銀雷轟く銀滅龍   作:太刀使い

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今回は説明回チックな話となっております。オウガさんが今まで何を倒してどんな能力を手に入れたのかが纏めてある回なので、出来れば飛ばさずに読んでくれると嬉しいです。


第15話.振り返りとおさらい

 ふあ〜ぁ。昨日はまさに激戦だったなぁ。すっかり寝過ごしちまったようだ。

 え? 洞窟の中にいるのに、なんでそんなことが分かるのかって? そりゃあ、大分長いことここにこもってたからな。微弱な気温の変化で大体の時間は分かるようになってるってわけだ。

 

 さて、今日こそ新天地を目指していこうと思ったんだが……そういやどこにいくか決めてなかったな。

 うーむ、どこがいいだろ? やっぱ火山かなぁ。個人的に火属性が欲しいところだし、火山は強いモンスターが多い傾向がある。武者修行の旅に出てる身からしたら、うってつけの場所じゃないか? よし、行き先は火山に決定! 

 

 つっても火山がどこにあるかとか、ほとんど分からない……ま、山岳地帯の方に歩いていけばそのうち到着できるだろ。

 ではでは、出発だ! 

 

 

 

 ……Now loading……

 

 

 

 こうして火山にいくことが決定したわけだが、ふと気になることがある、ということを思い出したので、砂原からほど近い岩場が多く点在する荒野に寄り道することにした。

 

 手頃な場所を見つけて仮の寝床とし、ひらけた場所にやってくる。

 さて、気になったことについてだ。それは俺の能力のこと。自分の能力を理解するってのは、戦闘においてとても重要なことだ。

 自分の力量もわからずに未知の敵に突撃するのは、愚者のやること。一流の戦闘経験者なら、自分の能力を理解した上で 彼此の力の差を察知する。まずはそこから始めるだろう。

 

 ここで俺の能力についてなんだが、勿論ジンオウガとしての力はよく理解している。つい先日も戦いを制してきたし、どのような動きが出来るかもよく分かってるはずだ。

 しかし俺には他のものにはない能力がある。あの神からもらった加護、能力吸収のことだ。

 

 この半年の間、俺は結構な数のモンスターを倒し、これまた結構な数の植物、鉱石、その他諸々を食べてきた。

 加護の力がどの程度の範囲で有効なのかは分からないが、それでもかなりの数の能力を得られてるんじゃないだろうか? 

 このまま、自分の出来ることがなんなのか分からないまま進むのは非常に危険だ。なのでこの際にハッキリさせようと思ったわけ。

 ひらけた場所に来たのは、能力の実験をおこなうからね。

 

 さて、初めはジンオウガの十八番。雷属性からだな。

 雷属性については特に確認するべきこともないように思う。普段これでもかってほど使ってるし、知らないことなどないと言い切れる。

 俺って結構たくさんの属性が扱えるわけだが、結局雷を使った時が一番使いやすくて威力も高いんだよなぁ。多分ジンオウガの体と雷属性がベストマッチだからなんだろう。

 

 次はざっと倒したモンスターを振り返ってみるか。

 ナルガクルガ、ドスジャギィ、アオアシラ、セルレギオス、ハプルボッカ。こんなところか? 

 んでこれ以降で砂原にいた間に倒したモンスターが、ラングロトラ、ドスガレオス、ベリオロス亜種、そして昨日のディノバルド。

 うーん、結構倒してるな……

 

 この中で属性系の能力は……ハプルボッカの水、ラングロトラの麻痺、ベリオロス亜種の風、ディノバルドの火か。

 ん? んん!? あ、いつの間にか火属性ゲットしてるじゃん……あれだけ火属性欲しいとか言っときながら、ゲットしたことに気づかないとは……不覚! 

 それにしても、モンスターは結構倒してるのに属性攻撃をしてくる奴にはあんまり会わなかったんだなぁ。

 

 で、各属性の話なんだが、ぶっちゃけ戦闘で使うのは麻痺ぐらいじゃないかと思ってる。下手に出来ることを増やして器用貧乏になりたくないし、何よりこのジンオウガの体が他の属性を使うことに長けてないのだ。麻痺はジンオウガ(金雷公)が使うから使いやすけど。

 なので属性を入手する目的は、その属性に耐性を持つためって点が大きくなりそうだな。

 

 今の俺が最も欲しいのはどちらかというとこっち。モンスターの身体的能力だ。

 例えばナルガクルガだったら刃翼、セルレギオスだったら刃鱗てな感じだな。これらは即戦力だ。ナルガクルガを食べて刃翼、いや俺には刃翼がないから爪が鋭くなり、セルレギオスを食べて刃鱗を飛ばせるようになった。これらの能力は非常に便利だと言えるだろう。

 

 特にディノバルドは大きかった。なんと俺の尻尾が刃尾になったのだ。ジンオウガの尻尾といえばゴツゴツしていてハンマーと言った方がいい形をしている。しかしディノバルドの能力を得て、尻尾の両側面に刃が出来たのだ。

 今の俺の尻尾はさながら地球の西洋で使われてた両面刃の剣だな。これはとても有用で、刃で切り裂くもよし、尻尾の腹で殴るもよしの優れものとなった。

 

 ディノバルドには散々苦戦させられたが、お陰でいい力が手に入ったな。ありがとう、ディノバルド! 

 

 後の能力はあんまりパッとしないかも。ハプルボッカとベリオロス亜種は砂地への適応だったから砂漠限定だし、アオアシラは少し爪の硬度が上がったかな? ドスジャギィに至っては統率能力を得たとか言われても、統率するべき部下がいねーよ! 

 

 ま、モンスターから得た能力はこんな感じかなー。結論としては、少し多彩なジンオウガになったってところ。

 

 よし、次は植物、鉱石系だな。

 鉱石系は結局何食べても効果は変わんなかったな。鱗や甲殻が頑丈になるだけだった。まぁそれだけでもかなり大きいんだが。

 確かにマカライト鉱石とドラグライト鉱石の違いとか、正確にはよくわからんしな。鉱石系はこんなところだろう。

 

 植物系は結構進展あったぞ。例えばマヒダケで麻痺耐性、ネムリ草で睡眠耐性、毒テングタケで毒耐性みたいな感じで、色々な状態異常に耐性を持つことができた。

 と言っても完全耐性ってわけじゃあない。ラノベ風に言うなら状態異常耐性(中)と言ったところだろうか。多少の異常なら効かないが、あんまりにも強力だと耐性を貫いて効いてしまうって感じ。G級個体の状態異常攻撃なら普通に食らうだろうな。

 

 後は薬草とハチミツで自然治癒力が上がったり、龍殺しの実から微弱だが龍耐性を得られた。

 これで耐性を持ってない属性は氷属性のみとなったな。一番弱点な属性だから早くなんとかしたいんだが……氷属性持ちのモンスターなんて、寒冷地帯に行かないとそういるものじゃないし、今は諦めるしかないか。

 

 ざっと見て今の俺の力はこんなところか。属性攻撃を雷限定にすると、そんなに出来ることは増えてないんだな。まぁ耐性方面は通常種とは圧倒的に違うんだが。

 戦闘スタイルは今まで通りで問題ないってことが分かっただけでも大きいか。

 

 さて、能力の確認も終わったし、尻尾での攻撃と連携を見直したら火山に向けて再出発するとしよう。

 

 

 

 


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