何もしてなかったって言われないように出番が増えるといいね!
*加筆しました。
-HAKARIGOTO-
桜が芽吹き、満開へと向かっている今日この頃。
俺達はダクネスを除き、クリスを入れた面子で集まっていた。
「てな訳でダクネスへのプレゼントは可愛い服やアクセサリーだ」
ダクネスの誕生日会の準備とその流れの説明も大方終わり、最終調整だ。
「分かったわ!それで私達は何を買えばいいのかしら?」
アクアがいい質問をした。
「アクアは髪飾り、めぐみんはネックレス、クリスは靴を頼む。俺は服だが、もう買ってある。これに合う感じのを考えて選んできてくれ」
「髪飾りならいいお店知ってるからそこで買ってくるわね!」
アクアの美的センスは群を抜いている。
こういうのは適任だ。
「私はネックレスですか。任せてください!」
「間違ってもかっこいいからとかで選んじゃだめよ」
アクアの注意もよく分かる。
こいつならやらかしかねない。
でも、めぐみんがそんな事しないのは俺は知っている。
「なっ!見くびらないでください!いつも新しい服やアクセサリーをカズマに可愛いと言って貰える様に選んでるんですよ!そんな私がミスしませんよ!」
如何して恥ずかしがりもせずに、コイツはこんな事を言えるんだ。
こっちが恥ずかしい。
「そ、そう。めぐみんってカズマの事大好きよね」
「そうですよ。それが何か?」
「「「・・・」」」
そうですよじゃないだろ!
当たり前の事聴くなよって言わんばかりのその表情、絶対可笑しいから!
何でめぐみんは、こんなに堂々としてんの?
アクアとクリスも気まずそうにしてるって。
みんなに仲間以上恋人未満の関係バレてから吹っ切れたのか、私の男ってギルドでも言うようになった所為で、最近ギルドにも行ってない。
行ったら俺が恥ずかしい思いをするだけだ。
最近クズマとかよりもめぐみんの男って呼ばれ始めてるし、ギルドに行けば、からかわれ続けるのは目に見えてる。
めぐみん曰く、『勇者カズマに惚れてるだけで、カズマの事なんて全く見てない女や、金目当ての女払いです』だそうだ。
ギルドの連中はこの事も知っているが、恋人未満の関係については知られていない。
これは不幸中の幸いとも言える。
アクアを酒と金で黙らせて正解だった。
「えっとあたしは靴だよね。ヒールとかの方がいいのかな?」
クリスが話題を変えてくれて助かった。
「それでいいと思う。あとの判断は各自で頼む。それじゃあ解散!」
こうして会議は終わり、次の準備に取り掛かろとしていたのだが。
何処か浮かれてるめぐみんに声を掛けられた。
「カズマ、カズマ。一緒に買いに行きませんか?」
何この可愛い生物。
俺とデート出来ると思ってテンション上がってたのか。
一つ返事で、オッケーって言いそうになったぞ。
「悪い、まだ打ち合わせが残ってるから無理だ」
「そ、そうですか。あまり無理しないでくださいね?では、行ってきます」
凄く落ち込んでめぐみんが出て行くのを見送った。
何もしてないのに罪悪感が。
この事は一旦忘れよう。
じゃないと気付いたらめぐみんとデートしてるかもしれない。
何とか後ろ髪を引かれながらも、目的地に辿り着いた。
ここはダクネスの実家だ。
ダクネスの親父さん、イグニスさんに会いにきたのだった。
「おお、カズマくん来てくれたか!娘は迷惑かけておらんか?」
「迷惑はかけられっぱなしですが、比較的マシにはなってると思いますよ」
普通はここで大丈夫ですと答えるのだろうが、生憎ウチのパーティーにそう言えるやつは居ない。
「娘がすまないね」
「いつもの事ですから。慣れてますよ。それより例のアレ準備出来ましたか?」
「勿論だとも。話は付けてある。此処にアクアさんかめぐみんさんの名前を書いて貰えれば、後は娘が名前を書くだけだ」
親父さん仕事が早いな。
もうちょっと時間がかかると思ってたけど、全て出来てるとは。
「確かに受け取りました。ダクネスいや、ララティーナの事は俺に任せてください!」
「カズマくんありがとう!君には感謝してもしきれない。もし困った事があれば是非相談してくれたまえ」
これは丁度いい機会だし頼んどこう。
「それじゃあ一つ良いですか?」
「一つと言わず幾つでもよいぞ」
「王都から偶にやって来る貴族をなんとか出来ませんか?わざわざこんな辺境の田舎まで来てやったんだから会わせろとか、ウチの子と結婚しろとか言って暴れられるの困ってるんですよ」
めぐみんがいつも爆裂魔法を使って脅は、じゃなくて、説得して、帰って貰ってるけど次から次へとやって来てキリがない。
因みにダクネスが出ると、あのダスティネス家の令嬢が居るのだから、ウチの子もって逆効果になってしまう。
「それについては娘からも聞いているよ。君は、今や勇者だから仕方ないだろうとも言えるが、分かった。私の方で、出来る限り来ないようにさせよう。最悪アクセルへの貴族の出入りを規制すればなんとかなるだろう」
出入り規制とか出来るのか。
やっぱ持つべきは権力者の知り合いだな。
「クレアとレインのとこは別に問題ないので、規制するなら対象外でお願いします」
「ふむ、分かった。では娘の事を頼んだぞ」
これで今日の予定は全て完了だ。
めぐみんの悲しみの篭もった爆裂魔法の音を聞きながら街をぶらぶらと歩いていた。
勇者のホームタウンとして栄え始めたこの街には、見知らぬ店が増えている。
こうやって特に目的もなくふらついていても案外楽しめるモノだ。
爆発の音でビビるかビビらないかで、よそ者かどうか瞬時に判明するのがこの街の面白い所だ。
「あっ!カズマさん!お久しぶりです!」
「ゆんゆん久しぶりだな!あれ?めぐみんと一緒じゃないのか?」
てっきりゆんゆんと一緒に爆裂しに行ったと思ってたんだが。
って隣に居るのサキュバスの店の子じゃ。
「いえ、今日はロリーサちゃんと街をぶらぶらとしてまして、カズマさんこそめぐみんと一緒じゃないんですね」
「まあな、所で二人はどういう関係なんだ?」
やっぱり服装は違うとはいえこの子間違えなくアクアに消されかけてた子だ。
ロリーサって偽名だよな?
ロリサキュバスのもじりな気がする。
「共通の知り合いが居たんです。それで先輩と知り合いました。カズマさんいつもありがとうございます」
「こちらこそいつもお世話になってるよ。先輩と後輩ね。その知り合いってダストか?」
最近ゆんゆんがダストと付き合ってるとか、リーンと取り合ってるとか聞くしその線だろう。
「「は、はい」」
出来れば名前を出したくなかったって感じだな。
これから察するにあの噂はデマだな。
「あんまりあいつとつるまない方がいいぞ。ゆんゆんとダストが付き合ってるって噂もあるし」
「ち、違いますよ!・・・あの、カズマさんその噂広めた人知りませんか?」
ゆんゆんも苦労しているみたいだ。可哀想に。
「悪い、アクアからの又聞きだから分からない。そうだ。ゆんゆん、クズマとかカスマって広めたやつ知ってるか?」
未だに判明していない犯人。
そういや広まった時にゆんゆん居なかったし分かるわけないか。
「えっと、アクアさんが広めてたって聞きましたよ。・・・まさかアクアさんが!」
まさかの新情報!
帰ったらあの駄女神とっちめてやる!
「それは分からないけど、情報提供助かった。遊びたかったらいつでもウチに来てくれ、そうすりゃ噂も落ち着くだろうし」
「いいんですか?でも迷惑じゃないですか?」
本当にいい子だなゆんゆんは。
うちのポンコツどもに爪の垢を煎じて飲ませたい。
「大丈夫だって、友達が家に来るのは迷惑じゃないだろ?」
「はい、むしろ嬉しいです」
「それと一緒だ。ゆんゆんが屋敷に来てくれたらみんな嬉しいし、迷惑なんて思ってないって。それに俺とゆんゆんはもう友達だろ?」
実際アクアやダクネスも、最近ゆんゆん来ないの寂しいって、言ってたから間違ってないだろう。
めぐみんに関しては最近ゆんゆんが来なくなって楽でいいですねとか言いながらそわそわしてる。 どんだけツンデレなんだよって思った。
こうして友達が出来てたら来なくなっても仕方ないか。
あれ?ゆんゆんが急に喋らなくなった。
「カズマさん、ゆんゆんさんが泣いてますよ」
状況から察するに嬉し泣きだ。
「ゆんゆん?」
「あっ、すみません。友達って言って貰えたのが嬉しくてつい」
こんな事で泣いていたら、俺はめぐみんと付き合ったらどうすりゃいいんだ?
可哀想だし、何かしてあげたい。
「そうだ今からウチ来るか?」
「「え!」」
二人が驚く。
そっかロリーサの方は屋敷に来れないんだった。
「急に言われても無理だよな。何処かで飲まないか?勿論俺の奢りで」
この後、ゆんゆんが数分惚けたまま動かなくなったが、三人でカフェに行った。
魔王討伐の時の話とか、ダストの好きな人は誰かとかで盛り上がった。
最有力候補はリーンで決まった。
何故かロリーサは断定的にリーンだって言っていた。
もしかするとダストの最近の夢はリーンなのかもしれない。
リーン以外で可能性として上がったのはアクアを堕落させ、隙あらばめぐみんに抱きつこうとする俺の敵であるセシリーとか言うプリーストしか出て来なかった。
後にめぐみんから女の匂いがすると問い詰められたのは別の話だ。
時は経ち、誕生日当日。
予定通り準備は完了し、後は、ダクネスが起きるのを待つだけだ。
現在、アクアの披露する宴会芸の安全確認をめぐみんとクリスが行っている。
一度あいつの炎を出す芸で、ボヤ騒ぎになったから念には念をという事で確認している。
俺はダクネスが起きた時に足止め出来るよう、屋敷内で待機している。
まだ五時だから、起きてくる可能性は殆どないけど。
俺がこんなフラグとも言える事を考えた所為か、直ぐに問題が起きた。
アクア達が居るであろう方角から爆発音がしたのだった。
「大丈夫か!」
そう言って窓を開けて見てみると丸焦げになったアクアと、それを遠巻きに見ているめぐみんとクリスが居た。
二人は無傷のようだ。
「アクアが鳩を出すと言って取り出した金属の塊がピッピッピーって鳴って爆発しました!」
時限式爆弾とかだろうか。
何故そんな物があるんだとか聴きたいが、今更こんな事で驚いてられない。
「アクアさんが危ないから逃げてって言ってくれたおかげで、あたし達は無事だったんだけど、アクアさんが赤い線がどうとか言って、いじりだした後にめぐみんの言ってた音がして爆発したんだよ」
あいつホント運ないよな。
赤い線切ったら爆発したとかそんな所だろう。
「アクアの事は頼んだ。俺はダクネスの様子見てくる」
「分かりました!起きていたらアクアの介抱に連れてきてください。そうすればバレません」
「分かった」
急いでダクネスの部屋まで走り、様子を見たがまだ寝ていた。
久々の休日だからぐっすり眠っていて助かった。
アクアが心配だし、あっちに行こう。
戻るとアクアは着替えていて、何も無かったような状態になっていた。
アクアの涙目だけは変わってないけど。
「アクア大丈夫だったか?」
「全然だいじょばない。けど自分でヒールしたからもう大丈夫」
大丈夫そうで何よりだ。
確認しといて良かった。
中で爆発していたら、火薬もあるし屋敷全焼なんて事も有り得た。
「ダクネスは寝てたの?」
「嗚呼、ぐっすりとな。取り敢えず、物を出す系の芸はなしで行こう。確認はこれで全部か?」
「後は花鳥風月とかいつものやつだけですし、もう止めてもいいと思いますよ」
まあ、問題ないか。
「分かった。誰かそろそろいい時間だからダクネスを起こしてきてくれ」
「私が行きます。アクアは休んでてください」
「ありがとうめぐみん」
確かにめぐみんが適任か。
クリスが行ったら怪しまれるし、俺が行くと襲われる可能性がある。
「俺達は飯の準備だな」
「「分かった」」
料理も並び終え、準備万端だ。
クラッカーの用意も済んでる。
後はめぐみんがダクネスを連れてくるのを待つだけ。
そして数分経ち、扉が開かれた。
「今日は久しぶりにクエストを受けないか?」
ダクネスはめぐみんと話していて、気付いていないようだった。
そして俺達はクラッカーを引いた。
「な、何事だ?」
一瞬戦闘態勢に入ったが俺達を見て直ぐに力を抜いた。
「「「「ダクネスお誕生日おめでとう!!」」」」
「あ、ありがとうみんな!」
ダクネスは目頭を押さえて喜んでいた。
「これみんなからのプレゼントだよ。服はカズマくんで髪飾りがアクアさん、ネックレスはめぐみんで私がこの靴だからね」
「ダクネスほらちょっとこっちで着替えて、着替えて」
「嬉しいのだが、これは私には似合わなくないか?何方かと言うとめぐみんの方が」
内心嬉しいクセに素直じゃないな。
ちなみに色は黄色で揃えてるから明らかにダクネスカラーだ。
「もう、いいから早く早く!」
アクアに急かされてダクネスはクリスと三人で別室に連れていかれた。
「成功して良かったですね!」
「そうだな。でもまだ終わってないからな。最終目的は果たせてないし」
「分かってますよ。話は変わりますが、今夜カズマの部屋に行ってもいいですか?」
確かに話は変わるって言ったけど変わり過ぎじゃないか。
それに何気に魔王討伐してから初めての誘いだし、断りたくないけど、今日無理なのは仕方ない。
「嬉しいんだけど今日は無理だ。また今度な。そうだここに名前書いてくれないか?」
言って俺は結婚届をめぐみんに渡した。
「まあ、いいですよ。ってカズマなんですかこれは!新手のプロポーズですか!」
「そ、そうじゃない!ここだ!ここ」
俺が指さした先を見て、少し落胆しつつもめぐみんは名前を書いた。
「あのこれは誰のやつですか?相手の保証人の名前が全く知らない名前なのですが」
「ダクネスのだ。相手は前にお見合いしたバルターって貴族だ」
イグニスさんから急に呼び出されて、ウチの子を貰ってくれって言われた時は驚いた。
拒否したらあっさりと引いてくれて、だったらウチの子のお見合いを成功させて欲しいって言われて、一杯食わされた。
後から聞けば、最初から断るのは予想していたらしい。
「ちょっと待ってください。この話、ダクネスは知ってるんですか?」
「知らないぞ。でもな。お前もバルターの噂は知ってるだろ?あいつはその噂通りのやつだし、ダクネスに惚れてるから問題ないって」
「ですが好きでもない人と結婚と言うのはどうかと」
恋敵が減るって喜べばいいのに、めぐみんって本当に仲間思いだよな。
「そうは言ってもなあ。俺が言うのもなんだが、ダクネスの好きな人って俺だぞ」
めぐみんがちょっと不機嫌になってるのが分かる。
でもそれも可愛い。
「この話を無かった事にしたら俺らまた進展が遅くなるかもしれないぞ」
何言ってんだ俺?
言いたかった事と違うんだが。
ってこれじゃあプロポーズとさして変わりないだろ!
「ふん!しょうがないですね。カズマに付き合ってあげますよ」
はい、ツンデレ頂きました。
ご馳走様です。
「何ですか!そのにやけ顔は!私に喧嘩売ってるんですか?なら買いますよ!」
「ちょっ落ち着けって。そろそろダクネス達戻ってくるから」
丁度言い切った辺りでダクネス達は戻ってきた。
めぐみんはカッと睨み付けてからダクネスの方を見た。
「なあ、やっぱりこれは私には似合ってないと思うのだが。二人もそう思わないか?」
「「似合ってる」」
思ってる事をそのまま言ったらハモった。
まあ、実際似合ってるから当然かもな。
「うっ、これは私の好きな攻めじゃない!」
パーティーは終わり片付けを始めている中、ダクネスを呼んで二人で話をしている。
「この後、そのまま二人で外に出るけどいいか?」
「私はいいが。大丈夫なのか?」
「めぐみんの事か?俺とあいつは付き合ってないし文句言われねえって、それに話は付けてるし」
そう、魔王討伐前にめぐみんが言ってた凄い事が出来るかもしれないのに、こっちを優先してるんだ。
そこら辺は察して欲しい。
「そ、そうか。ならいいのだが」
「じゃあ行くぞ。向こうも待ち侘びてるだろうし」
親父さんとバルターは今頃、まだかまだかと待っている頃だろう。
「誰かを待たせているのか。では急ごう」
そしてダクネスの実家に到着した。
「カズマ。如何して此処なのだ?よく分からないのだが」
「これの話するからだ。時期に分かる事だし気にする事ねえって」
めぐみんの名前入り、結婚届を渡して言った。
「中に入ったらそれに名前書いとけよ。後で俺も名前書くから」
ダクネスが結婚届に困惑している中親父さんは出てきた。
「よく来てくれカズマくん!さあ、早く中に入ってくれたまえ」
「ありがとうございます。ほらダクネス行くぞ」
「えっ、嗚呼、今行く」
この後二人は別室に案内された。
俺の通された部屋は裏出口のある部屋だった。
着いてから数分経ちメイドと騎士がやってきた。
「結婚届をお持ちしました!」
「ありがとう。ちょっと待っててくれ」
二人は大人しく待っていた。
にしても我ながら最低だとは思うが、これもダクネスの為だし、仕方ないよな。
「出来たぞ。今日はありがとう。後の事は頼んだ」
「いえいえ、サトウ殿。こちらこそ、お嬢様をありがとうございます。こちらから外に出られますのでご安心を」
確かこの騎士って昔からダクネスの面倒見てた人だよな。
あれだけアルダープとの結婚については嫌そうにしてたのに、やっぱりちゃんとした人と結ばれて欲しいと思うのは皆、同じなのだろう。
「いやあ、助かるよ。今日は帰れないって思ってたからさ。あっ、これバルターに渡しといてくれないか、ウチの仲間が調べた。ララティーナの好み集だから参考に使って欲しいって伝えてくれ」
「畏まりました!それではお元気で」
こうして俺のミッションは完了した、
翌日、俺がダクネスによってボコボコにされるのはまた別の話である。
今回からこっちでキャラの誕生日は祝うのでよろしくお願いします!
カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて
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カズマ視点(天界)
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カズマ視点(討伐後)
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ヒロインズの誰か視点(天界)
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ヒロインズの誰か視点(討伐後)