ぶっつけの対処は危険よ、ここの所、忌雷に遭う確率は上がってきてるし」

「そうですねぇ、訓練メニューに忌雷との不期遭遇イベントを増やした方がいいかも」

「じゃあ、あれ、もっと作らないとなぁ」

「後で素材発注に含めときますね」

 

 悲鳴と怒号をバックに、割と事務的な会話を始めた夕張達から目をそらし、大淀は又、モニターに目を戻す。

 

 

【単冠鎮守府・港中央通り】

 

 

「吹雪より、白雪へ旗艦を変更、続いて下さいっ!」

「これを」

 

 吹雪に駆け寄っていた磯波は、腰の鞘から素早く引き抜いた二式銃剣を握らせた。

 増え続ける拘束型忌雷の被害への単純な対抗策として、切断力を持つ近接兵器の価値が見直され、それなりに裕福な部隊であれば、触手切断用の短剣等が貸与される様になっている。

 

「んじゃね」

 

 触手を切断にかかる吹雪の横を初雪が通り過ぎ、少し遅れて続いていた漣達は一旦脚を止めると、狙撃手が潜めそうな高層建築に向けて砲撃が加え始めた。

 

『やっぱりみんないい動きするわねぇ……でも、その辺、色々としかけてあるのよねぇ』

 

「あいたっ!」

 

 短い苦鳴をあげ、磯波が転倒する。

 瞬間的にぴん、と張られたワイヤーに脚をとられたのだ。

 見た目以上に重々しい音を立てて、地面に艤装が接触する。

 特別なものではない。

 直径5mmの電動ウインチ用のワイヤー。

 陸上で、しかも艤装を担いでいるタイプの艦娘は脚が弱点。

 条件さえ揃えば、容易に転倒を招く。

 

「いぇぇぇぇぇぇい!」

 

 裂帛の気合いと共に、磯波のわき腹に槍が突き刺さる。

 

「おう?」

「脚を止めないで!」

 

 思わず振り向こうとする初雪を制止した白雪が脚をもつれさせた。

 

(足が離れ……)

 

 まるで売場の長ネギの様にしっかりと結ばれてしまった足をどうにもできないまま、白雪は何とか庇い手をして顔面強打を避ける。

 

「痛い……」

 

 足に鎖が絡まっていた。

 細い鎖の両端に錘(おもり)をつけた分銅鎖だ。

 掃射音が響き、磯波と白雪の全身に黒色の塗料が弾ける。

 

「白雪、磯波、擬体全身破損、その場に擱座」

 

「なーにー?」

 

 間の抜けた声とは裏腹に素早く振り返った初雪の目の前に、外套を翻した神州丸の姿が一杯に広がった。

 咄嗟に左手で神州丸の腕を弾き、喉元へ突き上げられたアサシンブレードから逃れるが、下腹部にちくりとした痛みが走り、逆手のブレードに抉られる感覚を感じる。

 

「うっ……!」

 

 うめき声を漏らしながらも、初雪はそのまま一歩前へ踏み出し、横にした砲塔ごと力一杯体当たりをかける。

 殆ど手応えなく神州丸の体が吹っ飛び、彼女の体で覆い隠されていた“艦殺”のメンポをつけた人影が初雪の目の前に現れた。

 その手には、既に再装填済みの百式短機関銃が構えられている。

 

 素手で殴るか、機銃で撃つが早いか。

 

 一瞬の逡巡。

 横合いから殴りつけた機銃弾の猛打が人影をスミレ色に染めながら吹き飛ばす。

 

「ったく、なにやってんのよ!」

「はにゃ~っ!」

 

 悪態をつく曙の鼓膜を、漣の悲鳴と軽重入り交じったけたたましい射撃音が連打する。

 

「や~ら~れ~た~」

「ううっ!痛っ、痛!痛いですっ!」

 

 何故か全身を黒く染めながらたこ踊りをする漣と、普通に痛がりながら倒れた潮が戦線を離脱。

 

『漣、擬体全身破損、その場に擱座、潮、上半身破損、上体使用不可』

 

「沈みなさい!」

「逃げる者は全て深海棲艦!逃げない者は訓練された深海棲艦、本当に戦争は地獄でありますなぁ、ふぅはははははぁ!」

 

 朧が反撃で放った機銃弾を食らって吹っ飛ばされる“艦殺”メンポの同輩をよそに、哄笑しながら弾倉交換をしていたあきつ丸が、再び九十六式軽機関銃を、曙達へ向ける。

 

「%&#@^+?¥!」

 

 裂帛の気合いと、圧し殺した悲鳴が聞こえるが、もう、曙にも吹雪達の方を気にしている余裕はない。

 

「……あとは、どれだけ道連れにしてやるかってことね」

「おお、撃ちてし止まむの精神でありますな、敵ながら天晴れ、不肖、あきつ丸、見事討ち果たす事で返礼とするのであります」

 

 じわり、と包囲される感覚を感じながら、いつしか、背中合わせになっていた曙と朧は砲を構え直す。

 

「あ~、ぼのたん、もう少しあっちの方でやってくれると、漣さん嬉しいかなって」

「うるさい、死体は黙ってなさい!」

 

 足下に怒鳴り散らすと、小さなうめき声が応える。

 

「うう、まだ、一応死んでないです……」

「曙、くるよ!」

「ああー、もう、めちゃくちゃよ!」

 

 

【単冠鎮守府・???・簡易バンカー】

 

 

 モニタ上では、触手トラップから逃げ遅れた吹雪が槍で滅多付きにされている。

 別のモニタでは、装甲重機の特攻を喰らった朧に一瞬気を取られた曙が、銃剣突撃をまともに喰らった上に、そのまま残弾を叩き込まれ、とどめを刺されていた。

 

(……あ、戦国自衛隊)

 

 口には出さずに、大淀は心中呟いた。

 敵軍に比して圧倒的な近代火力を持ちながら、最後の最後には策略にかかって、泥臭いやり方で各個撃破されてゆくこの展開、何故か、普通の戦争映画じゃないどこかで見た様な気がしていたのだが、倒れたまま槍で滅多刺しにされる吹雪の姿を見ていたら、ようやく思い出した。

 

「どうやら、終わったみたいですね」

「はい、もう“深海棲艦側”で活動可能な艦船は存在しません、朧さんが最後ですね、鎮守府防衛隊の勝利です……みなさん、お疲れさまでした、演習はこれにて終了です」

 

 モニタの中では、鹿島の終了宣言を受けて、ひとしきり勝ち鬨が上がった。

 その後は防衛隊の構成員達が粛々と倒れた艦娘達を助け起こし、機材の撤収を開始する。

 

「勝利……ですか」

 

 まぁ、勝利は勝利なのだろう。

 中央通りは一部が更地に変わり、裏通りもそれほどではないものの、建造物に被害はでている。

 建物の被害に比べれば、人的被害は十数人程度と少ない。

 攻撃目標になった人間はほぼ即死している為、負傷者はかえって少ないのだ。

 多数の罠に加えて、砲撃のブラストや、機関砲弾から身を守る遮蔽物、簡易退避壕、モグラ穴を多数配置した環境でもそんなものだ。

 上陸を想定した設備がない状況だったら、一方的な虐殺に終わるのは間違いない。

 

「被害、大きいですよね」

 

 大淀が視線を動かすと、鹿島がノートPCが顔を上げていた。

 

「人員の避難は完了しているし、致命的という程ではありませんが……まぁ、本来は無防備に上陸を許す時点で、基地を破壊、放棄する状況ですから、勝利は勝利でしょう」

 

 基地が丸裸になった様な状況で、上陸してくるのが駆逐級だけである筈がない。

 そもそも、上陸する前に徹底的な爆撃と艦砲による制圧射が加えられる可能性もある。

 この演習の設定状況事態が荒唐無稽だ。

 

「そうです、本来は基地を放棄せざるを得ない状況……荒唐無稽な設定の演習」

 

 鹿島は大淀の思いを見透かした様に呟く。

 

「では、この演習の意図は?」

「お祭りです」

「祭……?」

 

 鹿島は怪訝そうに眉をひそめる大淀から目線をはずし、バンカーの片隅で計測機器の端末を使っている初老の男性に微笑みかける。

 

「福田さん」

「はい、何ですかな?」

「今度、お孫さんが幼稚園に上がられるんですよね」

「まぁ、そうですな、下の子は再来年ですが、楽しみなもんです」

 

 不意に場違いな言葉をかけられた福田班長……鴨居鎮守府の第一整備班長殿は、白髪が多い頭を掻き掻き、困ったように笑う。

 

「島崎さんは、去年娘さんが中学二年生になって、二班の、西さんは、今年が七五三、三班の菊池さんは高校受験を控えているお子さんが……」

「あ、そう言えば、そろそろでしたっけ、又、お祝い考えておかないと」

 

 明石が愛用のスケジュール帳に覚え書きを書き込むのをよそに、大淀は鹿島の真意を少々考え、息を吐く。

 

「……つまり?」

「ふむ……ふむ、よろしいですかな?」

 

 大淀と鹿島の顔を見比べていた福田班長は、軽く頷いてから口を挟む。

 

「はい、どうぞ」

 

 笑顔で首肯する鹿島につられて、大淀も無言で頷く。

 まるで、生徒の発言を促す教師の様だ。

 まぁ、練習巡洋艦という立場を考えれば、特段おかしな事でもないが。

 

「私らの現場は、“前線の結果”が運び込まれる場所です、“間”はありゃしません……朝にゃ元気いっぱいで、弁当持たせて、手を振って送った子達が、夜にゃあ手足を無くして、残った手で腹から溢れるもんを押さえて、かつぎ込まれてきます、帰ってこない子もおります」

 

 訥々と言葉を発する班長の言葉を、大淀達は黙って聞いていた。

 

「艦娘さん達が、どんなもんか、見た目通りの娘さんじゃない事なんか、私らはよく知っとります、知っとりはしますが……それでも、たまらなくなっちまう時があります」

 

 負傷で入居する艦娘は、整備班員達の前では、声を殺し、じっと身を動かさずに負傷に耐える。

 そう、教育されているからだ。

 自制しなければ、痛みを紛らわせる為に握った相手の腕を握りつぶしてしまう。

 

「この子をこんな目にあわせたのは誰だ、又、こんな目にあわせる為に送り出すのか、と、何かを、誰だかを呪っちまいたくなる……歳を食うと、そんなもんでも、どうにかこうにか胸三寸に納めて、腹の底に沈める様になっちまうもんですがね」

 

 この鎮守府は重要な拠点ではあるが、最前線ではない。

 故に、毎日の様に大小の負傷者が工廠のドックでうめき声を上げている様な状況ではないのだが、それでも、犠牲者は出る。

 平時の哨戒や忌雷除去といった警備任務で酷使されるのは、軽巡や駆逐艦、そして海防艦といった、より“幼い”見た目の娘達だ。

 軽量艦程、より多くの血を海に流し続けている。

 

「行き場のない想いは、呪いにもなりえます」

 

 それまで黙って福田班長の言葉を聞いていた大淀は、口を挟んだ鹿島に目を向ける。

 

「それで、こんなガス抜きの“お祭り”を企画したんですか?」

「私は、“昇華”っていう言い方の方が好きですけど」

 

 悪戯っぽく笑う鹿島からは、いまいち深刻さを感じ取りづらいが、微笑のベールで真意を包み隠すのは、香取型達の多くに共通するポーカーフェイスみたいなものだ。

 

「季節はずれの節分よねぇ、追儺(ついな)とか、鬼やらいとか言った方がかっこいいかも」

 

 機材の片づけをしていた夕張が手を止め、口を挟んだ。

 

「吹雪さん達は石を投げつけられる鬼と言うわけですか」

 

 モニタに目をやると、触手に埋まり込んだまま、大量の槍を突き立てられた吹雪が映っていた。

 生け花用の吸水スポンジみたいになった吹雪から、面防を外した整備員達が槍をどかし、引っ張り起こしている。

 

「飛んでくるのは、石どころの騒ぎじゃないですがね……」

「そりゃ、こっちも必死ですからねぇ、模擬弾だって、撃たれるのは気持ちいいもんじゃないし」

 

 思い出した様に“1日提督”のたすきを外した明石に、大淀は眉根を寄せる。

 

「あんたはたまに訓練に顔を出しなさい、出先の臨時泊地まで随伴して修理する事だってあるんだから」

「大淀だって、最近さぼり気味でしょ……あ、さぼりと言えば、艤装の艦検まだやってなかったよね?」

 

 スカートのスリットにつっこまれた手が引き抜かれると、まるで手品の様にトルクレンチが握られていた。

 

「あぁ……ちょっと今日は、この後、月次の報告資料のレビューが」

 

 これからでも艤装の検診を始めたそうな勢いの明石にじわり、と間を詰められ、大淀は圧されるがままに後退する。

 下手をすると、そのまま検査台の上に押し倒されそうだ。

 

「あ、やっちゃいます、大淀さんの艤装、一度じっくり見せて貰いたかったんですよねぇ」

 

 軽い、かーん、という音に振り返ると、いつの間にか背後を夕張にとられていた。

 手にしたテストハンマーが溶接面を軽く叩くと、もう一度、かーん、という音が響く。

 まるでスラッシャー映画のキラーである。

 

「さて……と、じゃあ、私、演習の報告資料まとめないといけないので、そろそろおいとましますね、お疲れさまでした」

 

 柔らかい笑顔と残り香だけを残し、鹿島は即席バンカーから消える。

 柔らかな態度を崩さぬまま、それでいて有無を言わさぬ絶妙な間の取り方。

 放置した後の処理を考えて、ついつい物事に首をつっこみがちの大淀にしてみれば、大いに見習うべき所があるといつも感心するスキルなのだが、多分、今、目の前の状況から逃げる役には立ちそうにない。

 

「さて、私も、掃除の手伝いに行きますんで……お疲れさまですわ」

 

 何故か微笑ましげな表情で頭を下げ、福田班長も出て行ってしまった。

 おじさんからしてみると、この状況、女学生達が“きゃっきゃうふふ”している様に見えるのだろうか。

 

「さぁ、ここ、開いてますよ」

「大丈夫だって、壁のセパ穴数えてる間に終わるから」

 

 左右から両腕を掴まれて引きずられながら、大淀はため息をついた。

 ちなみに、後から大淀のオフィスに届けられた診断書には“要精密検査”と書かれていて、相変わらず残業をしていた大淀を大いにぎょっとさせる事になる。

 しかし、その判断事由は“大淀型の艤装をもう少し調べたいので”と記載されていた為、次の瞬間にはシュレッダーに叩き込まれる事となった。

 

To Be Countinued...

 

 





 今回、かなり暗い話の冒頭の前振りとして書いていたのですが、いつの間にか前振りが本編にすり替わってました。
 書こうとしてたのは、又、次にでも書きます。

 ちなみに、演習に深海棲艦役として参加した子達には、特別報酬として、全国共通間宮チェーンで使用可能な、甘味配給券が支給されます。

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