広場には既に鎧達の姿がなく、残されたのは老人が一人。そして、新たに男が一人。
「逃げられたか・・・・・・」
王は神妙な顔つきで侵入者達が逃げて行った方角を睨む。しかし、頭には兵士長の拳骨による、たんこぶが出来ている。
「逃げられたかじゃない。反省しろ」
「・・・・・・少し強く殴り過ぎだろう。たんこぶ出来たぞ!」
瘤をさすりながら不満気な王。それ以上に兵士長は不満気だ。
「頼むから勝手な行動は慎んでくれ」
怒気と気遣いが混じった声色で王に言う。流石に申し訳なく思ったのか、王は頭を掻く。
「悪かった。なるべく気を付ける」
「なるベくか・・・・・・。まったく、こっちの苦労も少しは分かれというのだ!」
ため息を一つ。彼はこれ以上言っても無駄と判断し、話を変える。
「・・・・・・それで、侵入者の様子は?」
「西側、森の方に逃走したな。一番強いオモチャを五体向かわせたし問題ないだろう」
「・・・・・・あの巨漢は危険じゃないか?」
王を殴り飛ばした男。最も警戒すベきは奴だと兵士長は考える。
「あの男の武装は妙に安定していないからな・・・・・・そうでなければかなりの脅威だったが」
言いながら殴られた腹をさする。男の拳はそれなりに効いたようだ。
「・・・・・・そうか。こちらの目立った損失は?」
「二番目に強いオモチャが三体壊された。兵士長も見ていただろう?刀を持った男の力」
「ああ、奴も危険だな。鎧達を容易く切断するとは・・・・・・」
「全くだ。恐ろしい・・・・・・ッ!」
苦々しく言う王。だが、言葉とは裏腹に王の顔には僅かな楽しみの色が表れていた。
「そういう割には楽しそうですね。貴方は」
王達の後方から声。ニ人が聞き覚えのある声だったが、抱く感情は違った。
「・・・・・・なんの用だ」
「久しぶりだな道化師! 元気してたか? 今回の一人旅はどうだったよ?」
道化師。そう呼ばれる長身は、王達の後方十メートル程の所に立っていた。
印象的な赤く丸く大きな鼻、派手なメイクとごてごてした衣装のせいで男か女かも分からない彼(彼女)は、陽気に返答する。
「ゲハハハハ!!ええ!元気でしたとも!王も元気そうでなにより!兵士長!なにやら戦っていたみたいなので、興味が!」
「・・・・・・お前に教えることなど、何もない。大した戦力にはならないだろう。その能力は直接的なケンカには向かない」
「おいおいドライだな~。道化師よ。儂はめっちゃ期待してるぞ! 航海士としての腕は超一流だしな!」
そっけなく言い放つ兵士長とフォローする王。それでも道化師の態度は変わらない。
「それはどうでしょうかね兵士長? 案外、役に立つかもしれませんよ!」
道化師は不気味に笑う。
「あっ、これお土産ですー」
「おー!うまそうな肉―ッ!! 気が利くな道化師!」
「ゲハハハハ! それほどでもありますよー! サービス山盛りです!」
「それはそうと、腰が痛いからおぶってくれ兵士長」
「老人かッ!?」
「老人だよッ!!」
結局、兵士長は王をおぶる羽目になった。
原作の雰囲気が感じられるか
-
かなり
-
普通
-
微妙