「厄介な……!」
王の間の手前の部屋にいる人間は、二人。
一人は黒ずくめの、人相が悪い男。もう一人は全身を鎧で包んだ、巨体の男。
二人の男は、互いのやり方で戦いを進める。
「ちょこまかと!」
兵士長は、怒気を込めながら剣を振るう。剣から斬撃が【飛び】、床を削りながらカポネに襲いかかる。
「! 飛ぶ斬撃かッ!」
斬撃を飛ばす技術がこの広い海には存在する。
カポネはそれを右に回避した。擦れ擦れで隣を通り抜けた斬撃により、後方の壁が抉られて破壊される。
「回避だけは上等かっ!」
兵士長の怒りの原因の一つは、相対するカポネの戦い方。カポネの小賢しい戦い方が、正々堂々を良しとする兵士長は気に入らない。
「しぶとい!」
しかし、苛立っているのはカポネも同じ。どれだけ策を弄しても、強力な武装に弾かれてしまう。
「・・・・・・やはり無茶だな! 硬すぎる!」
床に散乱するいくつもの銃弾。その全てが武装して放った物だが、兵士長には大して効かない。
元々、直接的な戦闘は得意じゃないカポネの表情が、だんだん険しくなっていく。
「どうした!手詰まりか!」
兵士長は更に意志を高め、剣を振る。
「うおっ!?」
剣の切っ先が、カポネの服をかすめた。
「……仕方ねェ。ああ言った手前、少し格好悪いが」
カポネの目つきが、決意を固めたものになる。それを見た兵士長は動きを止め、身構えた。
(何だ?次は、どんな手で来る?)
カポネの次の手に、彼は思考をめぐらせる。
「……あばよ!!」
満面の笑みと共に、カポネは煙幕を張った。
兵士長の視界を、煙が覆う。
「貴様っ!?」
カポネを見失なった兵士長は、以前、彼に逃げられた時のことを思い起こす。
(逃げた!?いや、しかし、だが、奴は、この、状態を)
混乱する兵士長の思考。
それに紛れるように、銃声が鳴った。
「ぬっ!?」
兵士長は、咄嗟に銃声のした方へ向く。
煙を貫き、襲いかかる銃弾。
強力な武装をほどこされた銃弾は、彼の鎧を砕き、体に突き刺さる。
「……!! 舐めるなっ!!」
兵士長は渾身の武装で、銃弾に対抗する。ぶつかり合う強力な二つの覇気。
「ぬんっ!!」
弾かれる鉄の塊。勝ったのは兵士長。
「残念、だったなっ!!」
「……くそがっ!!」
カポネの罵倒が部屋に響き渡る。
その罵倒を合図に、多数の銃撃が兵士長の背中を襲った。
それは伏兵からの奇襲。どう考えても別空間から出現したとしか思えない、予想できぬ敵の増援。
「!? なっ!?」
兵士長の背中に撃ち込まれた多数の弾丸、それは致命傷を与えるには充分。
(背後から伏兵による銃撃っ!? どこに潜んでっ!?)
撃ち込まれたのは、武装色が薄い部分。
そう、背面こそが彼の弱点。カポネはそれを見抜いていた。
「がっ!! はっ……!!」
彼は吐血しながら、体勢を崩す。
「まだ、だ……!!」
しかし気力で踏みとどまり、カポネのいる方へと突進する。
煙で視界は悪いが、このままでは何もできず倒れる。それだけは許されない。
「オレはっ!! まだっ!! あの人にっ!!」
まともな判断力を失った状態で、なお戦い続ける兵士長。眼は血走り、口から血をまき散らす。
「う、おおおおお!!!」
全ては恩人のため。王に対する情がなせる行為。
逸脱した精神を燃料に、最後の力を燃やし尽くす――。
「……くだらねェ」
僅かな呟き。複雑な感情を伴いつつ、カポネは引き金を引いた。
ウルージ:原作らしさが出ているか
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かなり
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普通
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微妙