「ギャハハハハ!飲め!騒げ!」
「一曲歌います!」
町の酒場。酔って歌を歌いだす客、仕事仲間と酒を飲み交わす客、ひたすらに酒を飲み続ける客。色んな客でごった返し、賑やかな店内。ハートの海賊団の四人も店内の左隅にあるテーブル席で一息ついている。
「何でこの店にはパン料理しかねェんだ・・・・・・」
船長の気分は少し落ち込んでいた。他の船員が美味しそうなパン料理を食べている中で、彼だけはドリンクで済ませる。
「あー、そういやキャプテンってパン駄目だったっけ」
「勿体無い。こんなに美味しいのに」
そう言いながらシャチとペンギンは、対面に座るローに見せつける様に、香ばしい匂いを放つホットドッグを食す。
ベポはその光景を気の毒に思ったのか、彼に対して自分のドリンクをそっと差し出す。
「元気出せキャプテン!おれのドリンクやるから!」
「・・・・・・ありがとよ」
木のコップを掴むロー。
思うところはあったが、ベポの気遣いを素直に受け取る。
「・・・・・・でも、なんでそんなにパン嫌いなんだ?」
「それそれ。前に聞いた時ははぐらかされたけど、ちゃんとした理由あるのか?」
「・・・・・・理由、か」
理由を探ろうとするとローの脳裏に浮かぶのは奴等の影。打倒しなければならない者達。止めなければならない奴。
今の彼では到底倒せないほどの暴力的な力を持っていた・・・・・・恩人を奪った男。
「あると言えばある」
「・・・・・・そっか。なんだか分からないが大変だなキャプテンも」
「全くだ!こんな美味い料理食えないなんてよ!」
「美味しい料理なら他にもいっぱいある!世界はこんなに広いんだ!」
船長の緊迫した雰囲気に気づいたのか、船員たちは不自然なほどテンションを上げて場を和ませようと試みる。それがあまりに不器用だったので、ローは思わず苦笑する。
「この国って賑やかだし、料理も美味いし、サイコーじゃね?一部をのぞいて」
「それに・・・・・・第16代だったか、17だったかの王様は好かれてるみたいだしな」
「武闘大会、この後見に行こうッ!」
「遊びじゃねェぞ」
国の雰囲気は悪くなく、ハートの一味もそれを感じていた。
仮装している者が多いので、ベポが目立つこともない。
「一気飲み!行くぜ!」
「おう!やれ!やれ!」
「吐き出すなよ!」
それからしばらくの間、三人の馬鹿騒ぎは続く。
「あー、騒いだ騒いだ。・・・・・・そうだ、キャプテンに伝えなきゃいけない事あったな」
「あー、奇遇だな。おれもだ。――おれ達尾行されてるぜ。キャプテン」
突然だった。さっきまでの和やかな雰囲気が変わり、真剣なものになる。しかし、ローに動揺はない。
「ああ、気づいてた」
「えっ!?・・・・・・気づかなくて、すいません」
気づいていた。自分達を尾行する者がいる事を。・・・・・・まだ確信には至ってないが。
王都に入ったあたりでその気配は現れた。
「……」
ローは思案する。
(この国は基本的に余所者は入ってこない、閉ざされた国の様だ。警戒して監視を?この島で採れる高価な鉱石や、王に関するきな臭い噂。関係ありか?)
自分たちの存在に気付いた方法は。
「悪魔の実か、見聞色の覇気だな」
見聞色の覇気。覇気と呼ばれる特殊な力の一種。
その効果は、人が発する声を聞くという物。そうする事で遠く離れた人間の位置を把握することが出来る。
「覇気を使えんのか!王様!」
「キャプテンと同じだな!」
「そっちは不確かだが」
事前に得た情報によると、この国の王は能力者らしい。更に、他人の位置を把握できる能力にはいくつか覚えがあった。
「・・・・・・どちらの可能性もあり得るか」
それならどちらの可能性も想定して動くしかない。そう考え、思考を切り替える。
「で、どうするよキャプテン」
「ふんづかまえようぜ!」
シャチとペンギンはそれぞれ、足元に置いてあった自分の得物が入った袋を手に取り、握りしめる。二人の戦意は満々の様だ。
一方のローは、同じ様に足元に置いてあるそこそこの名刀をちらりと見て、何事かを数秒思案した後に口を開いた。
「尾行が確定次第、打ち合わせ通りやる。迅速にな」
原作の雰囲気が感じられるか
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かなり
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普通
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微妙