Stand in place!   作:KAMITHUNI

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日本代表、がんばってくださいっ!!
高橋礼はやはり凄い!!
そして絶不調なのに、アウトコース低めのチェンジアップを強引にヒットにする坂本もやはり異次元。
鈴木誠也は言わずもがな……! これぞ4番打者!


咲山大地 vs 虎金龍虎 2nd. Battle ─────強気と冷静な攻め─────

“俺を敵として見ないのなら、俺が完璧に捻り潰します!!”

 

 

 

 

 

 

 

虎金「……捻り潰す、か」

 

 

(あの日、俺たちにボコられた投手と同一人物とは思えない発言だな)

 

 

「これ以上の失点が命取りってか……」

 

 

「上等だ、やってやるよ!」

 

 

 

ズッッッバァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッッッ!!!!

 

 

《 155km/h 》

 

 

実況『二番舘本─────』

 

 

 

ビュゴォォォォォオォォ……ッ!!

 

 

スッッ……。

 

 

ブォォォォオォォオォォーーーンンンッッッ!!!!

 

 

ズッバァァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンッッ!!

 

 

《 138km/h 》

 

 

実況『─────三番結城を連続三振で打ち取りましたッ!! 結城はこれで2打席連続三振ッ!! そして今ので7者連続三振です!!』

 

 

綿部『安定感抜群の奪三振ですね。制球の乱れは無く、澤野くんのリード通りの投球が出ていますよ!』

 

 

『そしてその澤野くんも非常に虎金くんのモチベーションと、その場に応じたリードを引き出していますから、バッテリー間の問題はなさそうですね』

 

 

 

実況『そして続く打者は先程は見事な選球術で四球を選んだ、4番の咲山ッ!!』

 

 

『バッテリーはこの難敵に対してどのような手法で攻めていくのか、注目の一戦! 第二幕の開演ですッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リサ「大地ぃ! 打ってねぇ!!」

 

 

日菜「ししょー!! しっかりボール見てバット振ればししょーならきっと打てるよー!!」

 

 

蘭(大地、いつも通りのアンタなら必ず打てるよ)

 

 

友希那「……」

 

 

リサ「ん? どうしたの、友希那。ほら大地の打席だよ! 一緒に応援してあげよ!」

 

 

友希那「……そうね」

 

 

雄介「おぉ、久々の観戦がこんなに白熱した試合とはな。俺ってば、ツイてるぜ」

 

 

蘭(ん? あの人、どこかで……)

 

 

雄介「さてさて、バッテリーは大地相手にどうでるかな。安易にストレートから入りたくない場面だけど、予み勝つのが難しいなら強引な力技で押すしかないだろうからな」

 

 

「それともあえての膝下にチェンジアップからかな? アンタ達はどう思う?」

 

 

友希那「……急に話しかけてくるのね」

 

 

雄介「おっと、挨拶も無しにこりゃあ失礼したな。こんにちは、お嬢さん方。それで? 返答は?」

 

 

友希那「……私はアウトコース低めにスライダーね」

 

 

雄介「なるほど安全策か。ま、それが妥当だね」

 

 

「ただ相手が相手だし、2点差ついてる。ここで大地を完璧に封じることで流れを完全に引き寄せにくる可能性に俺はかける」

 

 

蘭「随分と花咲川バッテリーよりの考えしてますね、ここは羽丘サイドですよ」

 

 

雄介「いや、この場合は花咲川バッテリーじゃなくて打席のアイツだよ」

 

 

「アイツを信用してるからこそ、花咲川バッテリーがここで攻めてくるのがわかる」

 

 

「無茶しなきゃ勝てない打者。そういうやつだよ、咲山大地って男は……」

 

 

リサ(この人、大地の知り合いかな? 随分フランクに名前呼びしてるし……)

 

 

蘭(この人、もしかして─────)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こころ「眉木、チェンジアップを投げたい原理は分かったけれど、どうしてインコース低めなのかしら?」

 

 

眉木「……元来、チェンジアップという球は投げ方上、ストレートと同じ利腕方向への角度を持った球種となります」

 

 

「そしてストレートとは違い、低速な上に抜いて投げる球ですので、必然的にストレートよりノビず、結果打者の手元でシンカー気味に沈みます」

 

 

「虎金様の利き腕は左。左腕から放たれるソレは、右打者にとっては外へと逃げていく球によって随分バッテリーにとって有利に働きますが、左打者からすれば内に入ってくる絶好球です。甘く入れば、おおよそ痛い目に遭い易いでしょう」

 

 

紗夜「それならば、尚のことインコースに投げるのは危険なのでは?」

 

 

眉木「えぇ。アウトコースに投げ込めるのなら、それに越したことではありません」

 

 

「ですが、アウトコースに投げるということは、それだけ真ん中方向に入ってくるのと同義ということです」

 

 

「一つのコントロールミスが、命取りの選択……ですが、嵌ればいくら最強な咲山様といえど、簡単に打てません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

澤野(さぁ─────)

 

 

 

虎金(─────勝負の時だ)

 

 

 

 

 

大地(ツーアウト、ランナーなし。欲しいのは単打じゃなくて長打……。思い切って狙いを定めていいな)

 

 

(何でくる? 俺なら何を投げさせる?)

 

 

 

 

実況『振りかぶって─────』

 

 

 

大地(スライダー? ありえるけど、二度も見せた球を続けるか? ほとんどないだろ。カットボールはありえる。けど、インコースへ投げる制球力はないから、アウトコースに絞れちまう。よって選択しづらい)

 

 

(なら、考えられるのはこのインコースへの─────)

 

 

大地・虎金・澤野(─────膝下チェンジアップ!)

 

 

 

実況『─────投げたッ!』

 

 

 

 

 

ビュゴォォォォォ……ッ!!

 

 

 

 

スッ……

 

 

 

 

大地(─────予んでたけど、思ったよりもっとこねぇ!)

 

 

 

「く、らぁ!!」

 

 

 

カッキィィイィィィィーーーンンッッ!!

 

 

ワァァァアァァァアァァァア!!

 

 

実況『初球を豪快に引っ張った!!』

 

 

笹野(ウッソォン! さすがに球足速過ぎ……!)

 

 

澤野(食らい付かれた!?)

 

 

虎金(普通、今のにアジャストするかよ!?)

 

 

(どんな対応力だよ……!?)

 

 

塁審「ふ、ファールッ!!」

 

 

実況『だがこれは惜しくもラインの外! 痛烈な当たりが花咲川サイドの肝を冷やさせます!』

 

 

綿部『首の皮一枚繋がりましたね。抜けていれば間違いなく、ライト線への長打コース確定でしたから。しかし、これでバッテリーは対角線をより広く使いやすくなりましたよ』

 

 

大地(……なんつーブレーキだ。予想よりも遥かに来なかった。えげつねぇ緩急差と変化も大きい)

 

 

(これを捉えるのには、少し時間が必要かもしれねぇな)

 

 

(せめて後三球ほど猶予が欲しいけど、多分次はアウトコースにストレートだろうし、無駄に変化球は投げたくないはず─────) 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄介「な? インコースにチェンジアップだったろ? お嬢さんのアウトコースにストレートとは真反対の配球だな」

 

 

友希那「……でも、いまのはいくらなんでも─────」

 

 

日菜「るんるん☆ するよぉ!!」

 

 

 

 

黒服「大博打もいいところの予想が当たりましたね」

 

 

香澄「すっごぉい!! ホントに当たった!」

 

 

沙綾(でも、いくらなんでも大博打すぎるよね!?)

 

 

 

澤野(ナイスボールだが、もっと低くていい)

 

 

(チェンジアップは高めに浮けば、ただの棒球になるリスクもあるボールだけに扱いには慎重にならなければならない)

 

 

 

 

実況『続く二球目! ワインドアップから豪快に腕を振りかぶり、投げますッ!!』

 

 

虎金「ラァッ!!」

 

 

澤野(チェンジアップは、ベース盤に叩きつけるぐらいの気持ちで、腕を強く振れ!)

 

 

ビュゴォォォォォ……ッ!!

 

 

大地(っ! ストレート、じゃない!?)

 

 

スッ……

 

 

「くっ、そ……!」

 

 

カコーンッッ!

 

 

審判「ファールッ!!」

 

 

木ノ下「よし! 追い込んだぞッ! ナイスボールッ!!」

 

 

高山「慌てずに行こうぜっ!!」

 

 

実況『に、二球目も膝下に決まるチェンジアップ!! しかも今度は咲山の体勢を完璧に崩しました! 辛うじて、空振りは避けましたが、バットに当てるのでやっとの様子です!』

 

 

綿部『とんでもない肝の座りっぷりですね。ここで二球続けてチェンジアップですか……。しかも一球目よりも厳しく低く決まっています』

 

 

『これは打席の咲山君の意識に深く刺さりますよ』

 

 

実況『そして虎金は、サインに頷きます! 捕手の澤野はアウトコースに構えて、虎金はテンポよく三球目を─────』

 

 

 

大地(またチェンジアップ。しかもさっきより低くきた。もしかしてストレートはない? なら、対角線を使ったスライダー? それとも見せ球を使って一球遊んでくる? いや、裏をかいての三球連続チェンジアップも考えられる)

 

 

(……ダメだ。絞り切れねぇ)

 

 

澤野(これで打者の壁は壊した。さぁ、コイツでしまいだ)

 

 

(効果薄に感じていた球であっても、今の状況だと鋭利で強烈な武器となる)

 

 

「仕返せよ、怪物」

 

 

虎金「ウッラァ!!」

 

 

大地(ここは監督の言ってた通り、ストレート一本に絞る!)

 

 

 

ビュゴォォォォォ……ッッ!!

 

 

(アウトコース真ん中よりの甘いストレート! これなら打てる─────)

 

 

 

カククッ!!

 

 

 

ブォオォォォオォォオォォオォォオーーーンンンッッ!!!!

 

 

 

 

ズッッ、─────

 

 

 

 

 

 

 

─────バァァァァアァァァアァァァアァァァァァァアァァァアァァァアァァァアァァァアーーーンンンッッ!!!!

 

 

 

《 144km/h 》

 

 

ワァァァアァァァアァァァアァァァアァァァアァァァアァァァアアァァァアァァァアァァァアァァァアァァァァァァアァァァァァァアァァァアァァァアァァァアァァァアッッ!!!!!

 

 

虎金「ウラァァァァァアァァァァァァァァァァァァアァァァッッ!!!!!」

 

 

 

実況『さ、ささ……!! 三球三振ッッ!!!!』

 

 

『これで初回からここまで、8者連続三振ッッ!!!!』

 

 

『最後は伝家の宝刀である高速スライダーで、世代最強打者の咲山大地をとうとう空振り三振に打ち取ったァァアァァァ!!!!!』

 

 

綿部『完璧な打ち取り方、理想的な三振の奪い方ですね! これは完全に羽丘の流れを断ち切りかねない、最高の投球内容ですよ!』

 

 

大地「……くそ、やられた」

 

 

実況『これが花咲川絶対的エースの本領ッ!! 虎視眈々と狙いを定めていたウィニングショットが火を噴き、これで三回終わって8社連続の圧巻9奪三振!!』

 

 

『なんと、ここまでの全てのアウトを三振で奪っていますッッ!!!!』

 

 

『【怪童】! 虎金龍虎ッ!! 新たな最強左腕の爆誕だぁ!!!!!』




ただただえげつい虎金の図

ヒロインは何処から選ぶべき2

  • アフグロ
  • それ以外は以前の集計結果から選択します

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