Stand in place!   作:KAMITHUNI

70 / 100
高橋礼の下手投げで130キロ後半をコンスタントに出す異常性……。ヤバすぎでしょ!?


我妻矢来 vs 伊達雄紀 壱ノ戦─────ツーシームジャイロ─────

坂山「……速いなぁ。流石に俺レベルじゃあ一打席目で捉えるのは厳しいぞ、あれ」

 

 

木ノ下「そんな速いですか?」

 

 

坂山「あぁ、スピードガンだとデモンストレーション戦より5キロアップだけど、打席で見たら元からヤバイストレートがさらにエゲツさを増してる。目測じゃあ10〜15キロアップだな、気を付けろよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実況『完璧な投球で一番を抑えた我妻ッ! このままの勢いで初回を乗り切れるかっ! 続く打者は、二番の木ノ下! 走攻守の三拍子を兼ね備えるオールラウンダーです!』

 

 

 

大地(先ずはこのままいっちゃおうか)

 

 

矢来(りょ)

 

 

 

木ノ下(坂山さんがあんな弱気なこと言うなんて……)

 

 

(我妻矢来、今のオマエが投げるストレートはどんなだ? オマエは俺たち相手にどんなピッチングができる?)

 

 

 

(見せてみろよ……、オマエの真髄を─────!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実況『我妻、ワインドアップからの初球ッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

矢来(その目……。まだ俺の事を敵として認識してねぇのか?)

 

 

 

 

 

(この前もそうだった。結局は俺に投手としての価値なんて無いと思ってんだろ?)

 

 

 

 

(─────だからって、いつまでも上から俺のことを見下してんじゃねぇぞッ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズッッバァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《 148km/h 》

 

 

 

 

 

 

 

 

木ノ下「……っ」

 

 

 

(マジで速ッ……。コイツのストレート、こんなんだったか?)

 

 

実況『これも美しい軌道を描いてアウトコーナーに構える咲山のミットにズドンと決まりますッ!!』

 

 

 

『左打席に立つ木ノ下、手が出ませんッ』

 

 

綿部『凄まじいですねぇ。左打者のアウトコースに、非常に良い高さ、良いスピードで投げ込めてますよッ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大地(ナイスコース、初球取れるのは調子がいい証拠だな)

 

 

矢来(次は?)

 

 

大地(もう一球同じところ、見た感じストレートにまだタイミング合ってねぇからさっさとカウント稼ぐぞ)

 

 

矢来(おけ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実況『テンポ良く二球目……ッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッゴォォォーンッッ!

 

 

 

 

 

 

 

《 145km/h 》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木ノ下「くっ、そ……」

 

 

(球威に詰まらされた!)

 

 

 

 

矢来(! 当てたか!)

 

 

 

大地(当てられただけで不満そうな顔すんな。けど、詰まったとはいえ矢来の140後半を二球目で合わせてきたな。こりゃあ厄介だわ)

 

 

 

 

結城「ショートッ」

 

 

笠元「オーライッ! まかしとき!」

 

 

 

 

パシッ!

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアッッ!!

 

 

 

 

 

 

実況『アウトコーナーの力ある直球を当てただけの打球は、弱々しくショート正面をつく凡フライになりました。これを名手の笠元が余裕を持ってキャッチし、ツーアウトッ』

 

 

 

木ノ下(くそ! タイミングが合ったと思ったら、最後に加速したようにボールの勢いが増してきた……)

 

 

矢来「ツーアウトォ!」

 

 

木ノ下(ストレートの威力増しすぎだろ……)

 

 

 

 

 

伊達(ストレートには滅法強い坂山さんを三球三振。長打を狙える木ノ下が力負けしての凡退、か)

 

 

「少しはやれるようになったみたいだな。いいぜ、ちょっとだけ遊んでやるよ小僧」

 

 

 

 

 

実況『ツーアウトランナー無し、この場面で左打席に立つのは後藤監督に『センスの塊』と称された頼れる花咲川の三番打者、伊達雅紀が入ります!』

 

 

『打率はチームトップの.750! アベレージ能力が高く、中学時代には全国ベスト8進出に大きく貢献。中学2年時にはU-15にも選出されるほどの実力者。世代を代表する好打者の一人です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大地(さて……。二番目のバケモノが、いきなしの登場か)

 

 

 

(今大会、花咲川がここまで勝ち上がれたのは虎金さんと澤野さん、二人の投打にばかり目がいくが、実はこの三番打者の存在こそ花咲川打線の生命線)

 

 

 

(伊達雅紀。右投げ左打ちの外野手。守備範囲は広いが、中学時代に利き腕の肩へ重傷を負った為に右投げへ転向したため弱肩がウィークポイント)

 

 

 

(ただし、その打力はホンモノ。不得手なコースは無く、苦手な球種も特に見当たらない)

 

 

 

(怪我明けで、まともな送球すらままならない状態にもかかわらず、中学3年時にU-15の代表候補合宿メンバーに選ばれることからも、その打力は同世代の人達と比べても群を抜いているのを証明している)

 

 

 

(……長打力こそ澤野さんや幽ノ沢さんに比べたら引けを取るが、そのコンタクト能力や対応力、そして捕手の心理を読み解く深視力は超高校級)

 

 

 

(甘く入ったらやられるが、卑屈になっても喰われるだけ……!)

 

 

 

(インコース低め、ストレートッ! 強気に来いッ)

 

 

 

 

 

矢来(わかった……!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊達(……初球、様子を見るか? パワーピッチャーの一番の武器であるストレート。我妻が以前に投げていたストレートとは訳が違うのは、前打者二人の反応を見れば明らか)

 

 

 

(初球を無理に手を出して、詰まらされるだけの無価値な打席にはしたくない)

 

 

 

 

 

 

実況『サインの決まった羽丘バッテリー。我妻は大きく振りかぶって、投げるッッ!!』

 

 

 

 

ビュッゴォォォォオォォオ……ッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊達(低ッ……!?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズッッバァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《 147km/h 》

 

 

 

 

 

 

 

伊達「……なるほどね」

 

 

 

 

 

 

 

実況『インコーナー低め一杯ッッ!! ここでも威力抜群の直球をコースギリギリに投げ込みますッ!! 流石の伊達もあのコースには手が出ないかッ!?』

 

 

綿部『しっかりと腕を振ってるからこその球威と制球力ですねっ。一年生であれ程に豪胆かつ緻密なピッチングができる高校生は、そうはいないでしょう』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊達(たしかにこれは初手では手が出せないわ。相当なノビと威力だ)

 

 

 

(けど、ここまで一、二番を含めて全球ストレートか……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「舐められたものだな、俺たちも……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビュッゴォォォォオォォオォォ……ッッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シュートを失ったオマエが、俺たち相手に導き出した答えがそれなら、拍子抜けだぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カッキィィィィィイィィィイーーーンンンッッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアッッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実況『アウトコースの速球に逆らわずに弾き返したァァア!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大地(っ、我妻のストレートを一球見ただけで、少し高かったとはいえアウトコースギリギリのところを強打してきた?!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(─────どんな対応力してやがるッ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我妻「くそ……! サードッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村井「うがっ!(球足が速すぎるッ! 届かな─────)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

塁審「ファールッッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

矢来「っぶねぇー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊達「……少し振り遅れたか。けど今のでストレートのタイミングは分かった。次は逃さん」

 

 

 

 

 

 

「もしも、ストレートだけで俺たちを貫けると思ったんなら、とんだ勘違いをされたもんだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「甘いぞ、我妻……! 次はないと思え」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実況『伊達の放った打球は惜しくもサードラインの外を通過して、ファールになりますッ!!』

 

 

 

 

綿部『流石は伊達君ですね。我妻君の対応が難しい直球にしっかりと合わせてきました。あの対応能力の高さこそ、彼の最大の持ち味と言えましょう』

 

 

 

『他の打者も、今の伊達君のようにしっかりと顎を引いてシャープに強い打球で弾き返すのが理想ですね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大地(矢来の速球は間違いなく走ってる。けどだからこそ、伊達のこの対応力は流石に次元違い過ぎる)

 

 

 

 

(使うしか、ねぇ……か)

 

 

 

 

大地「……すみません、─────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊達「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大地「─────タイムをお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

実況『おっと? 咲山がタイムを申請してマウンドに向かいます。綿部さん、これはどういうことでしょうか?』

 

 

 

綿部『おそらく、先程の伊達君の一打で我妻君が動揺していないかの確認と、配球についての話し合いでしょう。今さっきストレートを弾かれたばかりですから、ここで初めて変化球を交えるかもしれませんからね』

 

 

『逆に、タイムを取ることでそう言った心理を伊達君に植え付けるためのフェイクかもしれませんね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

矢来「……大地?」

 

 

 

大地「左強打者の伊達、しかもストレートは合い始めてる」

 

 

 

「……仕方ねぇ、解禁するぞ」

 

 

 

 

 

矢来「……なるほどな、てか随分渋ったな」

 

 

 

大地「俺にも色々あんだよ。けどしのごの言ってられねぇ場面になっちまった」

 

 

 

「ここで伊達を出塁させれば、次からは一発のある打者が二人続く。一発打たれて同点、ないし逆転を許す場面は避けたい」

 

 

 

「ここでコイツを完膚なきまでに潰す必要がある。─────出来るな?」

 

 

 

矢来「愚問だな、大地……」

 

 

「出来る出来ないじゃない。─────やるんだ、ここで決めてやるよ」

 

 

「だから大地は、ドカッと構えてろよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────俺がそのミットに最高のボールをぶち込んでやるからよッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実況『タイムを終えて、捕手の咲山はキャッチャーボックスに戻ります。我妻はロジンバックに手をつけて心を落ち着けているように見えます!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊達「随分と立て込んだ話してたみたいだけど、ちゃんとまとまったのか?」

 

 

大地「はい。ちゃんと話し合って相互理解し合いましたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊達「そうか、ならガチでやり合えるわけだな? それなら面白い、─────オマエらの全力を完膚なきまでに叩き潰してやれるな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大地「おー、怖い怖い……。お手柔らかにお願いしますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

審判「プレイッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実況『アンパイアのコールが響きますッ! バッテリーはサイン交換をして、我妻が頷き、振りかぶります!』

 

 

 

 

 

矢来(外側、カーブ、ボール球)

 

 

 

 

 

伊達(追い込まれてるけど、焦る必要はない。問題なのは追い込まれたことじゃない。焦ってスイングを崩すこと。自分のバッティングができなくなること、それが最も恐るべきこと)

 

 

 

 

(冷静になって対応する。それが俺の強み)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュパ……ッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カクク……ッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドパッ!!

 

 

 

 

実況『三球目は外側にワンバウンドするカーブッ!! これを伊達は余裕を持って見逃して、ツーストライクワンボールッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そして四球目、ここでバッテリーは何を選択するのか!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊達(今のカーブは次の布石。最後にカーブはない)

 

 

 

(なら随分簡単だ。内ならスライダー、外ならストレート。これ以外に他がない。シュートがあれば選択肢が増えるんだが、無い今、ここで投げられるのは8割スライダーだろ? もし外しても2割で外にストレート。それなら十分反応できる)

 

 

 

(ここだ、ここが我妻の最も弱いところ。外にストレートか、内に切れ込むスライダーしか選択肢を見出せないところ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大地(来いっ。アウトコース低めに─────)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

矢来(開放しろ─────)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実況『マウンド上の我妻、咲山のサインに頷きワインドアップからの四球目ッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

矢来(高々と宣言せよ─────)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実況『さぁ、投じるのは威力満点の直球か?! それとも今日初めて投げる切れ味鋭いスライダーか!? はたまた裏をかいたカーブか!? 注目の一投ッ!! 投げましたッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

矢来(─────今がヒーローとしての役割を担う時だろうが!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビュッゴォォォォオォォオォォオォォオォォオォォ……ッッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊達(っ! 外にストレート! そっちできたか!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(だが予想の範疇!! 弾き返せる─────)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カクンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……な? 何事、だ、? このスピードで、この軌道で、途中から突然下に鋭く落ち─────)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブォオォォォーーーンンッッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズッッバァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンッッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

《 144Km/h 》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊達「……っ」

 

 

 

 

 

大地「perfect!!」

 

 

 

 

矢来「シャァァァアーーーッッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアッッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実況『か、空振り三振ッッッッ!!』

 

 

『なんでしょうか!? 今の球は!? ストレートの軌道から急に下方向へ大きく変化したように見えましたが……!? ここは好打者伊達を力勝負で抑えきりましたァァアッ!!』

 

 

 

綿部『……凄いなぁ、今のボールは手が出てしまっても仕方ないですねぇ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊達(今のボール、明らかにフォーク系統の球だった。けど我妻にそんな球は─────)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

澤野「隠されてたのか、ここで発揮するために─────」

 

 

 

 

 

 

 

大地「ナイスピーッ! 矢来ッ!!」

 

 

矢来「おう! 大地もナイスリードッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

澤野「あのバッテリー……。やってくれたな」

 

 

 

(これは、うちのバッター達の深層心理に突き刺さるッ!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

矢来「そろそろ俺を敵としてちゃんと認識しろよ、花咲川高等学校……」

 

 

 

「じゃないと、─────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“直ぐに捩じ伏せてやるからよッ!!”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虎金「……我妻ぁ、やってくれたなぁ!!」




ツーシームジャイロ、本格導入!

ヒロインは何処から選ぶべき2

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