これも全て読んでくださっているみなさんのおかげです。心から感謝を述べます!
謎の記憶の欠落を体験した翌日、俺は例のハンターと戦闘した場所に立っていた。
うん、どう考えてもおかしい!
え? 何がおかしいのかって? それはこの破壊の痕全てだ。今の自分の力はよく理解している、つもりだ。マックスパワーがどのくらいなのかも。
それを少し重増して考えても、ここまでの破壊を繰り広げられるかと問われたら、答えはノーだ。
俺がガチの本気を出しても、精々木が少し倒れて地面がほんのりと抉れるぐらいだろう。
それが今目の前に広がっている光景はどうだ。木々はめちゃくちゃになぎ倒されていて、最早原型をとどめていないものまである。
地面は所々穴ボコだし、大地をひっくり返したかのようにあちこちに土砂が山を作っている。
極め付けはこの馬鹿でかいクレーター。昨日はよく分からなかったが、クレーターの部分の地面は真っ黒になっている。つまり高火力で焼かれて炭化しているということだ。
いやいやいや……これを俺をやったとか、ジャギィがリオレウスを倒すぐらいあり得ないんだが?
まず俺の雷は地面を焼き尽くすほど火力出ねーし。思いっきり暴れまわってもここまで酷くはならない。
もしかしから何か別の存在が介入してきたとか? いやないな。それだったら俺が無事な理由も分からなくなるし。
ヒントとしては、記憶の欠落と酷い筋肉痛が俺を襲ったという事実のみ、か。
でもなー。マジで何にも思い出せないんだよな。確かカナトとエリンがバスクの盾の後ろに移動して、それを俺が崩しにかかったはずなんだが…… そこから先がまるで、ブラックアウトしたかのように記憶が真っ暗なのだ。
筋肉痛はまあ分からなくもない。でもあそこまで酷くなるものか? 普段からトレーニングはしてるし、全身の筋肉を毎日使っているはずだ。なのにあのレベルの筋肉痛。痛みとしては、体を少し動かすだけで激痛が走るレベル。
分からないことだらけだが、今すべきことは分かる。それはこの場から一刻も早く立ち去るということだ。
これだけ激しくハンターとやりあったんだ。カナト達の死体もないし、おそらくギルドの知るところとなるだろう。またハンターと戦うのは今はごめんだ。さっさとずらかるに限るぜ。
ついに俺もギルドに目をつけられてしまったか……俺ってばまだ成体にもなってないんだぜ? それを狩猟対象にするとか、ギルドってやつは全く……!
とは言ってみたものの、まぁしょうがないよな。脅威がいたら排除する。地球でもその思考はあったんだから。この世界にあったって別に理不尽でもなんでもない。
はぁ、それでも思うところはあるけどな。ま、考えてもしたかない! 前向きな気持ちで頑張っていこう!
次の目的地というか最初からの目的地は砂原だ。少し寄り道してしまったが、アイルー達に道も教えてもらったし、もう一踏ん張りだ。
……Now loading……
それから2週間後、俺はついに砂原にたどり着いた。
うーん、一面砂の海! まぁ当たり前だけどな。
それにしても広いなぁ。ゲームの時もエリア外に砂漠が広がっていたから広いんだろうとは思ってたけど、まさかここまでとは。地平線まで全てが砂漠だ。
それに暑い!! 太陽が砂漠の砂を熱していて輪をかけて暑いし、空気もカラッカラで息苦しさも感じる。
この暑さを一口飲むだけで無効化するクーラードリンクって……神秘だなぁ。
これ以上ここにいるのは危険か。暑さで体調不良になったら不味いし、砂の上では動きにくい。ここでディアブロスなんかにあったら、一瞬で現世とさよならする羽目になってしまう。
そういや砂漠って足が沈むよな……ディアブロスってどうやって突進してるんだろ?
だぁー! 考えるのはあとあと! 今は一刻も早く移動しなければ。
……Now loading……
砂原で涼める場所といえばエリア7だな。ここには砂漠では特に貴重な水もあるし、生活するには事足りるだろう。
だが、この広いエリア7にただ居座るってのも、あまりにも危険すぎる。何度も言うが砂漠での水は貴重だ。だから他の大型モンスターがここを訪れる可能性も高いってことだ。
そんな時隠れる場所もないここにいるのは非常によろしくない。少しいい感じの場所を探してみるか。
そう思ってエリア7を探索し始めたんだが、思いのほか早くお目当てのものは見つかった。
なんとエリア7にある池は地下深くまで続いており、別の場所から陸に上がることができたのだ。
ぶっちゃけ池の中に潜るのはめちゃくちゃ不安だった。もしかしたらガノトトスとかが飛び出してくるかもしれないし。
だが、危険をおかした甲斐はあったな。虎穴に入らずんば虎子を得ずとはこのことだ。
俺が上陸した場所は、地下の空洞だった。しかもかなり規模が大きい。僅かに風の音が聞こえることから、どこかから地上に出られるかもしれないな。
しかしこれはラッキーだぞ! この池は案外大きくないし、いるのは魚ばかりで大型モンスターの影もない。要するにここと砂原のエリア7との行き来に問題はないってことだ。
食べ物は一応魚がいるし、なんならここには鉱石もキノコも植物もある。雑食ジンオウガである俺からしたら、ここは最適な寝床だと言えるだろう。
よし、ここを砂原の寝床に決定! とはいえ、何も対策をしないってのも忍びないか……
とりあえず微弱な特殊電波を発して俺の雷光虫達に連絡(?)を入れる。その結果、空洞の中はぼんやりと光る雷光虫が飛び交うという、幻想的な光景が完成していた。
これで電力の供給も問題なし、と。ここは天敵のガーグァもいないし、雷光虫達にとっても住みやすい環境だろう。
さてさて、この空洞がどこに繋がっているのか気になるところだが、今日は移動で疲れたし寝ることにしよう……
……Now loading……
翌日、早速この空洞について調査を始める。
その結果、俺の読み通りこの空洞は地上に繋がっていることが分かった。だが、その入り口はかなり狭く、小さい俺ですら通り抜けられないほど。
これでは大型モンスターは入ってこれないだろう。ひとまず安心だな。
どうやらこの小さな穴が通風口の役目を果たしていて、空洞内の酸素を保ってくれているようだ。調査したところ穴は複数あり、その全てが小さなものだった。
まぁ小さいといってもジャギィやケルビ程度なら、通り抜けられると思うが。ドスジャギィともなればちょっと無理かなぁ。
ともかくだ。この寝床の安全性はほぼ確立されたといっていいだろう。
少し寒いのがたまにキズだが、日中は砂漠に慣れるために外にいるわけだし、我慢すれば事足りる。それにジンオウガは寒さには耐性があるしな。寒さには耐性があるのに氷属性が弱点という矛盾よ。
というわけで御幸の憂いが断たれた俺は、砂原の砂漠エリアまで出てきていた。
さてさて、本格的に修行に入ろうとしようか。砂漠は途方もなく広いし、これだけ開けてたら大型モンスターの接近にもすぐ気づけるだろう。砂中から飛び出してくるのは勘弁願いたいところだが。
何から始めるかと考え初めた時だった。急速にこちらに接近する大きな気配を感じ取ったのだ。
おいおい、早速かよ。しかも上空からだと?
顔を上げてみるが、太陽が眩しくてその姿を捉えることが出来ない。
砂漠にいてこれほどの速さで飛行するモンスター…… ベリオロス亜種とか? にしては速すぎな気もするが……っ!
叩きつけられた殺気から逃れるようにその場から飛びのくと、先ほどまで俺が立っていた場所に無数の何かが降り注いできた。
「キァァァァアアアアア!!」
飛び道具にこの甲高い鳴声……まさか!?
俺の目の前に現れたのは、松ぼっくりのように鱗を展開する、時にはリオレウスをも凌駕する飛行性能の持ち主。千刃竜セルレギオス。
本来砂原にいないはずのそいつが、悠然と立ちはだかった。
10話を超えたということで、活動報告に意見箱兼質問箱を設けました。
ここが意味不明だぞコノヤロウって方や、こんな設定面白そうだからどう?って方は是非ともこちらにお願いします。