天才音楽家とガールズバンドのハチャメチャな日常 作:ポテト・ポテト・ポテト
「ああ~もう一生ここから動きたくないよ~」
「春音、ふざけたことを言わないで。今から私とメンバー集めに行くのよ」
「嫌だ!というかなんで僕まで行かなきゃいけないんだ?」
「それは……あれよ!ええ、あれよ」
「いやあれってなんだよぉ!」
僕は今従姉の友希那に貴重な休日を潰されかけている。
ただでさえ僕は忙しいってのになんで貴重な休日を潰されることになるのか。
「早く着替えなさい。ジャージ姿でライブハウスは目立ってしまうわ」
「行かないから着替えない」
友希那が何と言おうと僕は絶対に行かないぞ!
友希那が僕のジャージのズボンを脱がそうと手をかけてきた。
「って何やってるんだよ!いきなり人のズボンを下ろすな!」
「小さい頃はよく一緒に着替えてたじゃない」
「いつの話だよ!」
一体いつの話を持ち出して来るんだよ。
一緒に着替えてた頃って幼稚園の頃位だろ。
「それもそうね」
どうやら分かってくれたようだ。
流石にこの年頃ではおかしいことだとわかったみたいだ。
「確かに春音も昔と比べるとかなり大きくなったわね。昔は私とあまり変わらなかったのに」
「そうなると友希那も大きく……はなってないな」
さっきまでの反撃に友希那のとある場所を見つめながら言った。
すると友希那の目付きが変わった。
「伯母さんに言いつけるわよ?」
「すみませんでした!」
すぐさま土下座。
流石に母さんに言いつけられるのはまずい。
キレた母さんはうちの学校の鬼の風紀委員なんて目じゃない位怖い。
そして結局母さんに言いつけるという最強の脅し文句で僕は家から引き剥がされた。
はぁ……もっとソファに寝そべって録画してたドラマ見たかったのに。
知り合いが出てるから見たかったのに。
結局ライブハウスに連れて来られた僕は友希那と二人でライブを見ている。
正直こんなライブハウスに本当に友希那が認めるような奴はいるのか?
全くそうは思えないな。
内心早く帰りたいと思いながら最後のバンドが登場した。
なんかギターの人に見覚えがある。
誰だっけ?
ああ、思い出した。
めちゃくちゃ美人なのに性格がキツすぎることで有名な風紀委員の……あれ?名前思い出せない。まあ鬼でいいか。
実際鬼のなんとかって言われてるもんな。
それにしても今日来たことに意味はあったみたいだ。
この鬼(仮)、今日演奏したメンバーの中でもレベルが段違いだ。
まるで次元が違う。
セッションしたくなってきた。
多分友希那のお目当てのギタリストってこの鬼(仮)だろう。
「友希那、勧誘行くか?」
「春音も気に入ったのね。行きましょう」
「オーケー」
さてと、鬼退治ならぬ鬼の勧誘にでも行きますか。
僕達は控え室に向かって行くと、中から怒号が聞こえてきた。
バンドじゃあ喧嘩なんてよくあるだろう。
知ったことじゃあない。
どうやら喧嘩が終わったみたいで数人控え室から怒った様子で出てきた。
これでようやく僕達も勧誘ができる。
「友希那、僕はカフェテリアでお茶でもしながら待ってるよ」
「ええ、分かったわ。絶対先に帰っちゃダメよ」
「分かってるって」
「いつも勝手に帰るから言ってるのよ」
「そうだっけ?まあいいや」
「良くない!」
どうやら友希那がご立腹だ。
さてと、切り札が切られる前に逃げよう。
逃げるが勝ちって言うしな。
カフェテリアでアイスティーでも飲もう。
僕は今カフェテリアでアイスティーを飲んでいる。
そして前には何故か、知り合いが座っている。
「どうして君がいるんだ?千聖」
「ここに春音がいると思ったからよ」
「僕は一人になりたかったんだけどな」
「別にいいじゃない。私と春音の仲なんだし」
「僕達の仲って言っても知り合ったの最近だろ」
「あら?そうだったかしら?てっきり私達は前世からの繋がりがあると思っていたわ」
「おいおい、スピリチュアルだなぁ。千聖らしくない」
「ふふっ、冗談よ」
「だろうな」
千聖は僕の知り合いで、先ほど録画していたドラマに出てる知り合い、というのも千聖のことだ。
その後もお互いに少し話していると、そろそろ向こうも勧誘が終わっている頃であろう時間になっていた。
僕は千聖と別れて友希那のもとに向かった。
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