防衛隊の司令室で、ダイヤの映像が流れている。
「さて、このウルトラマンらしき巨人だが……」
聡美は隊長の言葉を右から左へ聞き流していた。
「光隊員、聞いているのか?」
「え?」
「光隊員、しっかりしてくれ」
そう言って隊長は話に戻る。
「……我々の味方であることは間違いないと思われる」
「隊長、ウルトラマンに似てるからと言って、味方と考えるのは早計では?」
「いや、しかし……」
「なんだっていいじゃないですか。宇宙人を倒してくれたことには代わりないのですし」
「光、お前なあ……」
「あ、昨日の戦闘で、彼女は言ってました。ウルトラウーマンダイヤと呼んでって」
「彼女? 女性なのか?」
「みたいですよ」
その時、緊急通報のサイレンが鳴り響く。
東京の一角に怪獣が出現したらしい。
「全員出動!」
隊員はそれぞれ戦闘機や戦闘車に乗って現地へ赴く。
聡美は地上で避難誘導を始めた。
「みなさん、こちらです! 焦らず行動して下さい!」
住民が一斉に避難していく。
刹那、聡美は上空で怪獣の攻撃を受け、墜落していく戦闘機を見た。
「は!」
誰もいないところへ行き、ダイヤに変身、巨大化する。
地上の人々は歓喜の声を上げる。
「あ! 巨人だ!」
「頑張れウルトラマン!」
ダイヤは様子を
怪獣はダイヤに気づき、背中を赤く発光させながら襲いかかってくる。
ダイヤは懐に迫り込んだ怪獣に蹴りを浴びせると、落下してきた怪獣のツノを捕まえる。
ツノが熱を帯び始める。
「が!」
ツノから衝撃波が放たれ、ダイヤは後方に吹っ飛び、ビルに突っ込んだ。
ダイヤははまったビルの壁面から抜け出し、迫り来る怪獣を捕まえ、後方に投げ飛ばす。
「であ!」
放り投げられた怪獣の体がビルを破壊し、地上に止まっている車を押しつぶした。
「とどめ!」
ダイヤは腕を十字にクロスし、スペシウム光線を放った。
スペシウム光線が炸裂。怪獣は爆裂霧散した。
「シュワ!」
ダイヤは飛び上がり、空の彼方へ消え去った。
刹那、光の球が地上に降りてきて聡美の姿になる。
「ダイヤ、見ーつっけた!」
その声に振り返る。
見覚えのない男の子が、瓦礫の上に座っていた。
「えっと、君は?」
聡美の問いに男の子は答える。
「僕? 僕はスペードだよ」
「スペード?」
ダイヤの記憶が、聡美の脳裏に流れてくる。
「あなた、本当にスペードなの?」
ダイヤの記憶によれば、スペードはまだ子どもだが、ウルトラ戦士としての資格があり、遠方へ派遣されていたはずである。
「どうしてここに?」
「タロウ兄ちゃんがダイヤ一人じゃ心配だからって、僕に連絡を寄越したんだ」
「そうなんだ」
「うん。だからね、僕がダイヤのお仕事、手伝ってあげる」
「スペード、その姿は……?」
「ああ、これ? これは、擬態。ダイヤは、擬態じゃないんだね」
「あ!」
聡美は思い出した。
「戻らなきゃ」
聡美は「話はまた今度!」と残して去っていった。