Stand in place!   作:KAMITHUNI

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37.9度……完全に風邪ですね。寝ます


羽丘高等学校 vs 八川大学第三高等学校 名門の攻め

7月23日 明治神宮球場 AM.09:45

夏の西東京大会準々決勝

 

 

八川大学第三高等学校 vs 羽丘高等学校

 

 

 

アナウンス『只今より、両校のスタンディングラインナップおよび審判団をご紹介します』

 

 

先攻・八川大学第三

1:捕:松伊 純也 :右右 C

2:中:見谷美 蓮 :右左

3:一:対島 良輔 :左左

4:遊:三木 総十郎:右右

5:投:浦山 恭介 :右右

6:左:道木 良太 :右右

7:右:柿乃 錫矢 :右左

8:二:神奈元 翔 :右右

9:三:朝日 悠真 :右右

 

 

後攻・羽丘

1:中:秋野 咲耶 :右左

2:二:舘本 正志 :右右

3:一:結城 哲人 :右右 C

4:捕:咲山 大地 :右左

5:投:成田 空 :左右

6:左:帯刀 悠馬 :右右

7:三:村井 豪士 :右右

8:遊:笠元 剛 :右左

9:右:田中 次郎 :右左

 

 

 

空「おぉ!! ここが神宮球場!! スゲェ人いっぱいじゃねぇか!!」

笠元「テンション高っ!?」

 

 

大地「やっぱり1番から4番は固定だな。5番に浦山を持ってきて、6番の道木を一つ下げたか。神奈元は背番号19の1年だが、コイツもここまで全試合に先発出場中だ」

空「右打者6人か。結構いるのな」

大地「フォッシュの活かしどころ満載だな」

秋野「ここまでくると控えの違いを見せつけられるね。選手層が厚いからこそできる芸当だ」

笠元「さて、怪物ルーキーをどこまで攻略できるかやな」

空「オレは怪物スラッガーを完璧に抑えてやりますから、頼みますよ」

 

 

結城「審判出てきたぞ、ベンチ前っ!!」

全員『しゃぁぁ!!』

 

 

審判「集合っ!!」

 

 

「只今より八川大学第三高等学校と羽丘高等学校の試合を始めます! 両校、攻守交代を駆け足で行い、元気で怪我なく行きましょう!!」

 

 

「礼ッッ!!」

 

 

全員『お願いしますッッ!!』

 

 

 

実況『さぁようやく始まりました!! 第***回全国高等学校野球選手権、西東京都大会準々決勝!! 3年ぶりの甲子園出場を目指す八川大学第三高等学校と、春夏通して初の甲子園を狙う新鋭の羽丘高等学校!! 注目の試合は、両校実力ある1年生投手を起用してきました!』

 

 

 

アナウンス『先ず守ります、羽丘高等学校のピッチャーは、成田君』

 

 

 

実況『羽丘高等学校の先発は、1年生エースの成田空。この夏からエースナンバーを背負うスーパールーキーです! 全国中等学校軟式野球選手権を全国制覇を成し遂げた実績もあります。最速は156キロを誇り、15イニング以上投げて自責点は1、防御率は0.59。被安打2、奪三振20、与四死球は何と0です。豪速球を巧みに扱う制球力も抜群!』

 

 

アナウンス『一回の表、八川大学第三高等学校の攻撃は、1番キャッチャー、松伊君』

 

 

八高サイド『打て〜打て打て純也〜、打て〜打て打て松伊〜!』

 

 

 

松伊(以前の試合を経てわかったことは、成田を乗せると面倒だということ)

 

 

(成田を乗せないために追い込まれる前に打ち崩しておきたい)

 

 

大地(この人は凄く当てるのが巧い。そんでキャッチャー独特の駆け引きも展開してくるから要注意。初打席のこの人には、初めから嫌な印象を与えておきたい)

空(大地が言ってた要注意人物の一人……。たしかに、春より力強さを感じる)

 

 

松伊(スライダーに加え、高速シンカーとチェンジアップもあるが、やはり投球の軸は破壊力抜群のストレート。これに押し負けないことが成田を打ち崩す大前提)

空「もっかい捩じ伏せてやるよ……!」

 

 

 

実況『さぁ、初球! 成田が振りかぶって、投げる!!』

 

 

 

グッォオォオオオオォオォオオオオォオォオオオオ!!!!

 

 

松伊(低い……!)

 

 

ズッッッバァアァアァアァァァアァァアァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンゥゥゥゥッッ!!!!

 

 

《 154Km/h 》

 

 

審判「ストライク!! ワン!!」

 

 

大地(インロードンピシャ。ナイスコース!)

空(初球からインコース突かせてくる鬼野郎)

 

 

松伊(やっぱり春よりボールのパワーが上がってる。相当な馬力だ。ホップしているように見えた)

 

 

実況『初球インコーナーにストレートでワンストライクッ!! 成田空、初球から154キロを計測!!』

 

 

空(ガンガン攻めるッ!!)

大地(それでいい)

 

 

(迷わず攻め続けろ!!)

 

 

グッォオォオオオオォオォオオオオォオォオオオオォオォオオオオ!!!!

 

 

ズッッッバァアァアァアァァァアァァアァァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンンゥゥゥゥッッ!!!!

 

 

審判「ストライク!! ツー!!」

 

 

《 154Km/h 》

 

 

 

実況『二球目はアウトハイに直球!! 松伊も振っていくが当たらない!! 一気にツーナッシングと追い込んだ羽丘バッテリー!』

 

 

 

松伊(初球はボールと思ってたら浮いてきてストライク。今のも当てに行ってボールの下を振ってた。ここ、修正ポイントだな)

 

 

大地(相当ストレートに意識が向いているはずだろ)

空(カウントに余裕があるしな)

大地(甘く入ったらやられるぞ。厳しくこい)

 

 

 

実況『三球目!!』

 

 

 

グッォオォオオオオォオォオオオオ!!

 

 

松伊(これは、外ボール……!)

 

 

カククッ……!!

 

 

大地(……っ! ナイスコース!!)

 

 

ズッッッバァアァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアァァアーーーンンン!!

 

 

松伊「っ!?」

 

 

審判「ボールッ!! ツーストライクワンボール!!」

 

 

 

実況『外角のボールゾーンから曲げてくるバックドアを狙いましたが、これは惜しくも外れてボール!!』

 

 

空「かぁ〜! 惜しいぃ〜!!」

大地「オッケー! ナイスボールな!」

 

 

松伊(春でスライダーのキレとコントロールが半端ないことは知ってたつもりだが、まさかこんな使い方も出来るとは……厄介な)

 

 

(追い込まれた上、相手にはカウントに余裕がある。甘いコースに来ることは断じてない)

 

 

大地(二球続けたストレートを相当意識してくれている筈だ。これはコレで仕留められる)

空(うしっ!)

 

 

松伊(まだ完璧に合ってないストレートを要求をしてくる可能性もなくはないが、俺ならアレを投げさせる)

 

 

 

実況『四球目! 成田、ワインドアップから、投げる!!』

 

 

ビュッゴォォオォオオオオ!!

 

 

大地(アウトロー低め!! ナイスボール!!)

 

 

スッッ……!

 

 

松伊(予想通り。読み通りだぜ─────チェンジアップ)

 

 

空(へ!?)

大地(嘘だろ……? 崩れてない!?)

 

 

カッキィィィイィイィイーーーンンッ!

 

 

 

実況『低めの変化球を上手く捌いた!!』

 

 

『打球は鋭くセンター前!! 巧く打ったぁ!! 八川大学第三高等学校、先頭の松伊が追い込まれながらも完璧な安打でノーアウトランナー一塁の場面を作る!』

 

 

 

空「えぇ……? 今の完璧に打つとか、流石に引くわ〜」

大地(154キロ二球で追い込んで、スライダーで目線を逸らして、最後チェンジアップ単発狙い打ちとか……頭沸いてんのか?)

 

 

リサ「今ので打ち取れないの!? アレで打ち取れなかったら絶望以外の何でもないよぉ〜!」

友希那「アレは狂ってるわ。大地達の攻め方に間違いは一切なかった筈。むしろ完璧だった」

蘭「成田のウィニングショット、チェンジアップを不利な状況で狙い撃つって……ヤバすぎ」

 

 

アナウンス『2番 センター 見谷美君」

 

 

実況『さぁ打撃能力も高い松伊ですが、実は脚もあります! 今大会、既に4盗塁を決めております。準々決勝でも走ってくるか!?』

 

 

 

大地(走ってきても絶対に刺してやる。オマエはバッター集中でこい!)

 

 

松伊(羽丘バッテリーの特色として、ランナーがいる場合、成田は基本牽制を入れて来ない。首振りなどの牽制はあるが、こちらに投げ込む牽制はさほど巧くないせいか、ほぼない)

 

 

(それでも、数々の快速ランナー達を刺せるのは、偏に咲山の慧眼と地肩によるものだ)

 

 

(咲山はバッターとの駆け引きを行った上で、ランナーとの間合いをたった一人で掌握している。所謂、一人二役を常にこなした状態でボックスに座っている)

 

 

(正直言って、成田よりもバケモンだ。そんな芸当が出来る捕手が、一体どれだけしかいないと思っている)

 

 

(だが、それならそれで、そこを利用すればいい。読まれていること前提で足を活かせる方法を使えばいいだけだ)

 

 

 

実況『成田、セットポジションから投げる!!』

 

 

松伊(今だ!!)

 

 

結城「っ!? スティール!!」

 

 

大地(なっ!? スタート遅すぎる!? それなら余裕でアウ─────!)

 

 

カッキィィィイーーーンン!!

 

 

空(なっ!?)

笠元(しまった─────!? 三遊間ガラ空きにしてもた!?)

大地(初回からエンドラン!?)

 

 

実況『アウトコースのストレートを佳麗に流し打ちッッ!! 一塁ランナー松伊はスタートを切っていた為、余裕の三塁!! 2番 見谷美のレフト前ヒットで、初回にノーアウトランナー一、三塁とチャンスを拡大ッ!!』

 

 

松伊(全部を見通せているのなら、見通し終わった後に走ってやれば注意力は散漫になる。警戒心は薄くなる。その上、成田は繊細な投手。走った光景が少しでも映れば、それだけで球威は落ちる)

 

 

(これこそ、羽丘バッテリーを陥れる最高の形だ)

 

 

空「くそ……!」

大地(空の調子はいいけど、やっぱり八大、めちゃくちゃ強い……!)

 

 

実況『八川大学第三高等学校、この試合でも、名門の実力を見せつけるのか!?』

 

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