天才音楽家とガールズバンドのハチャメチャな日常 作:ポテト・ポテト・ポテト
ようやく最近の僕の生活にクリティカルが出たみたいだ。
待て、最近色々あって幻覚が見えているのかな?
クソッ、状況が整理出来ない。
「あの、大丈夫ですか?」
「あ、ああ。大丈夫です。こっちは全然何とも無いです」
幻覚じゃあない!
これは、現実だ。
にしてもここまで僕の好みのタイプに当てはまっている人ははじめてみた。
「じゃあ、僕は行くよ」
「じゃあ」
僕は自分の手に持っている本を見て、とあることを思い出した。
図書室に誰かいるのか、という事だ。
「ごめん、一ついいですか?」
「は、はい……なんでしょう?」
「図書室に司書の人か図書委員の人でも誰か居ないんですか?本を借りたいのですが」
「すみません……図書委員の私が奥で作業をしていたばっかりに……」
「いえいえ、別に大丈夫ですよ」
どうやらこの美人(仮)が図書委員のようだ。
周りを見ていなかった僕が悪い。
仕事が終わるまで待っておこう。
「あの……借りないんですか?」
「いえいえ、仕事が終わってからで結構です」
「すみません……すぐに終わらせますので……」
「大丈夫ですよ。お構い無く」
僕は椅子に座って本を読み始めた。
ゆったり本を読んでいればすぐ終わるだろう。
と、言うのは建前であって。
実を言うと、こんなシチュエーション、自分から捨ててたまるか。
というのが僕の本音だ。
好みのタイプの美人と静かな部屋で二人っきり、なんて美味しいシチュエーションを自ら捨てる男は居ない。
これは全ての男性が共感してくれるだろう。
さてと、僕は本を読んでおくか。
いや、止めだ。
手伝いに行こう。
「あの、僕も手伝っていいですか?」
「いえ……そんな…悪い……です」
「僕は正直言って暇なので、これはただの自己満足ですよ。あなたが悪く思う必要は無いですよ。じゃあこれ、片付けておきますね」
とりあえず僕は高いところの本棚に片付けられる本を持ってその本棚に向かった。
とりあえず図書委員の人がさっきから高いところにある本棚に手を伸ばすときかなりの背伸びをしている。
見ていて危なっかしいので身長なら自信がある僕が代わりに高いところの片付けをしておこう、というわけだ。
そして、片付けが終わった。
「その……ありがとう…ございます」
「いえいえ、気にしないで」
「あの……さっきから私が高いところの本を片付ける時に…体勢が危なかったから、やってくださったんですよね?」
「違うよ。ただ適当に本を取っただけだよ」
鋭いな。
頭が結構切れるようだ。
それと近くで見て思ったが、彼女、ピアノをやっているだろう。
手を見ればすぐにわかる。
「素直じゃ……無いんですね」
「さあね。心当たりが無い」
その後、本を借りて、家に帰った。
そして一つ後悔がある。
あの美人の名前と連絡先聞いとけばよかった!
僕としたことが、うっかりしていた。
この先人生であそこまでの人と会う機会なんてもう無いかもしれないんだぞ!
翌日。
僕は放課後、短めの撮影を終えて本屋に寄って帰ろうと思って本屋にやって来た。
お、この小説、新刊出てたんだ。
買おう。
そう思って手を伸ばすと、誰かの手に当たった。
「すみません」
「こちらこそすみません……」
そう言ったのは昨日の美人だった。
僕は最近のファンブルの分をもう取り戻したんじゃあ無いだろうか。
偶然過ぎる。
何ともあり得ないレベルでの偶然だろう。
2日続けて同じ人と偶然ばったり接触するなんて。
こんな事が実際に起こるのだろうか。
やっぱり幻覚が見えているのかな?
自分の頬をつねってみる。
痛い。現実だ。
「偶然、ですね」
「そうですね。あなたもこの作家さんの本、好きなんですか?」
「ということは……貴方も?」
「そうなんですよ。あれ?」
「どうしたんですか?」
「いや、あなたも僕と同じ本、他にも買うんですね」
「言われてみれば……そうですね」
彼女の手には僕が今持っている本と同じ本が数冊ある。
結構趣味が合うのかもしれない。
「僕達って、結構趣味が合うのかもしれないですね」
「そう……ですね。それじゃあ、少しお話しませんか?」
「ああ、いいですよ」
こうして、運良く美人と少しお話する事になった。
場所は本屋の二階にあるカフェだ。
「ピーチティー一つ」
「ホットミルクを……一つ」
二人とも注文し、すぐに飲み物が出てきた。
ここのピーチティー、一度飲んで見たかったんだ。
花音曰く、ここのピーチティー、凄く香りがいいようだ。
確かに、いい香りだ。
茶葉の香りとピーチの香りがちょうど良くマッチしている。
「あの……どんな本が好きなんですか?」
「ああ、僕はだいたい、どんなジャンルでも好きだよ。恋愛小説から、ホラー、SFにライトノベルまで何でも」
「そうなんですか。私も……そんな感じです」
その後も二人で結構長い間話し込んだ。
こんなに趣味の合う人は初めてだ。
「あの、連絡先……交換しませんか?」
「いいですよ」
こうして、連絡先を交換して各自自宅に向かった。
その日の夜、チャットアプリで話し込んでしまい友希那からのメールは無視してしまい電話で次の日怒られたり、学校では氷川に怒られたり、昼休みに千聖のお説教を食らうなど、つくづく僕はクリティカルかファンブルしか出さないタイプの男なんだと思った。
それと、美人、改めて白金さんは同じクラスなのだと知った。
どうしてお互いに気づかなかったんだろう。
不思議だ。
さてと、今日も放課後に図書室行くか。
燐子回、無事終了!
それと感想欲しいです!
メインヒロイン投票
-
友希那
-
燐子
-
千聖
-
花音
-
リサ