天才音楽家とガールズバンドのハチャメチャな日常 作:ポテト・ポテト・ポテト
「ハル~、朝ご飯できたよ~!起きて~!」
誰かが僕の家にいるのか?
この家に僕以外でいつでも入ることができるのは……、あいつしか居ないな。母さん曰く僕の未来のお嫁さんであるあいつだけだ。
「起きたけど、どうして君が僕の家に居るのかな?リサ」
「ハルが最近忙しいって友希那が言ってたからご飯しっかり食べてるのかな、って思って」
「余計なお世話だ。僕は忙しくても食事は疎かにはしないってリサが一番知ってるだろう?」
本当に余計なお世話だ。
でも、こんなバレバレな嘘を吐くってことは他に理由があるってことだろう。
「で、本当の理由は何なんだ?」
すると、リサは少し頬を赤らめて言った。
「だって、最近ハルとあんまり会えてなかったし……。で、会いたくなったから来ちゃった」
なるほど、そういうことか。
どこかの幼児体型と違って可愛げのある理由だな。
本当にあの幼児体型はどうでもいい理由でうちに来る。
猫のDVDがみたいから、だとか伯父さんと喧嘩した、だとか。
こっちだって暇じゃないんだ。
最近、ラジオのレギュラー番組を持って仕事が少し増えた。
この番組は千聖と二人で学生からの色々なお便りを返していく番組なので、気楽といえば気楽だけど。
「なるほど。そういえば2週間ほど会ってなかったな。まあ、詳しい話は朝ごはんを食べながらにするか。早く食べないと冷めるしな」
「そうだね」
こうして、僕とリサは食卓についた。
その時、僕はふとリサの爪に気がついた。
「リサ、その爪どうしたんだ?ボロボロじゃないか」
「ああ、これはね~、実はアタシまたベース始めたんだ~」
何!リサがまたベースを始めた、だと……。
「それでねー、友希那のバンドに入ったんだ~」
何だと……。友希那の奴、どうしてそれを僕に言わないんだ。
「どうして友希那はそれを僕に言わないんだよ」
「このことはアタシからハルに言おうと思ってたんだ~」
なるほど。そういうことか。
友希那がついに猫のかわいさに脳ミソやられたのかと思った。
「どうしてそう思ったんだ?誰が言ったとしても結局僕の耳に届くんだからわざわざリサが言う必要は無いと思うんだけど」
すると、リサは頬を膨らませて言った。
「も~!ハルは昔から察しが悪いんだから~」
「良くわからないけど、謝るよ」
僕達は朝食を食べ終え、僕は録画してあるサッカーの試合でも見ようとソファに座った。
するとリサが隣に座ってきた。
「ハル、今日午後から暇?」
「ああ、特に予定は無いよ」
「それじゃあ、練習見に来てくれないかな?メンバーの皆と顔合わせといた方がいいと思うし」
確かにリサの言う通りだ。
メンバーとも早めに顔を合わせといた方が良いかもしれない。
一理ある。
「それもそうだな」
よし、これで午後からの予定が決まった。
さてさて、友希那はどんなメンバーを集めたのだろうか。
友希那が集めたからには皆一級品のスキルを持っているだろう。
そして僕がサッカーの試合を見終わる頃、ちょうどお昼の時間となった。
「リサ、昼は僕が作るよ。パスタでいい?」
「いいよ~」
僕はすぐさま料理に取りかかる。
それから数分後、完成したパスタを持ってリサの待つ食卓に向かった。
「ハル、また料理上手くなったんじゃない?」
「まあね。そりゃあ毎日やってたら上達もするよ」
なんとなく、人に誉められるのは悪い気がしない。
そしてランチタイムを終えて、CiRCLEに向かった。
すると、見覚えのある人物が友希那の隣にいた。
「こんにちは……春音君」
「燐子、どうしてここに?」
「燐子はうちのバンドメンバーよ」
僕は燐子がここにいることを疑問に思ったが友希那の説明で納得した。
燐子の実力は折り紙つきだからな。
手を見ればわかる。
それと、一人だけしらない小さな女の子がいた。
「ねえりんりん、知り合い?」
「うん、でも…あこちゃんも知ってると、思うよ。春音君は、有名人だから……」
この子はあこって言うのかな?
きっとそうだろう。
それからあこは首を捻って少し考えた後、閃いたかのように笑顔になった。
「あ!思い出した!最近テレビで良くみる人だ!」
「大正解だよ。まぁ、テレビで見る僕とは髪型とか違うからわかりづらかったと思うけどね。名前は知ってるだろうけど、改めて。僕は湊春音。よろしく」
「よろしくお願いします!春音さん!」
「ああ、こちらこそ」
こうして、メンバーとの対面は終了して少し練習した後、僕達はファミレスに来ている。
「やっぱハルってすごいよね~。音ちょっと聴いただけで考えてることまで分かるなんて」
「全くです。でもいきなり演奏止めてまで言われると、恥ずかしかったです」
この件については少し遡る。
まず皆に演奏をして貰ったんだ。
すると、氷川が一瞬ポテトのことを考えていることが音で分かった。
だから一度演奏を止めて僕が、
「ポテトのことを考えるな、氷川」
と言ったことが原因だ。
それから氷川の機嫌が悪い。
まぁ、これについては僕も悪かったとは思う。
今度から気をつけよう。
「その件については悪かった。氷川、これからは僕も気を付けるよ」
「そうしてくれるなら、許してあげます」
ようやく氷川の機嫌が直った頃、もう結構遅い時間になっていた。
そして僕は今帰路についているのだが、
なぜか僕の住んでいるマンションとは家が逆方向であるリサが着いてきている。
「リサ、お前の家は逆方向だぞ?」
「それくらい知ってるよ~?」
「じゃあどうして着いてきてるんだ?」
「だってアタシ、今日ハルの家に泊まるからね~」
「聞いてないんだけど」
「ハル、携帯見てみて?」
携帯を見てもどうにもならないだろう、そう思い携帯をだすと、リサの母からメールが来ていた。
『春音君、うちのリサを頼むわね★』
「そういうことか……。しょうがない。特別だぞ?」
「ハルも素直じゃないな~、嬉しいならそう言えば良いのに~。あれ、ハル照れてる?」
「照れてない」
それから家に着くまで散々弄られ続けた。
そして家に着いてから少しテレビを見ながら談笑したり、交代でシャワーを浴びたりなど普通に過ごした。
こ こ ま で は
僕は寝ようとして自室に入り、ベッドで眠りに就いた。
少しして、変な時間に目が覚めた。
すると、目の前でリサが寝ていた。
「え?」
お久しぶりです。
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