「オモチャ箱が壊れたなー。二つも」
玉座に座った王が、つまらなそうに言った。玉座の前には一人の来訪者。
「そうなんですか!?やりますね!また、操れるオモチャの数が減ってしまったわけだ!」
「地道に、こちらの兵力を削って行ってるな。小賢しい!」
いつも明るい道化者は、笑いながら話を聞く。
「兵士長が向かったが、どうなったか」
「兵士長!合わないんですよね、あの方とは!」
王の間にて、道化師は明るく愚痴をこぼす。
「だろうな。兵士長は、騒がしい人間を嫌う」
玉座では、王が頬杖をつきながら話を聞いている。
「それは、どうかと思います!ええ!せっかくの人生、楽しく陽気に!」
大げさな挙動で、語る道化師。とても芝居がかっていて、胡散臭い。
「なんと、嘆かわしい!みんな仲良く、とはいきませんね!王よ!」
「いかないだろうよ。それはな」
くるくると回りながら王の間を歩き回る道化師は、ぴたりと動きを止めた。
「それは、体験からの言葉ですか?」
「・・・・・・かもな」
王は目を伏せ、過去を想う。
「あの日のことは、今でも忘れん。・・・・・・今でも、夢に見る」
「・・・・・・」
王の姿を、道化師は無言で見ている。
「そんなだから、貴方は」
道化師のロからでた言葉は、陽気さが失せたものだった。
「? なにか言ったか?」
「いえいえ! なにも!・・・・・・さて、私はそろそろ行きます!」
「・・・・・・そうか、お土産ありがとうな」
どういたしまして、と道化師。
「お礼に・・・・・・ええっとアレだ。いかん!最近、物忘れが激しい」
「ハハハ! お礼なんて要りませんよ!」
道化師は独特のステップを踏みながら、王の間を後にした。
「行ったか・・・・・・」
道化師を見送った王は、溜息を吐いた。
「本当に、掴めんな。奴は」
長い付き合いだが、彼は道化師の心がいまいち分からずにいた。
「体験、か」
目を閉じ、再び過去を回想する。
小さい自分の周りに漂う死の気配。その気配を振り切るように、彼は必死で逃げた。故郷を捨てて、逃げた。
「あの時・・・・・・」
望んだものはなんだっただろうか。今では酷く朧げだ。過去に戻れるのなら、ぜひとも聞いてみたいと思う。
「・・・・・・もしかしたら。儂は」
今でも待ち望んでいるのかもしれない。子供の頃、夢見た幻影を。
「しかし、道化師の奴が動いた」
思い浮かべるは、不気味な道化師。さっきの様子を見て、彼が動き出すことを予感している王。
狙いは分かっている。箱に入ってきた際、自分に近しいものを感じたあの若者だと。
「壊れてしまうかもな。儂の下に来る前に」
原作の雰囲気が感じられるか
-
かなり
-
普通
-
微妙