両チームともお疲れ様でした。それと、日本シリーズに出れなくとも今季一年を盛り上げてくださりました全球団の皆様。本当の本当に感動と歓喜を与えてくださってありがとうございますッ!!
また来季、素晴らしい好ゲームを期待しています。
和田さんが会心のピッチングで五回無失点に抑え切ったとき、思わず涙が溢れました。
伊達「くそ、あんなボール隠し持ってたのかよ……!」
高山「伊達、さっきのボールはなんだ? フォークにしては速すぎるし、スプリットにしては落差があったろ」
伊達「わからない。けど、回転軸はしっかりとジャイロ回転だった。なのにストレートの軌道に合わせてバットを振ったら突然沈んで、気がついたら三振して……。あぁ! クソッ!! 手玉に取られてたと思うと余計に腹立つッ!!」
澤野「……おそらくツーシームだろう」
司永「つ、ツーシーム。あの落差、あの変化で?」
澤野「あぁ。しかもプロはもちろん、メジャーで最近になって出始めたばかりの最新球種のツーシームジャイロだな」
「ジャイロ回転を与えることで縦に急激に変化したり、時折シュート気味、スライダー気味に曲がりながら手元で落ちたりする非常に攻略が難しい球だ」
「別称はスラッターと呼ばれているが、我妻が投げたのはスライダー方向よりも縦変化を重視したフォーク系統だろう。左打者のアウトコースにもインコースにも投げ込める」
「もとからストレートがジャイロ回転だけに見分けはつけにくいだろうし、実際伊達も直球と判別してバットを振っただろ?」
伊達「は、はい。そうっすね、どう見ても途中まではストレートと変わりませんでした。少なくともバットを振るまでは軌道や速度は直球そのものでした」
坂山「伊達で見分けが出来なかったボールかぁ。また面倒な投手にあたったもんだねぇ」
虎金「相手投手なんてどうでもいいっすよ。どうせアンタ達なら直ぐに取り返してくれるんでしょ?」
「なら問題ありませんよ、俺はこっから一点も、誰も塁にも出さないですから。最終的に勝つのは、俺たちだ」
澤野「ふ、そうだな……。八番の笠元は初球から積極的にバットを振ってくるぞ。入りには気を付けろよ」
虎金「うす」
(奇抜なボールを覚えて多少はマシになったみたいだが、まだだ─────)
笠元「っしゃあぁ!! こいやー!!」
実況『二回の表! 我妻が花咲川の初回攻撃を見事凌いだ後! 羽丘の打順は名手の笠元! 気合のこもった雄叫びで打席に立ちます!』
『この流れに乗じて、もう一度虎金から点を奪えるか! まずは第一球を振りかぶって、投げます!』
ズッッ、─────
─────バァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンンッッ!!
《 156km/h 》
ワァァァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアッッ!!
笠元「っ!」
(えっぐ……ッ!)
実況『また出たァァア!! 156キロのストレートォォオ!!』
綿部『あれがアウトコースにキチンと決まりますからね……。まさに怪物ストレートですよ、アレ』
ビュゴォォォオォォ……ッ!
カクッ!!
ズッッバァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッ!!
《 147km/h 》
笠元(遠っ……!)
実況『今度はアウトコースの真ん中よりから急変してアウトコーナー抉るカットボールッ! これがクロスファイヤーで決まります! バッター笠元は追い込まれた!』
『そしてテンポよく三球目ッ!』
笠元(……)
(……え?)
ズッッッバァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンンッッッ!!!!
《 156km/h 》
ワァァァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアッッ!!!!
実況『か、会心の自己最速ッッ!!』
『恐るべし虎金龍虎ッ! 凄まじい【怪童】ッ!』
『下位打順にも一切の容赦なしッ!! アウトコースに叩き込まれた真っ直ぐに笠元は反応すら出来ずに見逃し三振ッッ!!』
ズッッッバァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッ!!!!
ビュゴォォォ……。
カククッ!
ズッッバァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッ!!
ビュゴォォォオォォ……。
カクッ!
ズッッバァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッ!!!
ズッッッバァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッ!!!!
ビュゴォォォ……。
スッッ……。
矢来(っ! ボールが、来な─────)
ブォォォーーーンンッ!!
ズッッバァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッ!!
虎金「─────まだ俺を越えたと思うなよ、ヒーロー見習い」
「俺はまだ負けたわけじゃない。これがホンモノのプライド、ヒーローの矜持だ!!」
実況『虎金龍虎ッ! 我妻に対しては持ち球全種類を見せつけての圧倒ッッ!!』
『最後は20キロ近い緩急差が生まれるチェンジアップで我妻を空振り三振に切って取ったッ!!』
ズッッッバァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッ!!!!
《 154km/h 》
秋野「……ぁ」
ワ、ワァァァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァア!!!!
実況『こ、この回は三者連続三振ッッ!! 前の回から五者連続三振の圧巻圧倒のピッチングゥゥウ!!』
綿部『この回はストレートの質、変化球のキレ、各球種の制球力。全てが噛み合っていましたね、これを続けられると羽丘は追加点が遥かに遠のきますね』
矢来「流石だな。虎金さん─────それでこそ、越え甲斐のある絶対的ヒーローだ」
大地「やりかそうぜ、矢来」
矢来「おうよ、俺も負けてねぇことを証明してやる」
実況『そして、攻守交代して花咲川の先頭バッターは創立以来不動の四番としてチームを支える攻守の要! 主将澤野が打席に入りますッ!』
『高校通算52本の長距離砲でもあり、勝負強い打撃や捕手として兼ね備えた深視力は世代トップクラスッ!!』
『迎え撃つは、先ほどの回は素晴らしいピッチングを披露した背番号11のパーフェクター我妻矢来ッ!!』
『先程は新球種のツーシームジャイロにて左強打者の伊達を封鎖してみせましたが、この男をも封じるのか! マウンドの我妻ッ!!』
澤野(さて虎金のエンジンは掛かってきた。これでディフェンス面ではしばらく困ることはない。ただ、コイツをどうするか─────)
(まずは様子を─────)
大地(……)
ズッッバァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッ!!!!
澤野(っ、いきなり胸元にストレート……)
大地(初球を見るって判断はよしといた方がいいぜ、澤野さん)
(今日の矢来は制球力抜群な上に奪三振能力にも長けてる)
(そんな相手に初手を簡単に見逃すなんて、愚の骨頂)
ビュゴォォォオォォ……ッ!!
澤野(っ! またインコースッ!! だが反応できる─────)
カクンッ!!
ブォォオォォォォオォォーーーンンッッ!!
ズッッバァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッ!!!
《 145km/h 》
実況『い、インコース低めにツーシームジャイロが決まったぁ!! 初球で胸元を突かれた為に思わず手が出てしまったかー!!? 簡単に追い込まれた澤野! チームの主砲として、打ち返せるかッ!!』
澤野(……あれがツーシームジャイロ。本当にストレートの軌道から突然沈んで─────)
(くそ、見分けがつかん。最後は何で来る? まだ使ってないスライダー? それともカーブ? もしかしてツーシームを続ける? またはここで遊び球を入れてくる?)
(……たった一球種が、一人の投手をここまで─────)
虎金(主将らしくないな、全部後手後手に回ってる)
実況『捕手の咲山はインコースに構えたッ!!』
大地(遊んでもいいけど、折角後手に回ってくれたことだしな……)
(ここに渾身のヤツで決めちまえ、モンスター)
矢来「ようやくスタートライン……。最高だな、やっとアンタ達と張り合えるよ」
「ほら、受け取ってくれ」
澤野(……、)
「─────え?」
ズッッッバァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッ!!!!
《 151km/h 》
わ、ワァァァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアッ!!!!!!
実況『ッ……ッッ…………!』
『お、おおお、大台到達の151キロストレート!! インコース胸元を突いての見逃し三振ッッッッ!!!!』
『超高校級打者を完砕したのは、腕を振り抜き放たれたアメイジングボールッッ!! 自己最速を更新したフォーシームジャイロッッ!!』
綿部『本当に彼は一年生ですか? この時期に150キロオーバーは凄まじすぎますね……』
実況『もはや羽丘の投手は成田だけではないッ!! 俺がいるッ!! そう言わんばかりの闘志を漲らせた立ち姿は正にエースそのものッッ!』
『堂々たる投球で四番打者を封じた我妻矢来ッ!! これが新たな時代の幕開けですッ!!』
矢来「─────ほら、まだまだ足んないだろ? もっと全力で来いよ」
ビュゴォォォォォオォォオォォ……ッ!!
カククッ!!
ブォォォォオォォーーーンンッッ!!
ズッッバァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッ!!!!
幽ノ沢「な……!?」
(膝下スライダーッ!? それは盲点だった!!)
矢来「炎上とか、トラウマとか好き勝手に言ってくれた御礼……。まだ余ってんだよ」
「俺が蓄えていた憤怒の【感情】、喰らえよ……!」
ビュゴォォォォォオォォオォォ……ッ!!
高山(っ!? アウトコース低め! ツーシームg─────!?)
ズッッッバァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッッ!!!!
《 150km/h 》
ワァァァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアッッ!!!!
実況『再び150キロ到達ッッ!! アウトコーナーにズドンと打ち込んだァァア!!』
『まるで虎金が前回で三者三振をして、5者連続三振をしたことに対する、意趣返しッ!! 四番から始まる打順を物ともせずに捻じ伏せましたぁ!!』
矢来「いい加減、気がついてくださいよ……」
「俺は強いです。そして─────」
“俺を敵として見ないのなら、俺が完璧に捻り潰します!!”
我妻君が自重を忘れました。
ヒロインは何処から選ぶべき2
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アフグロ
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