そして、そろそろ本編を進めないと意味のわからないことになりつつある、夏の大会編。
てか、変なネタバレしちゃってるけど、気にしないでね!(無理かもしれないけど)
五回裏 ワンナウト一、三塁 ワンストライクスリーボール 八番 ショート 笠元。
カキィィィンンッ!!
笠元「おっしゃぁぁ!」
吉良(兄)「これ以上好きに─────」
パシンッ!
笠元「うぇっ!? (今の打球を逆シングルで捕った!? ごっつうまいなッ! けど一点は貰─────)」
シュッ!
我妻「なっ!? (セカンドにバックトス!? でも、そこには誰も!?)」
吉良(弟)「─────させるかよッ!」
パシッ!! シュッ!!
バシンッ!!
安西「ナイスローッ!」
笠元「クッソ……が」
塁審「ヒィズアウトォッ!」
ワァァァァァァァァッッ!!
観客「ウォォオッ!! すげぇ!!逆シングルから即座にグラブでバックトス!? セカンドも普通に入ってきた!? あの二遊間ヤベェぞ!」
リサ「凄っ!?」
日菜「何今のプレーっ!! るんるん♩するぅ!!」
巴「敵ながらあっぱれだな」
笠元「かぁーっ! 今のをゲッツーはセコイなーッ!!
秋野「切り替えていこう! さっきのでアウトにされるんだったら、仕方ないよ! 割り切ろう」
空「今のスーパープレーはマジで凄えな。あんなん、出来んのかよ」
大地「まぁ、吉良兄弟なら出来て当然かもしれないけどな」
空「へ?」
結城「咲山、アイツらの事を知ってるのか?」
大地「えぇ、まぁ。というか、地元の軟式野球部じゃあ【アイギス】とか言われるぐらいには有名人でしたから。あの人たち」
笠元「軟式出身?! あん奴らが!?」
大地「はい。双子の吉良兄弟は、親が軟式野球の少年チームでコーチをしている所縁で野球を始めて、その頃からコンビを組む熟練の二遊間です。
【アイギス】と言われるだけあって個々の守備範囲は当時から最高クラス。さらに速く緻密な練度の高いコンビネーションで数多くの安打をアウトにしてきた最高峰の守備職人兄弟で、軟式界では恐れられてました」
秋野「へぇ。やけに詳しいね。地元の有名人とはいえ、いやに詳細を知ってるんだ」
大地「そりゃあ、当時中学一年でしたけど、正捕手でしたし、同地区のライバルの情報ぐらい手元に置いておくでしょ。特に、あの圧倒的なまでのコンビネーションから点を取ろうと思ったら、癖とか守備位置とかの研究が必要でしたから」
空「……オマエ、その頃から情報収集しながら試合に出て相手を圧倒してたんだろ? やっぱバケモンだったんだな!」
大地「テメェにだけは言われたかねぇよ!」
吉良(兄)「流石は我が弟。よく反応したな。褒めてつかわすぞ」
吉良(弟)「流石は我が兄。相変わらずトリッキーな動きでアウト取りに来てくれたな。しばき倒すぞ」
吉良(兄)「あらやだ。元希君、怖い口調ね。お兄ちゃん、貴方にそんな言葉遣いを教えた覚えはなくてよ」
吉良(弟)「擬似親面っ!? って、はぐらかされるかっ!! テメェ、いつも言ってるだろ!? あぁいうプレーするんなら、事前にサインしろってな! 今回も突拍子に反応しやがって、僕が逸らしてたらホームまでのフリーパスだぞ!? 理解してる!? アンダースタンド!?」
吉良(兄)「えぇ〜。アウトにしたからいいだろっ! てか、合図なんか無くたって、咄嗟に合わせてくれるだろ? ならいいじゃん」
吉良(弟)「そういうことじゃねぇー!!」
不知火「……助かったけど、コイツらまたやってやがる」
室池「いつも通りだろ? なら、ほっといても構わんだろ」
陳「悪い。点を取られた」
勝俣「いや、あれは打者が一枚上手だっただけだ。気にするな。ただ、そのあと崩れてフォアボールを出したのは猛省しろ。そして吉良兄弟に感謝しとけ。あれがなければ、試合は決まっていた」
陳「わかってる。ここからは修正する」
不知火(くそっ! あの一年坊に、ガラリと流れを変えられちまった。あれは俺のリードミス。俺の動揺が、陳にも移ったせいで珍しく四球を与えてピンチを招いた)
(このままじゃ終われないぞ。俺のミスで試合を終わらせるわけにはいかねぇんだ)
ズッバァァァアァーーーンンッッ!!
審判「スウィングアウトォッ!!」
我妻「シャァッ!」
立野「クソ速ぇ……」
観客「インコース直球で空振り三振ッ! 今日、14個目ッ!」
観客「これで16個のアウト中14個が、三振だぞっ!」
観客「成田、雪村の他に、羽丘にはこんな投手が隠れてたのかッ! バケモンすぎるだろうが」
曽根山「……我妻のヤツ、春の練習試合と、球技大会でのデモンストレーションの時とは全くの別人じゃないですか」
澤野「あぁ、全く別物だな。あれは簡単には打てんぞ」
曽根山「正直、春の段階では負けてるつもりはなかったんすけど、いつのまにか追い越されてましたね。勿論、サボってたわけじゃないっすけど」
虎金「そんだけ色々経験したってことだろ」
曽根山「あ、虎金さん。もうウ●コはいいんすか?」
虎金「ウン●言うな。汚ねぇな! せめて、オブラートに包んでカレースープにしとけ。アホが」
澤野「オマエの方がアホだがな。なんもオブラートに隠せてねぇよ」
虎金「痛っ!? 主将、暴力はらめぇ!」
澤野「男の『らめぇ!』ほど気持ち悪いのは何でだ? いや、トラ自体がキモいだけか」
虎金「辛辣ぅ!?」
曽根山「実際、本当のことでしょうが!」
虎金「後輩っ!? 君もか!?」
澤野「で? んなことはどうでもいい。我妻の話だ。アイツが色々経験したってのはどういうことだ?」
ズッバァァァアァーーーンンンッッ!!
審判「ストライークッッ!! バッタアウトォッ!!」
我妻「シャァァ……ッ!」
不知火「ふざけんな! 何つー、ストレート放ってきてんだよ」
観客「おぉ! 全球ストレート勝負! これで前の回から三者連続三振ッ! 衰えぬ奪三振に滝沼打線、手も足も出ず!!」
観客「最後のインローには流石に手がでねぇな!!」
観客「いやいや。その前のアウトハイなんて完璧に振り遅れてたじゃん! アレの方がヤバイね!」
澤野「これで、前の回から合わせて三者連続。そして、この試合15個目の三振、か」
虎金「……アイツからは、アイツのボールからは様々な【色】が見えるんです」
澤野「……【色】?」
虎金「歓喜、悲哀、忿怒、愉快。喜怒哀楽の総てが篭ってる。その時様々で、ボールの輝く【色彩】は変わるけど、どの【色】でも一貫して強い意志が備わっています」
ビュゴォォォォ……ッッ!!
ズッバァァァァァーーーンンンッッ!!
審判「ットライークッ!! ワンストライクノーボールッ!」
勝俣(……くっ、またファーストストライクを簡単に取られた)
笠元「矢来! ナイスボールやで! (頼もしい背中やわ。こりゃあ、守りがいがあるわ!)」
村井「ツーアウトだ! 一つ一つ行こうッ!(ウガッ! 凄いぞ! 矢来ちゃん)」
虎金「我妻矢来は、成田空の代替え品として扱われ、苦渋の日々を送り、いつの日か【怒り】を覚えた」
ズッバァァァァアーーーンンンッッ!!
審判「ボールッ! ワンストライクワンボールッ!」
虎金「我妻矢来は、初登板で高校野球の洗礼を浴びて、【悔し涙】を呑んだ」
ガキャーンッッ!
審判「ファールッ!! ツーストライクワンボールッ!」
虎金「我妻矢来は、自身の力を引き出してくれる最高の捕手とバッテリーを組めていることが【楽しく】て仕方がない」
ズッバァァァァアーーーンンンッッ!!
審判「ボールッ!! ツーストライクツーボールッ!!」
虎金「そして─────」
ビュゴォォォォ……ッ!
ブンッ!
ズッバァァァァァアーーーンンンッッ!!
勝俣(あ……)
審判「ットライークッ!! バッタアウトォッ!!」
ワァァァァァァァァッッ!!
観客「これで前の回から4者連続三振ッ!! この回、オールストレートで滝沼打線を薙ぎ払ったぁあっ!!」
我妻「シャァァァァアッッ!!」
大地「ナイスボール……ッ!」
虎金「─────我妻矢来は、初めて『我妻矢来』を認めてくれる少女と出逢い、共に想いあったことに【喜んだ】」
「その総てが、我妻矢来の血となり、肉となり、意志となって、ボールに乗り移った」
「アレはバケモンなんかじゃない。アレの正体は、俺らと何ら変わらない何処にでもいるような、ただの
結局、怪物矢来君!
ヒロインは何処から選ぶべき2
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アフグロ
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