Stand in place!   作:KAMITHUNI

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ま、まさか……(`・ω・´)

評価バーが、赤になってるだと!?((((;゚Д゚)))))))
あ、ありがとうございます!!


第19話 Ailanthus

我妻「……咲山」

 

大地「……我妻、分かってるか? この回こそが肝だ。幾ら下位打線とはいえ、この回を3人で抑えられなきゃ、さっきの猛攻の意味が無くなる」

 

我妻「あぁ、分かってるよ……」

 

我妻「だから、俺はオマエのミットしか見ないけど、それでいいんだろう?」

 

我妻「迷惑かける事になるけど、今はそれが最善なら、俺は受け止めるよ。だから、頼む。俺を勝たせてくれ」

 

大地「ああ、任せろ。テメェの気持ちを叶えてやるさ─────ここからは、俺たちのターンだ!!」

 

羽丘|000 009 ---|9

花咲|000 70- ---|7

備考:花咲川学園 曽根山 6回に大地のホームランから大崩れし、5失点降板。後続の投手もペースをつかめず4失点。

打者一巡した5回に、大地は2ホーマーを放つ(2本目は中継ぎ投手からグランドスラム。慈悲は無い)。

 

花咲川1年7番打者(クソッ!! なんで、こんな事に……!? さっきまでの楽勝ムードが嘘みたいに霧散しやがった!!! コイツが……咲山が打席に入ってホームラン打った瞬間、明らかにペースが崩れた!!)

 

花咲川1年7番打者(たった1人の力で、こうまで変わるもんなのかっ!?)

 

大地(さて、追われる側から追う側に変わった気持ちはどうだ? 正直、生きた心地しねぇだろ)

 

ビュゴォォォォッ!!

 

ズバァァァーーンンッッ!!

 

審判「ットライークッ!! ワンストライクノーボール!!」

 

花咲川1年7番打者(ぐっ!? アウトコース高め!? くそ!? さっきより球威が増したのか?! ミットの音が段違いだ!!)

 

大地「オッケー! ナイスボール!! 」

 

我妻(……やっぱ、アイツのキャッチング上手いな……球がいつもより走ってる気がする)

 

 

 

大地(予定外の逆転は、選手にとってこれ以上無い焦りを生む……)

 

ビュゴォォォォォオッ!!

 

花咲川1年7番打者(内に入ってきた甘いストレートッ!! これは、さっきランニングホームランしたコースと同じ─────ッ!?!?)

 

カクッ!!

 

花咲川1年7番打者(ヤバイッ!! バットが止まらねぇ!!)

 

ガゴンッッ!!

 

大地「ショート、慌てるな!! バッター、そんなに足は速くないぞ!!」

 

羽丘1年遊撃手「おう!! 任せろ!!」

 

パシッ!! シュッ!!

 

バンッ!!

 

塁審「アウッ!!」

 

花咲川1年7番打者(はぁ!? さっき迄と動きが全然違うじゃねぇか!! なんだよ!!)

 

花咲川1年7番打者(それと、我妻が投げたのがシュート!? さっきとはキレが段違い……!? 初回から3回までに慣れた軌道じゃない! 球数がとんでも無く行ってるクセに、ストレートといい、シュートといい、キレが増してる!?)

 

花咲川1年7番打者(復活した回から明らかに我妻の雰囲気が変わった……なんで、なんでそんなに『強い』!? 7失点してんだろ?! なんで、そんなに淡々と投げられる!?)

 

─────

 

ビュゴォォォッ!!

 

カクッ!!

 

ブンッ!!

 

ズバァァーーンッ!!

 

 

花咲川1年8番打者「な!? (ここで、インコース膝下にスライダーッ!? それは打てないッ!!)」

 

審判「ットライークッ!! バッタアウトォッ!!」

 

大地(……キレが増して来てる)

 

大地(腕の撓りが段々と良くなってるし、気持ちの良さが良い感じでボールに乗ってやがる……)

 

我妻「ツーアウト!!」

 

大地「我妻!! ナイスボールな!!」

 

大地(これだけ、手元でキレて気持ちの乗った球なら、最後は力押しでいける)

 

花咲川1年9番打者(クソッ!! この回は良いようにやられ過ぎてる!! こういう風にテンポ良く投げてる時は、兎に角、投手を揺さぶるのが定石ッ!! ここは、セーフティの構えだけでも……!!)

 

大地(悪りぃな、それは読んでるから、ありがたくスリーアウト貰うわ)

 

ビュゴォォォォ!!

 

スッ……

 

ズバァーーンッ!!

 

審判「ットライーク!! ワンストライクノーボール!!」

 

花咲川1年9番打者「え!? (ここで、ど真ん中ッ!? しかも、サードが前進してきてない!? まさか、セーフティが予測外だったのか!? いや、それなら態々ど真ん中に─────コントロールミスか!? それこそ、今の我妻ではあり得ない)」

 

花咲川1年9番打者(特に、今のストレートはこの回のアイツでは考えられないくらい軽く投げてた……つまり、咲山は俺が揺さぶりだけのセーフティの構えである事を見抜いて─────)……チラッ。

 

大地「セーフティ、しないんだな」ニコッ

 

花咲川1年9番打者「な、何のことかさっぱりだな……(やっぱり、気づいてやがった……! コイツは明らかにヤバイ!! これだと、コイツの独壇場……?!)」

 

ズバァァァーーンッ!!

 

審判「ットライークッ!! ツーストライクノーボール!!」

 

花咲川1年9番打者「はぁ!? (待て!! テンポおかしいッ!!? いつサイン交換してたんだよ!? まさか、俺に話しかけてる間には既に……!?)」

 

我妻「ラァッ!!」

 

花咲川1年9番打者(コイツ等……!!)

 

ビュゴォォォォォオッッ!!

 

ブンッ!!

 

ズッバァァァーーンンッ!!!

 

花咲川1年9番打者(思ったより手に負えない……!!!)

 

審判「ットライーークッ!! バッタアウトォォオ!!!」

 

我妻「シャァァアァァアァアッッ!!!!」

 

澤野(……真ん中、外、外。 最後の1球は外の釣り球……。一見、アウトコースの釣り球は意味の無いように見えるかもしれないが、焦ってる時に使うと非常に効果的だ)

 

澤野(特に、咲山の前の捕手が外中心のリードでポンポン三球勝負をしてきていただけに否が応でも、体が反応してしまう……)

 

澤野「末恐ろしいモノだ……」

 

澤野(打者の心理を掌握し、同時に投手のテンポを良くするリード……)

 

澤野(『咲山 大地』……やはり、苦手だ。俺では一生賭けても及ばない範囲に奴はいる。それなのに、奴は自分を下に見る……。まだまだ、俺は上に行けると確信してる……。敵わないと思ってしまうから、俺は奴が嫌いだ)

 

─────

 

片矢「成田!」

 

空「は、はい! なんですか! ボスッ!!」

 

片矢「……ボスと呼ぶなと言っているだろうが戯け! まぁいい。次の回から行くぞ」

 

片矢「早急に肩を作れ」

 

空「え?! いいんすか!?」

 

片矢「あぁ。どの道、貴様と我妻しか1年の中で投手希望はいない。既に咲山を出場させている以上、貴様を出そうと出さまいと同じ事だ」

 

片矢「それと、我妻は既に150球を超えている。これ以上の負担を押し付けるわけにはいかん。帯刀、成田の球を受けてやれ。そして、我妻の処置を哲と笠元で行え。いいな?」

 

片矢「この試合は最早、試験ではない!! 必ず勝たなければならない本番だと思えッ!! 全員で勝つぞぉおぉおおおお!!!」

 

羽丘全員『はいッ!!』

 

─────

 

紗夜(……試合はもう決まりましたね)

 

紗夜「残念でしたね……。ですが、今回ばかりは1年生では荷が重かったでしょうし、寧ろ、よくやれていたほうでしょう」

 

花咲川マネージャー「そうだね……。成田君まで出てきちゃったら、流石に手に負えないし、咲山君の打撃力とリード力でその差を広げられる。こんなの未だ入学したてのルーキーには気が重すぎるね……なんたって、相手は『天地コンビ』……高校に入ってからヒットを一本も打たれていない【怪物】達だからね」

 

カキィィィィィーーンンッッ!!!

 

ゴンッ!!

 

紗夜「ポール直撃のスリーランですか……」

 

紗夜「彼、投手ですよね? なんで、インコースの球を腕を綺麗に畳んで持っていけるのですか?」

 

─────

 

空「オッシャァァァ!! 高校初ホームランだ!!」

 

虎金「……アイツ、バッティングセンスも怪物級かよ」

 

─────

 

香澄「わぁぁ……有咲、あの人達すごいね」

 

有咲「……マジでナニモンだよ、アイツら。たった1人で流れを変えて、もう1人がその流れを確実なモノにする。あのコンビ、ヤバすぎる」

 

山本「実際、あの2人は別格だよ」

 

香澄「? 貴女は?」

 

山本「あぁ、ゴメンゴメン! 私は『野球天国』の山本!はい、 これ名刺!」

 

山本「ホント、あの二人が出てきてくれて助かったよー!! このままじゃ、取材の無駄足になるとこだったからね!」

 

有咲「あ、ありがとうごさまいます。それで、あのお二人が別格とはどういう事でしょうか?」

 

山本「あ、そんなに畏まらなくてもいいよ。別に、そのままの意味だよ……二人はもしかして、羽丘と花咲川の春季大会を見に来てないの?」

 

香澄・有咲『はい』

 

山本「そっかー! じゃあ、仕方がないね。でも、最近じゃあ二人ともテレビにチョクチョク出てきてるからね。もしかしたら、聞いたことはあるかもよ」

 

香澄「え?! そうなんですか!?」

 

山本「うん。じゃあ、今ホームラン打った子から説明しようか」

 

山本「『成田 空』……身長183cm体重76kgの恵まれた体格の『天才投手』。長くてスラッとした手足にモデル顔負けのルックスを携えたイケメンでもあるね。最近では色んな事務所が彼を狙ってるみたい」

 

有咲「たしかに、顔立ちはいいな」

 

山本「それと、野球の話に戻すけど、その実力は今現在でも規格外だね!!」

 

香澄「規格外?」

 

山本「そう。規格外。二人とも徳修高校と八大三高の事は知ってる?」

 

有咲「たしか、徳修高校は今年の選抜でベスト8になってたとこだよな?」

 

香澄「うん。それと、八大三校は私でも知ってるぐらい野球部が強いとこだよね?」

 

山本「うん。その二校で間違いないよ。そして、その二校を春季大会で完全試合に抑え切ったのが、あそこにいる成田 空くんなの!!」

 

香澄・有咲『えぇえぇ!?』

 

山本「まぁ、信じろとか言われても難しいかもしれないけど、ヤッフー!!かgoogolでも調べてみたらいいよ! きっと直ぐに出てくるから」

 

香澄「ホントだ……」

 

有咲「……バケモノだ」

 

山本「更には、相方の『咲山 大地』くん曰く、『まだ空は未完成です』だって!! あれで未完なんて、本当にトチ狂いそうな才能だよね!!」

 

香澄「咲山 大地!! さっき、代打でホームラン打った後からずっと出場してる人だ!!」

 

有咲「あぁ。アイツな! ホームランの打球が消えるとかいうキチガイ野郎な。でも、成田の話を聞いた後じゃ、驚けるモンも驚けなくなるな」

 

山本「ふふ。じゃあ、その『咲山 大地』君について説明するとね、彼の評価は『未知数』でありながら、『完璧』な選手って事かな?」

 

香澄「『未知数』なのに、『完璧』?」

 

有咲「なんだそりゃ?」

 

山本「ごめんね? これに関しては、私もまだよくわかってないんだけど、上司が言うには『成田には[完成された未来]があるんだけど、咲山には[完成された姿が見えない]』って言ってたかな」

 

山本「春季大会の成績は、23打数19安打7HR18打点 打率.826の驚異的な実力を見せつけてたし、その大会では盗塁を狙われた回数が12回に上ったんだけど、阻止率はなんと1.000!! 100%で阻止してたの!!」

 

有咲「……いや、確か春季大会って試合数がそんなに無かったはずですよね? それに、決勝まで行ってないってことは精々、5回戦とかですよね? それで、ホームラン7本って、同じ1年……いや、同じ人類なのかわかんねー」

 

香澄「本当に『完璧』なんだー。でも、何処が『未知数』なんだろう?」

 

山本「う〜ん……ごめんね? 私も其処はよくわからないんだよねぇ〜。ただ、二人の渾名はピッタリだと思うよ!!」

 

山本「成田くんは【神童】」

 

有咲「─────これは、まぁ、ありきたりだな。ちょっと、厨二病クセェけど……」ププッ

 

山本「それ、本人の前で言わない方がいいよ。彼、なんとなしに気に入ってるからね、この渾名」

 

香澄「【神童】かぁ!! カッコイイよね!! キラキラドキドキ☆してるよ!!」

 

山本「そ、そうだねー(随分、独特な表現をする子だなー)」

 

山本「そして、咲山くんは─────」

 

紗夜「─────【大樹】です」

 

紗夜「例え、嵐に在っても、荘厳と聳え立つ巨木を彷彿とさせる姿から、【大樹】と呼ばれているようですよ」

 

香澄「あ! 氷川さんだ!! こんにちは!!」

 

有咲「こ、こんにちは……」

 

紗夜「戸山さん、市ヶ谷さん……えぇ、こんにちは。二人も野球観戦ですか?」

 

香澄「はい! そうなんです!!」

 

有咲「香澄がどうしても見たかったらしくて」

 

紗夜「そうですか……。それと、そちらの方は?」

 

山本「おっと、これは失礼しましたねぇー!! 私、野球天国の山本っていいます! よろしくね!」

 

紗夜「は、はい……(随分、気さくな方ですね)」

 

山本「それで、氷川さんは随分と咲山君について詳しいみたいだけど、仲が良かったりするのかな? もしかして、恋人だったり─────」

 

紗夜「そ、そんな訳……ある訳、無いじゃない……ですか///」モジモジ……

 

紗夜以外の3人(((あれ? なんか、思ったより初心な反応……?)))

 

紗夜「た、ただ、彼とは……その、野球について……教えて、貰っていただけといいますか……その……ッッ〜〜〜///」

 

紗夜以外の3人(((か、か、カワイイ……///)))

 

山本「そ、そっかー。 ただ、早めにアタックしておいた方がいいよ? 彼、あのルックスでしょ? たしかに、ちょっと吊り目気味で怖いところもあるけど、基本は優しくて家庭的な性格があるみたいだから、モテるし、何より既に非公式のファンクラブがあるみたいだよ」

 

山本「あと、これは独自で調査した結果なんだけど、あ、主に成田君経由ね。てか、10割方、彼の情報源なんだけど!」

 

山本以外の3人(((それ、大丈夫なの……?)))

 

山本「咲山君は、天然物の中でも上位に位置する朴念仁な女誑しらしいよ! 落としてきた女は数知れず!! それでも、その好意には全く気づかない鈍感さ!! 何人もの女の子を無意識の内にフリ続けて、枕を濡らしたってね!」

 

紗夜(あぁ。さっきのマネージャーさんもそんな感じでしたか……。アレは確かに鈍感すぎるというか、天然過ぎるというか……。なんとも、可哀想な結末でしたね。それに、私も─────ッ!!?)

 

大地(紗夜補正)『─────ほんと、俺の言って欲しい事を言ってくれる。まだ出会って、少ししか経ってませんけど、俺は先輩の優しさに触れられて良かったと思います! ありがとう!! 紗夜先輩!!』(イケボ+イケメン補正)

 

紗夜「ッッッッ〜〜〜〜〜///」

 

紗夜以外の3人(((あ、やっぱり、この人も堕とされてる……)))

 

その後、試合は空と大地の『天地コンビ』によって、ゲームを完全に掌握され、羽丘の圧勝となった。

 

 

羽丘B|000 009 423|18

花咲B|000 700 000|7

備考:羽丘高校 我妻矢来→6回7失点 8奪三振 2四死球

同校 咲山大地→4打数4安打2HR7打点

同校 成田空→3回0失点 7奪三振 0四死球

 

花咲川学園 曽根山→5回0/3 9失点 6奪三振 4四死球

 

 

 

 

 

 

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