銀雷轟く銀滅龍   作:太刀使い

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帰ってきました!色々言いたいことはありますが、とりあえず本編をどうぞ!


成長編
第1話.転生することになった!?


「じゃあまた明日な〜」

「おーう」

 

 俺はどこにでもいる普通の男子高校生。そう、ふっつうの男子高校生だ。趣味はゲーム。特に「モンスターハンター」が好きだな。2Gから始めたモンハンだが、それ以降のソフトは全て購入しており、プレイ時間も各々700時間は超えているだろう。それぐらいモンハンが好きなのだ。

 

 さて、今日も学校終わったし、家に帰ってモンハンの続きでもしますかね!

 

 徒歩で通学しているので、いつもの帰り道を歩いていく。何気ないいつも通りの日常。たまに親父に呼び出されて家業を手伝わされることがあるが、変わったことといえばそれだけ。

 

 はぁ。なんか面白いことでも起きないかな。

 

 そう思った時だった。突然目の前が真っ暗になったかと思うと、俺の意識は暗転した。居眠り運転のトラックが、暴走運転の後歩道に乗り上げてきたわけだが、そのことを俺が知る由も無い。

 こうして俺の、人間として(・・・・・)の生涯は幕を下ろしたのだった……

 

 

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 う、ん……ここは、何処だ?

 

 気がついた時、俺は真っ白な空間にいた。上も右も左も、挙げ句の果てには下まで真っ白な空間。明らかに異常な場所。

 

 一瞬で危険を察した俺は、咄嗟に左の腰に手を伸ばす。しかし、そこには何も無い。自分が学校帰りだというのを思い出して、思わず拳を握りしめた。

 

 くそっ!せめて通常武装でも持ち歩いていれば……!

 

「やぁ、目が覚めたみたいだね」

 

 背後から突然そう声をかけられる。咄嗟に後ろを振り向くと、さっきまで誰もいなかったはずの場所に、小学生高学年ぐらいの真っ白なワンピースを着た少女が立っていた。

 

 こいつ、何者だ……こうして向かい合っても気配を感じ取れないだと?

 

「お前は誰だ?そしてここは何処だ?俺をこんなところに拉致してきてなんのつもりだ。敵対勢力なら俺のことを邪魔だと思ってるのは分かる。だが、お前からは敵意を感じられない。一体……」

「ちょちょ、ちょっとストップ!!」

 

 聞きたいことは山ほどあったが、幼女が口を挟んできたので思わず押し黙る。

 

「いきなり質問責めにしないで!順に説明していくから……まず、貴方は死にました。トラックとの交通事故によって」

 

 は?

 

「ここは生と死の狭間のような場所。私はある提案を君にしたくて、君の魂をここに導いた。そして私は神様!どう分かったかな?」

「わかるわけかねーだろ!!」

 

 いきなり死んだとか魂とか神様とか言われて、理解できるやつがいるなら見てみたいぜ……

 しかし、どうやら敵に拉致されたという俺の考えは間違ってたわけだ。それを確認した俺は、今まで纏っていた戦闘用の意識を切り替え、普通の男子高校生に戻った。

 

「だから、君は死んじゃったんだってば。イヤホンを耳にさしながら歩くと危険だよ?」

「今言われたってもう遅いっつーの……」

 

 一周回って少し冷静になれたようだ。どうやら、俺は死んだらしい。トラックの衝突による死とか、親父に知られたら激昂して死ぬまで絞られるんだろうなぁ。まぁもう死んでるけどね!

 

「よし、少しは整理できた。んで、俺に何か提案があるとか言ってたよな?」

「おぉう、切り替え早いね……ゴホン。君への提案っていうのは、転生する気はある?ってこと」

 

 転、生……だと!?

 普段からラノベやweb小説を嗜む俺からしたら、その言葉はよく聞くものだった。

 転生、即ち生まれ変わるってことだ。ラノベ等はそのような話に溢れており、転生した人はだいたいがチート能力で異世界を無双している。

 

 幼女の言葉を聞いて、俺のテンションは急激に上がった。

 

「て、転生っていうのはあれだな?異世界に行って生まれ変わるっていう、あれだな?」

「その通りだよ」

「是非させてくれ!」

 

 即答だった。だって転生だぜ?こんな機会は二度とないだろう。ていうか俺もう死んでるしな。

 

「分かった。転生させるって方向で話を進めていくね。転生する世界は、モンスターという怪物がいる世界。もちろん人間も住んでいて、ハンターと呼ばれる人達が、モンスターから人間を守りつつ自然との調和をもたらしている。そんな世界だね」

 

 そ、それって……!完全にモンハンの世界なのでは!?

 

「お、察しがいいみたいだね。そう、君たちの世界でいう、モンスターハンターの世界だ。これはすでに決定していることで、変えることは出来ない。そこは理解してほしい」

 

 幼女は申し訳なさそうにいうが、俺からしたら願ったり叶ったりだ。俺がこよなく愛するモンハンの世界に行けるとは……

 

「それで、転生先なんだけど……」

「待った!その転生先ってのはこちらが指定できるか?」

「うーん……もともとあの世界にいるものなら可能だね。例えばゴジ◯とか言われても、それは出来ない」

 

 よし。これなら俺が密かにやりたいと思っていたことを、実現できそうだ。

 

「じゃあ、転生先は雷狼竜ジンオウガで頼む」

 

 そう、あの雄大な世界を、自由なモンスターとなって生きてみたいと思っていたのだ。俺の人生は幼い頃から縛られてばっかりだった。だからだろう。自由な生に強く憧れた。

 そしてジンオウガは、俺がモンハンシリーズで一番好きなモンスターなのだ。

 

「ジンオウガ……本当にいいの?モンスターになったら、生きていくのが大変だよ?まず幼体の時に襲われたらひとたまりもないし。それでもいいの?」

 

 幼女が心配してくれてるようだが、俺の気持ちは変わらない。

 

「構わない。ジンオウガに転生させてくれ」

 

 俺の真剣な眼差しを見て、この気持ちが本気であると分かってくれたらしい。

 

「はぁ。分かったよ。ジンオウガに転生させてあげる。でもやっぱり不安だから、少し加護を与えてあげよう」

 

 そう言って、幼女がかざした手から光が生じ、俺の周りを渦巻いた後、体の中に入っていくように消えた。

 

「特に変わりはないようだが……?」

「それは転生したらわかると思うよ。じゃあ準備に取り掛かるね」

 

 そう言って集中するためか、目を閉じたまま微動だにしなくなった。

 

 しかし、転生か……まさかこんなことになるなんてな。最後に家族の顔を見れなかったのは心残りだが……親父はどうでもいいが、母さんには感謝の言葉を伝えたかった。

 

「よし、準備完了!そっちの気持ちは固まったかな?」

「あぁ、いつでもいいぜ!」

「じゃあ……行ってらっしゃい!!」

 

 その瞬間、俺の体が眩いばかりの光に包まれた。同時に意識が遠のき始め、これから転生するのだというのが嫌でも分かる。そして、光が一層大きくなり、俺の意識は完全に途絶えるのだった。

 

 こうして、俺の第2の人(竜)生が始まったのだ。

 

 

 

 

 

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 彼のものが旅立った後、幼女は力なくその場にへたり込んだ。

 

「これで何人目だろう。まだ希望は見つからない。あの子を倒せる希望は……彼はなってくれるだろうか?その希望に……」

 

 初めてモンスターになりたいと言ってきた彼。明らかに今まで送ってきたもの達とは違う。

 幼女はその特異性に賭けてみることにしたのだ。

 

「あの子の封印が解ける日は、もうそう遠くない。急がないと……」

 

 

 

 




まず消えていた理由を話します。
今回初めて私の作品を見たって人はスルーしてください。

先月初めぐらいに機種変更をしたのですが、その際になぜかデータがとんでしまい、復旧することも叶わずそのまま前のデータが無くなってしまったのです……
私はこの春から進学することになっていたので、その準備が忙しく、なかなか復帰できない状況でした。

この頃になって色々落ち着いてきたので、リスタートしようと思った次第です。

今回の「銀雷轟く銀滅龍〜再誕〜」では、話の大筋は前回と同じにしつつ、所々でパワーアップした作品を届けられると思っています。

では、今回も私の作品とお付き合いしてくれる皆さん、今後もよろしくお願いします!

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