妖刀との出会い~三人の最悪の世代   作:幸福野郎

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話を聞こう

「それにしても、よくお前らあの老人から逃げられたな」

 ローが疑問に思ったこと。それは、ベポ達がどうやって逃げ切ったのかということだった。

 状況が悪かったにしても、彼を一撃で倒した力。あの力はかつて見た、奴の敵に対する容赦ない暴力に匹敵するとローは考えている。ベポ達もかなりの手練れだが、それでも逃げるのは困難だろう。

「ああ、それなら、助けてくれた人がいたんだ」

「上半身裸の、羽が生えた筋肉むきむきおっさんがな!」

「・・・・・・?」

 聞き間違えたか?と思ったローはもう一度聞くことにした。

「悪ィ、もう一回言ってくれ」

「?いや、だから、上半身裸の、羽が生えた筋肉むきむきおっさんが助けてくれたんだよ」

 どうやら聞き間違えたわけではなさそうだ。少しだけ考え込むロー。

「・・・・・・冗談か?」

「いや!冗談じゃねェよ!本当だよ!」

「そうだぜ、キャプテン!・・・・・・思い返してみると、格好良かったよなー。男だったらあの力強さに憧れるよ、うん」

 どうやら冗談でもなさそうだ。普通に考え込むロー。

 体に刻まれた奇抜なタトゥーに反して、彼には割と常識人的な所があった。なので、彼の中の常識が仲間たちの言葉を受けて困惑しているのだ。

(上半身裸・・・・・・そういう趣味か?羽は・・・・・・世界には巨人、魚人、ミンク、様々な種族がいる。あと、ゾオン系の悪魔の実)

 問題はなぜ助けたかと、ロー。

 彼は自分達を助けた者の外見については一応、納得した。だが、疑問は残っている。

「ここはその男の家か?すぐに話せるか?」

「・・・・・・なんで助けたか気になってるんだろうが、ウルージさんは良い人だと思うぜ。力が欲しくて助けたのも本当みたいだが・・・・・・詳しい話をしたいって言ってたな。今ならこの、仮の家の居間にいると思うぜ」

「おれもウルージさんは良い人だと思う。もう一方は怪しいが」

ハートの海賊団の窮地を救った男、ウルージを親しげにさん付けで呼ぶ仲間に少し顔をしかめるローだったが、それ以上に気になる発言があったので流すことにした。

「もう一方ってことは、他にも助けはあったのか」

「あった。ウルージさんが助けてくれた後、町の西の森に逃げたんだけど、あの鎧達が追いかけてきてさ・・・・・・」

「ウルージさんが殿をつとめてくれたんだ!キャプテン!・・・・・・でも、やっぱり心配だったから、途中でシャチとペンギンだけ引き返して助けに行ったんだ・・・・・・」

「ある程度は持ちこたえたんだが・・・・・・とうとう限界がきてな、ここまでか・・・・・・と思ったその時、大量の銃声が鳴ったんだ。何がなんだか分からなかったが、おれ達の前に一人の男が姿を現してこう言った――」

 

「おれの名前はヴィト、以後、お見知りおきを」

 

「・・・・・・ってさ」

「・・・・・・」

 ウルージという男、ヴィトと名乗った男、恐らく自分達と同じ様に国に入って襲われた者達だろう、とローは考える。

 彼等の目的は分からないが、ロー達の力を貸してほしくて助けたのは確かなようだ。

「そのウルージっていう奴はこの家にいるんだな?」

「話を聞きに行くんだな。・・・・・・肩貨すか?」

 シャチのその言葉には意地悪と気遣いが混在していた。対してローはそっけなく答える。

「いらねェよ」

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