Stand in place!   作:KAMITHUNI

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さぁ試合開始だッ(震え声)


羽丘高等学校 VS 花咲川高等学校 Lightning Speed!

全国高等学校野球選手権大会 西東京都予選 5回戦 府中市民球場 AM.9:30 晴天 

 

 

一試合目 羽丘高等学校 VS 花咲川高等学校(AM.10:00開始予定)

 

 

澤野「─────後攻でお願いします」

 

 

結城「ではウチが先攻で」

 

 

主審「わかりました。それでは花咲川高等学校さんが後攻、羽丘高等学校さんが先攻ということでゲームを始めます。お互いにフェアプレーと攻守交代を素早く心がけ、ベスト16らしい素晴らしい試合を期待します」

 

 

「キャプテン、握手を」

 

 

パシッ。

 

 

両校キャプテン『お願いしますッ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

澤野「ウチは後攻です」

 

 

後藤「そうか。それで、羽丘のスターティングメンバーはこれか?」

 

 

澤野「はい。粗方予想通りですが、前回とはメンバーを入れ替えてきましたね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結城「先攻です。それとこれが花咲川のメンバー表です」

 

 

片矢「うむ。やはり成田ではなく我妻対策か、春季大会と同様に左を並べてきたか」

 

 

結城「みたいですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アナウンス『間も無く、羽丘高等学校対花咲川高等学校の試合を始めます。試合開始に先立ちまして、只今より両校のスターティングラインナップ、並びに審判団をご紹介致します』

 

 

実況『灼熱の太陽が照り付ける、ここ府中市民球場。今日もまた、白熱した一戦を一目見ようと、両スタンドから明るく活気に満ちた空気が漂ってきています』

 

 

『羽丘高等学校 対 花咲川高等学校の実況致しますのは私、堂山三木と解説は昨年に名門横浜実業高校の監督を勇退されました綿部俊頼さんでお送りいたします。綿部さん、どうぞよろしくお願いします』

 

 

綿部『はい、よろしくお願いします』

 

 

実況『それでは、両チームのスターティングメンバーを紹介していきたいと思います。まずは先攻の羽丘高等学校から』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・先攻 羽丘高等学校 (第4シード)

──────────────────────

 西東京都予選成績

1: 中 :秋野:.167(6-1)0本 0点 2盗

2: 二 :舘本:.400(5-2)0本 1点 1盗

3: 一 :結城:.400(5-2)0本 0点 0盗

4: 捕 :咲山:.875(8-7)5本 13点 0盗

5: 左 :成田:1.00(5-5)2本 7点 0盗

6: 右 :帯刀:.500(8-4)0本 3点 0盗

7: 三 :村井:.286(7-2)0本 1点 0盗

8: 遊 :笠元:.143(7-1)0本 0点 0盗

9: 投 :我妻:.333(3-1)0本 0点 0盗

──────────────────────

 

 

 

 

 

実況『一番秋野は俊足巧打のリードオフマン。夏に入ってから打率が低迷していますが、滝沼戦では素晴らしい守備で、本日も先発の我妻投手の完全試合を死守しました。二番舘本は巧打者、堅実な守備で非常に安定感があります。三番結城はチームの柱であり心臓でもありますと、試合前のインタビューで片矢監督が語るほどに全幅の信頼を置かれた主軸打者。四番咲山は、言わずと知れた世代最強のスラッガー。通算本塁打は一年生ながら既に41本、地方記録の3本を大きく上回る一大会5本塁打も記録しています。打率も脅威の8割超えと、打撃好調。本日は本職の投手ではなく左翼に着きます、五番の成田。投手としての実績はまさに【神童】の名に違わぬ実力ですが、打撃でも非凡な才を遺憾無く発揮しています。クリーンナップから外れはしましたが、六番帯刀は非常に勝負強い打者。七番村井はパンチ力のある内野手。八番笠元は羽丘の守備の要としてチームを盛り上げる守備職人兼ムードメーカー。そして九番我妻は、先日の滝沼戦で、脅威の24奪三振を奪いながらも、四死球0、被安打0のパーフェクトピッチングを記録した速球派で変則フォームの一年生右腕です』

 

 

『続いて後攻、花咲川高等学校のスターティングメンバーです。

 

 

 

・後攻 花咲川高等学校 (ノーシード)

──────────────────────

 西東京都予選成績

1: 二 :坂山 :.400(20-8)0本 4点 3盗

2: 遊 :木ノ下:.357(14-5)1本 3点 1盗

3: 左 :伊達 :.750(16-12)0本 8点 0盗

4: 捕 :澤野 :.556(18-10)5本 13点 0盗

5: 中 :幽ノ沢 :.368(19-7)2本 6点 0盗

6: 三 :高山 :.333(15-5)0本 3点 0盗

7: 一 :笹野 :.750(4-3)0本 1点 0盗

8: 右 :司永 :.333(3-1)0本 0点 1盗

9: 投 :虎金 :.267(15-4)1本 3点 0盗

──────────────────────

 

 

実況「一番坂山は3盗塁を記録する俊足堅守の内野手。二番は走攻守の揃った木ノ下。三番伊達は中学時代に全国大会を経験しており、チームトップの打率を誇るリーディングヒッター。四番は通算52本の本塁打を放っており、咲山と並ぶ一大会5本の本塁打を記録しています、強肩強打の主将権捕手兼主砲の一人三役を担う澤野。五番は澤野に次ぐ長打力が持ち前の幽ノ沢。高山は強肩堅守の六番打者。七番笹野は打撃好調の左打者。先日の筑波大筑波戦で四打数三安打一四球としっかりと仕事をこなしました。八番ライト司永は、右打者にしては珍しく右投手を得意とする変色バッター。守備も得意とします。そして九番は先発投手の虎金。ここまで全四試合に登板し、失点0の絶対的エースですが打撃能力も高く、初戦の吉良山高校戦ではバックスクリーンへの特大ツーランを放っています』

 

 

『以上が両校のスターティングメンバーです。綿部さん、両校共非常に完成度の高いメンバーとなっていますが、どのように見えますか?』

 

 

綿部『そうですねぇ、打撃陣の数字だけを見れば花咲川が一枚上手のように思えますが、羽丘の打撃陣も非常に安定感があります。特に両校の捕手で主砲の主軸がここまでチームを牽引して行っていますので、今日は捕手同士の戦いにも注目したいですね』

 

 

 

実況『なるほど。たしかにディフェンス面に起きましても、澤野選手は非常に安定感がありますし、咲山選手も自慢の強肩と補殺能力が非常に良いので、この二人の見えない戦いにも注目していきたいところです』

 

 

『そしてなんと言っても、両校は同地区同区画の姉妹校! 花咲川は2年前から、羽丘は去年から少子高齢化に伴って共学化し、どちらも似たような境遇のチームです』

 

 

『両校共、本日の試合には全校応援として在籍する学生はもちろん、通学区間にある花咲川商店街で働く方達も臨時休業にして駆けつけております。凄まじい歓声が球場に響き渡ります!』

 

 

綿部『凄いですねぇ、これほどの圧迫感があるなかで試合をするなんて滅多に経験できるものではないですから、これが逆に選手へと余計なプレッシャーにならなければいいんですけど……』

 

 

 

虎金(……母さん、おばさん、花音。それに学校のみんなが観てるんだ)

 

 

(情けねぇ姿だけは─────)

 

 

澤野(初球アウトローにストレート。サードとファースト、セーフティ警戒)

 

 

秋野(ここ最近、僕が打撃不振だったのは積極性が無かったから。こんなんじゃ一番打者としての役割を果たせるわけがない。だから─────)

 

 

実況『さぁ! 主審の吉良坂がプレイコールを行いました! 試合開始です!』

 

 

 

『虎金龍虎、大きく振りかぶって─────』

 

 

 

虎金(─────見せられねぇ!)

 

 

 

ビュゴォォォォ……ッ!

 

 

 

 

カッキィィイィイーーーンンンッ!!

 

 

澤野(な!?)

 

 

秋野(─────初球を思いっきりぶっ叩く!)

 

 

《150Km/h》

 

 

ワァアァァアァァアァァアッッ!!

 

 

虎金「はぁあぁ!?」

 

 

実況『し、初球アウトコース低めに決まった150Km/hのストレートを逆らわずに左方向へ見事弾き返しました! 一番秋野ぉ!』

 

 

『打球はレフト線へと落ちて長打確定!バッターランナーの秋野は自慢の俊足飛ばして悠々とスタンディングダブルッ! 羽丘高等学校はいきなりの先制チャンスメイク!』

 

 

 

綿部『いやぁ、今のバッティングは素晴らしいですね。あのコースの速いストレートを弾くのは簡単じゃないですよ』

 

 

 

 

 

秋野(よし、狙い通り先制攻撃成功だね。僕が二塁にいるっていうプレッシャーを与えられる)

 

 

 

 

(勿論、シングルなら帰ってやるよ……!)

 

 

 

虎金「ふぅ……」

 

 

(今のを打たれちゃあ仕方ねぇ、切り替えよう)

 

 

澤野「トラ、今のは仕方ない。切り替えろよ」

 

 

虎金「わかってますよ!」

 

 

澤野(秋野が初球打ち……。少し安易に攻めに行ってしまったか)

 

 

(しかし今の安打は痛い。前回の試合でヤツらはトラからヒット一本すら打てずに完敗した。その嫌な印象のまま試合を進めたかったが……)

 

 

 

秋野(さぁ、三盗あるよー!)

 

 

澤野(……その悪印象を払拭した挙句、左打者が打ったという事実が相手に余裕を与えてしまう。しかも、ランナーとしてなら一番厄介なやつを出してしまった)

 

 

(今のヒットで色々な前提を崩された。ち、面倒な)

 

 

 

片矢(好投手を攻略する上で、やはりポイントになるのは機動力とバント)

 

 

実況『続くバッターは二番舘本! 非常にクレバーな巧打者です』

 

 

『羽丘はこの場面で着実に送るのか? それとも打たせるのか? そして花咲川はこのピンチを凌ぐことができるのか?』

 

 

解説『ここで送るのか打たせるのか、一つの大きなポイントになりますね』

 

 

『次の打者からクリーンナップ。さしもの虎金君も簡単に討ちとれるとは限りません』

 

 

『だからといって安易にバントと決めつけてヒットエンドランでの急襲や、ランナーが俊足の秋野君ですから三盗にも気を配らなければなりません』

 

 

実況『なるほど……。さぁ、ここでバッテリーはどういう選択をするのでしょうか』

 

 

 

澤野(右巧打者の舘本。非常にコンタクト能力が高く、選球眼もいいクレバーな打者だけに、この場面では様々な起用法がある)

 

 

(だからといって、安易にサードをバント警戒で前進させると二塁の走塁変人野郎へのフリーパスになりかねん)

 

 

(仕方ない、ここは一点覚悟しよう。まずは様子見のアウトローだ。ストレートを外せ。ただ、簡単に秋野を放ったらかしにはするなよ。首振りで牽制しとけ)

 

 

虎金(了解です)

 

 

実況『花咲川バッテリー、サインが決まったようです! 一度二塁に首を振って牽制を入れます』

 

 

綿部『ランナーは快速ランナーですからね、ちゃんと間合いを取っておかないと痛い目に遭います。この間合いは非常にいいですよ』

 

 

 

秋野(首振りのタイミングは普通か、これなら問題なく走れそうだね)

 

 

 

実況『エース虎金、セットポジションから……!』

 

 

秋野(行けるッ!)

 

 

榊(行けっ!)

 

 

木ノ下「っ!? スティールッ!!」

 

 

澤野「なっ!? (初球から!? しかも完璧なスタートだ、と!?)」

 

 

実況『ランナー秋野、単独スティールッ!! いや! これは─────っ!?』

 

 

 

舘本(アウトロー、ボール1個分外。けど、当てられる!)

 

 

 

コンッ!!

 

 

虎金「え?! (スティールしてるのにバント?! しかも構えるのが異常に遅いし転がしてるところが一塁線ギリギリでしかも入ってんじゃん)」

 

 

笹野「くっ、(今飛び出しても間に合わない!)トラ! コッチで確実にアウトにするぞ!」

 

 

虎金「くそ、わかりました!」

 

 

パシッ!

 

 

実況『突然の奇襲セーフティですが、素晴らしいフィールディングでバント処理します、虎金! 一塁へ余裕を持って送球─────』

 

 

秋野(行っちゃう?)

 

 

榊(行っちゃえ!)

 

 

ザンッ! タタタ……ッ!!

 

 

秋野「おぅけぇい!」

 

 

ザ、……シュンッ!!

 

 

澤野「!? 笹野バックホームッ!!」

 

 

笹野「は!? マジかよ!?」

 

 

虎金「それは暴走だろぉ!?」

 

 

 

実況『─────なんと送球の合間に秋野は三塁を蹴ってホームに突貫っ!! ファーストの笹野は送球をすぐさま捕球し、素早くホームへ返球っ!!』

 

 

 

秋野(お、案外微妙かな?)

 

 

澤野(よし、ストライク返球ッ! これなら─────)

 

 

秋野(けど─────)

 

 

実況『タイミングは絶妙ッ! 判定は─────!?』

 

 

 

ズザザザ……ッッ!

 

 

パシッ!

 

 

澤野(コイツ、スライディングでスピードを落とすどころか、勢い殺さずにそのまま─────)

 

 

ザンッ!

 

 

秋野「……」

 

 

澤野「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……くそっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

審判「セェーフッ! セェェーフッッ!」

 

 

 

 

 

 

 

実況『……ッッ……、は、』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『羽丘先制ィイィイィィィッ!!』

 

 

 

ワァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアッッ!!

 

 

 

 

秋野「ふふ、ご馳走様☆」

 

 

澤野「く、(コイツ、初めからコレを─────)」

 

 

 

大地「おっしゃぁあ!」

 

 

帯刀「咲耶ナイスランッッ!!」

 

 

空「流石は元祖怪盗マンッ!! 一瞬のスキを逃さずにホームを奪ったぁ!」

 

 

 

笹野「サワ! セカンだっ!!」

 

 

澤野「な、にぃ?!」

 

 

ズザザザ……ッ!

 

 

舘本「ふ……」

 

 

実況『捕手の澤野、投げられないッ! そして動揺隠せぬ合間に、舘本は二塁へすかさず進塁ッ!』

 

 

 

『脅威の機動力と、隙を逃さぬ静かな攻めッ!!』

 

 

 

『これが羽丘自慢の一、二番コンビッ!! 今大会無失点を続けていた好投手虎金から僅か2球での先制ッ! まさに電光石火の得点劇を見事に演出してみせたぁ!』

 

 

 

『そして未だノーアウト二塁の得点チャンスに、クリーンナップに回ってきました! エース虎金、この場面を最少失点で切り抜けられるか!?』

 

 

 

虎金「……」

 

 

 

結城(咲耶と舘本が作った絶好機。この機会をみすみすと見逃してたまるか)

 

 

 

 

(必ず、打つ……ッ!)




打率計算と集計が結構めんどくさかった……。


次回、虎金VSクリーンナップ!

ヒロインは何処から選ぶべき2

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