妖刀との出会い~三人の最悪の世代   作:幸福野郎

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くだらない

「厄介な……!」

 王の間の手前の部屋にいる人間は、二人。

 一人は黒ずくめの、人相が悪い男。もう一人は全身を鎧で包んだ、巨体の男。

 二人の男は、互いのやり方で戦いを進める。

「ちょこまかと!」

 兵士長は、怒気を込めながら剣を振るう。剣から斬撃が【飛び】、床を削りながらカポネに襲いかかる。

「! 飛ぶ斬撃かッ!」

 斬撃を飛ばす技術がこの広い海には存在する。

 カポネはそれを右に回避した。擦れ擦れで隣を通り抜けた斬撃により、後方の壁が抉られて破壊される。

「回避だけは上等かっ!」  

 兵士長の怒りの原因の一つは、相対するカポネの戦い方。カポネの小賢しい戦い方が、正々堂々を良しとする兵士長は気に入らない。

「しぶとい!」

 しかし、苛立っているのはカポネも同じ。どれだけ策を弄しても、強力な武装に弾かれてしまう。

「・・・・・・やはり無茶だな! 硬すぎる!」

 床に散乱するいくつもの銃弾。その全てが武装して放った物だが、兵士長には大して効かない。

 元々、直接的な戦闘は得意じゃないカポネの表情が、だんだん険しくなっていく。

「どうした!手詰まりか!」

 兵士長は更に意志を高め、剣を振る。

「うおっ!?」 

 剣の切っ先が、カポネの服をかすめた。

「……仕方ねェ。ああ言った手前、少し格好悪いが」

 カポネの目つきが、決意を固めたものになる。それを見た兵士長は動きを止め、身構えた。

(何だ?次は、どんな手で来る?)

 カポネの次の手に、彼は思考をめぐらせる。

「……あばよ!!」

 満面の笑みと共に、カポネは煙幕を張った。

 兵士長の視界を、煙が覆う。

「貴様っ!?」

 カポネを見失なった兵士長は、以前、彼に逃げられた時のことを思い起こす。

(逃げた!?いや、しかし、だが、奴は、この、状態を)

 混乱する兵士長の思考。

 

 それに紛れるように、銃声が鳴った。

「ぬっ!?」

 兵士長は、咄嗟に銃声のした方へ向く。

 煙を貫き、襲いかかる銃弾。

 強力な武装をほどこされた銃弾は、彼の鎧を砕き、体に突き刺さる。

「……!! 舐めるなっ!!」

 兵士長は渾身の武装で、銃弾に対抗する。ぶつかり合う強力な二つの覇気。

「ぬんっ!!」

 弾かれる鉄の塊。勝ったのは兵士長。

「残念、だったなっ!!」

「……くそがっ!!」

 カポネの罵倒が部屋に響き渡る。

 

 その罵倒を合図に、多数の銃撃が兵士長の背中を襲った。

 

 それは伏兵からの奇襲。どう考えても別空間から出現したとしか思えない、予想できぬ敵の増援。

「!? なっ!?」

 兵士長の背中に撃ち込まれた多数の弾丸、それは致命傷を与えるには充分。

(背後から伏兵による銃撃っ!? どこに潜んでっ!?)

 撃ち込まれたのは、武装色が薄い部分。

 そう、背面こそが彼の弱点。カポネはそれを見抜いていた。

「がっ!! はっ……!!」

 彼は吐血しながら、体勢を崩す。

「まだ、だ……!!」

 しかし気力で踏みとどまり、カポネのいる方へと突進する。

 煙で視界は悪いが、このままでは何もできず倒れる。それだけは許されない。

「オレはっ!! まだっ!! あの人にっ!!」

 まともな判断力を失った状態で、なお戦い続ける兵士長。眼は血走り、口から血をまき散らす。

「う、おおおおお!!!」

 全ては恩人のため。王に対する情がなせる行為。

 逸脱した精神を燃料に、最後の力を燃やし尽くす――。

 

「……くだらねェ」

 僅かな呟き。複雑な感情を伴いつつ、カポネは引き金を引いた。

ウルージ:原作らしさが出ているか

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