妖刀との出会い~三人の最悪の世代   作:幸福野郎

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その島

 その国は、とても豊かで治安も良い。

 ここは、かつて東の海にあった国が源流とされているが、いまではその時代のくわしい資料は残っていないようだ。

 この時期は武闘大会が開かれていて、国全体が普段より賑わっている。

「今回の大会もすごかった!王はやっぱり強いな。国の誇りだ」

「ああ……しかしあの妖刀、なんで使わないんだろうな」

 ニ人の男が雑談をしながら、町道を歩く。

 ここはロー達の目指す、妖刀のある島に存在する町。

「宝の眠る洞窟!怪奇現象の起きる岩石地帯!ロマンだ!」

「全部ウワサだろ?不確かな」

「それでこそロマンだ!」

 大会と同時に祭りも行われ。

 町は活気に満ち溢れ、人々は活力に満ちている。

「いらっしゃい!!美味しいお菓子、揃ってるよ!今なら大サービス!」

「エレファントホンマグロの解体ショー!!始まるよっ」

 町道に点在する屋台からは、カボチャや鳥肉など、様々な食べ物の匂いが流れていた。

「なかなか作りこまれてるな。それ」

「だろ?徹夜したんだ」

 仮装をして道を歩く人々が、ちらほらと見受けられる。

「あっち見に行こうぜ!」

 人々は祭り気分を味わいながら、道を行く。

 そこだけを切り取って見れば、とても良い町に見える。

「食べに行かないか?パン料理がうまい店があるんだ」

「あの服可愛い!」

 

「病気持ちの集落は何とかならないのかね」

「ああ、怖いよな。何とかして欲しいよ。本当」

「全部、燃やしちゃえば良いんじゃね?」

「ギャハハハ、お前ひでェな!!」

 

 

 

「いや、変わったな」

「と、申しますと?」

 広い空間。玉座の置かれた部屋で会話を交わす、部屋の中央に吊下がっている巨大なシャンデリアによって、禿げた頭を光らせる、着物を着た老人。

 老人の対面には、巨人族と呼ばれる巨大な種族、それよりもいくらか小さい大男が立っていた。大男は、鎧を全身に纏っている。

 玉座に座った老人は大男の問いに対して、面倒そうに返答する。

「だから、箱に変化があったんだ。かなり強い奴等が入りこんできた。その中に一人、とびぬけて強いのがいる。中々、厄介なことになったな兵士長」

「その割には少し楽しそうだな。王よ。……まだ、以前の侵入者をどうにかできていないんだぞ。それどころか、兵士を消されている……海軍本部にも疑いの目を向けられているそうじゃないか」

「大将、黄猿……この島に来た時は流石に驚いた。幸い、何事もなくすんだがな!」

「闇の世界にも手を回したからな。しかし、何を考えているか分からない男だった」

 少し不満そうな感じで兵士長は言う。

 

「大将はマズい! 手に負えん! もぐもぐ・・・・・・まあ大丈夫だろう。倉庫には武器が大量にあるし、儂にはお前がいる。頼りにしてるぞもぐっ・・・・・・兵士長。・・・・・・それにしても侵入者の目的はなんだろうなもぐ?」

 

 王は玉座の近くに置いてある小さいテーブルから、細長いパンを手に取って食している。

「食べながら喋るのは止めておけ王よ。・・・・・・侵入者の目的か。そうだな・・・・・・」

 もぐもぐとパンを食べながら喋る王に呆れながら、兵士長は侵入者の目的について思考を巡らす。

 彼は数十秒ほど思考を巡らした。そうして口を開く。

「やはり、王が所持してる妖刀では?かなり上等な刀なのだろう?」

「フム、お前もそう思うか。儂も何となくそうじゃないかと思っていた。・・・・・・しかし、そうなると侵入者は気の毒だなもぐ。・・・・・・兵士長、なぜ儂があの刀を使わないか分かるか?」

「そういえば、いつも持ち歩いている割に使わないな。何故だ?」

「使えば殺されるからだ」

「・・・・・・なに?」

 何を言ってるのか分からないという風に首をかしげる兵士長。一瞬、冗談かと思ったが、苦々しげな声色から本気で言っているのだと判断する。

「誰に殺されるんだ?」

「無論。妖刀・鬼哭にだ。使おうとすると分かるんだ。この刀は儂を殺すと」

「・・・・・・なんでも道化師の奴が言うには、あの刀は相応しい持ち主を探しているらしくてな。なのに中々見つからないもんだから苛立っていて、八つ当たりで相応しくない奴を何人も殺してきたそうだ」

 道化師。その名前が出た途端、兵士長の顔が少し歪む。どうやら彼にとって好ましくない人物のようだ。

 王は、気にせず話を続ける。

「つまり、仮にもぐっ侵入者が儂の刀を手に入れても、使ったらぽっくり死ぬわけだ。ああ、なんと滑稽な。想像するだけで笑えてきたぞもぐ。・・・・・・フフフ、ハハハハハハハハッ! ごはっ!? ゲホッ!! ゲホッ!! みずっ!! みずっ!! しぬっ!!!」

(言わんこっちゃない・・・・・・)

 せき込む王に対して兵士長は、予め用意していたコップに入った水を差し出す。それを目にもとまらぬ速さで受け取り飲み干した王は、何事もなかった様に話を再開する。

「・・・・・・仮に、の話だがな。そんな事にはならないだろう。――兵士長、侵入者に兵を差し向けろ。まずはお手並み拝見だ」

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