実況『六回表、グラウンド整備と水分補給を終えて、選手が守備位置に散らばります! 羽丘の攻撃は六番帯刀から! そして、花咲川はシートの変更で、虎金がマウンドを降りてライトへ、ライトの司永と変わり一年生投手、背番号10の曽根山がマウンドに向かいます!』
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曽根山 直樹 (1年)
投球回:1回
被安打:0
四死球:1
失点 :0
奪三振:2
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実況『曽根山 直樹。松之山シニア出身で、181cm 75Kgの一年大型右腕です。今大会では二回戦の釜野高等学校戦、最終回のみ登板しており、その日出した最速は144Km/hと非常に馬力があります』
綿部『ガタイ良いですね。投球練習の球を見ている限り、かなりパワーはありそうです』
実況『主な球種は、縦と横のスライダー、ドロップカーブ、チェンジアップとレーパートリーも充実しています』
綿部『課題はコントロールと精神面ですね。この後半戦、花咲川は1失点でも致命傷になりえます。今日の我妻君を見る限り尚更です』
『先頭打者を歩かせずかつ、どれだけゾーンに腕を振って投げ込めるか……エースを下げてのこの交代こそ、ターニングポイントです』
澤野(曽根山の球自体は走ってる。制球力も悪くない……あとはこの状況でどれだけ腕を振って投げられるかどうかだな)
曽根山「ふぅ……」
笹野「ソネ! 顔硬いぞ! リラックスな!」
木ノ下「こっち打たせてきていいからな! 自分のペースで投げな!」
坂山「さっこいやー!!」
曽根山(自分の役割は、わかってる。虎金さんが終盤で満足いく結果を残せる状態になるまでのバトン……)
実況『セットポジションからの初球!』
曽根山(今もてる俺のありったけをぶつければ─────)
ビュゴォォォオォォ……!!
帯刀(代わって初っ端の真ん中─────!?)
カクッ!!
ズッバァアァァアァァアァァアァァアァァーーーンンンッ!!
曽根山(─────必ず繋げられる!)
帯刀「くっ……!」
澤野「ナイスボールだ!」
実況『初球、アウトコースへと逃げるスライダーで空振りを奪いワンストライク! 完璧なコースから曲げていきます、マウンドの曽根山!』
綿部『非常に落ち着いていますね。素晴らしいマウンド度胸です』
帯刀(コイツ、以前よりもスライダーの切れ味が増してる。こりゃあストレートだけにヤマ張ってたら痛い目に合うぞ)
澤野(次はコレでいこう)
曽根山(うす)
実況『テンポ良く二球目!』
カクンッ!!
帯刀(……浮っ!?)
ズッバァアァァアァァアァァーーーンンンッ!!
審判「ットライー!! ツー!!」
実況『二球目は一度浮き上がる軌道から、下方向へ急激に変化するドロップカーブ!! これが枠に入り、追い込みました!』
綿部『花咲川サイドは、虎金君の鋭利な変化球もあったのでカーブのような一度視線を上げる球を使ってこなかったのですが、ここで新しい引き出しを見せてきましたね』
帯刀(変化球二球で追い込まれた。ゾーンを広げないと……)
澤野(アウトコース二球で追い込んだ。カウント的にも余裕がある。外に横スライダー、振ってくれたら儲け物。振らなきゃインコーナー直球で〆るぞ)
実況『サインが決まって三球目、投げた!』
ビュオォオォォ……!!
帯刀(これはつりにきてる? いやけど、クサイコースはカット─────)
カクッ!
帯刀(っ! スライダー!? やべっ!?)
ズッバァアァァアァァアァァーーーンンン!!!
《 128Km/h 》
澤野「スイング!」
審判「スウィングアウッ!!」
帯刀「くそ、が……!」
実況『ハーフスイングで三振ッ!! 一年生、曽根山直樹!! オール変化球で好打者帯刀を三球三振にきってとりました!』
綿部『帯刀君には打てる球が来ませんでしたね。素晴らしいコースです』
曽根山「亜ラァアァァアァッ!!」
澤野「ナイスボールだ! 最高!」
坂山「いいボールだぞ!!」
木ノ下「ワンナウトな!」
村井「スライダーを二球とも空振り。裏の裏でもかかれたか?」
帯刀「……いや、一応ゾーンを広げてはいたけど、スライダーも考えてたんだ。けど気がついたらバット振っちまってた感じだ」
村井「?」
アナウンス『七番 サード 村井君』
実況『打席には長距離ヒッターの村井。今日の試合は虎金相手に二打席連続三振』
曽根山(虎金さんが復帰するまで、これ以上の点は絶対にやらねぇ!)
ズッバァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァーーーンンンッッ!!
村井(っ! 速い……!)
澤野(いいな。ジンジンくるぞ)
ズッバァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァーーーンンンッッ!!
《 145Km/h 》
審判「ットライーク! ツー!」
実況『今度も二球で追い込んだ! 自己最速を計測した曽根山、素晴らしいテンポです!』
村井(コイツ……)
曽根山(パワーヒッターかどうかしらねぇが、俺のストレートを打てるもんなら─────)
ビュオォオォォ……!!
村井(低っ─────!?)
ズッバァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァーーーンンンッッ!!
審判「ットライーク! スリィーーッ!!」
曽根山「─────打ってみやがれ!」
《 148Km/h 》
実況『低め一杯!! アウトコースに自己最速ストレートで見逃し三振!!』
曽根山「亜ラァアァァアァッ!!」
澤野「ナイスボールだ曽根山! その調子でいくぞ!」
村井(最後、低めボール球に見えたけど途中から加速してノビきやがった)
(コイツ、こんな良いストレート投げられるピッチャーだったか?)
澤野(曽根山のやつ、この絶体絶命の状況下でありながら、急成長し始めてやがる……。トラと我妻のピッチングに触発されたか?)
ズッバァアァァアァァーーーンンンッッ!
ズッバァアァァアァァアァァアァァーーーンンンッッ!!
ズッバァアァァアァァアァァアァァーーーンンンッッ!!
実況『ここもテンポ良く追い込み、ツーストライクワンボール!』
帯刀「村井、どう思う?」
村井「うが、春から明らかに球威が増しているな。球速表示こそ4、5キロアップだが、実感では10キロ近く上がっているように感じられたぞ」
帯刀「スライダーも春とは別物だな。ドロップカーブは厄介すぎだし、ここに来て一気に化けた気がするな」
片矢「inspire。互いに刺激し合うことで、精神的負荷を与え急激な進化を促している」
空「精神的負荷?」
片矢「曽根山の場合、同年代の我妻が十三者連続三振継続中なのと、同チームのエースである虎金が自己最速157キロで咲山を討ち取ったことだな」
実況『カウントツーストライクワンボールからの四球目!』
ビュゴォォォオォォ……!!
笠元(インコース高め!? あかん! 手が出ぇへん!)
ズッバァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァーーーンンンッ!!!!
《 147Km/h 》
審判「ットライーク!! スリィーーッ!!」
曽根山「亜ラァアァァアァッ!! どんなもんじゃい!!」
澤野「ナイスボールだ!! 神リリーフ!!」
実況『笠元、インコース胸元にズバッと決まる直球に手が出ず、見逃し三振ッッ!! なんとこの回、リリーフした一年生、曽根山が三者連続三振を奪う快投を演じました!!』
綿部『あのコースの、あの直球は見事ですね。この回、コントロールの乱れなく抑え切れたのは大きいですよ』
矢来「流石は、曽根山だな」
大地「オマエ、えらくにこやかだな」
矢来「いやいや……アイツには初登板の時にホームランくらって借りがあるとか考えてないから。ほんとほんと」
大地「めちゃくちゃ思ってんじゃん」
矢来「ま、その話を置いておいても、あんなピッチングされちゃったら燃えないわけにはいかねぇだろ」
「この回も完璧に抑えきってやんよ」
ヒロインは何処から選ぶべき2
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アフグロ
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