梅雨は明け、夏の日差しが強くなってきたこの頃。
用意周到に家と戸籍を用意していた助手と一緒に博士に引っ張られ、使用人もいる立派な屋敷に住むことになった。
そして、早速問題発生だ。
その問題っていうのは、使用人が変態ってことでも、助手がもっと変態ってことでもない。
いや、それも相当大問題なんだが。
それよりも、問題なのは。
我が娘が行方不明なのだ!!
屋敷が広すぎたせいで、おトイレに行った我が娘が1時間ほど帰って来ない!!
この屋敷、洋風な煉瓦造の外壁でとてもモダンでお洒落な雰囲気なのだが、中身は忍者屋敷よりも難解だ。
設計したのは助手らしいのだが、この助手、指名手配犯らしい。
通りで何処かで見たことあるはずだよ…
そう、だからいつ嗅ぎ付けられるかわからないから直ぐに逃げ出せる脱出口をいくつも用意してある、というわけらしい。
くっ…こんな変態の為に我が娘が犠牲になるなんて…
なんて言って助手を責める訳にもいかない、さっさと捜索が開始された。
メイド姿をした使用人も手伝ってくれるそうだ。
因みにこのメイドも犯罪者で、腕の立つ暗殺者らしい。
初対面の時は性犯罪者かと思ってしまったが、仕方ないだろう。
だって娘と目が合ったと思ったら服を脱ぎ出して抱きついてきたんだからな。
単純な変態力ならば助手より勝っている。
当然、鉄拳制裁で引き剥がしてやろうと思ったのだが流石は暗殺者。
そこそこ速度の乗ったパンチを躱し、そのまま娘に抱きついた。
娘は茹で蛸のように赤面して、必死に振りほどこうともがいていた。
あ、勿論吹っ飛びましたよ変態女装メイドは。
うちの娘の膂力はラグビー選手30人分以上だ。
それからも、隙あらば抱きつき、ベッドまで引きずろうと努力している。
お父さんはそんなん許さんし、なんなら娘の方が強い。
本題に戻ろう。
一応自分自身も屋敷の地図は一通り覚えているのだが、その程度で位置がわかったら苦労しない。
取り敢えず、一番近い位置にある女性用トイレから攻めていく事にした。
因みにこの屋敷にトイレは20個程ある。
部屋数は約100だ。
どこの王族の家だよ。
さて、女性用トイレである。
変態女装メイドが自然と中に入ろうとしていたが、足を引っ掛けて止めておいた。
丁度そこのトイレから博士が出てきた為、メイドは更なる制裁を受けることになってしまった。
「…で、あの子が居なくなってしまったわけか。」
使い古されているが、綺麗な状態を保たれている白いハンカチで手を拭きながら博士がそう尋ねる。
拭いている方の手にはスタンガンが握られている。
俺もあらぬ誤解を受け、電流を喰らったところだ。
痛い。
「ああ、一大事だろう。」
なるべく真剣な顔つきでそう言う。
この博士も娘のことは気に入っているみたいだから、協力を望めるかもしれない。
「…わざわざ捜しまわらんでも、GPSを付けてある。…端末だ、使え。」
え、怖い。
端末には我々全員の位置が示されており、名前が表示されている。
「白」
と、表示されているのがうちの娘の位置のようだ。
…屋敷の外を、高速で移動している。
それを見た瞬間、一瞬で臨戦態勢になった。
老い始めた身体のことを置いてけぼりにして、バイクに迫る速度で駆け出す。
こんなに近くにいたのに、誘拐に気づかなかった。
親失格だ。
出入り口近くの窓を開け放ち、そこから飛び出る。
そうして、そのままバイクに乗ってエンジンを掛ける。
このバイク、よく分からない装甲が付いているのにも関わらず、あり得ないほどのスピードがでる。
サラマンダーもびっくりである。
あと、空も飛ぶ。
さあ、覚悟しとけよ誘拐犯。
ペドフィリアの誘拐犯は俺がぶっ○す!
次回!誘拐犯死す。
テロスタンバイ!