一昔前、日本は闇に包まれた。
世界から笑顔を消そうとする悪の組織【マンダーラ】によるものだ。
阿鼻叫喚の中、暗闇に一筋の光が降り注いだ。
「マンダーラ!あなた達に世界は渡さないわ!」
フリフリのピンクのドレス、ハートのステッキを持った少女が、魔法を使って人々の拠り所を作ったのだ。
「なっ!?貴様は、魔法少女!」
「今日こそ、あなた達を倒す!」
彼女の名前は
悪を許さず正義を助く、全少女の憧れとして一世を風靡した伝説の魔法少女だ。
「ミラクルぅぅぅううう!ッビィィィイイイイム!」
ステッキから放たれる閃光が暗雲を突き刺し、雲霧させる。
「おのれ……。ミラクルヘヴンめ……!」
「さよなら。次に会うときは、友達になりましょう?」
悪の組織【マンダーラ】は去った。
しかし、親玉が消えただけで【マンダーラ】は必ず復活する。
『【マンダーラ】の親玉を倒す』という目的を達成しあミラクルヘヴンは自らの力が衰えていくのを感じ、跡継ぎを捜した。
いづれ復活するであろう【マンダーラ】を倒してもらうために───
◇
そこで少女の熱弁が終わる。
相づちを打ちながら話を聴いていた老婆は、茶柱の立ったお茶をすすると一言、
「懐かしい話だねぇ」
とだけ言った。
あれから76年の月日が経ち、当時12歳で世界を救う戦いをしていたミラクルヘヴンは既に88歳、魔法の力なぞ驚く程に減退し、呼び起こせる奇跡など『茶柱が立ちやすくなる』や『病気になりにくくなる』等の、まあ、はっきり言ってショボい。
『なんとなく考えていることがわかる』等のすごい魔法も使えたりするのだが、本人は魔法を私利私欲に使いたくはないようだ。
魔法『少女』であった時は、隕石の一つや二つ、反らしていたものだが……。
「私は親からその話を聴いて、とっても感動したんです!」
「うんうん、ヒメちゃんはよくやってるよ。魔法少女と、胸をはって言える。案の定復活したマンダーラも手を焼いているようだしねぇ」
「はい。ですが……。その、魔法少女として活動するうえで、まだ魔法が不安定で……」
「わかってる。それじゃあ、今日のお稽古を始めようか」
「はいっ!『マジカル ミラクル トゥインクル』!」
少女、二代目魔法少女の
次の瞬間には、ピンクのフリフリのドレス、手にはキュートなハートのステッキをもった魔法少女がそこに誕生していた。
「奇跡の翼で悪を断つ!魔法少女☆ミラクルヘヴン!」
「本当に、懐かしいねぇ……」
今日も今日とて魔法の練習をする健気な魔法少女に、旧代のミラクルヘヴンは儚げに微笑むのだった。
ネタ詳細
・魔法少女☆ミラクルヘヴン:さいきょーのまほうしょうじょなの!きらきらしたビームをうてるんだよ!(幼女談)
・田中 清子:いっつもおうちのえんがわに座ってるの。ミラクルヘヴンの事にすっごくくわしくて、いろんなことをしってるんだよ!(幼女談)
・愛夢 姫乃:ミラクルヘヴン!まじめで、こどもが泣いてるとへんしんして助けにきてくれるの!きのちゃんが魔法しょうじょだってみんなにバレてるの、きのちゃんにはナイショだよ。かくしてるつもりらしいから。(幼女談)
・幼女:わたし!ほんぺんにはいっさいとうじょうしないよ!『穂織シリーズ』のしょうせつにはたまにでてると思うから、気がむいたらさがしてね!まってるよ!