Stand in place!   作:KAMITHUNI

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短めです。
そして今永さんはえげつすぎっすね。
六回一安打一失点。8奪三振とか、打ちようがないでしょ!
あと山本さんもフォークね。あの速度であの落差は反則すぎでしょう!!
甲斐野さんも一年目とは思えない安定感と豪腕。
そして相変わらず凄まじいツーシームを自在に操る山崎さん!!
そりゃあ打てねぇわ!!


考えられる限りで最高の形

五回表

 

 

虎金「ふぅ……」

 

 

木ノ下(伊達が手も足も出ずに二打席連続三振? いくらなんでもバケモンすぎだろ)

 

 

坂山(異次元のストレートは虎金で見慣れてるつもりだったけど、なにせジャイロボールは予測ができねぇ。そのうえキレッキレのスライダーに、新球のツーシームジャイロとかいう縦変化の充実具合……)

 

 

高山(あんなやつから、どうやって点を取ればいいんだよ?)

 

 

澤野(ウチにとって、考えられる限りでもっとも最悪な状況での守備)

 

 

ビュゴォォォォォオォォオ……ッッ!!

 

 

(ここでチームの嫌なムードを払拭してくれ、トラ!)

 

 

ガゴォォォーーンッ!!

 

 

笠元「ぐっ!」

 

 

(あかん、球威につまらされてもうた!)

 

 

坂山「オーライっ!」

 

 

実況『笠元の打球はインコース直球に詰まらされて、セカンド坂山の正面をつく弱々しいゴロで倒れてワンナウト!』

 

 

綿部『……先ほどまでの回とは、随分と荒々しさが抜けましたね』

 

 

実況『と、いいますと?』

 

 

綿部『虎金君の四回までは豪快な速球で相手を圧倒し、蹂躙しながら奪三振をとっていくスタイルでしたが、今の笠元君との対戦では丁寧にスピンを意識した球をコーナーに投げ分けることに注力しているように見えました』

 

 

『打てると思わせるために球速は10キロ弱ほど落としていますが、アレをコーナーの低めに決められると打ち損じが多発するようなキレのある速球で打たせてとって終盤にエネルギーを残すための巧みで典型的な投球術ですね』

 

 

『最近で言いますとギアチェンジといいますかね? ただ、ギアチェンジは普通の高校生ではなかなか出来ませんし、手を抜くのとは違いますから、かなり高レベルの技量ですよ』

 

 

 

 

虎金「よし、まずはワンナウト」

 

 

坂山「ナイスボールな! その感じでいいぞ!!」

 

 

高山「その力感でオッケーオッケー!!」

 

 

木ノ下「こっちにも打たせてきていいぞ!!」

 

 

澤野(下位打順相手なら十分この球威で通じる)

 

 

(テンポ良く打ち取っていけば、まだウチの勝機は潰えない……!)

 

 

 

 

矢来「ピッチングのテンポを変えてきたのか……。さすがだなぁ」

 

 

(俺程度の打者だと打てるか怪しいよな)

 

 

大地「……」

 

 

「矢来」

 

 

矢来「? なんだ?」

 

 

大地「ちょっとこっちきて耳貸せ」

 

 

 

 

 

実況『そして打席には、十者連続奪三振を記録しているスーパールーキーの我妻が入ります!!』

 

 

『打撃能力の高さは未知数ですが、滝沼戦では好投手陳から安打を放っています』

 

 

 

 

澤野(トラのわがままでコイツには、初打席の時から全球種見せてるからな……9番だが慎重に行きたい)

 

 

(初球は前打席のチェンジアップの残像が残っているウチにストレートでカウントを稼ぐ)

 

 

虎金(インロー真っ直ぐ……)

 

 

矢来(点差は2点……。点をやるつもりはないけど、何が起きるか分かんないしな)

 

 

(─────しっかりと打っていこう!)

 

 

 

実況『ワインドアップから初球っ!!』

 

 

ビュゴォォォォォ……!!

 

 

澤野(よし! ナイスコース!)

 

 

矢来(インコース低めギリギリにストレート……)

 

 

(初球からここをつけるのは流石ですね。虎金さん)

 

 

澤野(!? 反応、出来てる!?)

 

 

虎金(ウソだろ!?)

 

 

矢来(けど狙ってたんですよ、これ)

 

 

(カットボール? いやいや……)

 

 

 

 

大地『─────初球、思いっきってストレートにヤマ張ってみろよ』

 

 

 

 

矢来(ウチの正捕手が言うんだ。ストレートで間違いないんだろ!)

 

 

(だから、このインコースの球を腰の回転で素直に振り切って捉えるッ!!)

 

 

カッッキィィィィィィィイィィィーーーンンンッ!!!!

 

 

実況『と、捉えたぁ!!』

 

 

 

澤野(この角度と初速は─────!?)

 

 

「レフトォォォォオォォ!!」

 

 

虎金(ギアを落としたとはいえ、俺のストレートを完璧に……)

 

 

実況『高々と上がった打球は左中間深いところ!!』

 

 

『レフトとセンターが必死に追いかけるッ!!』

 

 

『だが、風にも乗ってまだ伸びる!! 伸びる伸びるッ!!』

 

 

 

ボサッ……。

 

 

 

実況『入ったァァア!!』

 

 

ワァァァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアッッ!!!!

 

 

『インコーナーの難しいところを腰の回転で強打した打球は、左中間深いところを突き破る豪快弾となり、点差をさらに広げました!!』

 

 

『好投手虎金のストレートを完璧に捉えたのは、9番打者のノーヒッター我妻!!』

 

 

『今大会初本塁打は、自身を援護する追撃の値千金弾!!』

 

 

『羽丘の新たな怪物プレイヤーが、【怪童】を完膚なきまでに粉砕しましたァァァ!!』

 

 

 

 

大地「ナイバッチ! 矢来」

 

 

矢来「おう! 大地もナイスアドバイス!」

 

 

大地(三点差か。中盤からは点が取りづらいと思っていただけに、この一発は大きな意味を持つ)

 

 

(考えられる限り最高の形だな……!)




自援護は投手のロマン!!

ヒロインは何処から選ぶべき2

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